CLL030 Th P1615 1011 J

放熱設計
CLL030 Series
※CLL032 Seriesを含む
LEDの性能を最大限に発揮させる上で、必須要件となっているのが放熱設計です。
適切な放熱設計をしていただくために、本書では製品の詳細な放熱構造と照明機器などの
熱設計時に必要と思われる資料を参考として提供します。
CONTENTS
1.
はじめに
P.2
2.
パッケージ構造と熱抵抗
P.2
3.
パッケージ外の熱設計
P.3
4-1.
シミュレーション(CLL030-1205A1)
P.4
4-2. シミュレーション(CLL030-1206A1)
P.5
4-3. シミュレーション(CLL030-1208A1)
P.6
4-4. シミュレーション(CLL030-1212A1)
P.7
シチズン電子株式会社
〒403-0001 山梨県富士吉田市上暮地1-23-1 TEL 0555-23-4121 http://ce.citizen.co.jp
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放熱設計
CLL030 Series
LEDが発した熱を効率的に伝導できる、
放熱構造となっています。
1.
はじめに
放熱構造の重要性について
LEDの発光素子は投入電力に応じた光と熱を発します。
し
外 郭 部 の 特 定 部 位の 温 度(ケース温 度)
:T c [ ℃ ]を測 定し、
かしLEDパッケージでの表面積は非常に小さく、パッケージ
ジャンクションとケース間の熱抵抗:Rj-c[℃/W]及び、発熱量
レベルでの大気中への熱放射はほとんど期待できません。そ
≒投入電力:Pd[W]を用いてTj[℃]を計算します。
のため、ヒートシンクなどの外部放熱器が必要となり、その放
CLL030シリーズのパッケージは、熱抵抗:Rj-cを最小限に
熱器との接続部位までは、主に熱伝導を利用した放熱構造と
抑える構造により、発光素子で発生した熱を効率的に外部放
なります。
熱器まで伝導させることが可能です。
LEDパッケージでは、発光素子のジャンクション温度:Tjの
本書では、CLL030シリーズの詳細な放熱構造を示すとと
管理が大変重要で、いかなる条件下においても仕様書の絶
もに、照明機器などの熱設計時に必要な資料を提供する事
対最大定格値以下にする必要があります。
しかしながら、Tjを
でLEDの持つ性能を最大限に活かしていただく事を目的とし
直接的に測定することは困難であるため、通常はパッケージ
ています。
2.
パッケージ構造と熱抵抗
ジャンクション温度把握のために
CLL030シリーズのパッケージを外部ヒートシンクに接続
シンクに伝わります。ここで、発光素子のジャンクション部か
した場合の断面構造例を図1(a)に示します。パッケージは、
らパッケージ外郭部のアルミニウム基板面までの熱抵抗が
アルミニウム基板と絶縁層ならびに通電用銅箔パターンの
Rj-cとなり、パッケージ固有の熱抵抗値となります。
積層構造になっています。
従って、以下の式が成り立ちます。
ここで特徴的なのは、発光素子は熱伝導率の低い絶縁層
Tj = Rj-c・Pd + Tc
上ではなく熱伝導率の高いアルミニウム基板に直接マウント
されていることです。これにより、発光素子で発生した熱を効
さらに パッケージ 外 部 のグリース( 接 着 剤)の 熱 抵 抗 は
率よくパッケージ外部へ伝導することが可能となります。
Rb[℃/W]、ヒートシンクの熱抵抗はRh[℃/W]、周囲環境温度
パッケージ外郭部のアルミニウム基板面は、放熱性のグリ
はTa[℃]となります。
ース(または接着剤)を介してヒートシンクに熱的に接続され
図1(b)は図1(a)の断面図に沿っ
ます。前述したように、発光素子のジャンクション部で発生す
た等価熱抵抗を示しています。この
る熱は主に熱伝導を利用し、発光素子→素子マウント用接着
ように、ジャンクション温度:T jと周
剤→アルミニウム基板→グリース(接着剤)を介して、ヒート
囲環境温度:Taの間に、熱抵抗Rj-c、
Rb、Rhが直列に接続されることとな
■図1(a)Cross Section
Cross-section diagram
LED die
ります。ここで、パッケージ外の熱抵
Tj
抗であるRbとRhをまとめて熱抵抗
Aluminum
Bond
Rj-c
Rc-aとすることもできます。
Tc
■図1(b)Thermal Resistance
Connection
Tj
Rj-c
Tc
Rb
Rj-c
Tc
Rc-a
Rh
つまり、以下の式も成り立ちます。
Rb
Ta
Heat Sink
Tj
Rh
Ta
Tj = ( Rj-c + Rc-a )・Pd + Ta
Ta
2
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放熱設計
CLL030 Series
パッケージ外熱抵抗と周囲環境温度の相関を
外部放熱機構を設計する上での参考としてお役立て下さい。
3. パッケージ外の熱設計
外部放熱機構のポイントについて
放熱用グリース(接着剤)とヒートシンクを合わせたパッ
温度:Taとパッケージ外熱抵抗:Rc-aの関係を駆動電流別に
ケージ外熱抵抗:Rc-a[℃/W]は、投入電力:Pd[W]、および周
表したグラフです。
囲環境温度:Ta[℃]、ならびにパッケージ熱抵抗:Rj-c[℃/W]
周囲環境温度:Taが高くなるほど、そして駆動電流値が大
で制限されます。 きくなるほど許容されるパッケージ外熱抵抗:Rc-a=Rb+Rh
つまり、
が小さくなっていきます。
つまりTjを仕様書上の絶対最大定格値である150℃に抑える
Tj = ( Rj-c + Rc-a )・Pd + Ta Rc-a =( Tj - Ta ) / Pd - Rj-c
ためには、周囲環境温度が高くなるほど、そして駆動電流値が
これをTjの関数にすると、
大きくなるほど、
より熱抵抗の小さい≒放熱性能の高いグリー
ス(接着剤)およびヒートシンクが必要になることを示していま
Rc-a = -Ta / Pd + Tj / Pd - Rj-c
す。
よって、外部放熱部材選定の際には図2をひとつの目安とし
となり、傾き-1/Pdで切片がTj/ Pd - Rj-cの直線になります。
ていただき、最終的には実機による熱検証をお願い致します。
図2はCLL030-1205A1パッケージにおいて、Tjを仕様書上
図3にCLL030-1206A1、図4 にCLL030-1208A1、図5に
の絶対最大定格値である150℃に想定した場合の、周囲環境
CLL030-1212A1パッケージにおける同様のグラフを示します。
■図2 Ta-Rc-a(CLL030-1205A1)
■図3 Ta-Rc-a(CLL030-1206A1)
Rj-c=1.7(℃/W)
(℃/W)25
20
600mA
300mA
450mA
200mA
Rj-c=1.5(℃/W)
(℃/W)20
15
720mA
360mA
540mA
240mA
15
10
10
5
5
0
0
0
5
25
45
65
Ta
0
85
20
40
60
Ta
(℃)
■図4 Ta-Rc-a(CLL030-1208A1)
80
(℃)
■図5 Ta-Rc-a(CLL030-1212A1)
Rj-c=1.2(℃/W)
(℃/W)14
12
960mA
480mA
10
720mA
320mA
Rj-c=0.8(℃/W)
(℃/W)10
8
8
6
6
4
1440mA
720mA
1080mA
480mA
4
2
2
0
0
0
20
40
Ta
60
80
0
20
40
Ta
(℃)
3
60
80
(℃)
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CLL030 Series
4-1. シミュレーション(CLL030-1205A1)
Structure figure of analytical model
有効な熱設計のために
Tc point(Cathode)
熱設計を行う際には、シミュレーションも有効な手段のひ
CLL030-1205A1
とつ に なります。参 考 の た め 、下 記 条 件 のもと、C L L 0 3 0 Thermal conductive grease
1205A1パッケージを熱伝導性シートでヒートシンクに接続
した時の、シミュレーション結果を図6(a)、(b)に示します。
境界条件
L
周囲環境温度 : Ta=25℃
解析空間
: 400mm×400mm×(350+L)mm
壁面条件
: 上面=Open、他面=25℃
放熱条件
: 自然対流
W
( Variable )
H
モデル条件
熱伝導性シートの熱伝導率 : 4.5W/m・K
熱伝導性シートの厚み
: t=0.12mm
ヒートシンクの材質
: アルミ
(フィン数=6)
外形 : W 64mm × H 40mm
(可変)mm
*断面積:1099mm 2、L:
■図6(a) Characteristic of heat sink surface area - junction temperature Tj
■図6(b)Characteristic of input power - junction temperature Tj
(℃)80
(℃)100
75
90
80
Input Power : 11.0W
70
70
65
60
60
50
55
40
S = 200,000mm2
30
50
20
45
10
40
0
50,000
100,000
150,000
200,000
Surface area of the heatsink
250,000
0
300,000
0
5
10
15
Input power
(mm2)
20
25
30
(W)
※上記データはシミュレーション値であり、実際の測定値を保障したものではありません。
実際に使用する条件で、評価、検証を行って下さい。
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4-2. シミュレーション(CLL030-1206A1)
Structure figure of analytical model
有効な熱設計のために
Tc point(Cathode)
熱設計を行う際には、シミュレーションも有効な手段のひ
CLL030-1206A1
とつ に なります。参 考 の た め 、下 記 条 件 のもと、C L L 0 3 0 Thermal conductive grease
1206A1パッケージを熱伝導性シートでヒートシンクに接続
した時の、シミュレーション結果を図7(a)、(b)に示します。
境界条件
L
周囲環境温度 : Ta=25℃
解析空間
: 400mm×400mm×(350+L)mm
壁面条件
: 上面=Open、他面=25℃
放熱条件
: 自然対流
W
( Variable )
H
モデル条件
熱伝導性シートの熱伝導率 : 4.5W/m・K
熱伝導性シートの厚み
: t=0.12mm
ヒートシンクの材質
: アルミ
(フィン数=6)
外形 : W 64mm × H 40mm
(可変)mm
*断面積:1099mm 2、L:
■図7(a) Characteristic of heat sink surface area - junction temperature Tj
■図7(b)Characteristic of input power - junction temperature Tj
(℃)90
(℃)120
85
100
80
Input Power : 13.2W
75
80
70
65
60
60
40
55
50
S = 200,000mm2
20
45
40
0
50,000
100,000
150,000
200,000
Surface area of the heatsink
250,000
0
300,000
0
5
10
15
20
Input power
(mm2)
25
30
35
(W)
※上記データはシミュレーション値であり、実際の測定値を保障したものではありません。
実際に使用する条件で、評価、検証を行って下さい。
5
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4-3. シミュレーション(CLL030-1208A1)
Structure figure of analytical model
有効な熱設計のために
Tc point(Cathode)
熱設計を行う際には、シミュレーションも有効な手段のひ
CLL030-1208A1
とつ に なります。参 考 の た め 、下 記 条 件 のもと、C L L 0 3 0 Thermal conductive grease
1208A1パッケージを熱伝導性シートでヒートシンクに接続
した時の、シミュレーション結果を図8(a)、(b)に示します。
境界条件
L
周囲環境温度 : Ta=25℃
解析空間
: 400mm×400mm×(350+L)mm
壁面条件
: 上面=Open、他面=25℃
放熱条件
: 自然対流
W
( Variable )
H
モデル条件
熱伝導性シートの熱伝導率 : 4.5W/m・K
熱伝導性シートの厚み
: t=0.12mm
ヒートシンクの材質
: アルミ
(フィン数=6)
外形 : W 64mm × H 40mm
(可変)mm
*断面積:1099mm 2、L:
■図8(a) Characteristic of heat sink surface area - junction temperature Tj
■図8(b)Characteristic of input power - junction temperature Tj
(℃)80
(℃)140
120
90
Input Power : 17.6W
100
70
80
80
60
60
S = 200,000mm2
40
50
20
40
0
50,000
100,000
150,000
200,000
Surface area of the heatsink
250,000
0
300,000
0
10
20
30
Input power
(mm2)
40
50
(W)
※上記データはシミュレーション値であり、実際の測定値を保障したものではありません。
実際に使用する条件で、評価、検証を行って下さい。
6
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4-4. シミュレーション(CLL030-1212A1)
Structure figure of analytical model
有効な熱設計のために
Tc point(Cathode)
熱設計を行う際には、シミュレーションも有効な手段のひ
CLL030-1212A1
とつ に なります。参 考 の た め 、下 記 条 件 のもと、C L L 0 3 0 Thermal conductive grease
1212A1パッケージを熱伝導性シートでヒートシンクに接続
した時の、シミュレーション結果を図9(a)、(b)に示します。
境界条件
L
周囲環境温度 : Ta=25℃
解析空間
: 400mm×400mm×(350+L)mm
壁面条件
: 上面=Open、他面=25℃
放熱条件
: 自然対流
W
( Variable )
H
モデル条件
熱伝導性シートの熱伝導率 : 4.5W/m・K
熱伝導性シートの厚み
: t=0.12mm
ヒートシンクの材質
: アルミ
(フィン数=6)
外形 : W 64mm × H 40mm
(可変)mm
*断面積:1099mm 2、L:
■図9(a) Characteristic of heat sink surface area - junction temperature Tj
■図9(b)Characteristic of input power - junction temperature Tj
130
(℃)
(℃)100
120
140
Input Power : 26.4W
110
120
100
100
90
80
80
60
70
60
40
50
20
40
0
Surface area of the heatsink
S = 200,000mm2
0
10
20
30
40
Input power
(mm2)
50
60
70
(W)
※上記データはシミュレーション値であり、実際の測定値を保障したものではありません。
実際に使用する条件で、評価、検証を行って下さい。
7
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