日本語版

8 MHz のレール to
レール・オペアンプ
AD8519/AD8529
特長
ピン配置
省スペースのSOT-23およびμSOICパッケージ
広帯域幅: 8 MHz @ 5 V
8ピンSOIC
(Rサフィックス)
低オフセット電圧:1.2 mV(Max)
レールtoレール出力振幅
2.7 V/μsのスルー・レート
安定な単一ゲイン
AD8519
NC 1
8 NC
–IN A 2
+IN A 3
7 V+
V–
5 NC
6 OUT A
4
単電源動作:+2.7 ∼ +12 V
NC = 接続なし
アプリケーション
携帯型通信機器
マイクロホン・アンプ
携帯電話
センサー・インターフェース
5ピンSOT-23
(RTサフィックス)
OUT A 1
5 V+
V– 2
アクティブ・フィルタ
PCMCIAカード
AD8519
+IN A 3
4 –IN A
ASICの入力ドライバ
可搬型コンピュータ
バッテリ駆動機器
基準電圧バッファ
パーソナル・デジタル・アシスト(PDA)
8ピンSOIC
(Rサフィックス)
OUT A 1
8 V1
AD8529
上面図
–IN A 2
概要
+IN A 3
AD8519とAD8529は、8 MHzの単一ゲイン帯域幅と1 mV以下の電
V2
4
7 OUT B
6 –IN B
5 +IN B
圧オフセット(typ値)を持つレールtoレール出力のバイポーラ・ア
ンプです。AD8519は、SOT-23パッケージの採用により高精度と帯域
幅が可能になっています。低電源電流により、AD8519/AD8529は
バッテリ駆動のアプリケーションに最適です。AD8519/AD8529の
レールtoレール出力振幅は標準のビデオ・オペアンプより大きく、
標準ビデオ・オペアンプより広いダイナミック・レンジを必要とす
るアプリケーションに有効です。+2.7 V/μsのスルー・レートを持
8ピンμSOIC
(RMサフィックス)
OUT A
–IN A
+IN A
V2
1
8
AD8529
4
5
V+
OUT B
–IN B
+IN B
つため、
AD8529/AD8549は音声コーデックなどのASICの入力を駆動
するのに最適です。
小型のSOT-23パッケージの採用により、
センサーの隣にAD8519を
配置することが可能で、外部ノイズの混入を減らすことができま
す。
AD8519/AD8529は拡張工業用
(−40∼+125℃)温度範囲の仕様を
満たしています。AD8519は、5ピンのSOT-23-5パッケージまたはSO8表面実装パッケージで供給しています。AD8529は、8ピンのSOIC
パッケージまたはμSOICパッケージで供給しています。
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、
当社はその情報の利用、また利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権
利の侵害に関して一切の責任を負いません。さらにアナログ・デバイセズ社の特許また
は特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1 - 1 6 - 1 電話03(5402)8200 〒105−6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
大阪営業所/大阪市淀川区宮原3 - 5 - 3 6 電話06(6350)6868㈹ 〒532−0003
新大阪第2森ビル
AD8519/AD8529 ―仕様
電気的特性(特に指定のない限り、VS=+5.0 V、V−= 0 V、VCM=+2.5 V、TA=+25℃)
パラメータ
記号
条件
VOS
Min
Typ
Max
単位
AD8519ART
(SOT-23-5)
600
1,100
μV
−40℃≦TA≦+125℃
800
1,300
μV
AD8519AR
(SO-8)
、AD8529
600
1,000
μV
1,100
μV
300
nA
400
nA
±50
nA
±100
nA
+4
V
入力特性
オフセット電圧
オフセット電圧
VOS
−40℃≦TA≦+125℃
入力バイアス電流
IB
−40℃≦TA≦+125℃
入力オフセット電流
IOS
−40℃≦TA≦+125℃
入力電圧範囲
VCM
同相モード除去比
CMRR
0 V≦VCM≦+4.0 V、
大信号電圧ゲイン
AVO
RL=2 kΩ、+0.5 V<VOUT<+4.5 V
0
−40℃≦TA≦+125℃
63
RL=10 kΩ、+0.5 V<VOUT<+4.5 V
50
RL=10 kΩ、−40℃≦TA≦+125℃
30
100
dB
30
V/mV
100
V/mV
V/mV
オフセット電圧ドリフト
ΔVOS/ΔT
2
μV/℃
バイアス電流ドリフト
ΔIB/ΔT
500
pA/℃
出力特性
出力電圧振幅High
出力電圧振幅Low
VOH
VOL
短絡電流
ISC
最大出力電流
IOUT
IL=250μA
−40℃≦TA≦+125℃
+4.90
V
IL=5 mA
+4.80
V
IL=250μA
−40℃≦TA≦+125℃
80
mV
IL=5 mA
200
mV
グランドへ短絡、瞬時
±70
mA
±25
mA
110
dB
電源
電源変動除去比
PSRR
電源電流/アンプ
ISY
VS=+2.7 ∼ +7 V、
−40℃≦TA≦+125℃
80
VOUT=+2.5 V
600
−40℃≦TA≦+125℃
dB
1,200
μA
1,400
μA
ダイナミック性能
スルー・レート
SR
+1 V<VOUT<+4 V、
RL=10 kΩ
2.9
V/μs
整定時間
tS
0.01%までの整定
1,200
ns
ゲイン帯域幅積
GBP
8
MHz
位相マージン
φm
60
度
ノイズ性能
電圧ノイズ
en p-p
0.1 ∼ 10 Hz
0.5
μV p-p
電圧ノイズ密度
en
f=1 kHz
7
nV/√Hz
電流ノイズ密度
in
f=1 kHz
0.4
pA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
−2−
REV.0
AD8519/AD8529
電気的特性(特に指定のない限り、VS=+3.0 V、V−=0 V、VCM=+1.5 V、TA=+25℃)
パラメータ
記号
条件
VOS
Min
Typ
Max
単位
AD8519ART
(SOT-23-5)
700
1,200
μV
−40℃≦TA≦+125℃
900
1,400
μV
AD8519AR
(SO-8)
、AD8529
700
1,100
μV
1,200
μV
300
nA
±50
nA
+2
V
入力特性
オフセット電圧
VOS
−40℃≦TA≦+125℃
入力バイアス電流
IB
入力オフセット電流
IOS
入力電圧範囲
VCM
同相モード除去比
CMRR
0
0 V≦VCM≦+2.0 V、
−40℃≦TA≦+125℃
大信号電圧ゲイン
AVO
55
RL=2 kΩ、+0.5 V<VOUT<+2.5 V
75
dB
20
V/mV
30
V/mV
RL=10 kΩ
20
IL=250μA
+2.90
V
IL=5 mA
+2.80
V
出力特性
出力電圧振幅High
出力電圧振幅Low
VOH
VOL
IL=250μA
100
mV
IL=5 mA
200
mV
電源
電源変動除去比
PSRR
VS=+2.5 ∼ +7 V、
−40℃≦TA≦+125℃
電源電流/アンプ
ISY
VOUT=+1.5 V
60
80
600
−40℃≦TA≦+125℃
dB
1,100
μA
1,300
μA
ダイナミック性能
スルー・レート
SR
RL=10 kΩ
1.5
V/μs
整定時間
tS
0.01%までの整定
2,000
ns
ゲイン帯域幅積
GBP
6
MHz
位相マージン
φm
55
度
ノイズ性能
電圧ノイズ密度
en
f=1 kHz
10
nV/√Hz
電流ノイズ密度
in
f=1 kHz
0.4
pA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
REV.0
−3−
AD8519/AD8529 ―仕様
電気的特性(特に指定のない限り、VS=+2.7 V、V−=0 V、VCM=+1.35 V、TA=+25℃)
パラメータ
記号
条件
VOS
Min
Typ
Max
単位
AD8519ART
(SOT-23-5)
700
1,400
μV
−40℃≦TA≦+125℃
900
1,600
μV
AD8519AR
(SO-8)
、AD8529
700
1,200
μV
1,300
μV
300
nA
±50
nA
+2
V
入力特性
オフセット電圧
VOS
−40℃≦TA≦+125℃
入力バイアス電流
IB
入力オフセット電流
IOS
入力電圧範囲
VCM
同相モード除去比
CMRR
0
0 V≦VCM≦+1.7 V、
−40℃≦TA≦+125℃
大信号電圧ゲイン
AVO
55
RL=2 kΩ、+0.5 V<VOUT<+2.2 V
75
dB
20
V/mV
30
V/mV
RL=10 kΩ
20
IL=250μA
+2.60
V
IL=5 mA
+2.50
V
出力特性
出力電圧振幅High
出力電圧振幅Low
VOH
VOL
IL=250μA
100
mV
IL=5 mA
200
mV
電源電源
変動除去比
PSRR
電源電流/アンプ
VS=+2.5 ∼ +7 V、
−40℃≦TA≦+125℃
ISY
VOUT=+1.35 V
60
80
600
−40℃≦TA≦+125℃
dB
1,100
μA
1,300
μA
ダイナミック性能
スルー・レート
SR
RL=10 kΩ
1.5
V/μs
整定時間
tS
0.01%までの整定
2,000
ns
ゲイン帯域幅積
GBP
6
MHz
位相マージン
φm
55
度
ノイズ性能
電圧ノイズ密度
en
f=1 kHz
10
nV/√Hz
電流ノイズ密度
in
f=1 kHz
0.4
pA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
−4−
REV.0
AD8519/AD8529
電気的特性(特に指定のない限り、VS=+5.0 V、V−=−5 V、VCM=0 V、TA=+25℃)
パラメータ
記号
条件
VOS
Min
Typ
Max
単位
AD8519ART
(SOT-23-5)
600
1,100
μV
−40℃≦TA≦+125℃
800
1,300
μV
AD8519AR
(SO-8)
、AD8529
600
1,000
μV
−40℃≦TA≦+125℃
1,100
μV
nA
入力特性
オフセット電圧
VOS
入力バイアス電流
IB
入力オフセット電流
IOS
VCM=0 V
300
VCM=0 V、−40℃≦TA≦+125℃
400
nA
VCM=0 V
±50
nA
VCM=0 V、−40℃≦TA≦+125℃
±100
nA
+4
V
入力電圧範囲
VCM
同相モード除去比
CMRR
−4.9 V≦VCM≦+4.0 V、
大信号電圧ゲイン
AVO
RL=2 kΩ
−5
−40℃≦TA≦+125℃
70
RL=10 kΩ
50
−40℃≦TA≦+125℃
25
100
dB
30
V/mV
200
V/mV
V/mV
オフセット電圧ドリフト
ΔVOS/ΔT
2
μV/℃
バイアス電流ドリフト
ΔIB/ΔT
500
pA/℃
出力特性
出力電圧振幅High
出力電圧振幅Low
VOH
VOL
短絡電流
ISC
最大出力電流
IOUT
IL=250μA
−40℃≦TA≦+125℃
+4.90
V
IL=5 mA
+4.80
V
IL=250μA
−40℃≦TA≦+125℃
−4.90
V
IL=5 mA
−4.80
V
グランドへ短絡、瞬時
±70
mA
±25
mA
電源電源
変動除去比
PSRR
電源電流/アンプ
VS=±1.5 ∼ +6 V、
−40℃≦TA≦+125℃
ISY
VOUT=0 V
60
100
600
−40℃≦TA≦+125℃
dB
1,200
μA
1,400
μA
ダイナミック性能
スルー・レート
SR
−4 V<VOUT<+4 V、
RL=10 kΩ
2.9
V/μs
整定時間
tS
0.01%までの整定
1,000
ns
ゲイン帯域幅積
GBP
8
MHz
位相マージン
φm
60
度
ノイズ性能
電圧ノイズ密度
en
f=1 kHz
7
nV/√Hz
電流ノイズ密度
in
f=1 kHz
0.4
pA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
REV.0
−5−
AD8519/AD8529
絶対最大定格1
電源電圧 ……………………………………………………… ±6 V
入力電圧2 ……………………………………………………… ±6 V
差動入力電圧3 ………………………………………………
±0.6 V
内部消費電力
SOT-23(RT) ………………
ディレーティング・カーブに従う
SOIC(R) …………………
ディレーティング・カーブに従う
μSOIC(RM) ……………
ディレーティング・カーブに従う
出力短絡持続時間
ディレーティング・カーブに従う
…………
パッケージ・タイプ
θJA1
θJC
単位
5ピンSOT-23
(RT)
230
146
℃/W
8ピンSOIC
(R)
158
43
℃/W
8ピンμSOIC
(RM)
210
45
℃/W
注
1 θJAはワースト・ケース条件に対する仕様です。すなわち、θJAはデバイスが回路ボードに
ハンダ付けされた状態のSOT-23パッケージとSOICパッケージに対する仕様です。
オーダー・ガイド
保存温度範囲
モデル
温度範囲
パッケージ
動作温度範囲
AD8519、AD8529 ………………………………… −40 ∼ +125℃
接合温度範囲
AD8519ART1
−40 ∼ +125℃
5ピンSOT-23
RT-5
AD8519AR
−40 ∼ +125℃
8ピンSOIC
SO-8
−40 ∼ +125℃
8ピンSOIC
SO-8
−40 ∼ +125℃
8ピンμSOIC
RM-8
AD8529AR
RTパッケージ、Sパッケージ …………………… −65 ∼ +150℃
2
AD8529ARM
端子温度範囲(ハンダ処理、60 sec)……………………… +300℃
注
1 上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えるとデバイスに永久的な損傷を与えることが
あります。この規定はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作
セクションに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイ
スを長時間絶対最大定格状態に置くとデバイスの信頼性に影響を与えます。
2 ±6 Vより低い電源電圧に対しては、入力電圧は電源電圧以下に制限されます。
3 ±0.6 Vより大きい差動入力電圧に対しては、入力電流を5 mAより小さい値に制限して、入
力デバイスの性能低下または損傷を防止する必要があります。
パッケージ・
オプション
RTパッケージ、Sパッケージ …………………… −65 ∼ +150℃
注
1 3,000個のリールのみで供給
2 2,500個のリールのみで供給
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000 Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知さ
れることなく放電されることもあります。このAD8519/AD8529には当社独自のESD保護回路が備えられていますが、高エ
ネルギーの静電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ることもあります。したがって、性能低下や機能喪失
を避けるために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
−6−
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
REV.0
代表的な特性―AD8519/AD8529
60
50
アンプ数 = 395個
VS = +5V
700
30
20
550
電源電流 – µA
電源電流 – µA
40
アンプ数
800
600
VS = +5V
TA = +25˚C
500
600
VS = +10V
500
VS = +2.7V, +3.0V
400
10
0
–1
0.2
0.6
–0.2
–0.6
入力オフセット電圧 – mV
450
1
図1.入力オフセット電圧の分布
0
4
2
6
8
電源電圧 – V
10
300
–50
12
図2.1アンプ当たりの電源電流と電源電圧
–25
0
25
100 125 150
50
75
温度 – ˚C
図3.1アンプ当たりの電源電流と温度の
関係
120
–80
–120
–160
80
60
40
45
ゲイン
30
90
20
ゲイン – dB
–40
VS = +5V
TA = +25˚C
40
100
同相モード除去比 – dB
入力バイアス電流 – nA
0
50
VS = +5V
VS = +5V
TA = +25˚C
10
135
位相
0
180
–10
225
–20
270
–200
0
1
2
3
同相モード電圧– V
4
20
5
図4.入力バイアス電流と同相モード電圧
0
5
0
–20
100k
1M
周波数 – Hz
10M
100M
図7.クローズ・ループ・ゲインと周波数
100M
相と周波数の関係
90
VS = +5V
TA = +25˚C
100
VS = +5V
TA = +25˚C
80
90
70
80
60
–PSRR
CMRR – dB
20
1M
10M
周波数 – Hz
図6.オープン・ループ・ゲインおよび位
110
VS = +5V
RL = 830Ω
TA = +25˚C
CL 5pF
40
70
60
50
50
30
20
30
10
20
1k
10k
100k
周波数 – Hz
1M
図8.CMRRと周波数の関係
−7−
10M
+PSRR
40
40
の関係
REV.0
4
の関係
60
クローズ・ループ・ゲイン – dB
2
3
同相モード電圧 – V
図5.同相モード除去比と同相モード電圧
の関係
–40
10k
1
–30
100k
PSRR – dB
–240
0
1k
10k
100k
周波数 – Hz
1M
図9.PSRRと周波数の関係
10M
位相シフト – 度
40
AD8519/AD8529
4
VS = +5V
VCM = +2.5V
RL = 10kΩ
TA = +25˚C
VIN = ±50mV
40
ステップ・サイズ – V
30
2 OS
20
+OS
100
容量 – pF
0
–1
0.1%
–2
3
歪み < 1%
2
1
–4
1k
図10.オーバーシュートと負荷容量の関係
1.0
整定時間 – µs
0
0
10k
2.0
図11.整定時間とステップ・サイズの関係
VS = +5V
TA = +25˚C
電圧ノイズ密度 – nV/√Hz
AVCC = 10
150
100
AVCC = 1
10M
8
VS = +5V
TA = +25˚C
70
200
100k
1M
周波数 – Hz
図12.出力振幅と周波数の関係
80
300
出力インピーダンス – Ω
1
–3
0
10
250
4
0.1%
1%
10
VS = +5V
AVCC = 1
RL = 10kΩ
TA = +25˚C
CL = 15pF
1%
VS = +5V
TA = +25˚C
7
電流ノイズ密度 – pA/√Hz
オーバーシュート – %
50
5
VS = +5V
TA = +25˚C
3
最大出力振幅 – V p-p
60
60
50
40
30
20
6
5
4
3
2
50
10
0
100k
1M
周波数 – Hz
10M
0
10
1k
100
10k
10
100
VS = ±2.5V
AV = 100kΩ
en = 0.4 µV p-p
1s
図16.0.1∼10 Hzのノイズ
1k
10k
周波数 – Hz
周波数 – Hz
図13.出力インピーダンスと周波数の関係
20mV
1
0
図14.AD8519の電圧ノイズ密度
VS = ±2.5V
VIN = +6V p-p
AV = 1
図15.AD8519の電流ノイズ密度
VS = ±2.5V
AVCC = 1
TA = +25˚C
CL = 100pF
RL = 10kΩ
20 µs
1V
図17.位相逆転無し
−8−
20mV
500ns
図18.小信号過渡電圧応答
REV.0
AD8519/AD8529
R4
10kΩ
VS = ±2.5V
AVCC = 1
TA = +25˚C
CL = 100pF
R1
10kΩ
R2
10kΩ
ノードA
R3
4.99kΩ
R5
10kΩ
VIN
D1
1N914
D2
1N914
–
U2
+
–
U1
+
R6
5kΩ
500mV
50µs
AD8519
VIRTUAL GROUND =
図19.大信号過渡応答
VOUT
AD8519
R7
3.32kΩ
VCC
2
図20.高精度全波整流器
アプリケーション情報
次の電気的パラメータが満たされる場合、
このタイプの整流器は
消費電力
非常に高精度になります。その電気的パラメータとしては、先ず、
AD8519/AD8529の安全に消費できる最大電力は、
接合温度の上昇
すべての受動部品を高精度に、すなわち1%抵抗と5%キャパシタに
に対応して制限されます。これらのプラスチック・パッケージの安
する必要があります。次に、アプリケーション回路が高インピーダ
全な最大接合温度は、+150℃です。瞬時的にこの規定値を超えた
ンスを必要とする場合(すなわち、直接センサー・インターフェー
場合でも、チップ温度が下がると直ちに正常動作に回復します。"
ス)
、AD8519よりはFETアンプを選択する方が良いでしょう。3つ目
上限"を超えた状態で長時間製品を動作させると、デバイスに永久
は、回路でスイッチングが行われるとき、大きなスルー・レート仕
的な損傷を与えることがあります。
様を持つAD8519のようなアンプが好結果を生みます。D1とD2の両
方が一時的にOFFとなったときに、スイッチング・グリッチが発生
高精度全波整流
することがあります。
入力信号が仮想グランド電位に等しくなる毎
高精度整流器をデザインする場合に、スルー・レートは過小評価
されやすいパラメータです。優れたスルー・レートなしでは、両ダ
イオードがOFFの間に大きなグリッチが発生します。
にこの状態が発生します。この状態が発生すると、U1ステージは
VOUTの式から外れ、VOUTはVIN×R5×(R4 | | R1+R2+R3)に等しくな
ります。ノードAはVINの反転すなわち仮想グランドになりますが、
スルー・レートについてさらに調べる前に、基本回路の動作を考
この状態で、ノードAは単純にVINに追従することに注意して下さ
察してみます。U1は、2つの動作状態を持つように設定します。ダ
い。仮想グランドを中心とする正弦波が入力されると、整流された
イオードD1とD2は、2つの状態の間で出力をスイッチします。状態
正弦波の鋭い負のピークでグリッチが発生します。
グリッチがオシ
1では、
ゲイン1を持つインバータとして、
状態2では出力が仮想グラ
ロスコープで観測できない場合は、
正弦波の周波数を上げて観測で
ンドの値に等しいゲイン1の単純なバッファとして、それぞれ機能
きるようにします。グリッチの大きさは、入力周波数、ダイオード・
します。仮想グランドは、U1の非反転ノードの電位です。VINが仮
ターンオン電位(+0.2 Vまたは+0.65 V)、オペアンプのスルー・
想グランドより高いとき、状態1がアクティブになります。D2はON
レートに比例します。
状態です。VINが仮想グランドより低くなると、D2がターンオフし
電圧オフセットに関係するバイアス電流を制限するために、
R6と
てD1がターンオンします。これにより、U1の出力は単に仮想グラ
R7が必要です。D1とD2のスイッチのために反転ノードでのイン
ンドをバッファするだけになり、この設定が状態2になります。こ
ピーダンスが変化してしまうので、
残念なことに、
R6に対する"完全
のようにして、これらの2つの動作状態により、U1の機能は半波イ
な"値は存在しません。そのため、未解決のバイアス電流に関係す
ンバータになります。U2の機能は、反転された半波をゲイン2で受
るオフセットがある程度存在します。
このオフセット電流を小さく
け取り、
それを元のVIN波形に加算します。これにより全波整流され
するため、小さい値抵抗を使用するか、あるいは、最適化したオフ
た出力が得られます。
セットでも不十分な場合は、FETアンプを選択します。
|
−1
VOUT =VIN −2 VIN <0
|
AD8519は、
+2.7 V単電源での動作速度対消費電力比の独自な組み
合わせ、小型パッケージ(SOT-23)
、低ノイズを提供しており、この
ために大規模生産と高精度の多くの整流回路に対して最適な選択に
なっています。
PC99仕様を満たす10倍のマイクロホン・プリアンプ
この回路は独自のトポロジを持ってはいませんが、
AD8519をオペ
アンプとして使用すると、かなりのことができます。このプリアン
プは周波数範囲20 Hz∼20 kHzで20 dBのゲインを持ち、
THD+N、ダ
イナミック・レンジ、周波数範囲、振幅範囲、クロストークなどの
REV.0
−9−
AD8519/AD8529
全パラメータについて、すべてのPC99要求を満たします。このプリ
図22に、2素子可変ブリッジの回路図を示します。この構成は、一
アンプはPC99仕様を満たすだけでなく、それを超えています。実
般に、
圧力トランスジューサや流速トランスジューサで使用されて
際、このプリアンプは、約100 dBのVOUTノイズを持ちます。この値
います。2素子が変化するため、1素子可変ブリッジと比べると信号
は、多くの業務用20ビット・オーディオ・システムの要求を満たし
変化が2倍となります。このタイプのブリッジの利点はゲイン設定
ています。入力換算ノイズは120 dBです。ゲイン1で120 dB THD+
範囲であり、信号入力なしで0 V出力が得られ、かつ単電源アプリ
Nであるため、
AD8519は今日存在するすべての24ビット業務用オー
ケーションです。不利な点は非線形動作で、R間の整合が必要なこ
ディオ・システムに適合します。言い換えれば、AD8519はその小型
とです。与えられたこれらの条件と特性のセットに対して、
AD8519
かつ低価格にもかかわらず、オーディオ・システム内で性能制約要
はレールtoレール出力と低オフセットを持っているため、
これらの
因になることはありません。
構成で使用することができます。ブリッジ構成で使用した場合の
AD8519は2.1 V/μsと非常に高速であるため、
スルー・レートによ
AD8519の最大の利点は、おそらく、リモート・ブリッジ・センサー
る歪みは低い電圧では発生しません。オーディオ・システムで必要
として配置した場合に得られる利点です。この利点としては、例え
なスルー・レートを決める一般的な経験則は、デザインで与えられ
ば、小型のSOT-23パッケージによりセンサー・パッケージを小さく
た電源電圧にデバイスの最大出力電圧範囲をとり、これを2で除算
できること、
その低消費電力によりバッテリまたは太陽電池からの
した値を使用することです。図21の例では、電源電圧は+2.7 Vで出
リモート給電が可能になること、
長いケーブルを駆動するための高
力はレールtoレールです。これらの値を式に代入すると、2.7/2=+
出力電流駆動が可能なこと、電池2個による+2.7 V動作が可能なこ
1.35 Vとなり、最小理想スルー・レートは1.35 V/μsになります。
となどがあります。
このデータ・シートでは1つのオーディオの例しか与えていませ
んが、
多くのオーディオ回路がAD8519の使用により機能を強化する
+2.7V
ことができます。バス、トレブル、イコライザのようなアクティブ・
RF
オーディオ・フィルタ、オーディオDACの出力におけるPWMフィ
ルタ、バッファ、ミキシング・ステーションの加算器、音量制御の
R
R
ゲイン・ステージなどは幾つかの例です。
–
+
R
R
AD8519
RF
240pF
+2.7V
1kΩ
30.9kΩ
C1
1 µF
MIC
IN
図22.2素子可変ブリッジ・アンプ
+2.7V
コーディク・ライン入力
またはマイク入力
3.09kΩ
–
+
1nF
NPO
46.4kΩ
AD8519
48kΩ
93.1kΩ
+2.7V
+
10µF-電界
図21.10倍のマイクロホン・プリアンプ
2素子可変ブリッジ・アンプ
デザインに使用できる多数のブリッジ構成があります。多様な
ブリッジ、その利点と欠点、その多くの変形については、
『ADIの
1992アンプ・アプリケーション・ガイド』1を参照してください。
1. Adolfo Garcia and James Wong, Chapter 2, 1992 Amplifier Applications Guide.
− 10 −
REV.0
AD8519/AD8529
* AD8519/AD8529 SPICE Macro-model
* 10/98, Ver. 1
* TAM / ADSC
*
* Copyright 1998 by Analog Devices
*
* Refer to “README.DOC” file for License State* ment. Use of this model
* indicates your acceptance of the terms and
* provisions in the License
* Statement.
*
* Node Assignments
*
noninverting input
*
|
inverting input
*
|
| positive supply
*
|
| |
negative supply
*
|
| |
|
output
*
|
| |
|
|
*
|
| |
|
|
. SUBCKT AD8519
1
2 99 50 45
*
* INPUT STAGE
*
Q1 5 7 15 PIX
Q2 6 2 15 PIX
IOS 1 2 1.25E-9
I1 99 15 200E-6
EOS 7 1 POLY(2) (14,98) (73,98) 1E-3 1 1
RC1 5 50 2E3
RC2 6 50 2E3
C1 5 6 1.3E-12
D1 15 8 DX
V1 99 8 DC 0.9
*
* INTERNAL VOLTAGE REFERENCE
*
EREF 98 0 POLY(2) (99,0) (50,0) 0 .5 .5
ISY 99 50 300E-6
*
* CMRR=100dB, ZERO AT 1kHz
*
ECM 13 98 POLY(2) (1,98) (2,98) 0 0.5 0.5
RCM1 13 14 1E6
RCM2 14 98 10
CCM1 13 14 240E-12
*
* PSRR=100dB, ZERO AT 200Hz
*
RPS1 70 0 1E6
RPS2 71 0 1E6
CPS1 99 70 1E-5
CPS2 50 71 1E-5
EPSY 98 72 POLY(2) (70,0) (0,71) 0 1 1
EPS3 72 73 1,59E6
CPS3 72 73 500E-12
RPS4 73 98 15.9
*
* POLE AT 20MHz, ZERO AT 60MHz
*
G1 21 98 (5,6) 5.88E-6
REV.0
R1 21 98 170E3
R2 21 22 85E3
C2 22 98 40E-15
*
* GAIN STAGE
*
G2 25 98 (21,98) 37.5E-6
R5 25 98 1E7
CF 45 25 5E-12
D3 25 99 DX
D4 50 25 DX
*
* OUTPUT STAGE
*
Q3 45 41 99 POUT
Q4 45 43 50 NOUT
EB1 99 40 POLY(1) (98,25) 0.594 1
EB2 42 50 POLY(1) (25,98) 0.594 1
RB1 40 41 500
RB2 42 43 500
*
* MODELS
*
.MODEL PIX PNP (BF=500,IS=1E-14,KF=5E-6)
.MODEL POUT PNP (BF=100,IS=1E-14,BR=0.517)
.MODEL NOUT NPN (BF=100,IS=1E-14,BR=0.413)
.MODEL DX D(IS=1E-14,CJO=1E-15)
.ENDS AD8519
− 11 −
AD8519/AD8529
外形寸法
8ピン小型ボディSOIC
8ピンμSOIC
(SO-8)
(RM-8)
0.1968 (5.00)
0.1890 (4.80)
8
0.1574 (4.00)
0.1497 (3.80) 1
0.122 (3.10)
0.114 (2.90)
5
4
0.2440 (6.20)
0.2284 (5.80)
8
5
0.199 (5.05)
0.187 (4.75)
0.122 (3.10)
0.114 (2.90)
1
ピン1
0.0098 (0.25)
0.0040 (0.10)
D9131-2.7-11/99,1A
サイズはインチと(mm)で示します。
0.0688 (1.75)
0.0532 (1.35)
0.0196 (0.50)
x 45˚
0.0099 (0.25)
4
ピン1
0.0256 (0.65) BSC
0.0500 0.0192 (0.49)
実装面 (1.27)
0.0138 (0.35)
BSC
0.0098 (0.25)
0.0075 (0.19)
0.120 (3.05)
0.112 (2.84)
8˚
0˚ 0.0500 (1.27)
0.0160 (0.41)
0.120 (3.05)
0.112 (2.84)
0.043 (1.09)
0.037 (0.94)
0.006 (0.15)
0.002 (0.05)
0.018 (0.46)
実装面 0.008 (0.20)
0.011 (0.28)
0.003 (0.08)
33˚
27˚
0.028 (0.71)
0.016 (0.41)
5ピンSOT-23
(RT-5)
0.1220 (3.100)
0.1063 (2.700)
0.0709 (1.800)
0.0590 (1.500)
3
2
1
4
5
ピン1
0.1181 (3.000)
0.0984 (2.500)
0.0374 (0.950) REF
0.0748 (1.900)
REF
0.0512 (1.300)
0.0354 (0.900)
0.0079 (0.200)
0.0035 (0.090)
0.0571 (1.450)
0.0354 (0.900)
0.0590 (0.150)
0.0000 (0.000)
0.0197 (0.500)
0.0118 (0.300)
実装面
10˚
0˚
0.0236 (0.600)
0.0039 (0.100)
うにやさ
ゅ
い
し
ちき
PRINTED IN JAPAN
注:
パッケージ外形寸法にはハンダ付け分を含みます。
み
る
「この取扱説明書はエコマーク認定の再生紙を使用しています。」
ど
りをまも
− 12 −
REV.0