ZAJ - 富士電機

取扱説明書
磁気力式酸素分析計
形式:ZAJ-5
INZ-TN5ZAJ
はじめに
このたびは,富士の磁気力式酸素分析計(ZAJ)をお買い上げいただき,まことにありがとうございます。
・ この取扱説明書をよくお読みいただき,十分に理解した上で磁気力式酸素分析計の据け,運転,整備をし
てください。
取扱いを誤ると事故や傷害を発生させる恐れがあります。
・ この磁気力式酸素分析計の仕様は,製品改良のため予告なく変更することがあります。
・ 無断でこの磁気力式酸素分析計の改造は,固く禁止致します。無断で改造したことにより生じた事故につ
いては,一切責任を負いません。
・ この取扱説明書は,実際に磁気力式酸素分析計をお使いになる方が保管してください。
・ お読みになった後は,お使いになる方がいつでも見られる所に必ず保管してください。
・ この取扱説明書は,必ず最終需要家まで渡るように配慮してください。
納入品一覧
名
称
個 数
備
考
分 析 計 本 体
1
フ ィ ル タ
2
予備品
絞
り
1
予備品
パ ッ キ ン グ
2
予備品(フィルタの周り)
パ ッ キ ン グ
4
予備品(絞り用)
ヒ ュ ー ズ
2
2A
取 扱 説 明 書
1
試 験 成 績 表
1
ス
2
パ
ナ
補助ガスジョイント用工具
製 造 者 : 富士電機株式会社
形
式 : 本体社銘板に記す。
製造年月日 : 本体社銘板に記す。
製 造 国 : 日 本
© 富士電機株式会社
お 願 い
・本書の内容の一部,または全部を無断で転載することは禁止されています。
・本書の内容に関しましては,将来予告なしに変更することがあります。
・本書の中で分かりにくい箇所,記述の誤り,記載もれなどお気づきの点が
ございましたら,巻末のマニュアルコメント用紙にご記入のうえ,担当営
業員にお渡しください。
-i-
発
行
2013
2013-04
目
次
5.3.2 レンジ切換モード················· 5-5
はじめに·································· -i-
5.3.3 校正濃度値設定モード
安全上のご注意 ························· -ⅲ-
(手動校正,自動校正共通)····· 5-6
5.3.4 アラーム値設定モード
1.概要および動作原理····················· 1-1
(オプション) ··············· 5-7
1.1 概要 ······························ 1-1
5.3.5 自動校正モード
1.2 動作原理 ·························· 1-1
(オプション) ··············· 5-9
2.各部の名称と説明······················· 2-1
5.3.6 調整モード····················· 5-11
2.1 ケース各部の名称と説明············· 2-1
5.4 設定動作タイミング················· 5-14
2.2 表示・操作パネルの名称と説明········ 2-2
5.4.1 ホールドの動作················· 5-14
5.4.2 アラームの動作················· 5-15
3.設置方法 ······························ 3-1
5.4.3 自動校正の動作················· 5-16
3.1 取付方法····························· 3-1
3.1.1 設置上の注意事項 ·············· 3-1
6.伝送 RS-232C(オプション) ············ 6-1
3.2 配管方法····························· 3-2
6.1 伝送仕様··························· 6-1
3.3 ガスサンプリング ···················· 3-4
6.2 伝送プロトコル······················· 6-2
3.3.1 試料ガスの条件··················· 3-4
6.3 伝送ケーブルの接続 ··················· 6-2
3.3.2 試料ガスの流量··················· 3-4
6.4 コマンド解説 ························· 6-3
3.3.3 補助ガス························· 3-4
6.4.1 酸素濃度読込····················· 6-3
3.3.4 標準ガスの準備··················· 3-5
6.4.2 測定レンジ読込··················· 6-4
3.3.5 器内パージ······················· 3-5
6.4.3 測定レンジ値読込み ··············· 6-5
3.4 配 線······························· 3-6
3.4.1 配線方法························· 3-6
7. 点検・保守 ······························ 7-1
7.1 点 検 ······························· 7-1
3.4.2 電源端子························· 3-7
7.1.1 補助ガス流量の点検 ··············· 7-1
3.4.3 入出力端子······················· 3-8
7.2 保 守······························· 7-2
4. 運
転 ································ 4-1
7.2.1 フィルタ(焼結金属)の交換 ······· 7-2
4.1 運転手順····························· 4-1
7.2.2 絞りの交換······················· 7-2
4.2 運転準備····························· 4-2
7.2.3 補助ガスボンベの交換············· 7-2
4.3 測定開始····························· 4-3
7.2.4 ヒューズの交換··················· 7-3
4.4 停
止····························· 4-4
7.2.5 保守部品························· 7-3
5. 表示・操作パネルの操作 ·················· 5-1
8. エラーコードと対策 ······················ 8-1
5.1 表示・操作パネルの概要··············· 5-1
5.2 操作上のアドバイス··················· 5-2
9. 仕
5.3 一般操作····························· 5-3
5.3.1 測定モード ······················ 5-3
-ii-
様 ································ 9-1
安全上のご注意
ご使用の前に,この『安全上のご注意』をよくお読みの上,正しくご使用ください。
●ここに示した注意事項は、安全に関する重大な内容を記載していますので、必ず、守ってください。安全注
意事項のランクを「危険」,「注意」と区分してあります。
取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,死亡または重症を受ける可
能性が想定される場合。
取扱いを誤った場合に,危険な状況が起こりえて,中程度の傷害や軽傷をうけ
る可能性が想定される場合および物的損害のみの発生が想定される場合。
ガス分析計の据付け,運搬上の注意
・本製品は,防爆仕様ではありません。爆発製ガスの雰囲気では使用しな
いでください。爆発,火災等の重大な事故の原因になります。
・本製品を「取扱説明書」に記載の条件に合った場所に設置してください。
設置条件を越えた場所での使用は,感電,火災,誤作動の原因になります。
・取付け工事の際,製品内部に電線くず等の異物を入れないでください。火
災,故障,誤作動の原因になります。
・ガス分析計を持ち上げる時には必ず手袋を着用してください。素手の場合け
がをする恐れがあります。
・ケースが開かないように固定した上で運搬をしてください。ケースが外れて
落下する恐れがあり,けがの原因になります。
・ガス分析計は,重量物です。人力での運搬は,2人以上で十分に注意して
行ってください。体を痛めたり,けがをする恐れがあります。
-iii-
配管上の注意事項
◎配管は,下記の注意事項を守って行ってください。誤った配管,接続は
ガス漏れの原因になります。
漏れたガスに有毒ガスが含まれる場合,重大な事故につながる恐れがありま
す。
また,可燃性ガスが含まれる場合は,爆発,火災などを引き起こす可能性が
あります。
・配管接続は,取扱説明書に従い正しく行ってください。
・排出ガスは,ロッカー内,屋内にこもらないように屋外に排出してくだ
さい。
・分析計からの排出ガスは,大気開放として不要な圧力が分析計にかから
ないように注意してください。分析計内の配管が外れ,ガス漏れの原因
になることがあります。
・配管は,油脂類の付着が内パイプ,減圧弁をご使用ください。油脂類の
付着があると火災などを引き起こす可能性があります。
配線上の注意事項
・必ず指定の接地工事を行ってください。接地をしない場合,感電,誤作動の
原因になります。
・定格に合った電源を接続してください。定格と異なる電源を接続すると火災
の原因になります。
・配線工事を行う時は,必ず元の電源を落としてから行ってください。感電の
恐れがあります。
・配線材は,機器の定格に従って適切なものを使用してください。定格に耐え
ない配線材の使用は、火災の原因になります。
使用上の注意
・校正ガスなどの標準ガスを取扱う時は,標準ガスの取扱説明書を熟読して正
しく使用してください。
・ケースを引き出した状態で連続運転を行わないでください。ケースが落下し
てけがをする恐れがあります。
・運転中は,ケースを開けて内部に触れないでください。火傷,感電の原因と
なります。
-iv-
保守,点検上の注意
・絞りの交換など,ケースを開けて作業を行う際は,必ず電源を切り,分析
計内だけでなく測定ガスライン,補助ガスラインを空気,N2ガスで充分
パージしてから行ってください。また,絞り,フィルタ,パッキングな
どに油脂類が付着しないように,十分注意してください。ガス漏れなど
による中毒,火災,爆発を引き起こす原因となります。
・作業をする時は腕時計,指輪などの金属類を外すこと,また濡れた手では絶
対に行わないでください。感電の原因になります。
・ヒューズが溶断した場合は原因を確認の上,必ず同容量,同形式のものと交
換ください。感電や故障の原因になります。
その他
・取扱説明書を見ても判断できない場合,必ず販売店又は当社の調整技術員
に連絡ください。不用意に分解すると感電,けがの恐れがあります。
・交換部品は,メーカ指定部品以外は使用しないてください。性能が十分に発
揮されないばかりか事故や故障の原因になります。
・保守部品などの交換部品は,不燃物として処理ください。
-v-
1.概要および動作原理
1.1 概 要
磁気力式(圧力検出形)酸素分析計は,酸素の磁気的性質を利用して酸素濃度を圧力に変換し,測定ガ
ス中の酸素含有率を測定します。
本分析計は,測定ガス中に含まれる酸素濃度と,補助ガスの酸素濃度の差を検出する方式なので,必ず
補助ガス用ボンベが必要になります。
1.2 動作原理
全てのガスは,表1-1のように,必ず正か負の磁化率をもっています。
そのうち,O2,NO,NO2は著しく強い正磁性体であって,強く磁界に吸引されます。他のガスは,弱
い反磁性体です。NO,NO2は燃焼ガス中に含まれることがありますが量が少なく無視できるので,この性
質を利用して各種のガス中のO2含有量を測定することができます。
表1-1 各種ガスの相対的磁化率
ガスの種類
相対的磁化率
ガスの種類
相対的磁化率
酸
素
+100
窒
素
-0.42
空
気
+21(乾燥空気)
塩
素
-0.13
炭酸ガス
-0.61
水
素
-0.12
アルゴン
-0.58
アセチレン
-0.38
アンモニア
-0.58
亜酸化窒素
-0.58
エ タ ン
-0.83
一酸化窒素
+43.8
メ タ ン
-0.37
二酸化窒素
+28.0
1-1
図1-1に原理説明図を示します。
M:測定ガス
H:補助ガス
1:測定セル
2:キャピラリー
3:補助ガス系
4:マイクロフロー検出器
5:ポールピース(磁極)
6:絞り
図1-1 検出部概念図
酸素分子は,不均一磁界の中で磁場の強い方向に力を受けます。この力は巨視的には圧力を発生させる
ことになります。この圧力を,マイクロフロー検出器で電気信号に変換し増幅します。
その際,この圧力を有効に電気信号にするために,外部から補助ガスを流します。補助ガスは通常N2ガ
スで差動形(サプレッション)の場合は,差動基準酸素濃度をもつN2ガスを流します。
補助ガスは,5の磁極の間で測定セルに流れ出しますので,磁極部の補助ガスラインにはN2の反磁性に
よる圧力,流れ出し部にはO2の正磁性の圧力が生じ,O2の圧力が圧倒的に大きいので,補助ガスラインに
圧力が加わります。もう一方の対称とする吹出し口は磁場のない所に置かれているので,3の補助ガス系の
パイプの中で補助ガスの流れが生じ,そのマイクロフローは,検出器で信号に変換されます。
この圧力は,測定ガス中に含まれている酸素濃度と,補助ガスの酸素濃度(通常はN2でゼロ濃度)との差
に比例しますので,酸素濃度を検出することができます。
磁極間に発生する磁界は断続磁界ですので,マイクロフローは脈流となり,電気信号は交流となります。
速い応答速度は,測定セルの体積が小さいことと応答が速いマイクロフロー検出器により可能となった
ものです。
また,磁気力によるマイクロフローは,測定ガスの熱伝導率,粘度,熱容量による作用を受けないので,
他のガスの干渉影響は非常に少なくなります。
1-2
2.各部の名称と説明
2.1 ケース各部の名称と説明
名
称
説
明
名
称
説
明
本体内部(ベース)を引き出す時に使 ⑦パージガス
入口
用する取手
パージガスを配管する接続口。
『3.2』項を参照してください。
本体とケースを止めている,ねじで反 ⑧補助ガス入口
②ローレット
ねじ 時計方向へ回すと緩みます。
補助ガスを配管する接続口。
『3.2』項を参照してください。
電源スイッチをONにすると内部の全て ⑨入出力信号
端子1
の電源が投入されます。3~4秒後に表示
部が点灯します。
⑩入出力信号
端子2
ガス濃度・測定レンジなどを表示する
④表示・操作
(オプション)
パネル 他,日常の運転に必要な操作および各種
設定に用いるキーがあります。
表示・操作パネルの説明は『2.2』項 ⑪FG用ねじ
に,操作方法は『5』章を参照してくだ
さい。
⑫電源端子
測定するガスを入れる配管接続口。
⑤試料ガス入口
『3.2』項を参照してください。
⑬RS-232C用
測定し終ったガスを出す配管接続口。 コネクタ
⑥試料ガス出口
(オプション)
『3.2』項を参照してください。
『3.4.3』項を参照してください。
①取
手
③電源スイッチ
2-1
『3.4.3』項を参照してください。
入出力信号ケーブルのシールド
接続用。
本体の電源を供給する端子です。
『3.4.2』項を参照してください。
RS-232C接続コネクタ
2.2 表示・操作パネルの名称と説明
名
称
①表示1
②表示2
③ESCキー
( ESCキー)
④MODEキー
( MODEキー)
⑤ENTキー
( ENTキー)
説
明
名
称
現在のモードや次の選択項目を ⑥MODE IN/
桁移動キー
表示します。また,次操作のメッ
( > キー)
セージ表示や各種パラメータ設定
に使用します。
⑦UPキー
( ∧ キー)
測定濃度,レンジの表示をしま
す。また,校正濃度値の設定にも
⑧DOWNキー
使用します。
( ∨ キー)
前画面に戻ったり,設定を途中
⑨ゼロ校正キー
で止める時に使用します。
( ZEROキー)
説
明
各モードの中の選択項目決定の
時に使用します。また,設定時の
桁移動にも使用します。
選択項目の変更,設定時の数値
増加に使用します。
選択項目の変更,設定時の数値
減少に使用します。
ゼロ校正する時に使用します。
モードを切換えるときに使用し
スパン校正する時に使用しま
⑩スパン校正
キー す。
( SPANキー)
ます。
設定後押すと設定内容がメモリ
され有効となります。また,校正
時には実行キーとして使用しま
す。
2-2
3.設置方法
・本器の重さは約 16 ㎏ですが,落下させないように安全,確実に取付けてください。
・本器前面のローレットねじは,確実に固定されていることを確認の上,取付けてください。
(ローレットねじが緩んでいる状態ですと,内部が前面にとび出す危険があります。
)
3.1 取付方法
取付方法は,形式指定により次の3種類があります。
3.1.1 設置上の注意事項
①
前面が垂直になるように取付けてください。
② 本分析計の質量 70%以上をケース底部で支持してください。
(パネル取付け,19 インチラック取付けの場合には,支えを設け,ケース後部を支持してください。
)
3-1
3.2 配管方法
・配管内は,油脂類の付着がないパイプをご使用ください。
・配管は,ガス漏れがないように接続部を確実に締めつけてください。
・排出ガスは,ロッカー内,屋内にこもらないよう,屋外の安全な所で排出してください。
・分析計からの排出は,大気解放とし,不要な圧力が分析計にかからないように注意してください(分
析計内の配管が外れ,ガス漏れを起こす危険があります)。
(1) 配管方法
測定システムの応答を速くするために,測定ガスラインのパイプ内径は細くしてください。そし
て,排気ライン開口は,大気開放としてください。
また,本器直後の排気ラインに必ずバッファタンク(ZBH41)を入れてください。極端な騒音,強風
などの外乱による出力ふらつきを防止するためです。
補助ガスラインは,金属銅配管(φ6/φ4mm 銅パイプ)が適当で,ボンベからできるだけ短く
配管してください。長いと起動の際,検出器内に補助ガスが到達するために時間がかかり,ゼロが
規定値となるのに待ち時間を要します。また,塩化ビニル配管にすると,酸素が透過し指示誤差に
なる可能性があります。
補助ガスラインには,100kPa の圧力スイッチを図3-2のように設け,補助ガス圧が低下したと
き警報を出すようにしてください。補助ガスが止まると出力がゼロになります。
警報が出たなら,直ちに測定ガスラインをゼロガスでパージしてください(約 20 分)。これは検
出器エレメントを保護するためです。補助ガスの検出器への流れが停止すると,測定ガスが検出器
に拡散することによって時間の経過とともに入って行き,エレメントを腐食し,劣化させる場合が
あるからです。パージ後補助ガス圧が回復するまで,計器内に腐食性ガスが侵入しないよう注意し
てください。
図3-1の方法で,ガス配管を行ってください。
SAMPLE
INLET
GAS
OUTLET
PURGE
INLET
REFERENCE
INLET
・補助ガス入口
補助ガスの管を配管します。
・パージガス入口
パージガスの管を配管します。
・試料ガス出口
測定し終ったガスを出す管を配管します。
・試料ガス入口
測定するガスを入れる管を配管します。
図3-1 ZAJ 背面
3-2
測定ガスラインは,周囲温度と同じ温度となる部分(入口,出口など)がありますので,測定ガ
スの露点は周囲温度より低くなくてはなりません。測定ガス露点が高ければ,除湿器を通してから
計器本体に測定ガスを流してください。
測定ガスにダストが含まれているときは,フィルタにてダストを除去してから計器本体に流して
ください。既設のガスサンプリング装置に本器を組み入れて使う場合,フィルタ以後の汚れた配管
は新しいものと取り換えてください。汚れた配管のまま使用すると,ダストの侵入により計器に異
常が生じます。
測定ガスに,ステンレス(SUS304)またはテフロンを腐食するガスが含まれてはなりませんので,
注意してください。
また,測定ガスに,可燃性ガスが含まれている場合には,計器本体を可燃性ガスに対する保護気
体(計装用N2 または空気,流量 1.0L/min)でパージするのが望ましいです。
(2) 配管構成図
ZAJ 測定時の配管構成図を図 3-2 に示します。
流量計
パージガス
流量計
試料ガス
酸素分析計
補助ガス
試料ガス出力
(ZAJ)
PS
圧力スイッチ
100kPa
警報
(ブザー)
図3-2 配管構成図
3-3
バッファタンク
大気開放
3.3 ガスサンプリング
3.3.1 試料ガスの条件
①試料ガスに含まれているダストは,フィルタにより完全に除却してください。最終段のフィルタ
は 0.3μmのダストを除却できるものを使用してください。
②分析計内にドレンが発生しないために,試料ガスの露点は周囲温度より低くなくてはなりません。
試料ガス中に水蒸気が含まれている時は,除湿器をとおして露点を 0℃付近まで下げてください。
③試料ガス中にSO3 ミストが含まれている場合は,ミストフィルタ,冷却器などによりSO3 ミス
トを取り除いてください。その他のミストについても同様です。
④Cl2,F2,HClなどの強腐食性ガスが試料ガス中に多量に含まれていると,分析計の寿命が
短かくなるので注意してください。
⑤試料ガス温度は0~50℃以内です。高温のガスを直接,分析計内に入れないよう注意してくださ
い。
3.3.2 試料ガスの流量
流量計を前のページの『図3-2 配管構成図』のように設けて,流量値を測定してください。
ガス流量
0.5L±0.2L/min.
1.0L±0.2L/min.
応答速度
2秒を超える
2秒以内
3.3.3 補助ガス
本分析計には,測定レンジに応じた補助ガスが必要です。補助ガス用のガスボンベは下記のように選
択してください。
測定レンジ
0~2…100%O2
21~23…100%O2
21~19…0%O2
100~98…0%O2
補助ガスボンベ
N2(*)
ZBM□NY04-01
AIR:21%O2 残N2(*)
ZBM□RY04-01
O2:100%O2
ZBM□SY04-01
(*)N2,空気ボンベ使用時は,ダスト,水
分,油分,ミストがないことが必要です。
混入していると予想される場合には,ダス
ト,水分,油分ミストを除去する機器を補助
ガス入口の前に,必ず取付けてください。
測定レンジの設定は『5.3.6 調整モード』の“
(3) レンジ値設定”を参照してください。
補助ガスは,以下の仕様により分析計に供給してください。
補助ガス
圧 力
流 量
仕
様
100kPa
5~15mL/min
補助ガスが流れないと測定ができないだけでなく,試料ガス中の腐食性ガスにより検出エレメントが
不良になる可能性があるため,『3.2』項の配管方法の通り補助ガスラインの圧力警報を取り付けてくだ
さい。
3-4
3.3.4 標準ガスの準備
ゼロ,スパン校正用の標準ガスを準備してください。
仕
ゼロガス
スパンガス
様
補助ガスと同じガス
・酸素基準の場合,フルスケール 10%以下のレンジについては,純度 99.99%O2 以上,
その他は 99.9%O2 以上のガスを使用してください。
各レンジフルスケール 90%以上のO2 ガス+残N2
・空気基準レンジの場合,スパンガスの濃度は,フルスケールの 80~100%の幅を指定
してください。その際,必ず“重量法により製作,精度は○○%O2 以内であること”
と明記してください。精度は ZAJ の使用レンジのフルスケール±1%相当のO2 濃度
を指定します。この記入がないと,濃度の誤差が大きくなります。
容器は,10L ボンベを指定してください。
例 1)21~19%O2 レンジの場合の記入例
19.0~19.4%O2,N2 バランス,重量法により製作
精度は±0.02%O2 以内であること。10L ボンベ
例 2)100~98%O2 レンジの場合の記入例
98.0~98.2%O2,N2 バランス,重量法により製作
精度は±0.02%O2 以内であること。10L ボンベ
3.3.5 器内パージ
器内パージは一般には必要ありませんが,次の場合にはご検討ください。
①
測定ガスに可燃性ガスが含まれる場合
②
設置場所の雰囲気中に腐食性ガスが含まれている場合
③
設置場所の雰囲気中に測定成分と同じガスが含まれている場合
このような場合は,分析計内部を計装用エアーまたはN2でパージしてください。
パージ流量は,約 1.0L/min です。
パージ用のガス中にダスト・ミストが含まれる場合は,これらを十分に取り除いて使用してください。
3-5
3.4 配 線
:配線は,必ず全ての電源を切った状態で行ってください。感電の恐れがあります。
:アースは,必ず接地してください(第3種接地)
。
3.4.1 配線方法
各外部端子は,本分析計の背面にあります(図3-3参照)
。
図3-4~図3-6の図を参照して各端子の配線を行ってください。
端子ねじは,M3.5 です(ただし,電源端子は,M4)。
出力信号の配線は,外部ノイズの影響を低減させるため,シールド線を使用してください。
図3-3 各外部端子位置
3-6
3.4.2 電源端子
電源端子は,図3-4に示す配置になっています。
電源端子に所定の電源を接続し,アース端子にはアース線を接続してください。
アースは第3種接地を行ってください。
端子に接続する線は,圧着端子(M4用)を使用してください。
図3-4 電源端子
ノイズ発生源が近くにあるときは
電源ノイズを発生する電気的装置の近くに,この分析計を設置しないでください(高周波炉,電
気溶接機など)
。このような装置の近くで分析計を使用する場合は,ノイズを避けるため電源ライ
ンを全く別にしてください。
電源からリレー,電磁弁などのノイズが入る
場合は,ノイズ発生源にバリスタ(例えば
ZAL 電源
バリスタまたは、
スパークキラー
ENA211-2 富士電機製)または,スパークキラー
(例えば S1201 OKAYA 製)を右図のように付け
近接配置接続
てください。
ノイズ発生源から離して付けると
ノイズ発生源
効果がありませんから注意してください。
3-7
3.4.3 入出力端子
図3-5に入出力端子1,図3-6に入出力端子2の接続図を示し,右側各々の接続内容を示します。
〈上限アラーム接点出力〉
上限値を超えたとき,⑤⑥間は開放,⑥⑦間は導通
端子台1
TERMINAL1
通常,⑤⑥間は導通,⑥⑦間は開放
1c 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
DC4-20mA
酸素濃度値
①⑪
DC0~1V
酸素濃度値
③⑬
上限アラーム
接点出力
下限アラーム
接点出力
②⑫
④⑭
⑤⑮
⑥⑯
⑦⑰
⑧⑱
⑨⑲
⑩⑳
接点入力1
リモートレンジ入力
接点入力2
外部ホールド入力
レンジ識別信号出力
〈下限アラーム接点出力〉
下限値を下まわると,⑧⑨間は開放,⑨⑩間は導通
1c 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
〈リモートレンジ入力〉
⑪と⑫間に入力がないと第1レンジが選択されます。
⑪と⑫間に DC5V を入力すると第2レンジが選択され
校正中接点出力
FAULT
(計器異常)
ます。
〈外部ホールド入力〉
⑬と⑭間に DC5V を入力すると瞬時値出力が直前の値
へホールドされます。
〈レンジ識別信号出力〉
図3-5 入出力端子台1
第1レンジを選択すると⑮と⑯間が開放
第2レンジを選択すると⑮と⑯間が導通
端子台 2
TERMINAL2
空き
①⑪
②⑫
③⑬
空き
④⑭
⑤⑮
ゼロガス用
接点出力
⑥⑯
スパンガス用
接点出力
1a 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
〈校正中接点出力〉
接点入力 3
リモートスタート入力
接点入力 4
(予備)
自動校正異常
接点出力
ゼロ,スパン校正中は⑰と⑱間が導通
1a 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
〈FAULT〉(計器異常)
分析計に異常が発生した時⑲と⑳間が導通
1a 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
〈ゼロガス用接点出力〉
⑦⑰
ゼロガスを流すための電磁弁駆動の接点出力
⑧⑱
1c 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
⑨⑲
予備
⑩⑳
〈スパンガス用接点出力〉
スパンガスを流すための電磁弁駆動の接点出力
1c 接点 AC250V,2A(抵抗負荷)
図3-6 入出力端子台2
(オプション)
〈リモートスタート入力〉
外部信号により自動校正をスタートさせる時の入力
⑪と⑫間に DC5V を入力するとスタートします。
〈自動校正異常接点出力〉
自動校正中に校正異常があった場合の接点出力
3-8
4.運 転
●運転する前に,取扱説明書をよくお読みになり,ご理解の上,運転を行ってください。
4.1 運転手順
図4-1の手順に従って運転を行ってください。
①~⑧の運転準備項目を確認後,電源の投入を行い運転を開始してください。
一般操作
①
取付け
②
配管気密テスト
③
④
配 管
補助ガス流量確認
3.1項
⑪
4.2(1)項
⑫
アラーム値の設定
⑬
ホールドの設定
3.2項
4.2(2)項
⑭
⑤
配 線
レンジ,移動平均値, 5.3.6項
時刻の設定
5.3.4項
5.3.1(1)項
リモートレンジの設定 5.3.1(1)項
3.4項
⑮
自動校正の設定
5.3.1(1)項
5.3.5項
⑥
配管の確認
4.2(3)項
⑦
器内パージ
4.2(4)項
⑯
スパン校正ガスの
濃度設定
5.3.3項
⑧
補助ガスの導入
3.3.2項
3.3.3項
⑰
ゼロ,スパン校正
5.3.1(2)(3)項
⑨
電源の投入
4.2(5)項
⑱
キーロックの設定
5.3.1(1)項
⑩
暖機運転
4.2(6)項
⑲
試験ガスの導入
⑳
(測定開始)
停 止
4.3項
4.4項
内は必要に応じて行ってください
図4-1 運転手順
4-1
4.2 運転準備
(1) 配管気密テスト
測定ガスライン(装置全体のテストで代用可)
図4-2参照
補助ガス入口を密閉してください。次
に試料ガス入口にU字管(1.2m高さ)を付
けて,水を入れ,試料ガス入口から9.8kpa
の圧力を加えます。
入口を締めて2分後,1分間の圧力低下
を観測してください。圧力低下が98Pa以下
であれば気密は確保されています。
図4-2 測定ガスライン気密テスト
補助ガスライン
図4-3参照
補助ガス用ボンベ元栓を開け,圧力が
100kpaになるよう減圧弁を調整します。
各継手に石けん水を塗って泡が発生し
ないことを確認します。
図4-3 補助ガスライン気密テスト
気密テストが終わったら,正規の配
管をしてください。
補助ガスラインに入っていた空気を補助ガスで置換するために補助ガスは,まず約1L/minで2分間流
した後,補助ガス入口に接続してください。
(2) 補助ガスの流量確認
試料ガス入口を閉じて,試料ガスが入らない状態にすれば,試料ガス出口からは補助ガスのみが
排出されますので,流量を確認できます。
図4-4のように試料ガス出口に配管して,水中へ1㎜の深さにパイプを入れ,気泡の出方を見
ます。内径φ4mmの時,1秒間に1~2泡,出ていなければなりません。
図4-4 補助ガス流量測定法
(3) 配管の確認
正しく配管されているかどうか,確認してください。
4-2
(4) 器内パージ
可燃性ガス,腐食性ガスあるいは粉塵の多い所に置
かれてる場合には,本体内をN2または空気でパージし
てください(パージ流量1.0L/min)
。
加熱性ガスを含む場合は,電源を投入する約3時間
前からパージガスを流してください。
(5) 電源の投入
電源スイッチを“ON”にしますと,測定モード初期
画面になります。
OXYGEN
POWER
ON
GAS ANA
LYZER
RANG
O2
-
vol%
vol%
ESC MODE
ENT
OFF
ZERO
SPAN
(フルオプション時の初期画面)
(6) 暖機運転
電源投入後,暖機運転してください。指示が安定したら(約2時間)暖機運転終了です。
(7) 校正ガスの濃度設定(校正の前に行ってください)
次に校正ガスの濃度設定を行ってください。操作方法は『5.3.3』項を参照してください。
(8) ゼロ校正
ゼロ校正ガスを流して,ゼロ校正を行ってください。操作方法は『5.3.1(2)』項,
『5.3.3』項を参照し
てください。
(9) スパン校正
スパン校正ガスを流して,スパン校正を行ってください。操作方法は『5.3.1(3)』項,
『5.3.3』項を参
照してください。
4.3 測定開始
試料ガスを流してください。
4-3
4.4 停 止
試料ガスの導入を止めて,試料ガス入口より乾燥窒素ガスを10分間流し,測定セル内部をパージしてくだ
い。その後,補助ガスを止めてください。試料ガスにより検出エレメントが不良になることがあります。
本体の電源スイッチを“OFF”にします。
※)電源を“OFF”にしても設定値はメモリされています。自動校正機能の自動校正開始時間は,電源を
“OFF”にした時の値をバックアップしますので,再び電源を“ON”にした時,その残り時間後に自
動校正がスタートします。ただし,72時間以上経ちますとバックアップが効かなくなりますので,こ
の場合は電源を再投入(
“ON”
)した時,再度正しい値を入力してください。
4-4
5.表示・操作パネルの操作
5.1 表示・操作パネルの概要
下記の順序で構成されています。
*)オプション機能が付加されていない場合は,その機能の内容は表示されません。
5-1
5.2 操作上のアドバイス
vol%
RANGE
--
ESC MODE ENT
O2
vol%
ZERO SPAN
RANGE
vol%
--
O2
vol%
5-2
5.3 一般操作
5.3.1 測定モード
測定モード初期画面(表示1)
電源“ON”により測定モード初期画面に入ります。
ソクテイモード
通常の測定時は,このモードにしておいてください。
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
測定モードで行える操作は
(1) 各パラメータON/OFF設定(ホールド,リモートレンジ,キーロック,自動校正 )
(2) ゼロ校正
(3) スパン校正
です。
※) オプションのリモートレンジ切換え,自動校正機能がないときは,
『R:OFF,A:OFF』は表示されませ
ん。表示が指定レンジをオーバーすると濃度表示がオーバーバー表示(- - - -)をします。
(1) 各パラメータON/OFF設定
〔手順〕
① H(ホールド)のON/OFF設定です。
測定モード初期画面(表示1)
ONにした時の動作は,
『5.4.1』項のホール
ソクテイモード
ドの動作を参照してください。
②
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
R(リモートレンジ)のON/OFF設定です。
ESC
外部信号の入力(
『3.4.3』項参照)をONで
①
有効,OFFで無効にします。
>
ホールドON/OFFセッテイ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
③ L(キーロック)のON/OFF設定です。
ONに設定するとキーロックOFF以外の操作は,
ESC
②
できなくなります。
キーロック時は,測定モード初期画面によ
>
リモートレンジON/OFFセッテイ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
り > キーをおすことにより“キーロックON/O
ESC
FFセッテイ”画面に入ることができ ∧ , ∨
③
キーでOFFを選択し ENT キーを押すと全
キーロックON/OFFセッテイ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
てのキーが再び使用できます。
ESC
④ A(自動校正)のON/OFF設定
ONに設定すると自動校正モードで設定し
>
④
∧ ,∨
>
キ ー で ON/OFF
を選択し ENT
キーで確定
>
ジドウコウセイON/OFFセッテイ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
た,自動校正パラメータが有効になります。
ONにした時の動作は『5.4.3』項を参照して
工場出荷時の設定
ください。
H:OFF
R:OFF
L:OFF
A:OFF
OFFでは,自動校正モードで自動校正パ
ラメータを設定しても,自動校正は行いま
せん。
5-3
(2) ゼロ校正(手動校正)
ゼロ点の調整を行う場合に使用します。
〔手順〕
① 測定モード初期画面で ZEROキーを押すと,ゼロ校正準備状態になります。
② ゼロ校正ガスを流し,指示が安定したら ENTキーで表示レンジを校正します。
校正後は測定モード初期画面に戻ります。
③ 校正を途中で止めるときは ESCキーを押してください。
測定モード初期画面(表示1)
ソクテイモード
※)校正中は,校正中接点出力とゼ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
ロガス用接点が①で閉じ②で開き
ESC
ENT
ZERO
ます。
ゼロコウセイ
ヒョウジレンジヲENTデコウセイシマス
(3) スパン校正(手動校正)
スパン点の調整を行う場合に使用します。
〔手順〕
① 測定モード初期画面で SPANキーを押すと,スパン校正準備状態になります。
② スパン校正ガスを流し,指示が安定したら ENTキーで表示レンジを校正します。
校正後は測定モード初期画面に戻ります。
③ 校正を途中で止めるときは ESCキーを押してください。
測定モード初期画面(表示1)
ソクテイモード
※)校正中は,校正中接点出力とゼ
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
ESC
ENT
SPAN
スパンコウセイ
ロガス用接点が①で閉じ②で開
きます。
0-10%
ヒョウジレンジヲENTデコウセイシマス
(2),(3)のポイント
校正は,測定状態のレンジを校正します。他のレンジを校正したい場合は,レンジ切換モード(
『5.
3.2』項参照)でレンジを切換えてから校正を行ってください。
〈注意〉
① 測定レンジの設定を変えて校正を行うと“シュドウコウセイゼロ(スパン)エラー”が表示される場合がありま
すが,計器の異常ではありませんので,強制的に校正を行ってください。
② 校正濃度値の設定を変えた時も同様です。
5-4
5.3.2 レンジ切換モード
測定レンジ(表示レンジ)を切換えるモードです。
〔手順〕
① 測定モード初期画面より MODEキーを1回押すと,レンジ切換モード初期画面になります。
② レンジ切換モード初期画面で > キーを押すと,レンジ切換設定画面に入ります。
③ レンジ切換設定画面で ∧ , ∨ キーを使用して,第1レンジ,第2レンジを選択した後 ENTキー
でレンジが切換わり,レンジ切換モード初期画面に戻ります。
④ 途中で止める時は ESCキーを押してください。
①
測定モード初期画面(表示1)
ソクテイモード
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
ESC
②
MODE
レンジ切換えモード初期画面
レンジキリカエモード
ESC
ENT
③
>
レンジ切換え設定画面
レンジ
レンジ1
0- 5%
レンジ2
ENT
レンジ
0-25%
∧
で第2レンジヘ
∨
で第1レンジヘ
レンジ2
0-25%
レンジ1
0- 5%
5-5
工場出荷時の設定
第1レンジ:0- 5%O2
第2レンジ:0-25%O2
5.3.3 校正濃度値設定モード(手動校正,自動校正共通)
校正に使用するガスボンベの濃度を設定します。ゼロは補助ガスと同じ値,スパンはスパンガス用ボンベ
の濃度を設定します。
〔手順〕
① 測定モード初期画面より MODEキーを2回押すと,校正濃度値設定モード初期画面になります。
② 校正濃度値設定モード初期画面で > キーを押すと,ゼロ濃度,スパン濃度選択画面の中に入ります。
③ ゼロ濃度,スパン濃度選択画面で ∧ , ∨ キーを使用してゼロ濃度か,スパン濃度かを選択した後 >
キーで校正濃度レンジを選択画面に入ります。
④ 校正濃度レンジ選択画面で ∧ , ∨ キーを使用して,第1レンジ,第2レンジかを選択した後 > で
校正値設定画面に入ります。
⑤ 校正値設定画面で,表示2により校正濃度値が設定できるようになり ∧ , ∨ キーで数値を設定し,
> キーで桁を移動させて設定後,最後に ENT キーで確定してください。
確定後は校正濃度レンジ選択画面に戻ります。
⑥ 途中で止める時は ESC キーを押してください。
工場出荷時の設定
測定モード初期画面(表示1)
①
ゼロ濃度
: 0vol%
スパン濃度 :
第1レンジ
5vol%
第2レンジ 25vol%
ソクテイモード
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
MODE
MODE ×2回
ESC
MODE
校正濃度値設定モード初期画面
② コウセイセッテイモード
校正ガスについては『3.3.4』
項の標準ガスの準備を参照して
ください。
③
ESC
ESC
>
ゼロ濃度、スパン濃度選択
>ゼロノウド
ESC
∧
スパンノウド
>
>
校正濃度レンジ選択画面
④
ゼロノウド
> 0– 5%
スパンノウドンウド
> 0- 5%
0-10%
ESC
>
レンジ
ゼロノウドチヲセッテイシテクダサイ
(表示2)
ENT
ESC
校正値設定画面
0- 5%
⑤
0-10%
RANGE
レンジ゙
>
0- 5%
スパンノウドチヲセッテイシテクダサイ
>
vol%
変更する桁が点滅します。
vol%
> , ∨ , > で、設定
設定可能な範囲は0~99.99vol%です。
ポイント
..
校正濃度値を変更したら必ず設定した濃度の校正ガスを使って校正を行ってください。
5-6
5.3.4 アラーム値設定モード(オプション)
上限アラーム,下限アラームを各レンジごとに設定して警報接点を出力します。
〔手順〕
① 測定モード初期画面より MODEキーを3回押すと,アラーム値設定モード初期画面になります。
② アラーム値設定モード設定項目は,
(1) アラーム値設定
(2) ヒステリシス設定
があります。
アラーム値設定モード初期画面より ∧ , ∨ キーで各設定項目を選択して > キーで各設定画面に
入ります。
工場出荷時の設定
測定モード初期画面(表示1)
①
上限値・下限値ともに
各レンジ:-00.0vol%
ヒステリシス:00%
ソクテイモード
H:ON R:OFF L:ON A:OFF
ESC
………
MODE ×3回
アラーム値設定モード初期画面
②
(1)
アラームチセッテイモード
ヒステリシス
∧
(2)
> アラームチ
∨
∧ , ∨
ヒステリシス設定初期画面
アラームチセッテイモード >ヒステリシス
>
アラームチ
5-7
で選択
キーで各設定画面へ
(1) アラーム値設定
> キーを押すと,アラーム値レンジ選択画面の中に入ります。アラーム値レンジ選択画面で,
∧ ,∨ キーを使用してレンジを選択した後 > キーでアラーム値上限/下限選択画面に入ります。
アラーム値上限/下限選択画面で,キーを使用して,上限値,下限値を選択した後 > キーでアラ
ーム値設定画面に入ります。アラーム値設定画面で,表示2によりアラーム値が設定できるように
なり,∧ , ∨ キーで数値を設定し, > キーで桁を移動させて設定後,最後に ENTキーで確定し
てください。確定後は,アラーム値上限/下限選択画面に戻ります。
途中で止める時は ESCキーを押してください。
アラーム値設定モード初期画面
アラームチセッテイモード
> アラームチ
ヒステリシス
>
アラーム値レンジ選択画面
レンジ
> 0-10%
0- 2%
ESC
ESC
∧ , ∨ 選択
>
アラーム値上限/下限選択画面
レンジ 0-10% > ジョウゲンチ
∧ , ∨ 選択
カゲンチ
ESC
>
アラーム値設定画面
レンジ 0-10%
ジョウゲンチヲセッテイシテクダサイ
>
(表示2)
RANGE
ENT
vol%
vol%
変更する桁が点滅します。
∧ , ∨ , > で設定
ENT で確定
(2) ヒステリシス設定
> キーで桁が選択できます。 ∧ キーで数値が大きく, ∨ キーで数値が小さくなります。設定
できましたら ENTキーで確定してください。確定後は,アラーム値設定モード初期画面に戻ります。
途中で止める時は ESCキーを押してください。
設定範囲は,0~20%FSです。
ヒステリシス設定初期画面
アラームチセッテイモード >ヒステリシス
>
アラームチ
ESC
ヒステリシス設定画面
ヒステリシスセッテイ
( 0-20%)
プラス
(表示2)
RANGE
マイナス
vol%
∧ , ∨ , > で設定
ENT で確定
ポイント
アラームの動作の詳細については『5.4.2』項のアラームの動作を参照してください。
5-8
5.3.5 自動校正モード(オプション)
自動校正に関する各パラメータを設定します。
〔手順〕
① 測定モード初期画面より MODE キーを数回押すと,自動校正モード初期画面になります。
② 自動校正モード設定項目は,
工場出荷時の設定
(1) 校正スタート時間設定(1回目の校正を行う時間)
校正スタート時間:
Sun00:00
校正サイクル: 0時間
ガス流通時間: 0分0秒
(2) 校正サイクル設定(自動校正を実行する周期の設定)
(3) ガス流通時間設定(校正ガスを流す時間の設定)
(4) 自動校正中止
があります。
自動校正モード初期画面より ∧ , ∨ キーで各設定項目を選択して > キーで各設定画面に入りま
す。
測定モード初期画面(表示1)
① ソクテイモード
自動校正実行中の画面
ソクテイモード
Cal
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
実行中はCalが表示される
MODE
ESC
MODE
②
(1)
自動校正モード初期画面
ジドウコウセイモード >スタートジカン
サイクル
∧
∨
ジドウコウセイモード > サイクル
(2)
リュウツウジカン
∧
スタートジカン
∧ , ∨ で選択
∨
ジドウコウセイモード>リュウツウジカン
(3)
コウセイチュウシ
∧
> キーで各設定画
サイクル
∨
ジドウコウセイモード >コウセイチュウシ
(4)
リュウツウジカン
ポイント
自動校正は,2レンジのうち選択しているレンジ(表示レンジ)について行います。
自動校正動作の詳細については『5.4.3』項の自動校正の動作を参照してください。
5-9
(1) 校正スタート時間設定
∧ , ∨ キーで曜日を設定し > キーで時間の桁にカーソルを移動して時間を設定します。続い
て > キーで分を設定します。設定が終わったら ENT キーで確定してください。
※)時間は24時間表示です。
ジドウコウセイモード >スタートジカン
サイクル
>
ESC
コウセイスタートジカンセッテイ
Mon
12:00
∧ , ∨ , > で設定 ENT で確定
(2) 校正サイクル設定
∧ , ∨ キーで時間を設定し ENT キーで確定してください。
設定範囲は,0~168時間で1時間単位で設定できます。
ジドウコウセイモード > サイクル
リュウツウジカン
スタートジカン
>
ESC
コウセイサイクルセッテイ
12
ジカン
∧ , ∨ で設定 ENT で確定
(3) ガス流通時間設定
∧ , ∨ キーで分を設定し > キーで秒の桁にカーソルを移動して秒を設定し ENT キーで確定
してください。
設定範囲は,0分0秒~60分59秒で1秒単位で設定できます。
ジドウコウセイモード>リュウツウジカン
コウセイチュウシ
サイクル
>
ESC
ガスリュウツウジカンセッテイ
2フン
30ビョウ
∧ , ∨ , > で設定 ENT で確定
(4) 自動校正中止
自動校正実行中に,自動校正中止画面で ENT キーを押すと,その回の自動校正を強制的に中止する
ことができます。
ジドウコウセイモード >コウセイチュウシ
>
リュウツウジカン
ジドウコウセイチュウシ
ENTキーデチュウシシマス
ENT で強制中止
ポイント
自動校正モードで設定した値は,
『5.3.1(1)-④』項で自動校正を“ON”に設定した時に有効になり
ます。
5-10
5.3.6 調整モード
調整モードは,測定を行う前に移動平均時間,現在時間,レンジ値を設定,調整を行うモードです。
〔手順〕
① 測定モード初期画面より MODE キーを数回押すと,調整モード初期画面になります。
③ 調整モード設定画面は,
(1)
移動平均時間設定(設定した時間の平均測定値を出力します。この設定により出力信号をなめ
らかにすることができます。
)
(2)
現在時刻設定(現在の時刻の設定)
(3)
レンジ値設定(測定に使用するレンジ値を設定)
(4)
小数点位置(濃度表示の小数点位置と桁を設定)
があります。
調整モード初期画面より ∧ , ∨ キーで各設定項目を選択して > キーで各設定画面に入ります。
測定モード初期画面(表示1)
① ソクテイモード
工場出荷時の設定
イドウヘイキン:2秒
ジコク :Sun 0時0分
レンジセッテイ:
第1レンジ 0- 5%
第2レンジ 0-25%
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
MODE
>
Or
MODE
MODE
②
(1)
調整モード初期画面
チョウセイモード
>イドウヘイキン
ジコク
∧
チョウセイモード
(2)
レンジセッテイ
∧
チョウセイモード
(3)
ショウスウテンイチ
∧
チョウセイモード
(4)
∨
> ジコク
イドウヘイキン
∧ , ∨
∨
> レンジセッテイ
>
で選択
キーで各設定画面
ジコク
∨
>ショウスウテンイチ
レンジセッテイ
ポイント
移動平均時間の設定値を大きくすると電気系の時定数が大きくなり濃度出力の変化がなめらかにな
ります。
計器の応答を2秒以内にするときは,移動平均時間は0秒に設定してください。
5-11
(1) 移動平均時間設定
> キーで桁が選択できます。∧ キーで数値が大きく,∨ キーで数値が小さくなります。
設定できましたら ENT キーで確定してください。確定後は,調整モード初期画面に戻ります。
途中で止める時は ESC キーを押してください。
設定範囲は 0~99.9秒です。
チョウセイモード
>
> イドウヘイキン
ジコク
ESC
イドウヘイキンジカンセッテイ
33.3
s
∧ , ∨ で設定 ENT で確定
(2) 現在時刻設定
> キーで曜日桁,時間桁を選択できます。∧ キーで曜日,数値が大きく, ∨ キーで曜日,数値
が小さくなります。
設定できましたら ENT キーで確定してください。確定後は,調整モード初期画面に戻ります。
途中で止める時は ESC キーを押してください。
時計は電源OFF後,48時間は保持します。
チョウセイモード
> ジコク
レンジセッテイ
イドウヘイキン
>
ESC
ジコクセッテイ
Mon
12:00
∧ , ∨ で設定 ENT で確定
(3) レンジ値設定
> キーでレンジ値選択画面に入ります。レンジ値選択画面で ∧ , ∨ キーを使用して「レンジ1」,
「レンジ2」を選択した後 > キーでレンジ値設定画面に入ります。
> キーで桁が選択でき,∧ キーで数値が大きく, ∨ キーで数値が小さくなります。
<例> レンジ値設定
0~100(補助ガスがN2のとき)
21~ 25(補助ガスが乾燥空気のとき)
100~ 90(補助ガスが100%O2のとき)
設定できましたら ENT キーで確定してください。確定後は,調整モード初期画面に戻ります。
途中で止める時は ESC キーを押してください。
設定範囲は,0~2…100vol%,21~19… 0vol%,21~23…100vol%あるいは100~98… 0vol%で
す。
5-12
レンジ値選択画面
チョウセイモード
>
>レンジセッテイ
ジコク
レンジセッテイ
>レンジ1
レンジ2
ESC
∧ , ∨ で設定
>
で確定
レンジ値設定画面
>
レンジ1ヲセッテイシテクダサイ
0-10vol%
ESC
※)左側の数値は補助ガス濃
度で0,21,そして100の選
択になります。
∧ , ∨ , > で設定
ENT で確定
(4) 小数点位置
> キーで小数点位置選択画面に入ります。小数点位置選択画面で ∧ ,∨ キーを使用して「ナ
シ」
,「1ケタメ」
,「2ケタ」を選択した後, ENT キーで確定してください。
「ナシ」
を選択の場合は,
vol%
「1ケタメ」を選択の場合は,
vol%
「2ケタメ」を選択の場合は,
vol%
という表示になります。
チョウセイモード
>ショウスウテンイチ
レンジセッテイ
>
ESC
ショウスウテンイチ
ナシ
1ケタメ
2ケタメ
∧ , ∨ で選択 ENT で確定
5-13
5.4 設定動作タイミング
それぞれに設定された各出力ホールド,アラーム,自動校正についての動作タイミングについて説明しま
す。
5.4.1 ホールドの動作
(1) 手動校正中の出力ホールド
手動校正中の出力ホールド機能です。
〈動作タイミング〉
(2) 自動校正中の出力ホールド
自動校正中の出力ホールド機能です。
〈動作タイミング〉
ポイント
上記(1),(2)動作は,ホールドON/0FF設定で“ON”に設定した時のみ有効です (『5.3.1(1)-①』
項参照)
。
(3) 外部ホールド
外部信号による出力ホールド機能です。
〈動作タイミング〉
ポイント
上記(3)動作は,ホールドON/0FF設定にかかわらず,外部信号の入力によりホールド動作を行います。
5-14
5.4.2 アラームの動作
(1) アラームの動作(
:アラーム発生部)
① ヒステリシスを0に設定した場合
② ヒステリシスをχ%に設定した場合(設定値は「FS×χ/100」です。
)
・
:アラーム設定値を超えた範囲から,定常置の範囲に戻った時,ヒステリシスで設定した幅を超え
ないと,アラームは解除されません。
・上限値または下限値,どちらか一方を無効にしたい時は,アラーム値の設定を「-0.01~-9.99」の値
に設定します。
5-15
5.4.3 自動校正の動作
本分析計はオプションにより,背面の入出力端子からの校正ガス用接点入力信号で外部に設けた電磁弁を
駆動させて,標準ガスを順次導入し,自動的にゼロ点・スパン点の校正をすることができます。
(1) 自動校正の動作
自動校正の動作は,図5-1に示すように,自動校正スタート時間に設定した時間よりスタートします。
順番は,ゼロ校正
スパン校正の順に表示レンジを校正します。
① 自動校正1回の動作は,ゼロガス用接点出力信号によりゼロガスをセルに導入し,ガス流通時間分だ
けゼロガスを流します。
② ゼロ校正を実行し,スパンガス用接点出力信号によりスパンガスをガス流通時間分だけ流します。
③ スパン校正を実行し,ホールド機能が“ON”設定であれば,校正中および校正後約10秒間,出力をホ
ールドします。ホールドが“OFF”の場合は,ホールドしません。
自動校正スタート時間(5.3.5(1)項参照)
ガス流通時間(5.3.5(3)項参照)
ホールド“ON”の時のみ。
校正終了後,約30秒間,出力をホールド
します。
出力ホールド
出力動作
ゼロ校正
バルブ出力
時間
ゼロ校正
バルブ出力
校正動作
ゼロ校正
スタート
ゼロ校正終了後
スパン校正スタート
スパン校正終了後
図5-1 自動校正の動作図
④ 自動校正のサイクル動作は,図5-2に示すように,自動校正スタート時間に最初の自動校正を行い,
2回目以降は自動校正サイクルで設定した時間の後に,自動校正を行います。
自動校正スタート時間(5.3.5(1)項参照)
~
~
時間
自動校正サイクル(5.3.5(2)項参照)
:自動校正動作
図5-2 自動校正サイクル
⑤ リモートスタート入力端子に入力信号(DC5V,100ms以上のパルス電圧)を印加することにより,自
動校正ON/OFFにかかわらず,自動校正を開始させることができます。
ポイント
1)自動校正中に校正を中止したい場合は,自動校正モードの校正中止を実行してください(
『5.3.
5(4)』項参照)
。
2)自動校正は,自動校正モードで値を設定した後,自動校正ON/OFF設定を“ON”に設定しないと,
有効になりません(
『5.3.1(1)-④』項参照)
。
5-16
6.伝送 RS-232C(オプション)
6.1 伝送仕様
分 類
項 目
仕 様
信号レベル
EIA RS-232Cに準拠 入出力信号非絶縁
伝送方式
調歩同期式,半二重 2線式
接続距離
最大15m
伝送速度
9600bps固定
伝送手順
ハンドシェーク(ACK,NAK)
データ長
8ビット
パリティ
無し
スタートビット
1
ストップビット
1
受 信
測定レンジ,校正ガス濃度,レンジ切換
送 信
酸素濃度,測定レンジ
内 容
内
6-1
容
6.2 伝送プロトコル
DATA
DATA
00
00
00
00
データ長
データ長
ETX
STX
00
データ
00
データ
01
送信側
受信側
01
00
チェック
チェック
00
83
サム
サム
84
ACK
ACK
ACKは正常受信のとき,異常があったときはNAKを返します。
※)特殊コード STX =82(16進数)
ETX =83(16進数)
ACK =86(16進数)
NAK =95(16進数)
DATA=C4(16進数)
6.3 伝送ケーブルの接続
ZAJ側 D-sub 25ピン
ピン 信号名称
2:SD
3:RD
4:
5:
6:
7:SG
20:
6-2
ACK
6.4 コマンド解説
6.4.1 酸素濃度読込
機能
分析計の「測定値(酸素濃度)
」をパソコン側に送ります。
伝送ライン上のデー ※数値は16進数
タの流れ
PC
→
ZAJ
82
00
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
PC
→
ZAJ
C4
ZAJ
→
PC
01
00
83
(STX)
00
00
00
0A
82
C0
00
0E
0E
16
**
**
(DATA)
86
(ACK)
00
0E
0E
14
チェックサム
注1
PC
→
ZAJ
83
00
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
82
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
C4
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
83
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
01
00
84
(ETX)
01
00
83
(STX)
00
00
03
00
01
00
84
小数点位置
01:無し
21:小数点1桁(0.0)
31:小数点2桁(0.00)
酸素濃度値: BCD 4桁
単位 vol%
00
21
**
**
表示1桁目
表示2桁目
表示3桁目
表示4桁目
(ETX)
(DATA)
チェックサム
データ
0~9
a
b
c
f
内 容
0~9
- (マイナス)
オーバスケール
アンダースケール
スペース
注1) チェックサムの計算方法
チェックサムは、送信データの先頭からチェックサムの前までを、バイト単位で全て加算して、
ワードデータとする。
例)送信データ
C4
00
00
00
02
00
00
21
の場合
チェックサム(ワード)
C4 + 00 + 00 + 00 + 02 + 00 + 00 + 21 = E7 → 00E7
6-3
6.4.2 測定レンジ読込
機能
分析計の「測定レンジ」をパソコン側に送ります。
伝送ライン上のデー ※数値は16進数
タの流れ
PC
→
ZAJ
82
00
01
00
83
(STX)
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
PC
→
ZAJ
C4
00
00
00
0A
82
C0
00
0E
00
0A
**
**
(DATA)
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
PC
→
ZAJ
83
00
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
82
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
C4
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
83
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
00
0E
00
0A
チェックサム
01
00
84
(ETX)
01
00
83
(STX)
00
00
02
00
00
**
**
(DATA)
第1レンジは‘01’
第2レンジは‘02’
01
00
84
(ETX)
6-4
チェックサム
6.4.3 測定レンジ値読込
機能
分析計の「測定レンジ値」をパソコン側に送ります。
伝送ライン上のデー ※数値は16進数
タの流れ
PC
→
ZAJ
82
00
01
00
83
(STX)
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
PC
→
ZAJ
C4
00
00
00
0A
82
C0
00
0E
00
1F
**
**
(DATA)
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
PC
→
ZAJ
83
00
ZAJ
→
PC
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
82
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
C4
**
00
0E
00
1A
チェックサム
01
00
84
(ETX)
01
00
83
(STX)
00
00
00
06
00
**
(DATA)
15
00
33
00
01
第1レンジ値
注2)
第2レンジ値
(0.0vol%) 補助ガス濃度
チェックサム
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
ZAJ
→
PC
83
00
PC
→
ZAJ
86
(ACK)
01
00
84
(ETX)
注2)レンジ値及び補助ガス濃度の計算の方法
読み出した数値(16進数)を10進数に直し、1を引き2で割った数値がレンジ値になります。
例)読み出した数値が
0015(16進数) → 21(10進数) → (21-1)/2 = 10(vol%)
0033(16進数) → 51(10進数) → (51-1)/2 = 25(vol%)
00C9(16進数) →101(10進数) →(101-1)/2 = 50(vol%)
6-5
7.点検・保守
●絞りの交換など,ケースを開けて作業を行う際は,必ず電源を切り,分析計内だけでなく測定ガスライン,補助
ガスラインを空気,N2ガスで十分パージしてから行ってください。また,絞り,フィルタ,パッキングな
どに油脂類が付着しないように,十分注意してください。
ガス漏れなどによる中毒,火災,爆発を引き起こす原因となります。
●作業をする時は腕時計,指輪などの金属類を外すこと,また濡れた手では絶対に行わないでください。感電
の原因になります。
●ヒューズが溶断した場合は原因を確認の上,必ず同容量,同形式のものと交換ください。感電や故障の原因
になります。
●取扱説明書を見ても判断できない故障の場合,必ず販売店または当社の調整技術員に連絡ください。不用意
に分解すると感電,けがの恐れがあります。
●交換部品は,メーカ指定品以外は使用しないでください。性能が十分に発揮されないばかりか事故や故障の
原因になります。
●保守部品などの交換部品は,不燃物として処理してください。
7.1 点 検
7.1.1 補助ガス流量の点検
6か月に1度,測定ガスを止め,補助ガスの流れを『4.3(2)項の図4-4』に示す方法で確認してください。
補助ガス圧力が規定値にあるにもかかわらず,補助ガスが流れていない場合には,補助ガスラインフィル
タまたは,絞りの詰まりが考えられますので,フィルタまたは,絞りの交換をしてください(『7.2.1』項,
『7.2.2』項参考)。
7-1
7.2 保 守
7.2.1 フィルタ(燃結金属)の交換
フィルタの詰まりがある時,交換します(図7-1参照)
。
袋ねじの開け締めの際は,ジョイントもスパナ(専用工具)で押さえて行ってください。ジョイントの気
密洩れをなくすためです。
7.2.2 絞りの交換
絞りの詰まりがある時,交換します(図7-1参照)
。
穴径は小さいので,ごみなどで詰まらないよう,取扱いには充分に注意してください。
絞りは,直接手で扱わないでください。誤って落としたり触ったりした場合,アセトンで10秒ほどゆすぎ,
乾燥させてから装着してください。
図7-1 フィルタ・絞りの交換
7.2.3 補助ガスボンベの交換
補助ガスボンベを交換する時は,配管内にダストが入らないように充分注意してください。
接続口にダストが付いている場合は,完全に取除いてから接続してください。
7-2
7.2.4 ヒューズの交換
ヒューズを交換する時は,必ず,元の電源スイッチを“OFF”にして行ってください。
交換用ヒューズ; AC250V 2A φ6.5×32mm ガラス管ヒューズ
注意事項
長時間休止していた分析計を運転する場合は,事前に専門技術員による保守・点検を行ってください。
7.2.5 保守部品
No.
1
2
3
4
名 称
絞り
フィルター
パッキング
手配用図番
TK708941C1
TK708922P2
TK722676P4
ヒューズ
757642
推奨交換周期
1個/2年
1個/2年
3個/2年
1個/2年
備 考
補助ガスジョイント用
補助ガスジョイント用
フィルタ周り用
ガス絞り用
2A,φ6.4×30
* No.1,2,3の部品は補助ガス用の交換部品です。補助ガスの流量確認を行い、特に問
題がないときは交換の必要はありません。
7-3
8.エラーコードと対策
本分析計には自己診断機能があり,計器に異常が生じた場合はエラーコード表示されます。
エラーコードが表示された場合,下記の点検および対策を行ってください。
エラーコード
エラーコードの表示
Err1
ジドウゼロコウセイエラー
Err2
ジドウスパンコウセイエラー
Err3
ニュウリョクオーバーエラー
Err4
ニュウリョクアンダーエラー
Err5
シュツリョクデバイスエラー
原 因
点検および対策
前回の校正値より20%FS ・ゼロ,スパン校正設定値の確認
以上指示値が異なる
・ガスボンベの濃度確認
・レンジの確認
・レンジ範囲外のガスが流れていな
センサー入力値が異常
いか
出力プリント板の異常
・出力プリント板のコネクタが抜け
ていないか
・出力プリント板の交換
最寄りの当社営業所まで問合
せください。
〔手順〕
① 異常が発生し,エラーコードが表示1に表示されます。
表示1
ソクテイモード
Err1
H:ON R:OFF L:OFF A:OFF
②
ENT キーを押して,エラーコードに従い点検および対策を行います。
表示1
ENTキーデエラーカイジョシマス
▲ E1:ジドウゼロコウセイエラー
他のエラーが重複している場合表示されます。
∧ キーを押すことで他のエラーが表示されます。
③
ENT キーを押すと,エラー表示は解除されます。ただし,まだ異常が発生していると,再び
エラーを表示します。
④ 電源を再投入し,正常動作であれば異常はありません。
・エラーが発生した場合は,FAULT(端子台1-19,20番ピン)の接点出力が導通します。
・Err1,2の場合は,自動校正異常接点出力(端子台2-15,16番ピン)の接点出力も同時に導通し
ます。
8-1
〔手動校正の場合〕
① 手動校正時にエラーになると表示1に下記のように表示されます。
表示1
シュドウコウセイゼロエラー
コウセイスル:ZERO コウセイシナイ:ESC
② 強制的に校正する場合は
ZERO
キー(
③ 校正を中止して,エラー解除する場合は
SPAN
ESC
キー)を押してください。
キーを押してください。
ポイント
測定レンジの設定を変えて校正を行うと,Err1,Err2が表示される場合がありますが,計器の異
常ではありませんので,もう一回手動で校正を行ってください。
〈注意〉
① 測定レンジの設定を変えて校正を行うと“シュドウコウセイゼロ(スパン)エラー”が表示される場合があ
りますが,計器の異常ではありませんので,強制的に校正を行ってください。
② 校正濃度値の設定を変えた時も同様です。
8-2
9.仕
様
・補 助 ガ ス:N2,O2または空気
・測 定 範 囲:① 補助ガスがN2の時
・補 助 ガ ス 圧 力:100kPa
・0~2…100%O2
(補助ガス流量5~15mL/min)
・任意設定(1%O2ステップ)
② 補助ガスが空気(21%O2)の時
・パージガス流量:1L/min,N2または空気
(周囲が腐食性雰囲気の場合など)
・21~23…100%O2
・暖 機 時 間:2時間
または
・温 度 特 性:フルスケールの1.5%/10℃
21~19…0%O2
・任意設定(1%O2ステップ)
(ゼロ点)
・他 ガ ス の 影 響 :濃度100%の干渉成分ガスを流し
③ 補助ガスが100%O2の時
た時のゼロ点変動O2%
・100~98…0%O2
・任意設定(1%O2ステップ)
・測 定 レ ン ジ 数:2レンジ
・測 定 方 式:磁気力式(圧力検出形)
・出 力 信 号:DC4~20mA(負荷抵抗550Ω以下)
/DC0~1V(負荷抵抗500Ω以上)
・繰 り 返 し 性:フルスケールの±0.5%以内
(レンジ幅 10%O2以上)
フルスケールの±1.0%以内
(レンジ幅 10%O2未満)
・ゼ ロ リ フ ト:フルスケールの±1.0%/1週間以内
(レンジ幅 10%O2以上)
フルスケールの±1.5%/1週間以内
(レンジ幅 10%O2未満)
・スパンドリフト:フルスケールの±2.0%/1週間以内
・応 答 速 度:2秒以内(レンジ幅 5.0%O2以上)
・測定ガスの温度:0~40℃
・測定ガスの流量:0.5L±0.2L/min
(応答時間2秒を超える)
1.0L±0.2L/min
(応答時間2秒以内)
・圧
損:2.8kPa
(測定ガス流量 1.0L/min)
9-1
ガス種類
変動値O2%
NO
+43.00
NO2
+28.00
He
+ 0.30
H2
+ 0.24
Ne
+ 0.13
HF
+ 0.10
CO
+ 0.01
n-C7H16
- 2.10
Xe
- 0.95
C3H8
- 0.86
C3H6
- 0.55
C2H6
- 0.46
C3H4
- 0.44
H2S
- 0.39
HC1
- 0.30
CO2
- 0.27
NH3
- 0.26
C2H2
- 0.24
Ar
- 0.22
SO2
- 0.22
N2O
- 0.20
CH4
- 0.20
H2O
- 0.02
・表
示:表示1・… メッセージ表示 24文字×2行液晶
表示2・… 濃度表示
4桁LCD
レンジ表示
4桁LCD
・校 正 機 能:校正方法・…手動校正(キー操作による),
自動校正
自動校正周期・…0~168時間(1時間単位)
自動校正開始時間・…月~日曜日,0~23時
0~59分で設定
校正ガス流通時間・…0~60分,0~59秒で設定
校正ガス濃度・…ゼロガス
0.00~99.99%O2
(0.01%O2ステップ)
スパンガス
0.00~99.99%O2
(0.01%O2ステップ)
・出 力 ホ ール ド:校正時出力ホールド可
・警 報 出 力:上限アラーム・…0.0~110.0%O2設定可
下限アラーム・…0.0~100.0%O2設定可
ヒステリシス・…0.0~20.0%FS設定可
・移 動 平 均 時 間:0~99.9秒
・接 点 出 力:1a接点・…レンジ識別信号,校正中信号,
計機異常,自動校正異常
1c接点・…ゼロ校正バルブ,スパン校正バルブ,
上限アラーム,下限アラーム
接点容量・…AC250V,2A(抵抗負荷)
・接 点 入 力:リモートレンジ,外部ホールド,自動校正リモートスタート
電圧入力・…DC5V,状態検知
・供 給 電 源:AC85~264V,50/60Hz
・消 費 電 力:約90VA
・周 囲 温 度:-5~40℃
・周 囲 湿 度:90%RH以下
・外 被 形 式:鋼板製ケース,屋内形
・外形寸法(H×W×D):
ラック取付形・…220×483×463[㎜]
パネル埋込形・…220×443×463[㎜]
机上形・・・・・・…・233×443×463[㎜]
・質
・塗
量:約16㎏
装
色:マンセル5Y8/1
・取 付 方 法:19インチラック取付または,パネル埋込または,机上設置
9-2
★
マニュアルコメント用紙
★
お客様へ
マニュアルに関するご意見,ご要望,その他お気付きの点,または内容の不明確な部分がございましたら,この用
紙に具体的にご記入のうえ,担当営業員にお渡しください。
マ ニ ュ ア ル № INZ-TN5ZAJ
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年
社名
マニュアル名称 磁気力式酸素分析計 取扱説明書
ご提出者 所属
氏名
ページ
行
内
容
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