LTC3127 - 入力電流制限をプログラム可能な1A

LTC3127
特長
■
■
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■
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■
■
概要
プログラム可能な平均入力電流制限:
4%精度で0.2A∼1A
出力電圧を上回る/下回る、
または等しい入力電圧で出力を安定化
入力電圧範囲:1.8V∼5.5V、
出力電圧範囲:1.8V∼5.25V
0.6Aの連続出力電流:VIN>1.8V
1Aの連続出力電流:VIN>3V
インダクタは1個のみ
同期整流:最大96%の効率を達成
Burst Mode®動作:IQ = 35μA(ピンで選択可能)
シャットダウン時の出力切断
シャットダウン電流:<1μA
熱特性が改善された小型10ピン
(3mm×3mm×0.75mm)
DFNおよび12ピンMSOPパッケージ
アプリケーション
入力電流制限を
プログラム可能な
1A 昇降圧DC/DCコンバータ
LTC®3127は、入力電圧範囲の広い、高効率1.35MHz固定周
波数昇降圧DC/DCコンバータで、
出力電圧を上回るまたは下
回る入力電圧でも、
また出力電圧と等しい入力電圧でも動作
します。平均入力電流制限を設定可能なので、電力が制限さ
れた入力源に最適です。平均入力電流制限は1個の抵抗を使
用して0.2A∼1Aの範囲で高精度で設定されます。
LTC3127はすべての動作モード間を連続的に移行可能なト
ポロジーを採用しています。
この他に、1μA未満のシャットダウ
ン電流、
ピンで選択可能なBurst Mode動作、熱過負荷保護な
どを特長としています。
LTC3127は熱特性が改善された10ピン
(3mm 3mm 0.75mm)DFNパッケージと12ピンMSOPパッ
ケージで供給されます。
L、LT、LTC、LTM、Linear Technology、Burst ModeおよびLinearのロゴはリニアテクノロジー社の
登録商標です。PowerPathおよびThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。他のすべての商
標はそれぞれの所有者に所有権があります。
USB駆動のGSMモデム
スーパーキャパシタ・チャージャ
■ ハンドヘルド・テスト機器
■ PCカード・モデム
■ ワイヤレス端末
■
■
標準的応用例
USBまたはリチウムイオン・バッテリ
(最大入力電流:500mA)
から3.3Vへの変換
効率とVIN
100
L1
4.7µH
USB OR Li-Ion
2.9V to 5.5V
90
SW2
VOUT
MODE
OFF ON
10µF
320k
SHDN
FB
VC
PROG
SGND PGND
32.4k
2.2mF
1A LOAD
80
70
182k
100pF
60
499k
3127 TA01
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
VOUT
3.3V
EFFICIENCY (%)
SW1
VIN
300mA LOAD
50
2.5
VOUT = 3.3V
L = 4.7µH
F = 1.35MHz
3
3.5
4
VIN(V)
4.5
5
5.5
3127 TA01a
3127f
1
LTC3127
絶対最大定格 (Note 1)
VIN、VOUTの電圧 ...................................................... −0.3V~6V
SW1、SW2のDC電圧 ............................................... −0.3V~6V
SW1、SW2のパルス
(<100ns)電圧 ......................... −0.3V~7V
MODE、FB、VCの電圧 ............................................... −0.3V~6V
SHDNの電圧 ........................................................... −0.3V~6V
PROGの電圧 ........................................................... −0.3V~6V
動作接合部温度範囲
(Note 2).............................................................. −40℃~85℃
最大接合部温度(Note 5)...............................................125℃
保存温度範囲................................................... −65℃~125℃
ピン配置
TOP VIEW
TOP VIEW
SW1
1
10 SW2
VIN
2
9 VOUT
SHDN
3
MODE
4
PROG
5
11
PGND
PGND
SW1
VIN
SHDN
MODE
PROG
8 VC
7 FB
6 SGND
1
2
3
4
5
6
13
PGND
12
11
10
9
8
7
PGND
SW2
VOUT
VC
FB
SGND
MSE PACKAGE
12-LEAD PLASTIC MSOP
DD PACKAGE
10-LEAD (3mm × 3mm) PLASTIC DFN
TJMAX = 125°C, θJA = 40°C/W (NOTE 6)
EXPOSED PAD (PIN 11) IS PGND, MUST BE SOLDERED TO PCB
TJMAX = 125°C, θJA = 43°C/W (NOTE 6)
EXPOSED PAD (PIN 11) IS PGND, MUST BE SOLDERED TO PCB
発注情報
鉛フリー仕様
テープアンドリール
製品マーキング
パッケージ
温度範囲
LTC3127EDD#PBF
LTC3127EDD#TRPBF
LDYD
10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN
–40°C to 85°C
LTC3127EMSE#PBF
LTC3127EMSE#TRPBF
3127
12-Lead Plastic MSOP
–40°C to 85°C
さらに広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。
非標準の鉛ベース仕様の製品の詳細については、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。
鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。
テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください。
3127f
2
LTC3127
電気的特性
●は全動作温度範囲での規格値を意味する。
それ以外はTJ = 25℃での値。
注記がない限り、
VIN = 3.6V、
VOUT = 3.3V。
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
Input Operating Range
l
1.8
5.5
V
Output Voltage Adjust
l
1.8
5.25
V
l
1.165
1.195
1.225
V
Feedback Input Current
VFB = 1.25V
1
50
nA
Quiescent Current—Burst Mode Operation
VFB > 1.225, VMODE = VIN (Note 4)
35
Quiescent Current—Shutdown
VSHDN = 0V, Including SW Leakage
0.1
Quiescent Current—Active
VFB > 1.225V, VMODE = 0V (Note 4)
400
Input Current Limit
RPROG = 32.4k (Note 3)
Feedback Voltage
µA
4
µA
µA
480
500
520
mA
0°C to 85°C (Note 3)
l
465
500
540
mA
–40°C to 85°C (Note 3)
l
430
500
540
mA
l
2
2.5
0.15
0.3
0.45
4
Peak Current Limit
Reverse-Current Limit
A
A
P-Channel MOSFET Leakage
Switches A and D
0.1
N-Channel MOSFET On-Resistance
Switch B
Switch C
140
170
mΩ
mΩ
P-Channel MOSFET On-Resistance
Switch A
Switch D
160
190
mΩ
mΩ
Maximum Duty Cycle
Boost( % Switch C On)
Buck (% Switch A On)
90
%
%
l
l
80
100
0
Minimum Duty Cycle
l
Frequency Accuracy
l
1
SHDN Input High Voltage
l
1.2
SHDN Input Low Voltage
l
SHDN Input Current
VSHDN = 5.5V
l
MODE Input Low Voltage
l
VMODE = 5.5V
Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに永続的損傷を与える可
能性がある。
また、絶対最大定格状態が長時間続くと、
デバイスの信頼性と寿命に悪影響を
与える恐れがある。
Note 2:LTC3127は0℃~85℃の温度範囲で性能仕様に適合することが保証されている。
−40℃
~85℃の動作接合部温度範囲での仕様は設計、特性評価および統計学的なプロセス・コント
ロールとの相関で確認されている。最大周囲温度は、基板レイアウト、
パッケージの定格熱抵
抗および他の環境要因と関連した特定の動作条件によって決まることに注意。
1.7
%
MHz
V
0.01
MODE Input High Voltage
MODE Input Current
1.35
µA
0.3
V
1
µA
1.2
V
0.01
0.3
V
1
µA
Note 3:インダクタ電流が連続導通モードの場合に仕様が保証されている。
Note 4:電流測定は出力がスイッチングしていないときに行われる。
Note 5:このデバイスには、
短時間の過負荷状態の間デバイスを保護するための過温度保護
機能が備わっている。過温度保護機能がアクティブなとき、接合部温度は125℃を超える。規
定された最大動作接合部温度を超えた動作が継続すると、
デバイスの劣化または故障が生
じる恐れがある。
Note 6:パッケージの露出した裏面をPCボードのグランド・プレーンに半田付けしないと、
熱抵
抗が40℃/Wよりもはるかに大きくなる。
3127f
3
LTC3127
標準的性能特性 (注記がない限りTJ = 25℃)
PWM
90
80 BURST
80
70
70
60
50
40
30
20
VIN = 1.8V
VIN = 3.6V
VIN = 5V
10
0
0.1
1
10
100
LOAD CURRENT (mA)
BURST
PWM
40
30
VIN = 2.9V
VIN = 3.6V
VIN = 4.3V
1
10
100
LOAD CURRENT (mA)
–2
–3
5.4
1
10
100
1000
LOAD CURRENT (mA)
10000
3127 G03
消費電流と入力電圧
(固定周波数モード、
スイッチングしていない場合)
430
410
0
–1
–2
–3
390
370
350
330
310
290
–5
–45 –30 –15
3127 G04
0 15 30 45 60
TEMPERATURE (°C)
75
90
270
1.8 2.2 2.6
3
3127 G05
3.4 3.8 4.2 4.6
VIN (V)
5
5.4
3127 G06
Burst Mode動作における
無負荷入力電流と入力電圧
38
52.5
VOUT = 3.3V
52.0
INPUT CURRENT (µA)
37
INPUT CURRENT (µA)
VIN = 4.5V
VIN = 5V
VIN = 5.5V
3127 G02
VOUT = 3.3V
RPROG = 32.4k
Burst Modeの消費電流と入力電圧
36
35
34
33
32
1.8 2.2 2.6
0
0.1
1000
–4
–4
PWM
10
平均入力電流制限と温度
(正規化)
–1
5
50
40
20
1
3.4 3.8 4.2 4.6
VIN (V)
60
30
3127 G01
0
3
70
20
2
VOUT = 5V
80 BURST
50
0
0.1
1000
VOUT = 3.3V
RPROG = 32.4k
–5
1.8 2.2 2.6
90
10
INPUT CURRENT LIMIT (%)
INPUT CURRENT LIMIT (%)
1
VOUT = 3.3V
60
平均入力電流制限と入力電圧
(正規化)
2
効率と負荷電流
100
INPUT CURRENT (µA)
VOUT = 1.8V
EFFICIENCY (%)
EFFICIENCY (%)
90
効率と負荷電流
100
EFFICIENCY (%)
効率と負荷電流
100
51.5
51.0
50.5
50.0
49.5
49.0
3
3.4 3.8 4.2 4.6
VIN (V)
5
5.4
3127 G07
48.5
1.8 2.2 2.6
3
3.4 3.8 4.2 4.6
VIN (V)
5
5.4
3127 G08
3127f
4
LTC3127
標準的性能特性 (注記がない限りTJ = 25℃)
出力電圧レギュレーションと
負荷電流(正規化)
帰還電圧と温度(正規化)
L = 4.7µH
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
NMOSのRDS(ON)
と入力電圧
300
VOUT = 3.3V
0.30
0.20
–0.20
–0.40
–0.60
250
0.10
RDS(ON) (mΩ)
CHANGE (%)
0.00
0.40
VOUT REGULATION (%)
0.20
0
–0.10
–0.20
–0.30
200
SWC
150
–0.40
SWB
–0.50
–0.80
–50
–30
50
–10 10
30
TEMPERATURE (°C)
70
–0.60
90
3127 G09
2250
2000
1750
LOAD CURRENT (mA)
275
RDS(ON) (mΩ)
100
1000
600
800
400
LOAD CURRENT (mA)
225
SWD
175
1500
1.8
2.4
3
4.2
4.8
5.4
3
3.6
VIN (V)
RPROG = 90k
4.8
5.4
ILOAD
1A/DIV
VOUT = 2.4V
IIN
1A/DIV
VOUT
50mV/DIV
VOUT = 3.3V
1250
1000
VOUT = 5V
750
IL
1A/DIV
200µs/DIV
0
1.8 2.2 2.6
4.2
固定周波数モードの負荷過渡応答
(無負荷から1A、入力電流制限状態
ではない場合)
250
3.6
VIN (V)
2.4
3127 G11
500
SWA
1.8
3127 G10
最大負荷電流と入力電圧
PMOSのRDS(ON)
と入力電圧
325
125
200
0
3
3.4 3.8 4.2 4.6
VIN (V)
5
3127 G14
VIN = 3.6V
VOUT = 3.3V
RPROG = 90k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
5.4
3127 G13
3127 G12
固定周波数モードの負荷過渡応答
(無負荷から1A、入力電流制限状態
の場合)
Burst Mode動作
MODE = 0V
ILOAD
1A/DIV
IL
500mA/DIV
IIN
500mA/DIV
VOUT
100mV/DIV
VOUT
20mV/DIV
200µs/DIV
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
RPROG = 32.4k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
3127 G15
5µs/DIV
3127 G16
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
RPROG = 32.4k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
3127f
5
LTC3127
標準的性能特性 (注記がない限りTJ = 25℃)
Burst Mode動作における
負荷過渡応答
(無負荷から1A、
入力電流制限状態ではない場合)
ILOAD
1A/DIV
Burst Mode動作から
固定周波数モードへの過渡
IIN
200mA/DIV
IIN
1A/DIV
VOUT
50mV/DIV
VOUT
20mV/DIV
MODE
5V/DIV
200µs/DIV
VIN = 3.6V
RPROG = 90k
R3 = 499k
3127 G17
MODE
5V/DIV
100µs/DIV
VOUT = 3.3V
COUT = 4.4mF
C1 = 100pF
3127 G18
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
RPROG = 32.4k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
Burst Mode動作における
負荷過渡応答(無負荷から1A、
入力電流制限状態の場合)
起動波形
ILOAD
1A/DIV
IIN
500mA/DIV
VOUT
100mV/DIV
VOUT
1V/DIV
IIN
500mA/DIV
MODE
5V/DIV
SHDN
5V/DIV
200µs/DIV
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
RPROG = 32.4k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
3127 G19
5ms/DIV
3127 G20
VOUT = 3.3V
VIN = 3.6V
RPROG = 32.4k COUT = 4.4mF
R3 = 499k
C1 = 100pF
3127f
6
LTC3127
ピン機能 (DDパッケージ)
SW1
(ピン1)
:内部スイッチAとBが接続されているスイッチ・ピ
ン。
インダクタをSW1からSW2に接続します。EMIを抑えるため
にトレース長を最小限にしてください。
VIN
(ピン2)
:入力電源ピン。ICの内部VCC。VINとPGNDのでき
るだけ近くに10μF以上のセラミック・コンデンサを配置する必
要があります。
SHDN
(ピン3)
:ロジック制御のシャットダウン入力。
SHDN = “H”:通常動作
SHDN = “L”:シャットダウン
MODE
(ピン4)
:パルス幅変調/Burst Mode選択入力。
MODE = “H”:Burst Mode動作
MODE = “L”:PWM動作のみ。強制連続導通モード
PROG
(ピン5)
:平均入力電流制限のスレッショルドを設定し
ます。PROGからグランドに抵抗を接続します。部品の値の選
択に関しては下の式を参照してください。
SGND
(ピン6)
:ICの信号グランド。PROG抵抗、補償部品、
出
力抵抗分割器をSGNDに終端します。
FB(ピン7)
:帰還ピン。
ここに抵抗分割器のタップを接続しま
す。出力電圧は1.8V∼5.25Vの範囲で調整できます。帰還リ
ファレンス電圧は1.195Vです。
⎛ R2 ⎞
VOUT = 1.195 • ⎜ 1+ ⎟ V
⎝ R1⎠
V(
:エラーアンプ出力。
このピンからSGNDに補償部
C ピン8 )
品を配置します。
V OUT(ピン9 )
:同期整流器の出力。
このピンからGNDに出力
フィルタ・コンデンサを接続します。少なくとも22μFを推奨しま
す。
出力コンデンサは低ESRのものとする必要があります。
SW2
(ピン10)
:内部スイッチCとDが接続されているスイッチ・
ピン。EMIを抑えるためにトレース長を最小限にしてください。
PGND
(露出パッド、
ピン11)
:電源グランド。露出パッドはPCB
のグランド・プレーンに半田付けする必要があります。
+4.94(kΩ)
RPROG = 54.92 • ILIMIT(A)
3127f
7
LTC3127
ブロック図
SW1
L
SW2
VIN
VOUT
CIN
–
+
VC
IZERO
AMP
IPEAK
AMP
PWM
COMPARATOR
AND LOGIC
SHDN
MODE
PROG
RPROG
SAMPLE/HOLD
AND RESET
R2
+
–
FB
+
1.195V
–
R3
COUT
C1
R1
–
VCLAMP
+
SGND
3127 BD
3127f
8
LTC3127
動作
周期の一部分でオンし始めます。入力電圧がさらに低下する
と、ACスイッチ・ペアはより長い時間オン状態を維持し、BD
フェーズの継続時間がそれに比例して減少します。入力電圧
が出力電圧を下回ると、最終的にBDがスイッチングしなくなる
ポイントまでACフェーズが増加します。
このポイントで、
スイッ
チAは連続してオン状態を維持する一方、
スイッチ・ペアCDは
必要な出力電圧を得るためパルス幅変調されます。
この時点
では、
コンバータは昇圧モードのみで動作しています。
LTC3127は平均電流制御方式の昇降圧DC/DCコンバータ
で、熱特性が改善された3mm 3mmのDFNパッケージと熱特
性が改善された12ピンMSOPパッケージで供給されます。
こ
の昇降圧コンバータは、出力電圧を入力電圧よりも高い値、
低い値、
あるいは等しい値に安定化することができる独自の
スイッチング・アルゴリズムを使用しています。同期スイッチは
RDS(ON)が小さくゲート電荷が少ないので、高い効率で高周
波PWM制御を実現します。Burst Mode動作に設定した時は、
軽負荷で高い効率が実現されます。
このスイッチング・アルゴリズムは、3つの動作モード全てにわ
たって動作モード間のシームレスな移行を実現し、
平均インダ
クタ電流、
インダクタ電流リップル、
およびループ伝達関数に
不連続が生じません。
このような利点により、従来の4スイッチ
昇降圧コンバータに比べて効率と安定性が向上します。強制
PWMモード動作では、
インダクタが連続導通状態に強制され
ます。
これによってスイッチング周波数を固定し、
ノイズ性能を
向上させることができます。
PWMモード動作
LTC3127は、固定周波数の平均入力電流PWM制御を採用し
ています。MODEピンを使用すれば、
自動Burst Mode動作を
選択するか
(MODEをVINに接続)、Burst Mode動作をディス
エーブルして低ノイズ・アプリケーション用に強制連続導通動
作を選択する
(MODEをグランドに接続)
ことができます。
独自のスイッチング・アルゴリズムにより、
コンバータは、
イン
ダクタ電流やループ特性に不連続性を生じることなく、降圧
モード、昇降圧モード、
および昇圧モードに切り替えることが
できます。昇降圧コンバータのスイッチ・トポロジーを図1に示
します。
エラーアンプと補償
昇降圧コンバータは2つの制御ループを使用します。外側の電
圧ループは、出力電圧の安定化に必要な電流の量を決定し
ます。電圧ループは外部的に補償され、積分補償または比例
制御で構成することができます。
内側の電流補償は内部的に
補償を行うもので、入力電流を指定された値に強制します。
入力電圧が出力電圧を大幅に上回っていると、昇降圧コン
バータは降圧モードで動作します。
スイッチDは連続してオン
し、
スイッチCはオフしたままです。
スイッチAとBはパルス幅変
調され、必要なデューティ・サイクルを発生して出力の安定化
電圧を維持します。入力電圧が低下すると、
スイッチAはスイッ
チング・サイクルの大部分でオンを維持します。
デューティ・サ
イクルが約85%に達すると、
スイッチ・ペアACがスイッチング
比例制御によってV Cの補償を行う場合、499kの抵抗を使用
する時は出力に少なくとも1000μFの容量を配置し、出力コン
デンサのドミナント・ポールを使って安定性を保証します。比
例補償では最大容量の制限はありません。
L
VIN
A
SW1
B
LTC3127
PGND
SW2
D
VOUT
C
PGND
3127 F01
図1. 昇降圧スイッチのトポロジー
3127f
9
LTC3127
動作
出力コンデンサが1000μF未満44μF以上の場合は積分補償
が必要です。
それ以外の場合は比例補償の使用を推奨しま
す。
積分補償によってコンバータを補償する時は、
ネットワークの
合計帯域幅を15kHz未満にしなければならないという点を考
慮することが重要です。
LTC3127の内側の入力電流ループは、
インダクタによって生じる2つのポールの一方を除去します。
出
力コンデンサはドミナント・ポールとゼロを発生させ、抵抗分
割器は利得を設定します。
GDC = 1 +
R2
R1
fPOLE1 =
1
2 • π • RLOAD • COUT
f ZERO1 =
1
2 • π • RESR • COUT
図2に示す補償ネットワークを使用して、電圧ループ補償は次
の伝達関数で近似することができます。
H COMP (s) =
gm • (C1• R A • s + 1 )
s • (C1 • C2 • R A • s + C1 + C2 )
これによって、以下の位置にポールとゼロが発生します。
fPOLE2 ≅ DC
fPOLE3 =
1
2 • π • R A • C2
f ZERO2 =
1
2 • π • R A • C1
補償のポールとゼロは、LTC3127が連続導通状態となる最小
負荷時にfPOLE1がどこに来るかを見て決定する必要がありま
す。
これは、
ドミナント・ポールの周波数を最も低くします。補償
のポールとゼロを設定した後は、
システムの位相マージンを
45 より大きく、利得マージンを3dBより大きくする必要があり
ます。
これら2つの基準に従うことは、安定性を保証する助けと
なります。
電流制限動作
昇降圧コンバータには2つの電流制限回路が備わっていま
す。電流制限は主に平均電流制限回路によって行われ、外側
の電圧ループの出力をクランプします。
これは自由に処理でき
る入力電流の大きさを制限し、内側の電流ループはクランプ
値に安定化されます。
ここで、gm = 150 • 10­6
VOUT
VOUT
LTC3127
–
PWM
+
MEASURED
INPUT CURRENT
+
1.195V
–
R2
FB
COUT
VC
R1
RA
C2
SGND
C1
3127 F02
図2. 昇降圧外部補償
3127f
10
LTC3127
動作
入力電流制限は、PROGピンからSGNDに配置されたRPROG
抵抗によって設定されます。抵抗値は次の式を使って計算で
きます。
+4.94(kΩ)
RPROG = 54.92 • ILIMIT(A)
ここで、ILIMITはアンペアを単位とする平均入力電流制限値で
す。
補助的な2.5A(標準)
の電流制限がトリップするとスイッチB
とDがオンし、AとCがオフします。
この電流制限はRPROGの値
に影響されません。
逆電流制限
スイッチDの逆電流コンパレータは、
出力から供給されるイン
ダクタ電流をモニタします。
この電流が300mA
(標準)
を超える
と、
スイッチング・サイクルの残りの時間はスイッチDがオフしま
す。
Burst Mode動作
MODEピンを H に保つと、標準負荷電流が35mA未満であ
る限りLTC3217はBurst Mode動作を行います。Burst Mode動
作では、LTC3127はやはり1.35MHzの固定周波数でスイッチ
ングを行い、平均入力電流モード制御時と同じエラーアンプ
とループ補償を使用します。
この制御方法ではモード切り替
え時に過渡出力が生じません。Burst Mode動作では、
出力電
圧が公称安定化値に達するまでエネルギーが出力に供給さ
れます。
この時点でLT3127はスリープ・モードに移行します。
ス
リープ・モードでは出力スイッチがオフし、LTC3127の消費電
流はVINから流出する35μAだけになります。出力電圧がわず
かに垂下するとスイッチングが再開されます。
このためスイッチ
ング損失と静止時損失が最小に抑えられ、負荷が非常に軽
い場合でも最大限の効率が得られます。
アンチリンギング制御
アンチリンギング制御回路は、SW1とSW2からPGNDに抵抗
を接続して、Burst Modeにおける不連続電流モード動作時の
高周波リンギングを防ぎます。LとCSW(SWピンの容量)
で形
成される共振回路のリンギングはエネルギーが低いとはいえ、
EMI放射を生じることがあります。
シャットダウン
SHDNを0.3Vより下にするとコンバータはシャットダウンし、
SHDNを1.2Vより上にするとイネーブルされます。SHDNは、絶
対最大定格より下に制限されている限り、VINまたはVOUTよ
り上にドライブできます。
サーマル・シャットダウン
ダイ温度が150℃を超えるとLTC3127はディスエーブルされま
す。全てのパワー・デバイスがオフし、
スイッチ・ノードは両方
とも高インピーダンスになります。
ダイ温度が約140℃まで低
下すれば、LTC3127は再起動します
(イネーブルされている場
合)。
サーマル・レギュレータ
非常に大きな容量負荷を充電中にデバイスがサーマル・
シャットダウンしてしまうのを防ぐ助けとするために、LTC3127
にはサーマル・レギュレータが備わっています。ダイ温度が
130℃
(標準)
を超えると、
パッケージ内で消費する電力を減ら
すために平均電流制限値が下げられます。
サーマル・シャット
ダウンの直前の電流制限値はほぼ0Aです。
ダイ温度が130℃
未満に下がると電流制限は最大値に戻ります。
低電圧ロックアウト
入力電源電圧が1.7V(標準)を下回るとLTC3127はディス
エーブルされ、全てのパワー・デバイスがオフします。
ゼロ電流コンパレータ
ゼロ電流コンパレータは出力へのインダクタ電流をモニタし
て、
この電流が約30mAまで減少すると同期整流器をオフしま
す。
これはインダクタ電流の極性反転を防ぎ、軽負荷時の効率
を改善します。
このコンパレータはBurst Mode動作でのみアク
ティブです。
3127f
11
LTC3127
アプリケーション情報
LTC3127の標準的応用回路が、
このデータシートの最初の
ページに示されています。外付け部品の選択はそれぞれのア
プリケーションの出力電圧、入力電流、
およびリップル電圧の
要件によって決まります ただし、設計プロセスの基本的ガイド
ラインと検討事項をこのセクションで説明します。
昇降圧コンバータの出力電圧の設定
昇降圧コンバータの出力電圧は、次式に従い抵抗分割器に
よって設定されます。
⎛ R2 ⎞
VOUT = 1.195V • ⎜ 1 + ⎟ V
R1⎠
⎝
外付け抵抗分割器は図3に示すように出力に接続します。昇
降圧コンバータは入力電流モード制御を使用しており、
出力
分割抵抗は安定性には寄与しません。
1.8V ≤ VOUT ≤ 5.25V
R2
FB
LTC3127
R1
GND
3127 F03
図3. 昇降圧コンバータの出力電圧の設定
昇降圧コンバータ用インダクタの選択
高効率を達成するには、昇降圧コンバータに低ESRのインダ
クタを使用する必要があります。
インダクタの飽和定格値は、
ワーストケースの平均インダクタ電流にリップル電流の半分
を加えた値よりも大きくする必要があります。
ピーク・トゥ・ピー
ク・インダクタ電流リップルは、昇降圧領域よりも、降圧モード
および昇圧モードで大きくなります。各モードのピーク・トゥ・
ピーク・インダクタ電流リップルは次の式から計算することが
できます。
ここで、LはμHを単位とするインダクタンスです。
∆ I L,P − P,BUCK =
∆ I L,P − P,BOOST =
VOUT ( VIN − VOUT )
( A)
VIN • L • (1.35MHz)
VIN ( VOUT − VIN )
( A)
VOUT • L • (1.35MHz)
LTC3127のスイッチング周波数は1.35MHzと高速なので、小
型の表面実装インダクタを使用することができます。
ほとんど
のアプリケーションには、2.2μH∼4.7μHのインダクタが適して
います。
インダクタンス値をこれよりも大きくすれば、
インダクタ
のリップル電流が小さくなるので出力電流能力をわずかに向
上させることができます。
インダクタンスを10μH以上にするとサ
イズが大きくなりますが、
そのわりに出力電流能力の向上はわ
ずかです。
インダクタのリップル電流は一般に最大インダクタ電流の20%
∼40%に設定されます。高周波用フェライト・コアのインダクタ
素材は、安価な鉄粉タイプに比べ、周波数に依存する電力損
失を減らして効率を上げます。
インダクタは、I2R電力損失を減
らすためにESR(巻線の直列抵抗値)
が低く、
また飽和せずに
ピーク・インダクタ電流を流すことができなければなりません。
一般に、
モールド型チョークコイルや一部のチップ・インダクタ
は、LTC3127に見られる2.5Aのピーク・インダクタ電流に対応
できるだけの十分なコア面積を持っていません。放射ノイズを
最小限に抑えるには、
シールドされたインダクタを使用します。
推奨部品と製造元については表1と基準配線図を参照してく
ださい。
表1. 推奨インダクタ
VENDOR
PART/STYLE
Coilcraft
847-639-6400
www.coilcraft.com
LPO2506
LPS4012, LPS4018
MSS6122
MSS4020
MOS6020
DS1605, DO1608
XPL4020
Coiltronics
www.cooperet.com
SD52, SD53
SD3114, SD3118
Murata
714-852-2001
www.murata.com
LQH55D
Sumida
847-956-0666
www.sumida.com
CDH40D11
Taiyo-Yuden
www.t-yuden.com
NP04SB
NR3015
NR4018
TDK
847-803-6100
www.component.tdk.com
VLP, LTF
VLF, VLCF
Würth Elektronik
201-785-8800
www.we-online.com
WE-TPC Type S, M, MH
3127f
12
LTC3127
アプリケーション情報
出力コンデンサと入力コンデンサの選択
大きなパルス負荷用の出力コンデンサを選択するときは、
パル
ス電流の大きさと継続時間、
および垂下電圧仕様に従います。
コンデンサのESRとサイクル毎にコンデンサに蓄積される電荷
の両方が、
出力電圧垂下に寄与します。電荷による垂下はおよ
そ次の通りです。
V DROOP _ LOAD =
⎡
⎛ V •I
⎞⎤
•η
⎢I PULSE − ⎜ IN IN(MAX )
− ISTANDBY ⎟ ⎥ • D • T
VOUT
⎢⎣
⎝
⎠ ⎥⎦
( V)
COUT
ここで、
IPULSE = パルス負荷電流
ISTANDBY = スタンバイ・モードの静的負荷電流
IIN(MAX)= 設定された入力電流制限(A)
T = 負荷パルスの継続時間
D = 負荷パルスのデューティ・サイクル
VDROOP = 安定化電圧からの出力垂下(V)
η = 入力電流制限点でのコンバータの効率
上式はワーストケースでの近似で、
パルスのエネルギーは全て
出力コンデンサが供給していると仮定しています。
合計出力電圧垂下は次式で与えられます。
VDROOP = VDROOP_LOAD +VDROOP_ESR(V)
容量値が大きく低ESRだと、標準的な内部補償昇降圧コン
バータでは不安定になることがあります。
比例補償を使用して
1000μF以上の低ESR出力コンデンサを使用すれば、LTC3127
は安定します。
多層セラミック・コンデンサはESRが非常に小さく実装面積の
小さいものが入手できるので、昇圧コンバータの入力のデカッ
プリングに最適です。入力コンデンサは、
できるだけデバイスに
近づけて配置する必要があります。
ほとんどのアプリケーショ
ンでは10μFの入力コンデンサで十分ですが、入力デカップリ
ングを改善するために、制約なしでもっと大きな値を使うこと
もできます。
セラミック・コンデンサの選択の詳細については製
造元へ直接お問い合わせください。推奨されるのはセラミッ
ク・コンデンサですが、低ESRのタンタル・コンデンサを使うこ
ともできます。
パルス負荷アプリケーションに有効な大容量コンデンサを使
用する場合、与えられたデューティ・サイクルに対する最大負
荷と最小容量は次の式で計算できます。
ILOAD(MAX ) =
⎡
⎛ VIN • IIN(MAX ) • η
⎞⎤
= ⎢I PULSE − ⎜
− ISTANDBY ⎟ ⎥ • ESR ( V)
VOUT
⎝
⎠ ⎥⎦
⎢⎣
出力の垂下を小さく抑えるには、ESRを小さく、
かつ容量を大
きくする必要があります。表2と
「標準的応用例」
の配線図に蓄
電コンデンサの製造元をいくつか示します。
D • VOUT
( A)
COUT(MIN) =
⎡
⎛ VIN • IIN(MAX ) • η
⎞⎤
− ISTANDBY ⎟ ⎥
⎢IPULSE − ⎜
VOUT
⎝
⎠ ⎥⎦
⎢⎣
コンデンサの等価直列抵抗(ESR)
による垂下は次のとおりで
す。
V DROOP _ ESR
VIN • IIN(MAX ) • η
•
D•T
(F)
VDROOP
表2. コンデンサの製造元
SUPPLIER
PHONE
WEB SITE
Vishay
402-563-6866
www.vishay.com
AVX
803-448-9411
www.avxcorp.com
Cooper Bussmann
516-998-4100
www.cooperbussmann.com
CAP-XX
843-267-0720
www.cap-xx.com
Panasonic
800-394-2112
www.panasonic.com
3127f
13
LTC3127
アプリケーション情報
コンデンサ選択の例
この例のパルス負荷アプリケーションでは、V OUTの垂下を
300mV未満にする必要があります。
このアプリケーションは、
リチウムイオン・バッテリ入力から3.6V出力を得ます。パルス
負荷は無負荷∼1.5Aステップで、周波数217Hz、
デューティ・
サイクルは12.5%です。入力電流制限は500mAに設定します。
300mVの垂下要件を満たすために、最も高いVIN -V OUT 昇
圧比で容量を計算する必要があります。以下のすべての計算
は、最小電圧を3V、効率を90%と仮定しています。
このアプリケーションでは、各値は次の通りです。
VIN = 3V
VOUT = 3.6V
IIN(MAX)= 500mA
ステップ2:必要な最小出力容量を計算します。
⎛
3V • 500mA • 0 . 9 ⎞
⎟
COUT(MIN) ≥ ⎜ 1 . 5A −
⎝
⎠
3 . 6V
•
0 . 125 • 4 . 6ms
= 2 . 15mF
300mV
ステップ3:このアプリケーションには、VishayのTantamountシ
リーズの 2.2mF低ESRタンタル・コンデンサを選択します。
この
コンデンサの最大ESRは0.04Ωです。選択したコンデンサを使
用した場合の垂下量を計算する必要があります。
VDROOP _ LOAD =
⎡
⎞⎤
⎛ 3V • 500mA • 0 . 9
− 0 A ⎟ ⎥ • 0 . 125 • 4 . 6ms
⎢1 . 5 A − ⎜
3 . 6V
⎝
⎠⎦
⎣
2 . 2mF
= 0 . 294V
IPULSE = 1.5A
VDROOP _ ESR =
ISTANDBY = 0A
η = 0.9
⎡
⎛ 3V • 500mA • 0 . 9
⎞⎤
− 0 A ⎟ ⎥ • 0 . 04Ω
⎢1 . 5 A − ⎜
3 . 6V
⎝
⎠⎦
⎣
D = 0.125
= 0 . 045V
T = 1/217Hz = 4.6ms
VDROOP = 300mV
ステップ1:ILOAD(MAX)の式を使用して、
このアプリケーショ
ンがパルス負荷から回復できるだけの十分な電流を供給でき
ることを確認します。
ILOAD(MAX ) =
VDROOP = VDROOP _ LOAD + VDROOP _ ESR = 0 . 339 V
コンデンサのESRのために合計垂下量は300mVより大きくな
ります。
この場合、大きい垂下量を許容できないのであれば、
より容量の大きい低ESRコンデンサを選ぶことができます。
3V • 500mA • 0 . 9
= 3A
0 . 125 • 3 . 6 V
このVINとVOUTの組み合わせで与えることのできる最大パル
ス負荷は3Aです。
3127f
14
LTC3127
アプリケーション情報
PCBレイアウトに関する検討
TLC3127は高周波数で大電流をスイッチングします。安定した
ノイズのない動作を実現するために、PCBレイアウトには細心
の注意を払う必要があります。図4に、LTC3127用の推奨PCB
レイアウトを示し、以下にいくつかの重要なガイドラインを示し
ます。
1. 循環する全ての高電流経路をできるだけ短くします。
これは
図4に太線で示した全ての部品への配線をできるだけ短く、
幅を広くすることによって実現できます。
コンデンサのグラン
ドは、
ビアを使いできるだけ短い配線でグランド・プレーン
に接続します。V INのバイパス・コンデンサはできるだけデバ
イスの近くに配置し、
グランドへの経路をできるだけ短くし
ます。
VIA TO
GROUND
SW1
2. 小信号グランドパッド
(SGND)
は電源グランドに1点接続し
ます。
これを実現する簡便な方法は、図4に示すようにピン
を露出パッドに直接短絡することです。
3. 太線で示されている部品とそれらの接続は、全て完全なグ
ランド・プレーン上に配置します。
4. 大きな循環電流が出力電圧検出を妨げないように、各抵抗
分割器とRPROGのグランドは小信号グランドに直接戻します。
5. ダイ・アタッチ・パッドにビアを使うと、
コンバータの温度環
境が改善されます。特に、PCBの露出した底面のグランド・
プレーン領域までビアが伸びている場合は有効です。
6. FBピンとPROGピンへの接続はできるだけ短くし、
スイッチ・
ピン接続から離します。
VIA TO
GROUND
SW2
1
10
VIN
2
9
SHDN
3
MODE
4
PROG
5
PGND
VOUT
8
VC
7
FB
6
SGND
3127 F04
図4. 推奨PCBレイアウト
THICKER LINES
3127f
15
LTC3127
標準的応用例
USB
(最大500mA)、3.8V GSMパルス負荷
L1
4.7µH
SW1
VIN
VIN
USB
SW2
VOUT
VOUT
3.8V
MODE
PWM BURST
2.15M
LTC3127
OFF ON
FB
SHDN
10µF
C2
2.2mF
1M
VC
PROG
SGND
PGND
100pF
32.4k
C1, C2: VISHAY TANTAMOUNT
TANTALUM, LOW ESR CAPACITORS
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
C1
2.2mF
499k
3127 TA02
PCMCIA/コンパクト・フラッシュ
(最大3.3Vまたは5V/500mA)、3.8V GPRS、
クラス10パルス負荷
L1
4.7µH
SW1
VIN
VIN
3.3V OR
5V
SW2
VOUT
2.15M
MODE
PWM BURST
LTC3127
OFF ON
SHDN
10µF
PROG
SGND
C1, C2, C3: VISHAY TANTAMOUNT
TANTALUM, LOW ESR CAPACITORS
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
VOUT
3.8V
32.4k
FB
VC
PGND
100pF
C3
2.2mF
1M
499k
C2
2.2mF
C1
2.2mF
3127 TA03
3127f
16
LTC3127
標準的応用例
スタック・スーパーキャパシタ・チャージャ
(最大入力電流1000mA)
L1
4.7µH
VIN
1.8V to 5.5V
SW1
VIN
PWM BURST
MODE
SW2
VOUT
3.16M
LTC3127
FB
SHDN
OFF ON
VC
PROG
10µF
VOUT
5V
SGND
1M
100k
C2
100F
PGND
100pF
60.4k
100k
C1
100F
499k
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
3127 TA04
500μs起動の汎用強制連続導通アプリケーション
L1
4.7µH
SW1
VIN
VIN
3V TO 4.3V
SW2
VOUT
VOUT
3.3V
316k 33pF
MODE
PWM BURST
FB
SHDN
OFF ON
PROG
SGND
10µF
0.01µF
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
LTC3127
60.4k
PGND
VC
47k
22µF
×2
182k
3300pF
3127 TA05
3127f
17
LTC3127
パッケージ
DDパッケージ
10ピン・プラスチックDFN
(3mm 3mm)
(Reference LTC DWG # 05-08-1699 Rev B)
0.70 ±0.05
3.55 ±0.05
1.65 ±0.05
2.15 ±0.05 (2 SIDES)
パッケージの
外形
0.25 ± 0.05
0.50
BSC
2.38 ±0.05
(2 SIDES)
推奨する半田パッドのピッチと寸法
R = 0.125
TYP
6
3.00 ±0.10
(4 SIDES)
0.40 ± 0.10
10
1.65 ± 0.10
(2 SIDES)
ピン1の
トップ・マーキング
(NOTE 6)
0.200 REF
0.75 ±0.05
0.00 – 0.05
5
1
(DD) DFN REV B 0309
0.25 ± 0.05
0.50 BSC
2.38 ±0.10
(2 SIDES)
底面図―露出パッド
NOTE:
1. 図はJEDECのパッケージ外形MO-229のバリエーション
(WEED-2)
になる予定
バリエーションの指定の現状についてはLTCのWebサイトのデータシートを参照
2. 図は実寸とは異なる
3. すべての寸法はミリメートル
4. パッケージの底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない
モールドのバリは
(もしあれば)各サイドで0.15mmを超えないこと
5. 露出パッドは半田メッキとする
6. 網掛けの部分はパッケージの上面と底面のピン1の位置の参考に過ぎない
3127f
18
LTC3127
パッケージ
MSEパッケージ
12ピン・プラスチックMSOP、
露出ダイパッド
(Reference LTC DWG # 05-08-1666 Rev B)
露出パッド・オプションの
底面
2.845 ± 0.102
(.112 ± .004)
5.23
(.206)
MIN
2.845 ± 0.102
(.112 ± .004)
0.889 ± 0.127
(.035 ± .005)
6
1
0.35
REF
1.651 ± 0.102 3.20 – 3.45
(.065 ± .004) (.126 – .136)
0.12 REF
DETAIL B
DETAIL “B”
12
0.42 ± 0.038
(.0165 ± .0015)
TYP
0.65
(.0256)
BSC
推奨半田パッド・レイアウト
0.254
(.010)
7
4.039 ± 0.102
(.159 ± .004)
(NOTE 3)
12 11 10 9 8 7
コーナーテールは
リードフレームの特徴の一部
参考のみ
測定を目的としない
0.406 ± 0.076
(.016 ± .003)
REF
DETAIL “A”
0° – 6° TYP
ゲージ・プレーン
3.00 ± 0.102
(.118 ± .004)
(NOTE 4)
4.90 ± 0.152
(.193 ± .006)
0.53 ± 0.152
(.021 ± .006)
DETAIL “A”
1.10
(.043)
MAX
0.18
(.007)
シーティング・
プレーン
0.22 – 0.38
(.009 – .015)
TYP
1 2 3 4 5 6
0.650
NOTE:
(.0256)
1. 寸法はミリメートル/(インチ)
BSC
2. 図は実寸とは異なる
3. 寸法にはモールドのバリ、突出部、
またはゲートのバリを含まない
モールドのバリ、突出部、
またはゲートのバリは、各サイドで0.152mm(0.006")
を超えないこと
4. 寸法には、
リード間のバリまたは突出部を含まない
リード間のバリまたは突出部は、各サイドで0.152mm(0.006")
を超えないこと
5. リードの平坦度(成形後のリードの底面)
は最大0.102mm (0.004") であること
0.86
(.034)
REF
0.1016 ± 0.0508
(.004 ± .002)
MSOP (MSE12) 0608 REV B
3127f
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い
ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資
料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
19
LTC3127
標準的応用例
シングル・スーパーキャパシタ・チャージャ
(最大入力電流:1000mA)
L1
4.7µH
SW1
VIN
VIN
1.8V TO 5V
SW2
VOUT
VOUT
2.5V
1.05M
MODE
PWM BURST
LTC3127
SHDN
OFF ON
PROG
10µF
SGND
C1: COOPER BUSSMANN POWERSTOR
B-SERIES, B1860-2R5107-R
L1: COILCRAFT XPL4020-472ML
60.4k
PGND
FB
1M
VC
100pF
C1
100F
499k
3127 TA06
関連製品
製品番号
説明
LTC3101
入力電圧範囲の広い1MHzの複数出力
DC/DCコンバータとPowerPath™コントローラ
LTC3125
調節可能な入力電流制限付き1.2A、
1.6MHzの同期整流式昇圧DC/DCコンバータ
LTC3606B
出力電流800mAの平均入力電流制限付き
同期整流式降圧DC/DCコンバータ
LTC3440
出力電流600mA、2MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
LTC3441/LTC3441-2/ 出力電流1.2A、1MHzの同期整流式昇降圧
LTC3441-3
DC/DCコンバータ
LTC3520
1A昇降圧および600mA降圧の2MHz
同期整流式コンバータ
LTC3530
出力電流600mA、2MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
LTC3532
出力電流500mA、2MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
LTC3533
出力電流2A、2MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
LTC3538
出力電流800mA、1MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
LTC3534
出力電流500mA、1MHzの同期整流式昇降圧
DC/DCコンバータ
注釈
:1.8V∼5.25V、IQ = 38µA、
95%の効率、VIN:1.8V∼5.5V、VOUT(MAX)
ISD<1µA、4mm 4mm QFN-24パッケージ
最大93%の効率、VIN:1.8V∼5.5V、VOUT(MAX)
:5.25V、IQ = 15µA、
ISD<1µA、2mm 3mm DFN-8パッケージ
最大96%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MAX)
:5V、IQ = 420µA、
ISD<1µA、3mm 3mm DFN-8パッケージ
最大96%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT:2.5V∼5.5V、IQ = 25µA、
ISD<1µA、3mm 3mm DFN-10およびMSOP-10パッケージ
最大95%の効率、VIN:2.4V∼5.5V、VOUT:2.4V∼5.25V、IQ = 25µA、
ISD<1µA、3mm 4mm DFN-12パッケージ
最大95%の効率、VIN:2.2V∼5.5V、VOUT(MAX)
:5.25V、IQ = 55µA、
ISD<1µA、4mm 4mm QFN-24パッケージ
最大96%の効率、VIN:1.8V∼5.5V、VOUT:1.8V∼5.25V、IQ = 40µA、
ISD<1µA、3mm 3mm DFN-10およびMSOP-10パッケージ
最大95%の効率、VIN:2.4V∼5.5V、VOUT:2.4V∼5.25V、IQ = 35µA、
ISD<1µA、3mm 3mm DFN-10およびMSOP-10パッケージ
最大96%の効率、VIN:1.8V∼5.5V、VOUT:1.8V∼5.25V、IQ = 40µA、
ISD<1µA、3mm 4mm DFN-14パッケージ
最大95%の効率、VIN:2.4V∼5.5V、VOUT:1.8V∼5.25V、IQ = 35µA、
ISD<1µA、2mm 3mm DFN-8パッケージ
最大94%の効率、VIN:2.4V∼7V、VOUT:1.8V∼7V、IQ = 25µA、
ISD<1µA、5mm 3mm DFN-16およびSSOP-16パッケージ
3127f
20
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