DN500 - 1.6Vの入力電圧まで動作する入力電圧

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1.6V の入力電圧まで動作する入力電圧範囲の広い昇圧 / 反転 /
SEPIC コントローラ
デザインノート500
Zhongming Ye
はじめに
広い入力電圧範囲と内蔵 LDO
今日の電子機器の多くは、反転または非反転のコンバー
タか、時にはその両方を必要とします。また、これらの電
子機器は、USB、AC アダプタ、アルカリ電池、リチウム
電池などのさまざまな電源で動作する必要があります。変
動する入力電圧からさまざまな極性の出力を生成するた
め、電源設計者は多くの場合、さまざまなレギュレータ IC
を使用し、その結果、部品点数が多くなります。
LT3759 は入力電圧範囲が広いので、各種の広範な入
力源との互換性が必要な電源を簡単に設計できます。
LT3759 は、それぞれ VIN および DRIVE から給電する
2 つの低損失(LDO)電圧レギュレータを内蔵しているの
で、外部レギュレータや低速充電でヒステリシスのある起
動方式を追加する必要がなく、簡単に起動やバイアスを
することができます。LT3759 は INTVCC 電流制限機能
を内蔵しているので、IC 内部の電力損失が過剰にならな
いように保護します。
LT 3759 は 1.6V ~ 42V の入力電圧範囲で動作し、同
じ帰還ピンを使って正負いずれかの出力を制御するので、
部品点数を削減して、設計を簡略化することができます。
また、この IC は、ソフトスタート、可変周波数、および同
期など多くの一般的な機能を小さな実装面積に搭載して
います。LT3759 は 5mm×4mm の 12 ピ ン MSE パッ
ケージで供給され、昇圧、SEPIC、フライバック、および
Cuk 方式など複数の構成で使用することができます。
®
L、LT、LTC、LTM、Linear Technology および Linear のロゴは、リニア
テクノロジー社の登録商標です。その他全ての商標の所有権は、それぞれの所
有者に帰属します。
出力電圧の検出が容易
LT3759 は、反転コンバータおよび非反転コンバータの
設計を簡略化する斬新な FBX ピンのアーキテクチャを特
長としています。LT3759 は 2 つのエラーアンプを内蔵
しており、1 つは正出力を検出し、もう 1 つは負出力を
検出します。これにより、正出力または負出力に接続され
ている抵抗分割器に FBX ピンを直接接続でき、正出力ま
たは負出力の検出に付随する混乱を取り除いて、基板レ
イアウトを簡単にすることができます。出力の極性と構成
を決めれば、残りは LT3759 がやってくれます。
100
VIN
2.5V TO 15V
VIN
PGOOD
EN_UVLO
887k
LT3759
SYNC
D1
VOUT
12V, 2.5A
M1
1.8mΩ
0.5W
IL2
L2
102k
1%
COUT1
47µF
×4
FBX
GND INTVCC
VC
0.1µF
GATE
0.02Ω
SS
80
CDC
47µF ×4
16V
VSW
SENSE
RT
27.4k
300kHz
IL1
100k L1
DRIVE
1.4k
22nF
M1: BSC027N04LS
L1, L2: XAL-1010-682-EMB
D1: PMEG4030
4.7µF
10V
X5R
15.8k
1%
EFFICIENCY (%)
348k
CIN
22µF
×4
70
60
50
40
30
20
10
0
0
0.5
1.5
1
LOAD CURRENT (A)
2
2.5
DN500 F02
図 2.図 1 のコンバータの効率
DN500 F01
図 1.2.5V ~ 15V の入力から 12V の出力を生成する SEPIC コンバータ
03/12/500
VIN = 12V
90
調整可能 / 同期可能なスイッチング周波数
2.5V ~ 15V 入力から 12V を出力する SEPIC コンバータ
よく、コンバータを特定の周波数で動作させる必要があり
ます。特に、ある特定周波数帯でのノイズ・スペクトルの
影響を受けやすい無線通信機器でコンバータを使用する
場合です。また、コンバータに使用できる面積が制限さ
れている場合は、高い周波数で動作させるとサイズの小さ
い部品を使用できるので、必要な基板面積と出力リップル
が減ります。電力損失が問題である場合は、スイッチング
周波数を低くすればスイッチング損失が低減され、効率が
改善されます。スイッチング周波数は、RT ピンとグラン
ドの間に 1 本の抵抗を接続することにより、100kHz ~
1MHz に設定することができます。 デバイスは、SYNC
ピンによって外部クロックに同期させることもできます。
入力が 2.5V ~ 15V で出力が 12V/2.5A の、LT3759
を使用した SEPIC 電源を図 1 に示します。このコンバー
タの標準的な効率を図 2 に示します。 図 3 は、出力短
絡時のスイッチング波形です。出力がグランドに短絡した
直後にスイッチング周波数が本来の周波数の 1/3 に減
少する様子に注目してください。この機能により、Cuk
コンバータと SEPIC コンバータの両方で短絡時の性能
が向上します。
1.8V ~ 4.5V 入力から 5V/2A を出力する
昇圧コンバータ
入力が 1.8V ~ 4.5V で出力が 5V/2A のコンバータを
図 4 に示します。コンバータの出力電圧が入力電圧より
高いこのアプリケーションでは、LT3759 は昇圧コンバー
タとして構成されます。動作周波数を 500kHz にすると、
小さいインダクタおよび出力コンデンサを使うことができ
ます。
高精度の UVLO とソフトスタート
シーケンス時または起動時の過電流保護のための入力電
源の低電圧ロックアウト(UVLO)は、VIN 電源からの抵
抗分割器で UVLO ピンを駆動することにより、容易に実
現できます。VIN が所望の UVLO 立ち上がりしきい値電
圧になると、抵抗分割器の出力により、UVLO ピンの電
圧は 1.22V になります。UVLO ピンには調整可能な入
力ヒステリシスがあるので、コンバータがディスエーブルし
ないように、IC は設定可能な入力電源の低下を無視でき
ます。UVLO の間、IC はディスエーブルされ、VIN の静
止電流は 1µA 以下に低下します。
まとめ
LT3759 は、独特で豊富な機能一式を 5mm×4mm の小
型 12 ピン MSE パッケージに集積した多才な IC です。
1.6V ~ 42V までの広い入力電圧範囲で使用でき、シャッ
トダウン電流が低く、出力短絡で周波数フォールドバック
が作動します。LT3759 は、単一のリチウム・イオン電池
を電源とするシステムから自動車用、産業用、および電気
ソフトスタート機能は SSピンで利用でき、
起動時またはフォ 通信機器用の電源まで、入力電圧範囲の広いアプリケー
ルト状態からの復帰時にピーク入力電流を下げて出力電 ションに最適です。高度な集積化により、昇圧コンバータ、
圧のオーバーシュートを防止できます。SS ピンでは、
スイッ SEPIC コンバータ、および反転コンバータにおいて、部
チ・ピーク電流を下げることにより、突入電流を低減でき 品点数の少ない簡単な解決策を提供します。
ます。ソフトスタートでは、このようにして出力コンデンサ
を最終値に向けて徐々に充電することができます。
VIN
1.8V TO 4.5V
CIN
47µF
6.3V
X5R
R3
59k
VIN
SYNC
IL1 + IL2
10A/DIV
LT3759
SS
RT
16.9k
500kHz
VOUT
10V/DIV
20µs/DIV
CC2
100pF
CSS
0.1µF
図 3.図 1 のコンバータの短絡
GATE
M1
VOUT
5V
2A
R2
34k
1%
FBX
GND INTVCC
VC
DN500 F03
D1
SENSE
RT
VSW
20V/DIV
L1
2.2µH
PGOOD
EN_UVLO
R4
124k
R5
10k
DRIVE
RC
7.5k
CC1
22nF
CVCC
4.7µF
10V
X5R
RS
5mΩ
0.5W
R1
15.8k
1%
M1: Si7858ADP
L1: WÜRTH ELEKTRONIK 7443552200
D1: SBR3U20SA
COUT2
100µF
6.3V
X5R
×2
DN500 F04
図 4.1.8V ~ 4.5V 入力から 5V/2A 出力を生成する
昇圧コンバータ
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