年次報告書 2004 2004年3月期 “Annual Report 2004” 日本語版 プロフィル あらゆるエレクトロニクス機器に不可欠な電子部品、 コンデンサ。その開発・製造・販売が当社の事業です。 当社は、1950年に滋賀県草津市で受変電設備用コンデンサの製造を開始して以来、 エレクトロニクスの発展とと もに業容を拡大してまいりました。現在では「電子機器用コンデンサ」 「回路製品」 「電力・機器用コンデンサ/その 他」という3つの製品部門を擁し、重点市場である「情報通信関連機器」 「デジタル家電機器」 「自動車・車両関連 機器」 「インバータ家電機器」に経営資源を集中し、 シェア拡大に取り組んでいます。 顧客にとって価値あるサプライヤーであり続けるために、当社は常に技術開発の強化に努め、 グローバルな生産・ 販売体制により顧客に密着し、満足度の向上を追求しています。 目 次 表紙について プロフィル ................................................................... 2 当社は2002年度より、厳しい企業間競争の中に 財務ハイライト ............................................................ 3 あっても勝ち残れる企業体質を構築するために選 株主の皆さまへ .......................................................... 4 択と集中を進め、事業所の統廃合・分社化や不採 グローバル・オペレーション........................................ 8 算事業からの撤退などの構造改革を実施してきまし 製品分野別営業概況 ................................................ 10 たが、当期はその諸施策を終えました。 電 子 機 器 用コンデンサ ........................................... 11 .............................................................. 12 電 力・機 器 用コンデンサ /その他 ........................... 13 ニュース&トピックス ................................................... 14 研究開発活動 ............................................................ 16 リスク情報 .................................................................. 17 財務セクション............................................................ 18 財 務の概 況 ........................................................... 18 連 結 貸 借 対 照 表 ................................................... 20 連 結 損 益 計 算 書 ................................................... 22 連 結 株 主 持 分 計 算 書 ............................................ 23 連 結キャッシュ・フロー計 算 書 ................................ 24 連 結 財 務 諸 表に対 する注 記 .................................. 25 独 立 公 認 会 計 士の報 告 書 ..................................... 37 連結子会社 ................................................................ 38 会社概要/株式情報 ................................................ 39 回路製品 2 飛躍するための事業環境を整え、 いよいよ「攻め の経営」を展開します。 表紙の写真は、 自らを鍛え、新たなスタートを切っ て前進するニチコングループを表現しています。 予想・予測について 本冊子にある将来の業績予想・事業環境予測などに関する記述は、記述した時点で当 社が入手できた情報に基づいたものであり、これらの予想・予測には不確実な要素が含 まれています。また、これらの予想・予測を覆す潜在的なリスクが顕在化する可能性も あります。したがって、将来の実際の業績・事業環境などは、本冊子に記載した予想・予 測とは異なったものとなる可能性があることをご承知ください。 財務ハイライト ニチコン株式会社及び連結子会社 3月31日に終了した各会計年度 単位:百万円 2003 2002 2001 ¥ 110,071 ¥ 105,892 7,664 5,080 6,946 5,333 3,302 2,988 8,098 16,046 13,212 14,619 ¥ 121,201 10,280 11,898 6,703 25,929 13,026 ¥ 106,246 8,032 5,802 2,927 20,919 10,092 $ 970,176 44,426 52,757 21,078 24,660 93,674 174,901 119,603 153,748 114,626 1,399,813 1,134,039 2004 各期間: 売 上 高 営 業 利 益 税金等調整前当期純利益 当 期 純 利 益 設 備 投 資 額 減 価 償 却 費 各期末 : 総 資 株 主 資 ¥ 100,849 4,618 5,484 2,191 2,564 9,737 145,511 117,883 産 本 単位:千米ドル 155,084 118,505 157,546 119,825 2000 2004 単位:円 一株当たりの情報(単位:円および米ドル) 当 期 純 利 益 配 当 金 株 主 資 本 ¥ 単位:米ドル 34.89 80.06 ¥ 36.88 ¥ 27.28 ¥ 40.57 ¥ 12.00 13.00 13.00 13.00 13.00 1,367.48 1,453.78 1,483.04 1,502.66 1,483.68 81.0% 1.9 株 主 資 本 比 率 株主資本当期純利益率(ROE) 76.1% 2.5 76.4% 2.8 68.4% 5.7 74.6% 2.6 $ 0.26 0.13 14.46 81.0% 1.9 注:1. 百万円未満は四捨五入して表示しています。 2. 米ドル表示は、便宜上、2004年3月期末における実勢為替相場である1米ドル=103.95円により換算しています。 3. 各年度とも、改訂後の連結財務諸表規則に準じ組み替えて表示しています。 売上高(単位:百万円) 121,201 120,000 100,000 110,071 106,246 105,892 当期純利益(単位:百万円) 総資産(単位:百万円) 8,000 180,000 6,703 100,849 150,000 174,901 153,748 157,546 155,084 145,511 6,000 120,000 80,000 4,000 60,000 2,988 2,927 90,000 3,302 40,000 2,191 2,000 60,000 30,000 20,000 0 0 0 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 営業利益(単位:百万円) 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 一株当たり当期純利益(単位:円) 12,000 80.06 80 114,626 119,603 119,825 118,505 117,883 100,000 7,664 8,000 株主資本(単位:百万円) 120,000 100 10,280 8,032 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 80,000 60 5,080 60,000 4,618 40 4,000 34.89 36.88 40.57 27.28 20 20,000 0 0 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 40,000 0 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 3 株主の皆さまへ 構造改革を終え、顧客満足を基軸とする 「攻めの経営」への第一歩を踏み出します。 2004年3月期の業績 勝ち残りのために「選択と集中」を推進 当期(2004年3月期)のわが国経済は、上半期には景気回復 の兆しが見え始めたものの、雇用や所得は依然として低迷し、輸 出高も欧米諸国の景気回復の遅れにより伸長せず、厳しい状 況で推移しました。下半期になると、 アジア市場への輸出増加や デジタル関連機器の需要拡大などにより、製造業を中心に業績 回復の兆しが見られましたが、消費は依然として低調、原材料 価格が高騰する一方でデフレは解消に至らず、円高も進行し、 景気回復の持続性には不安を残したまま推移しました。 電子・電機業界における需要回復の足取りは、上半期は穏 やかなものにとどまりましたが、下半期になるとデジタル家電、携 帯電話などの需要増加が見られ、設備投資も活発化しました。 しかし、 その一方で競争激化による価格低下や、生産拠点の中 国・アジア地域へのシフトが一段と進みました。 このような経営環境にあって、電子部品業界におけるグロー バルウィナーを目指す当社は、技術開発を促進するとともに、固 定費の削減や生産性の向上によるコストダウンに努め、前期に 引き続き、企業間競争に勝ち残れる「筋肉質な企業体質」の構 築を進めました。 また、 当期は「伸ばすもの」 と 「整理するもの」 「撤 退するもの」を峻別し、 「選択と集中」を推進しました。 「伸ばすもの」 としては、 中国国内での販売をさらに伸ばすべく、 2002年12月の深 駐在員事務所に次いで、2003年4月に中国・ 大連市に尼吉康電子貿易(上海)有限公司の大連駐在員事務 所を開設しました。また、拡大する需要に対応するため、尼吉康 電子(無錫)有限公司での生産量を増やしました。また、 日本国 内で2003年4月に亀岡工場を、10月に草津工場をそれぞれ分社 化し、 責任体制の明確化と生産効率を追求する体制を整えました。 「整理するもの」としては、 スイッチング電源に関して、主要顧 4 客の海外生産移転と競争激化による受注額の大幅な低下に伴 ニチコン株式会社 代表取締役社長 い、2003年10月に同製品のニチコンデンドー (株)での生産を中 武田 一平 止し、 ニチコンワカサ (株) に国内での生産機能を統合しました。 また、需要の増加が見込まれる樹脂外装チップタイプのタンタル 客の海外生産移転による国内需要の落ち込みや年度後半か 電解コンデンサについては、生産性向上、合理化によるコストダ らの円高進行の影響が挙げられます。 しかし、前述した施策や ウンを図るため、組み立て工程を2003年8月にニチコン福井(株) コストダウン対策を実行した結果、営業利益率は第1四半期の へ集約しました。 3.2%から第4四半期には6.5%へと上向き、増収増益に向けて 「撤退するもの」としては、年々国内需要が減少し、採算が悪 の第一歩を踏み出せました。ただし、構造改革、事業再編等 化しているフィルムコンデンサについて、 一般用・車載用製品を除 の諸施策に要した費用2,350百万円を特別損失に計上した結 いて生産を中止し、製造拠点であった諏訪工場を2003年10月末 果、 当期純利益は2,191百万円(前期比33.6%減) となりました。 で閉鎖しました。 一方、当期は負債の圧縮にも努め、負債合計は27,546百万 このように、刻々と変化する経営環境に応じて、迅速な判断に 円(前期比8,933百万円減) となりました。この主な要因として、 よる企業体質の強化を実施しました。 退職給付引当金が減少したことに加え、当期中に新設した在 庫 管 理 委 員 会 の 取り組 み 等 の 結 果として、棚 卸 資 産が 抜本的改革を終え、次なるステップへの橋頭堡を築く 以上のように、当期は前期に続いて企業体質強化のための 16,027百万円と前期比で2,913百万円減少し、支払手形およ び買掛金が減少したことがあげられます。 改革を推進して、 これをほぼ完了し、 「攻めの経営に第一歩を 連結子会社については、2003年4月に分社化したニチコン 踏み出す年」となりました。 亀岡(株)が黒字化したことなどをはじめ、整理・再編したすべ 連結売上高は、100,849百万円(前期比8.4%減)、営業利 ての連結子会社において増収増益へ向けた「攻めの意識」 益は4,618百万円(前期比39.7%減) となりました。この主な が浸透し、利益率向上にこだわる集団へと変化してきています。 要因は、前期から顕著になったスイッチング電源とフィルムコン デンサ事業の採算悪化、構造改革による事業所の統廃合、顧 2004年3月期 四半期業績推移 売 上 高 第1四半期 ¥ 24,693 営 業 利 益 税金等調整前 当 期 純 利 益 当期純利益 単位:百万円 第2四半期 ¥ 26,764 第3四半期 ¥ 24,995 第4四半期 ¥ 24,397 年間合計 ¥ 100,849 100 % 100 % 100 % 100 % 100 % 782 1,159 1,092 1,585 4,618 3.2 % 4.3 % 4.4 % 6.5 % 4.6 % 1,110 917 452 3,005 5,484 4.5 % 3.4 % 1.8 % 12.3 % 5.4 % 458 350 226 1,157 2,191 1.9 % 1.3 % 0.9 % 4.7 % 2.2 % 構造改革のあゆみ 12月 ・岡山営業所を開設 ・NICHICON (AUSTRIA) GmbH (ニチコンオーストリア)を設立 6月 ・尼吉康電子貿易(上海)有限公司を設立 10月 ・天津三和電機有限公司を通じて韓国サム スングループのアルミ電解コンデンサ製 造部門を買収 12月 ・中国・深 市に深 駐在員事務所を開設 4月 ・亀岡工場を分社化し、ニチコン亀岡(株) を設立 ・中国・大連市に大連駐在員事務所を開設 10月 ・草津工場を分社化し、ニチコン草津(株) を設立 2001 2002 2003 2004 12月 ・広島・鳥取・高松営業所を統合 1月 ・浜田電子工業(株)を閉鎖 6月 ・NICHICON(SINGAPORE)PTE. LTD. (ニチコンシンガポール)の工場部門を閉鎖 11月 ・八王子・仙台・熊谷営業所を東京支店へ統合 12月 ・ニチコンワカサ(株)の1工場を閉鎖 8月 ・樹脂外装チップ形タンタル電解コンデンサ の組立工程をニチコン福井(株)に統合 10月 ・ニチコンデンドー(株)を閉鎖 ・諏訪工場を閉鎖 ・静岡営業所を名古屋支店へ統合 3月 ・国内事業所の人員を削減(2003年3月 期末比▲334人) 設立、開設など 統合、閉鎖など 3月 ・松下電子部品(株)からタンタル電解コン デンサ事業を買収することで基本合意 5 株主の皆さまへ 中国国内で重点三部門すべての 生産供給体制が整う 当社の強みが発揮できる分野への投資として、2004年3月、松 2005年3月期の施策 成長著しいデジタル家電、自動車分野に注力 前期から下降を続けていた電子部品業界の受注総額は、 下電子部品(株)が中国・天津市に所有する「タンタル電解コン 2003年7月を境にようやく上昇に転じました。その牽引役となっ デンサ」の生産設備および関連する資産を買収することで同社 たのがデジタル家電分野と携帯電話やパソコンなどの情報通 と基本合意しました。この買収によって、 タンタル電解コンデンサ 信分野、 そして、 自動車分野でした。次期(2005年3月期) もデ の生産能力を現状の月産2億個から3億個へと増強でき、 この ジタル家電分野や一段とエレクトロニクス化が進む自動車関 製品の当社世界シェアはトップクラスになると見込んでいます。 連分野での需要の拡大が期待できます。 もし当社独自で同等の増産体制を構築すれば、設備、人材等 当社は、引き続き重点4市場(情報通信関連機器、デジタル の面から見ても事業が軌道に乗るまでに数年を要します。この 家電機器、 自動車・車両関連機器、 インバータ家電機器)に注 買収では、 この時間を買った、 といえます。 また、 この買収によって、 力するとともに、 アルミ電解コンデンサ、 タンタル電解コンデンサ、 「アルミ電解コンデンサ」 「スイッチング電源」に「タンタル電解 回路製品ならびに電力・機器用コンデンサに経営資源を集中 コンデンサ」を加え、当社の重点3製品すべてを中国で生産供 投下し、顧客ニーズに迅速に対応していく方針です。 給する体制が整います。今後も、当社は必要に応じてM&Aや 合弁などを実施していく考えです。 当期は、海外売上高比率が前期の51.2%から54%に拡大し、 「顧客から選ばれるサプライヤー」をめざして 私は次期を「新たな飛躍のための第一年」と位置づけ、国 特に、 日本を除くアジア地域での全売上高に占める売上高比率 内外の生産拠点と販売体制を必要に応じて強化・拡大しな が前期の32.9%から37.4%へと大きく拡大しました。当社は今後も、 がら、企業競争力と顧客満足度のさらなる向上に努めてまい 引き続き中国・アジア諸国を中心とする海外市場に注力し、同地 ります。そして「顧客から選ばれるサプライヤー」をめざします。 域での生産を拡大して海外売上高比率60%以上を目指します。 顧客は安価な部品を採用することによる「製品不良」のリ なお、 日本国内の生産拠点は現状を維持しますが、海外では、 スクに敏感になっており、 「品質」をいっそう重視するように ワールドワイドな需要を考慮し、 中国、東南アジア、北米、英国、東 なってきています。この傾向は特に自動車・車両関連機器市 欧などに配置した10拠点に加え、 さらなる増設も検討します。 場において顕著で、 セットメーカーによるサプライヤーやベンダー の選定、絞り込みが急速に進んでいます。電子部品メーカーに とって、部品の小形化と高機能化の両立というニーズに応え るのは決して簡単なことではありませんが、 それだけに、 これ に応えられれば優位に立つことができ、大きな強みになります。 当社には、他社の追随を許さない技術開発力があります。 家電製品やFA機器のキーパーツである大形アルミ電解コン デンサは、顧客から当社の技術力が高く評価されており、 こ 6 の技術力で、いっそうのシェア拡大をめざします 。また、自動 前へ、前へ-飛躍をめざした「攻めの経営」を 車関連機器市場においても、ハイブリッドカーや燃料電池自 「飛び出す」前には「かがむ」必要があるように、当社は当 動車といった次世代技術に対応する製品開発に積極的に 期まで一連の分社化や生産拠点の統廃合を積極的に進め、 取り組みます。 増収増益体制の構築に努めてまいりました。こうして「飛躍す るための事業環境」が整い、次期には「前へ、前へ」をテーマに、 社会的責任を果たすために 近年、盛んにCorporate Social Responsibility(=企業の 積極果敢な「攻めの経営」を展開します。 もはや、 コスト競争力だけでは顧客に満足を提供できません。 社会的責任)が論議されるようになりました。私は、当社が社 顧客は、技術や品質、供給能力、環境対応などを含めた総合 会的責任-さまざまなステークホルダーの皆さまに対する責任- 的な評価基準で部品メーカーを選択し始めています。総合的 を果たしていくうえで、継続的・安定的成長はもちろんのこと、 に顧客満足を提供できる体制を整えつつある当社にとって、 こ 製品の信頼性確保が極めて重要であると考えています。 うした市場の傾向は、大きなチャンスです。 特に、当社製品が使われている電子・電気機器や自動車に おいては有害物質の使用禁止、廃棄処理と回収・リサイクルの 責任など、厳格な環境規制への対応が求められており、 こうし 株主の皆さまにおかれましては、引き続き当社へのご理解と ご支援を賜りますよう、 お願い申し上げます。 た面での信頼性確保が重要な課題として浮上してきています。 当社では既にISO14001に基づく環境マネジメントシステムを 構築していますが、今後新設の子会社や関連会社も含めて、 グ ループ全体で環境パフォーマンスの継続的改善を図っていきます。 2004年6月29日 ニチコン株式会社 代表取締役社長 また「ポリ塩化ビニル(PVC) レス」 「鉛(Pb) フリー」などの環境 に配慮した製品群をいっそう充実させ、 さらに省電力・省資源な ど、環境負荷の低減に貢献する製品開発も積極的に進めます。 さらに、材料から部品、最終製品に至るサプライチェーンを構成 する全ての企業による環境配慮への協力が不可欠であること を認識し、 こうした観点からのサプライチェーン・マネジメントも強 化していきます。 また当社は、他社に先駆けて2003年6月に CSR室を設置 しました。現在、グループ全体の環境マネジメントをはじめ、 コンプライアンス (法令遵守)やリスクマネジメント、社会貢献 などの実態を調査しながら、 これらの向上・強化に取り組ん でいます。 7 グローバル・オペレーション 各地域の営業概況 成長する中国市場に経営資源を集中投下 当期のわが国経済は製造業を中心に業績回復の兆しが見ら 近年、 当社顧客の多くが中国・アジア地域への生産拠点のシフト れましたが、円高の進行に加え、 当社グループにおいて実施した を進めていくなか、 当社もこうした動きに対応して中国における生産 諸施策の影響もあって、当期国内売上高は46,408百万円(前 拡充を積極的に進めてきました。2002年9月よりアルミ電解コンデン 期比13.5%減)、 海外売上高が54,441百万円(前期比3.5%減) となりました。地域別の売上高では、米州が11,379百万円(前 期比15.9%減) 、 欧州 (その他) が5,301百万円 (前期比20.0%減) サの生産拠点として蘇州台容電子有限公司が稼働しており、2002 年10月には天津三和電機有限公司を通じて韓国サムスングループ のアルミ電解コンデンサ部門を買収し、 生産を拡大しました。当期は、 アルミ電解コンデンサと回路製品の生産拠点として尼吉康電子(無 と、 ともに減少しましたが、 アジア地域が37,761百万円(前期比 錫)有限公司が本格稼働しました。また、2004年3月、 中国・天津市 4.2%増) と好調で、海外売上高比率も54.0% (前期比2.8ポイン に松下電子部品(株)が保有していたタンタル電解コンデンサの生 ト増) となりました。 産施設を買収することで基本合意し、 中国において同部門の生産 アジア地域の販売網については、尼吉康電子(無錫)有限公 拠点を初めて持つことになりました。 司や尼吉康電子貿易(上海)有限公司と大連駐在員事務所が 当社では、電子部品の小形化、高機能化、高信頼性、高周波対 華北・華中地域での市場開拓と拡販を進めており、華南・香港 地域、 および台湾地域では NICHICON (HONG KONG) LTD.、 深 駐在員事務所、台湾力吉可股 有限公司が現地での 応ニーズに応えるため、 これまでアルミ電解コンデンサ、 タンタル電解 コンデンサ、回路部品を重点3製品部門として経営資源を集中投下 してきましたが、 この買収により、 これらの生産体制が中国ですべて 整うことになりました。 ニーズに対応した営業活動を展開しています。 このほかアセアン 今後の生産体制拡充に関する方針としては、国内の生産体制に 地域では、 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD.、 NICHICON ついては現状維持でいくことを基本とし、成長分野についての生産 (SINGAPORE) PTE. LTD.、 NICHICON (THAILAND) CO., 力増強については、中国・台湾・韓国を中心としたアジア地域を中 LTD.が同地域をカバーし、当期のアジア地域の海外売上高比 心として、海外主体に進めていく方針です。 率は前期の32.9%から37.4%へと拡大しました。 欧米ではメーカーのアジア地域への生産シフトにより伸び悩み 地域別売上高(単位:百万円) 当社では電子部品メーカーとしてグローバルな製品供給責任を 121,201 125,000 6,192 106,246 20,152 5,837 100,000 20,413 75,000 105,891 5,880 14,334 24,984 24,669 21,312 果たすため、北米にはNICHICON (AMERICA) CORP.を、 欧州に 110,071 6,625 100,849 5,301 13,537 11,379 36,231 37,761 50,000 69,873 58,684 25,000 61,008 53,678 2001/3 2002/3 2003/3 対応強化のためウィーンにNICHICON(AUSTRIA)GmbHを販売 拠点として設置していますが、連結売上高に占める当期の売上高 比率は、米州が11.3% (前期比1%減)、欧州を含むその他地域では 46,408 0 2000/3 はイギリスにNICHICON(EUROPE)LTD.ならびに東欧市場への 2004/3 5.3% (前期比0.7%減) と欧米市場の需要は伸び悩みとなりました。 その要因として、当期は現地生産から、 中国・アジア地域に生産 拠点を持つEMS(Electronic Manufacturing Serviceの略。電子機 当期の地域別売上高比率 器製造サービス業者)への委託生産に切り替える欧米の電気機器 メーカーが増えたことに加え、 当第3四半期の後半にかけて進行して 日本:46.0% きた円高・ ドル安などが挙げられます。ただし世界的には米国、 中国 アジア:37.4% などを中心として景気は着実に回復傾向にあり、 とりわけIT・デジタ 中華圏およびASEAN諸国 ル家電などの活況は今後も持続するものと期待されます。 米州:11.3% 米州・欧州については、 マネージャーに価格決定権を含めた大き アメリカ、 ブラジル、メキシコ 欧州:5.3% イギリス、 フランス、オーストリア 8 な権限を与え、 レスポンス速度をあげることで顧客の満足度を高めて いく 「キー・アカウント・マネージメント・システム」を効率的に運用し、市 場動向にスピーディに対応する営業を展開していきます。 天津三和電機有限公司 TIANJIN SAMWHA ELECTRIC CO., LTD. アルミ電解コンデンサの製造・販売/ 1999年12月資本参加 EUROPE 三和電機株式会社 SAMWHA ELECTRIC CO., LTD. アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサの 製造・販売/1973年12月設立 NICHICON (AUSTRIA) GmbH 各種コンデンサの販売/2001年12月設立 尼吉康電子(無錫)有限公司 NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 各種コンデンサおよび回路製品の 製造・販売/2001年12月設立 NICHICON (EUROPE) LTD. 各種コンデンサの販売/1990年1月設立 尼吉康電子貿易(上海)有限公司 ASIA NICHICON ELECTRONICS TRADING (SHANGHAI) CO., LTD. 各種コンデンサの販売/ 2002年6月設立 蘇州台容電子有限公司 SUZHOU TAICON CORPORATION アルミ電解コンデンサの 製造・販売/2001年12月設立 NICHICON (HONG KONG) LTD. 各種コンデンサの販売/1972年5月設立 NICHICON (THAILAND) CO., LTD. 各種コンデンサの販売/2001年2月設立 台湾電容器製造廠股 分有限公司 TAIWAN CAPACITOR LTD. アルミ電解コンデンサの製造・販売/1969年8月設立 台湾力吉可股 分有限公司 NICHICON (TAIWAN) CO., LTD. 各種コンデンサの販売/2000年3月設立 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. アルミ電解コンデンサの製造・販売/1990年3月設立 NICHICON (SINGAPORE) PTE. LTD. 各種コンデンサの販売/1978年9月設立 NICHICON (AMERICA) CORP. 各種コンデンサの販売/1970年9月設立 U.S.A. 9 製品分野別営業概況 当社の製品分野は大きく3部門に区分できます。 「電子機器 用コンデンサ部門」 「回路製品部門」 「電力・機器用コンデンサ/ 製品部門別売上高(単位:百万円) 121,201 125,000 9,676 106,246 その他部門」です。 「電子機器用コンデンサ部門」は、主力製品であるアルミ電解 7,728 19,017 コンデンサとタンタル電解コンデンサのほか、 フィルムコンデンサ、 正 75,000 特性サーミスタ (抵抗値が温度により変化することを利用したセン 50,000 24,658 89,304 78,171 サー) などの製品を擁する当社の主力部門です。この部門の当 105,891 22,221 9,058 100,000 73,505 110,071 6,787 100,849 6,554 23,220 19,881 80,064 74,414 25,000 期の売上高は74,414百万円(前年比7.1%減) となり、売上高比 0 率は、 73.8%(前期より1.1ポイント上昇) となりました。 「回路製品部門」の製品はエレクトロニクス機器を動かすための 心臓部にあたるスイッチング電源、ICチップやコンデンサ、半導体 などの部品を基板上に組み込んだハイブリッドIC・回路モジュール などです。この部門の当期の売上高は19,881百万円(前年比 14.4%減) となり、 売上高比率は、 19.7%(前期より1.4ポイント下降) となりました。 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 当期の各製品部門の売上高比率 電子機器用コンデンサ:73.8% アルミ電解コンデンサ タンタル電解コンデンサ フィルムコンデンサ R ” 正特性サーミスタ“ポジアール○ 回路製品:19.7% 「電力・機器用コンデンサ/その他部門」の製品は、 工場やビル スイッチング電源 ハイブリッドIC・回路モジュール など産業用の受変電設備や鉄道・車両向けのコンデンサ、 さらに は高電圧・大電流の制御技術を応用した特殊装置から成ります。 この部門の当期の売上高は6,554百万円 (前年比3.4%減) となり、 売上高比率は、 6.5%(前期より0.3ポイント上昇) となりました。 電力・機器用コンデンサ/ その他:6.5% フィルムコンデンサ コンデンサ応用関連機器 コンデンサ主要原材料 ビル・工場で DVDプレーヤーで テレビで 10 自動車で 電子機器用コンデンサ 当期、 アルミ電解コンデンサについては、高リプル、低インピー ダンス、長寿命、環境対応といった高付加価値ニーズに応じたラ アルミ電解コンデンサ タンタル電解コンデンサ フィルムコンデンサ R ” 正特性サーミスタ“ポジアール○ インナップの充実に注力しました。まず、情報通信機器、AV機器市 場向けに、 インピーダンス値が従来品の半分という画期的なチップ 1 。 形低インピーダンスアルミ電解コンデンサ「UUシリーズ 」 そして、 小形で長寿命のリード線形低インピーダンスアルミ電解コンデンサ「H 1 。 Vシリーズ 」 さらに、薄型テレビやパソコン用液晶バックライトな どの電源回路用として、耐熱性を高めた非外装チップ形フィルム 2 コンデンサ を発売しま した。 1 低インピーダンスアルミ電解コンデンサ UUシリーズ・HVシリーズ 2 非外装チップ形 フィルムコンデンサ 当 期 当期の電子機器用コンデンサ部門の売上高は74,414百万円(前 年比7.1%減) となりました。製品別に見ると、 アルミ電解コンデンサ の売上高は、57,426百万円(前年比8.0%減)、 タンタル電解コン デンサの売上高は14,468百万円(同2.7%減) となりました。アルミ 電解コンデンサが減収となった要因は、国内では、薄型テレビをは じめDVDプレーヤー・レコーダー、 デジタルスチルカメラ、 カーナビゲー ションシステムといったデジタル製品向けの需要が増大し、海外で は、パソコン関連機器向けが堅調に推移して販売数量自体は増 加したものの、円高の影響を受けたことおよびアミューズメント関連 の不振によるものです。 105℃保証定格電圧600Vネジ端子形 アルミ電解コンデンサ 4 環境対応型オーディオアルミ電解 コンデンサFQ・MW・UQシリーズ このほか、高温度耐用ニーズの高いハイブリッドカー、燃料電池 車市場向けには、世界で初めて105℃保証で定格電圧600Vの高 3 電圧タイプを商品化 するなど、 次世代技術に即した製品開発に 注力することで、車載用市場全体のシェア拡大を図りました。環境 対応製品としては、従来困難とされていた「高音質化と環境対応 の両立」を図ったオーディオ用アルミ電解コンデンサ「FQ・MW・ 電子機器用コンデンサの売上高(単位:百万円) 4 を製品化し、 UQシリーズ 」 高付加価値市場への深耕を図りました。 100,000 89,304 80,000 3 80,064 78,171 73,505 タンタル電解コンデンサについては、携帯電話とデジタルカメラの 74,414 伸長が牽引役となって、樹脂外装チップタイプを中心に需要が伸 びたものの、上半期に発生したSARSやイラク戦争の影響を主要 60,000 ユーザーが受けたことにより、通期では対前期比で微減となりました。 40,000 20,000 0 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 11 営業概況 なお、当期は、携帯電話などタンタル電解コンデンサについては、 回路製品 携帯電話などモバイル電子機器の小形化、高性能化を可能とす る「フレームレスTM」シリーズの定格をさらに拡充しました。新たにラ スイッチング電源 ハイブリッドIC・回路モジュール インナップを強化したのは、樹脂外装を施した独自の構造で、優れ 5 。 た体積効率を有する「F95・F72・F75シリーズ 」 そして、携帯電 話のカメラモジュールなど厳しい高さ制限が要求される用途に適し た「高い体積効率」と「高密度実装対応」の両立を目指した下面 6 です。いずれもリードフ 電極樹脂モールドタイプ「F98シリーズ 」 レームを使用しないタイプで、当社製品の中でも体積あたり最大の 静電容量を誇り、小形・薄形、高容量化、低ESR化ニーズに応える ものです。 5 「フレームレスTM 」 樹脂外装チップタンタル電解コンデンサ F95・F72・F75シリーズ 6 「フレームレスTM 」 樹脂モールドチップタンタル電解コンデンサ F98シリーズ 今 後 アルミ電解コンデンサについては、引き続きデジタル機器向け 当 期 当期の回路製品部門の売上高は19,881百万円(前年比14.4% や車載向けにチップ品の需要が見込まれます。また、 インバータが 減) となりました。 これは、SARSの影響による上半期の中国の生産、 搭載されているエアコンをはじめとする家庭用電化製品のほか、 販売子会社の不振に加えて、当社の「スイッチング電源」が搭載さ FA関連機器で当社の大形品が高く評価されていることから、 こう れるOA機器やゲーム機メーカーが生産拠点を中国に移転したこ した市場での需要拡大を見込んでいます。技術的なハードルが高 とにより、国内需要が大幅に減少したためです。この結果、 スイッ いハイブリッドカー、燃料電池自動車などの自動車用高電圧イン チング電源の売上高は、12,301百万円(前年比27.6%減) となり バータ電源向けの市場も重点分野と位置づけ、新製品を積極的 ました。構造改革の施策として、10月末にスイッチング電源製造子 に投入する予定です。当第3四半期以降はアルミ電解コンデンサ 会社のニチコンデンドー (株) を整理してニチコンワカサ(株)に統 の値下がりにも歯止めがかかり、 セットメーカーが品質や供給能力 合し、生産を縮小したことも売上減少要因です。 しかし、 こうした国 を含めた部品メーカーの総合力を評価する動きも見られていること から、次期は増収傾向になる見込みです。 回路製品の売上高(単位:百万円) タンタル電解コンデンサについては、 デジタル製品の普及がさら 25,000 に進むと予想されることから、売上増を見込んでいます。なかでも 20,000 携帯電話向けには樹脂外装のフレームレスタイプが、デジタルカメ 15,000 ラやDVD向けにはモールドタイプの需要が、 それぞれ拡大する見 24,658 22,221 23,220 19,017 19,881 10,000 通しです。また、松下電子部品(株) との中国・天津市の生産設備 および関連資産の買収合意により、当社のチップタンタル電解コン デンサの生産能力は大幅に拡大することとなり、 その売上高シェアも 業界トップクラスになる見込みです。 12 5,000 0 2000/3 2001/3 2002/3 2003/3 2004/3 内の生産縮小分をカバーすべく、中国の尼吉康電子(無錫)有 開 発しました。これ は、 限公司における生産を拡充するなど、生産・供給体制の海外シフ 従 来と同じサイズでも、 トを進め、売上高回復に努めています。 高調波が流入した際の 一方、 「ハイブリッドIC・回路モジュール」は、 自動車用のセンサー 鉄 損( 受 電 状 態におい モジュール、制御モジュールが好調に推移し、売上高は7,580百万 て変圧器の鉄心で発生 円(前期比21.5%増) となりました。 する固 定 損 失 )を半 減 でき、CO2排 出 量を従 今 後 前期に同部門売上高の6割以上を占めていたゲーム機向け スイッチング電源については、その比率をさらに下げ、代わりに 来比で約36%低減でき る製 品 で す 。 (L=6% 高調波低損失直列リアクトル 100kvar用の場合) プリンタ、複写機、 ファクシミリ、液晶ディスプレイ、DVDプレーヤー・ コンデンサ応用関連機器の売上高は1,910百万円(前年比 レコーダーなどの情報・映像機器用を拡大します 。このように採 17.6%減)となりました。当社は、高電圧・大電流の制御技術 算性を重視する用途へのシフトにより、売上高を確保していきま を応用し、大学や各種研究機関等で用いられる特殊装置を開 す 。ハイブリッドICについては引き続き、携帯電話用バッテリモ 発・製 造していますが、当期は、大 学や 各 種 研 究 機 関からの ジュールに加え、自動車用センサーモジュールなどの産業機器 受注が先送りになったことが影響しました。 関連市場での伸長が期待され、売上高の増加を見込んでいます。 電力・機器用コンデンサ、その他製品の売上高(単位:百万円) 10,000 9,058 9,676 7,728 7,500 電力・機器用コンデンサ/その他 フィルムコンデンサ コンデンサ応用関連機器 コンデンサ主要原材料 6,787 6,554 2003/3 2004/3 5,000 2,500 0 2000/3 2001/3 2002/3 今 後 次期も民間設備投資が比較的堅調に推移するものと見られ、 「 電力・機 器 用コンデンサ」については、引き続き安 定した需 要が見込まれます 。 「コンデンサ応用関連機器」については、 当期からずれ込んだ大学・各種研究機関向けの電源装置など、 大口物件の売上が加わる見込みです 。 当 期 当期、電力・機器用コンデンサ/その他部門の売上高は6,554 百万円(前期比3.4%減) となりました。 製品別に見ると、電力・機器用コンデンサの売上高は、4,644 百万円(前年比4.0%増)となりました。これは、上半期に低調 だった民間設備投資が下半期に入って増加し始めたことによる ものです 。新製品としては、 「高調波低損失直列リアクトル」を 13 ニュース&トピックス 松下電子部品(株)の 「タンタル電解コンデンサ事業」買収で基本合意 当社は2004年3月、松下電子部品株式会社が中国・天津市に 保有するタンタル電解コンデンサ生産設備および関連資産を買 天津松下電子部品有限公司 タンタル電解コンデンサ生産工場 収することで同社と合意しました。当該資産は、当社が同市に開 設予定の子会社を通じて買収し、中国でのタンタル電解コンデン サ生産を開始します。 当社は近年、筋肉質で強靱な企業体質の構築を目標に「選択」 と「集中」による経営改革に取り組んでまいりましたが、当期以降、 これら改革の成果をより着実なものとし、 より前向きに事業を展 開する方針であり、本件はその第一歩と位置づけられます。世界 のタンタル電解コンデンサ需要の増加が見込まれる中、新会社は 当社の中国におけるタンタル電解コンデンサ生産の橋頭堡として、 中国市場を始めとする全世界の顧客ニーズに迅速に応え、 さら なる顧客満足の向上をめざします。 草津工場を分社化、また、 スイッチング電源の製造をニチコンワカサへ統合 当社では企業体質の強化を目的にした製販両部門での構 造改革の一環として、2003年10月1日付で、電力用・機器用コン デンサ及びコンデンサ応用関連機器を生産する草津工場(滋 賀県草津市)を100%子会社として分社化しました。工場幹部 および従業員の業績に対する責任体制を明確にし、 さらなる技 術力、 コスト力の強化を図るのがねらいです。分社化後は、市場 環境の変化に俊敏に対応し、顧客から評価される企業をめざし て順調に歩み出しています。 一方、10月31日付で、当社子会社ニチコンデンドー(株) (岩 手県)でのスイッチング電源の生産を中止し、同製品を生産して いる当社子会社ニチコンワカサ(株) (福井県)に統合しました。 これはスイッチング電源が搭載されるプリンタ、 コピー機等のOA 機器やゲーム機などの生産拠点が中国をはじめ海外へシフトし、 国内でのスイッチング電源の需要が減少したことに対する生産 統合であり、当社グループの資本効率を高め、筋肉質な体質づ くりに連なるものと考えます。 ニチコン草津外観 14 尼吉康電子(無錫)有限公司がISO認証を取得 中国におけるアルミ電解コンデンサとスイッチング電源の生産・ 販売拠点として2001年12月に設立した尼吉康電子(無錫)有限 公司が、2003年6月にISO9001を、2004年3月にISO14001認証 を取得しました。 当社は、グローバルに事業を展開する企業として、 また、環境 保全に貢献する企業として、ISOの認証取得には早くから取り組 んできました。新しく設立した生産拠点においても早期の取得を めざし、今回、尼吉康電子(無錫)有限公司が取得したことで国 内外の全生産事業所でISO9000シリーズおよびISO14001の認 証取得を完了しています。 尼吉康電子(無錫)有限公司 電気自動車の国際会議「EVS20」に出展 2003年11月15∼19日、当社は米国・カリフォルニア・ロングビーチ で開催された国際電気自動車シンポジウム「EVS20」に出展しまし た。このEVSは、電気自動車(EV)の最新技術のほか、 その導入 ISO14001認定証 案や実施例、普及の問題点や解決策、 さらには環境問題につい て発表や議論を行う国際会議としては世界でも最大規模です。 当社は2001年にドイツで開催された「EVS18」 に引き続き2度目の 出展となりました。今回は国内外から102社の出展があり、当社 ブースでは、ハイブリッドカー・燃料電池車向けのネジ端子形アルミ 電解コンデンサの採用事例を中心に、ECU(エンジンコントロール EVS20当社ブース ユニット)用高信頼アルミ電解コンデンサ、電気二重層コンデンサ など、当社が注力する自動車市場向け製品の技術PRに努め、多 くの参観者から注目を集めました。 当社活動実績が各方面で評価され、数々の賞を受賞 中期的な経営課題として、 「顧客にとって価値あるサプライヤー となる」ことをめざして活動している当社ですが、当期は各方面で その活動実績が高く評価されました。 米国・インテル社が高い品質の資材やサービスを提供した供給 京都府発明等功労者優秀賞受賞 業者を表彰する「プリファード・クオリティ ・サプライヤ(PQS)」賞の 2003年度授賞企業に選ばれたほか、 ソニー株式会社がサプライ チェーンマネジメント (SCM)の一層の強化を目指して供給業者と ともに進めているSCMカウンシル活動において、2003年上期の優 秀賞を受賞しました。 また、当社の製品開発力が高く評価された例として2004年4月 には当社の「電解コンデンサの駆動用電解液」 (特許取得済み) が京都府発明等功労者優秀賞を受賞しました。 ソニー株式会社SCMカウンシル大賞受賞 15 研究開発活動 当社グループでは、 「いかにして人々に奉仕し、 輝ける未来づくり 2.0mm×幅1.25mm) で高さ1.1mm(Pケース) ですが、 「F98シリー に貢献できるか」という一貫した経営理念に基づき、 研究開発活動 ズ」 (Mケース)では1608サイズ (長さ1.6mm×幅0.85mm)で高 に取り組んでいます。 さ0.8mm(体積比△60%) を実現しました。また、 同シリーズの薄 発展著しい電子・電機産業においては、多様化、高度化する新 形品(Xケース)高さ0.5mmの6.3V/10μF品も開発、携帯電話 しい社会ニーズに対応した製品を、 いかに早く市場に届けるかが のカメラモジュールなど厳しい高さ制限が要求される用途で市 重要です。当社グループでは、 中核製品であるアルミ電解コンデンサ、 場を拡大しています。 タンタル電解コンデンサ、 フィルムコンデンサなどの各種コンデンサや、 スイッチング電源、 ハイブリッドIC・応用関連機器において、 独創的、 「MLシリーズ」 を開発しました。高耐熱性(使用温度+85∼125℃)、 かつ環境に配慮した製品をいち早く開発・市場投入することにより、 高周波対応(50Hz∼150kHz)、 高耐電流・高信頼性が求められ 顧客満足の確保を目指します。 る液晶ディスプレイ用バックライトやPDP(プラズマディスプレイパネ 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2,213 ル)等の共振回路に最適で、 今後も市場拡大が見込まれるデジタ 百万円でした。事業区分毎の研究開発状況は次の通りです。 ル家電分野で拡販を進めています。 (1)電子機器用コンデンサ ①アルミ電解コンデンサでは、 デジタル家電、 情報通信機器、 インバー (2)回路製品 スイッチング電源には、独自の待機状態を検出する待機電力検 タ機器、 自動車分野に注力しています。 出回路や出力電圧を一定範囲で変化させる制御回路、 コントロー デジタル家電や情報通信機器の分野では当期、各種機器の ル用ICの駆動電力を低減させたC-MOS制御ICなどを採用しました。 電源平滑回路用として、 チップ形低インピーダンスアルミ電解コン これらにより、待機時の消費電力を従来製品の5分の1の水準とし デンサ「UUシリーズ」と、 リード線形低インピーダンス・長寿命アル たスイッチング電源を発売、 ゲーム機、PC周辺機器、 デジタル家電 ミ電解コンデンサ「HVシリーズ」を開発しました。 などの用途に売り込みを図っています。 また、高音質化と環境対応の両立を図ったオーディオ用アルミ (3)環境対応製品 電解コンデンサ「FQシリーズ (スーパーグレード品)」、 「UQシリー 環境問題への対応は、電子・電気機器業界にも大きな影響を及 ズ (ハイグレード品)」、 「MWシリーズ (ハイグレード5mmL品)」 ぼしています。 を開発しました。 欧州ではすでに、2003年7月より、バッテリーへの使用を除き、 自 一方、 自動車分野では、 普及が期待されるハイブリッドカー、 燃 動車への鉛、 水銀、 カドミウム、 六価クロムなどの有害物質の使用が 料電池車等用に、 世界で初めて105℃保証定格電圧600Vのネジ 禁止されました。また、2005年7月からは、 ほぼ全ての電子・電気機 端子形アルミ電解コンデンサの商品化に成功しました。現在、 ハ 器を対象に、廃棄処理と回収・リサイクルの責任を機器製造者が イブリッドカーの動力モーター駆動用インバータユニット向けに、 自 負うこととなり、 さらにRoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定 動車メーカーに納入しています。 有害物質の使用制限に関する指定 )により、有害物質の使用が 当社ではこれらを重要分野として捉えており、 今後も市場拡大 2006年7月より、 一部の例外を除き禁止されます。 に向けて積極的に取り組んでいきます。 当社グループでは、顧客の要求に応えるべく、 こうした環境問題 ②タンタル電解コンデンサでは、 単位体積あたり静電容量で業界最 に対応した製品の開発に取り組んでいます。既にアルミ電解コン 大を誇る「フレームレスTM 」シリーズ品の定格を拡充し、携帯電 デンサは、焼却時にダイオキシン発生の恐れのあるPVC(ポリ塩化 話などモバイル電子機器分野に積極的に売り込みを図っています。 ビニル)の使用を取り止めているほか、端子部に鉛を使用しない環 フレームレス樹脂外装形品は、 その名の通りコンデンサに樹脂 境対応品への切り替えを進めております。タンタル電解コンデンサ 外装を施したユニークな構造で、 優れた体積効率を有しています。 においては、鉛フリー化をすでに完了し、 さらに臭素系難燃剤を含 3216サイズ (長さ3.2mm×幅1.6mm)で6.3V/47μF品の場合、 まない外装樹脂への切り替を2004年より開始しました。フィルムコン 当社の「F95シリーズ」では、一般的な樹脂モールド品の2分の1 デンサの鉛フリー化も完了しました。 の高さである0.8mm(Sケース) を実現しました。 一方、 フレームレス樹脂モールド品は、 「高い体積効率」と「高 密度実装対応」の両立を目指したコンデンサです。例えば、 6.3V/ 22μFの場合 、一般の樹脂モールド品では2012サイズ( 長さ 16 ③フィルムコンデンサでは、 非外装タイプのチップ形フィルムコンデンサ リスク情報 当社グループの経営成績、 株価および財務状況等に影響を及ぼ す可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。 なお、 文中における将来に関する事項は、 当期末現在において当 社グループが判断したものです。 (1)経済状況 それらの事象は当社グループの事業、 業績および財務状況に悪影 響を及ぼす可能性があります。 また、 当社グループは、 中国・無錫市にアルミ電解コンデンサなど の製造拠点を設けていますが、現地で政治、法的環境、経済状況 などに予期せぬ事象が発生した場合、 事業の遂行に問題が生じ、 当社グループは世界各地で、電子機器用コンデンサならびにそ 当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可 の他の製品を製造販売しています。このため、 当社グループ製品 能性があります。 の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況に影響さ れます。 (2)為替変動によるリスクについて (6)企業買収などに伴うリスクについて 当社グループは、 企業買収を含む投資による事業拡大を検討する ことがありますが、 買収した企業を十分に活用できなかった場合、 期 当社グループの事業、業績および財務状況中、 日本国外におけ 待した利益をあげられる保証はありません。 この場合は当社グループ る現地通貨建ての項目については、連結財務諸表作成のため円 の事業、 業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 換算されています。これらは、為替レートの変動により、円換算後の (7)製造物責任について 価値が影響を受ける可能性があります。当社グループは、 為替リス 当社グループは、品質管理を徹底し、世界的な品質管理基準に クを軽減・ヘッジするために為替予約を締結しておりますが、 当社 従い製品を製造しておりますが、提供する製品・サービスには欠陥 グループの業績および財務状況への影響を完全に排除できる保 が生じる可能性があります。また、製造物賠償責任保険に加入し 証はありません。 ていますが、 賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。 (3)価格競争リスクについて 欠陥が原因で生じた損失は、多額のコストや当社グループの評 当社グループは、 コアビジネスであるアルミ電解コンデンサ、 タンタ 価の低下を通じ、 当社グループの事業、業績および財務状況に悪 ル電解コンデンサ、回路製品ならびに電力・機器用コンデンサの強 影響を及ぼす可能性があります。 化とグローバル体制の構築を目指し、 国内外の生産拠点の拡充お (8)法的規制の変更・強化について よび販売体制の強化、新製品開発の加速を推進しています。 しか 当社グループが事業を展開する国および地域における法令また し、競合会社が当社グループよりも競争力を有している場合、 当社 は規制の重要な変更は、 当社グループの事業、業績および財務状 グループの製品・サービスが価格競争に直面し、 当社グループの事 況に悪影響を及ぼす可能性があります。 業、 業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、 当社グループの事業は様々な環境法令の適用を受けてお (4)新製品の開発リスクについて り、過去、現在および将来の生産活動に関し、環境責任のリスクを 当社グループでは、将来にわたり、顧客ニーズにマッチした魅力 抱えています。将来、 環境に関する規制が厳しくなり有害物質など ある新製品を開発し、 提供できると考えていますが、 以下のような能 を除去する義務が追加された場合、 これらにかかる費用が当社グルー 力が不足した場合、 当社グループの事業、業績および財務状況に プの事業、 業績および財務状況に悪影響を及ぼす場合もあります。 悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)災害などによる影響について ①多様化・高度化する顧客の要求に対応する能力 当社グループは、すべての生産設備における定期的な災害防 ②新製品を適時かつ適正コストで開発し生産する能力 止検査・点検を実施していますが、 災害などによる悪影響を完全に ③顧客の新製品に当社グループの製品が使用されるようにする能力 阻止または軽減できる保証はありません。それらは、 当社グループ ④新たな製品・サービスおよび技術を使用し展開する能力 の事業、 業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤既存の製品・サービスおよび技術を向上させる能力 ⑥業界と市場の変化を十分に予測する能力 (5)海外進出の潜在リスクについて (10)その他 上記に掲げたリスク要因は、 当社グループの事業展開その他に 関するリスクの全てを網羅しているものではありません。それ以外 当社グループが事業を展開する国・地域において、税制または のリスクも発生する恐れがあり、 当社グループの事業、業績および 税率の変更、 その他経済的、 社会的および政治的変動、 為替政策 財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 の変更、 輸出または輸入に関する法規制などの変更があった場合、 17 財務の概況 このセクションでは、当社の連結財務諸表について報告します。 為替リスクヘッジが奏効し、 同4.6%減の753百万円。前期には株式 売上高 当期の売上高は、 構造改革による事業所の統廃合や製造業の 市況悪化により、670百万円となっていた有価証券評価損は、 その 後の市況回復により、 当期には68百万円の有価証券評価益を計 海外生産移転に伴う売上の落ち込み、年度後半からの円高の影 上しました。 響を受け、 前期比8.4%減の100,849百万円となりました。 これらにより、 当期の経常利益は同37.4%減の4,374百万円となり また、 このうち、海外売上高が前期比で2.8ポイント上昇、全体の ました。 54.0%(54,441百万円、前期比3.5%減) を占め、2期連続で国内売 特別損益については、厚生年金基金の代行部分返上に伴う返 上高(当期は46,408百万円) を上回りました。これは主に、中国を 上益が5,389百万円発生した一方、事業所の統廃合や不採算事 含むアジア地域における売上が37,761百万円と、前期の36,231百 業からの撤退など、構造改革に伴う事業再構築関連費用2,350百 万円に比べ、4.2%増の好調な伸びを示したことなどが要因となっ 万円や固定資産処分損433百万円を計上。さらに、 過去にコンデン ています。 サの製造用として使用していた材料とその製品の処理に伴う環境 当社グループは、 コンデンサおよびその関連製品の製造並びに 対策費用として1,200百万円など、 特別損失は計4,405百万円に上 販売を主な事業としていますが、全セグメントの売上高、営業利益 りました。 および全セグメントの資産に占める当事業の割合がいずれも90% その結果、税金等調整前当期純利益は、同21.0%減の5,484百 を超えているため、 事業の種類別セグメント情報の記載を省略して 万円となりました。 おります。 法人税等 売上原価、販売及び一般管理費 当期の法人税等は、前期比70.0%減の852百万円となりました。 売上原価については、前期比6.5%減の84,553百万円となりまし 主に、税金等調整前当期純利益が減少したほか、厚生年金基金 た。これは主に、売上高減に伴って減少したものです。当期には、 の代行返上に伴う退職給付引当金の取り崩しにより課税所得が減 固定費の削減や生産性向上によるコストダウンなどに取り組み、売 少したことによります。一方、 税効果会計による法人税等調整額は、 上原価、 および売上高原価率の低減を目指しましたが、製品売価 繰延税金資産純額1,614百万円など計2,452百万円を費用計上し の低落を受け、 売上高原価率は同1.6ポイント上昇、 83.8%となりました。 ました。当期の実効税率は、 前期より7.8ポイント増の60.3%でした。 販売費及び一般管理費は、 前期比2.3%減の11,678百万円となり ました。退職給付費用が同554百万円と、前期のマイナス6百万円 から560百万円増加した一方で、減価償却費が同31.4%減の394 少数株主利益 百万円となり、手数料やその他の費用も減少したことから、 トータル 税金等調整前当期純利益から控除される少数株主利益(損失) では減少しました。 しかし、売上高が減少したため、売上高販管比 については、 当期には11百万円の少数株主損失を計上しました。 率は同0.8ポイント上昇し、 11.6%となりました。 前期は0百万円でした。これは主に、少数株主が所有している連 結子会社の当期利益がマイナスになったことによるものです。 営業利益と税引前当期純利益 以上の結果、 当期の営業利益は前期比39.7%減の4,618百万円 当期純利益 となり、売上高営業利益率は、同2.4ポイント低下の4.6%に止まりま 当期純利益は、 前期比33.6%減の2,191百万円となりました。主に、 した。地域別では、国内における営業利益が4,286百万円と、営業 売上高の減少により税金等調整前当期純利益が減少したためで 利益総額のほとんどを占める一方で、国外においては、売上高の す。売上高に対し当期純利益の占める比率は、同0.8ポイント減の 大きいアジア、 米国ともに営業赤字を計上しました。 2.2%でした。 営業外損益においては、 受取利息及び配当金が債券の運用利 また、 株主資本比率は、 前期比4.6%上昇して81.0%となりました。 回の低下等により、 277百万円と、 前期に比べて37.5%の急減となり なお、 1株当たり当期純利益金額は27.28円となりました。 ました。一方、為替差損は、年初からの急激な円高はあったものの 18 投資その他の資産は、 同15.6%増の32,693百万円。増加の主な 資金の流動性について 原因は、投資有価証券の保有残高が同31.3%、6,733百万円増加 現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べて1.4%、 し、 28,250百万円となったことでした。 195百万円減少し、14,208百万円となりました。主に、以下の要因 一 方 、負債について見てみると、流 動 負債は、同 8 . 0 % 減の によるものです。 22,375百万円となりました。これは主に、未払費用が916百万円増 営業活動によるキャッシュ・フローは、 前期比37.4%、 6,901百万円 加した一方で、仕入債務が、売上減による仕入量減少と在庫管理 減少し、 11,574百万円となりました。 強化により1,254百万円減少したほか、設備支払手形も設備投資 この減少は、 税金等調整前当期純利益が同21.0%減の5,484百 の減少から907百万円減となったことによります。 万円にとどまったほか、減価償却費が設備投資抑制のため、同 固定負債は、同57.5%減の5,171百万円となりました。これは、退 26.3%減の9,737百万円に抑えられたこと、厚生年金基金の代行 職給付引当金が前期末に比べて59.6%、6,955百万円減少し、 部分の返上に伴い退職給付引当金が6,954百万円の減少となっ 4,708百万円となったことが主な原因です。当期の負債合計は、同 たことなどが主な原因に挙げられます。また、運転資本関連では、 24.5%減の27,546百万円になりました。 棚卸資産が2,603百万円の減少、 売上債権が219百万円の減少と 続いて、 資本についてですが、 資本金および資本剰余金は前期 なるなど、収支は大幅に改善しましたが、 ノンキャッシュ項目などの と同額で、 それぞれ14,286百万円、17,065百万円でした。利益剰 減少要因をカバーするには至りませんでした。 余金の期末残高は、同1.3%増の89,450百万円。有価証券の時価 投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して42.2%、 評価差額は同208.2%増の2,763百万円、為替換算調整勘定はマ 5,925百万円支出が減少、 8,105百万円となりました。この減少は主 イナス幅が同1,410.6%増加し、 マイナス2,084百万円となりました。 に、 有形固定資産の取得による支出が、 同56.8%減の3,533百万円 自己株式の期末残高は、 主に金庫株の取得により同86.6%増の に止まったほか、投資有価証券の取得も同7.8%減の17,675百万 3 , 5 9 8 百 万 円でした 。以 上 の 結 果 、株 主 資 本は同 0 . 5 % 減 の 円だったことによるものです。 117,883百万円となりました。株主資本比率は、 前期比4.6%上昇し 営業活動によるキャッシュ・フローの入超分から投資活動によるキャッ て81.0%となりました。 シュ・フローの出超分を差し引いた「ネット・キャッシュ・フロー」は、 3,469百万円となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、 前期に比べて15.9%、 376百 万円支出が増加し、2,739百万円となりました。前期に引き続き、 自 己株式を1,670百万円取得し、 配当金を1,035百万円支払いました。 財政状態 当期末の当社グループの総資産は、 前期末比6.2%減の145,511 百万円となりました。 当期末の流動資産は、同4.4%減の73,102百万円となりました。 これは主に、 有価証券の取得による増加が1,611百万円あった反面、 在庫削減への取り組みの成果で棚卸資産を2,913百万円圧縮、 売 上債権も1,172百万円減少した結果です。 有形固定資産( 減価償却累計額控除後 )は、同21.1%減の 39,716百万円となりました。減少の理由は、主に設備投資の減少 です。なお、 当期中における設備投資額は、2,564百万円で、 その 主な内訳は、電子機器用途のアルミ電解コンデンサの主材料であ る電極箔の生産力増強です。必要な資金は、 自己資金より充当し ました。また、 減価償却費は、 同26.3%減の9,737百万円でした。 19 連結貸借対照表 ニチコン株式会社及び連結子会社 2004年及び2003年3月31日現在 単位:百万円 単位:千米ドル(注3) 2004 資産の部 2003 2004 流動資産: 現金及び現金同等物 ..................................................... 定期預金 ....................................................................... ¥ 14,208 ¥ 12 14,403 $ 13 136,686 112 売上債権 受取手形 ................................................................... 売掛金 ....................................................................... 貸倒引当金 ................................................................ ( 5,847 6,653 56,245 21,881 22,266 210,494 139 ) ( 27,589 158 ) ( 1,332 ) 28,761 265,407 有価証券(注4)............................................................. たな卸資産(注5).......................................................... 11,564 9,953 111,248 16,027 18,940 154,180 .................................................... 繰延税金資産(注14) ......................................................... その他の流動資産 1,092 2,646 10,503 2,610 1,743 25,103 流動資産合計 ............................................................ 73,102 76,459 703,239 有形固定資産: 土地 .............................................................................. 4,137 5,394 39,795 建物及び構築物 ............................................................ 機械装置及び工具器具備品 ........................................... 28,218 29,589 271,462 121,709 133,850 1,170,843 建設仮勘定 ................................................................... 減価償却累計額 ............................................................ 有形固定資産合計 ..................................................... 205 445 1,971 154,269 169,278 1,484,071 118,924 ) ( 1,102,004 ) 39,716 50,354 382,067 投資有価証券(注4)...................................................... 関係会社株式 ................................................................ 28,250 21,517 271,762 2,792 2,815 26,858 繰延税金資産(注14)................................................... その他 .......................................................................... 561 2,707 5,399 ( 114,553 ) ( 投資その他の資産: 貸倒引当金 .................................................................... 1,369 ( 投資その他の資産合計 .............................................. 資産合計 ................................................................... 添付の注記は、これらの財務諸表の一部です。 20 279 ) 1,511 ( 32,693 ¥ 145,511 ¥ 279 ) 13,171 ( 2,683 ) 28,271 314,507 155,084 $ 1,399,813 単位:百万円 単位:千米ドル(注3) 2004 負債及び資本の部 2003 2004 流動負債: 仕入債務 支払手形 .................................................................... 買掛金 ....................................................................... ¥ 3,099 ¥ 5,119 $ 29,808 12,568 11,802 120,905 15,667 16,921 150,713 設備支払手形 ................................................................ 未払税金 (注14)........................................................... 582 1,489 5,600 554 1,407 5,332 未払費用 ....................................................................... 繰延税金負債(注14).................................................... 4,449 3,533 42,800 33 7 316 その他の流動負債 ......................................................... 1,090 962 10,484 流動負債合計 ............................................................ 22,375 24,319 215,245 退職給付引当金(注8).................................................. 繰延税金負債(注14)................................................... 4,708 11,663 45,293 6 6 58 その他の固定負債 ......................................................... 固定負債合計 ............................................................. 457 491 4,392 5,171 12,160 49,743 少数株主持分 .................................................................... 82 100 786 81,144,372株(2004年及び2003年)............... 資本剰余金 .................................................................... 14,287 14,287 137,437 17,065 17,065 164,166 利益剰余金 .................................................................... 89,450 88,322 860,514 固定負債: 資本の部(注10) : 資本金 授権株式数 137,000,000株(2004年及び2003年) 発行済普通株式総数 その他有価証券評価差額金(注11).............................. 為替換算調整勘定 ......................................................... 2,084 ) ( 3,598 ) 26,586 897 2,763 ( ( 138 ) ( 20,051 ) — ( 34,613 ) 自己株式 保有自己株式数 ........................................ 2,712,784株(2004年) ........................................ 1,291,261株(2003年) — 資本の部合計 ................................................................ 負債・少数株主持分及び資本合計 .................................. ( 117,883 ¥ 145,511 ¥ 1,928 ) — 118,505 1,134,039 155,084 $ 1,399,813 21 連結損益計算書 ニチコン株式会社及び連結子会社 2004年及び2003年3月31日終了年度 単位:百万円 単位:千米ドル(注3) 2004 売上高(注16)................................................................. ¥ 2003 100,849 ¥ 2004 $ 110,071 970,176 営業費用(注16) : 売上原価(注13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 販売費及び一般管理費(注12,13)............................... 84,553 11,678 96,231 4,618 営業費用合計 ............................................................. 営業利益(注16)...................................................... 813,407 112,343 925,750 44,426 90,454 11,953 102,407 7,664 営業外収益(費用) : 受取利息及び配当金 ...................................................... 支払利息 ....................................................................... 為替差損-純額 ............................................................... 持分法による投資利益 .................................................. 有価証券評価益(評価損)-純額 ..................................... 有形固定資産除売却損-純額 .......................................... 厚生年金基金代行返上益(注8).................................... 事業再構築関連費用(注15)......................................... 環境対策費用(注15)................................................... その他-純額 ................................................................... ( ( ( ( ( ( 営業外収益(費用)合計 ............................................ 税金等調整前当期純利益 .......................................... 法人税等(注14) : 当期 .............................................................................. 繰延 .............................................................................. 法人税等合計 ................................................................ 少数株主損失 .................................................................... 当期純利益 ....................................................................... ¥ 277 12 753 45 68 433 5,389 2,350 1,200 165 866 5,484 ) ) ( ( ) ( ( ) ) ) ( ( 852 2,452 3,304 11 2,191 ¥ 443 17 788 51 670 25 — — — 288 718 6,946 2,836 808 3,644 0 3,302 単位:円 ) ) ( ( ) ) ( ) ) ( ( ( $ 2,669 116 7,242 438 657 4,170 51,842 22,612 11,544 1,591 8,331 52,757 希薄化後 .................................................................... 配当金 ........................................................................... ¥ 27.28 − 13.00 希薄化後 .................................................................... 添付の注記は、これらの財務諸表の一部です。 22 79,322 − ) ) ) 単位:米ドル(注3) ¥ 40.57 — 13.00 加重平均発行済株式数: (千株) 希薄化前 .................................................................... ) 8,201 23,587 31,788 109 21,078 普通株式1株当たり: 当期純利益(注記17): 希薄化前 .................................................................... ) ) 80,687 — $ 0.26 — 0.13 連結株主持分計算書 ニチコン株式会社及び連結子会社 2004年及び2003年3月31日終了年度 単位:百万円 発行済 普通株式数 (単位:株) 資本金 資本剰余金 利益剰余金 その他有価証券 評価差額金 為替換算 調整勘定 自己株式 2002年3月31日現在 ............ 81,144,372 ¥ 14,287 ¥ 17,065 当期純利益 ............................. — — — 3,302 — — — 配当金 .................................... — — — ( 1,051 ) — — — 役員賞与 ................................ — — — ( 29 ) — — — 有価証券の時価評価による減少 .... — — — — 為替換算調整勘定 ................... — — — — — 自己株式の増加 ...................... — — — — — 2003年3月31日現在 ........... 81,144,372 ¥ 14,287 ¥ 17,065 当期純利益 ............................. — — — 2,191 — — — — — — — — — 86,100 ¥ 88,322 ¥ 1,479 ¥ ( ¥ 582 ) 897 配当金 .................................... — — — ( 1,035 ) 役員賞与 ................................ — — — ( 28 ) 有価証券の時価評価による増加 .... — — — — 1,866 為替換算調整勘定 ................... — — — — — 自己株式の増加 ...................... — — — — — 2004年3月31日現在 ........... 81,144,372 ¥ 14,287 ¥ 17,065 89,450 2,763 ¥ ¥ 1,523 ¥ ¥( — ( 1,661 ) — ¥ ( 138 ) — ( — 1,299 ) ¥( 1,928 ) — ( 1,946 ) — ¥ ( 2,084 ) 629 ) — ( — 1,670 ) ¥ ( 3,598 ) 単位:千米ドル(注3) 発行済 普通株式数 (単位:株) 資本金 資本剰余金 利益剰余金 その他有価証券 評価差額金 $ 849,661 $ 為替換算 調整勘定 自己株式 ........... 81,144,372 $ 137,437 $ 164,166 当期純利益 ............................. — — — — — — 配当金 .................................... — — — ( 9,956 ) — — — 役員賞与 ................................ — — — ( 269 ) — — — 有価証券の時価評価による増加 .... — — — — — 2003年3月31日現在 21,078 8,625 17,961 — 為替換算調整勘定 ................... — — — — — 自己株式の増加 ...................... — — — — — 2004年3月31日現在 ........... 81,144,372 $ 137,437 $ 164,166 $ 860,514 $ 26,586 $ ( 1,327 ) ( 18,724 ) — $ ( 20,051 ) $ ( 18,547 ) — ( 16,066 ) $ ( 34,613 ) 添付の注記は、これらの財務諸表の一部です。 23 連結キャッシュ ・フロー 計算書 ニチコン株式会社及び連結子会社 2004年及び2003年3月31日終了年度 単位:百万円 2004 営業活動によるキャッシュ・フロー: 税金等調整前当期純利益 ................................................. 2003 ¥ 減価償却費 ...................................................................... 有形固定資産除売却損−純額 ........................................... 退職給付引当金の減少額 ................................................. 受取利息及び受取配当金 ................................................. ( ( 支払利息 .......................................................................... 売上債権の減少額 ........................................................... たな卸資産の増減額 ........................................................ 仕入債務の増減額 ........................................................... ( 未払費用(その他の流動負債)の増加額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他−純額 ................................................................... 小計 ...................... . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 利息及び配当金の受取額 ................................................. 利息の支払額 .................................................................. 法人税等の支払額 ............................................................ 単位:千米ドル(注3) ( ( 営業活動によるキャッシュ・フロー 2004 6,946 $ 13,212 25 1,667 ) 443 ) 17 2,163 940 ) 2,064 — 337 21,714 441 17 ) 3,664 ) 18,474 ( ( ( 52,757 93,674 4,170 66,901 ) 2,669 ) 116 2,106 25,037 2,383 ) 11,468 7,694 125,069 2,734 ( 116 ) ( 16,346 ) 111,341 投資活動によるキャッシュ・フロー: 有価証券(投資有価証券)の取得による支出 .................... 有価証券(投資有価証券)の売却・償還による収入 ........... ( 有形固定資産の取得による支出 ....................................... 定期預金の増減額 ............................................................ ( ( 短期貸付けによる支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他−純額 ................................................................... 投資活動によるキャッシュ・フロー 財務活動によるキャッシュ・フロー: 自己株式の取得による支出 .............................................. 配当金の支払額 ............................................................... その他−純額 .................................................................... 財務活動によるキャッシュ・フロー 現金及び現金同等物に係る換算差額 ...................................... 現金及び現金同等物の増加額 ................................................. 添付の注記は、これらの財務諸表の一部です。 24 ( 170,038 118,647 ( 33,987 1 ( 13,709 21,114 ( 77,972 ) ) ) ( 2,576 14,030 ) ( ( ( ( 1,299 1,051 13 2,363 ) ) ) ) ( ( ( ( 16,066 9,955 324 26,345 ( 665 ) 1,416 12,949 38 14,403 ( ( 8,899 ) 1,875 ) 138,561 — 136,686 ................................................. 現金及び現金同等物の期首残高 新規連結子会社の現金および現金同等物の期首残高 .............. 現金及び現金同等物の期末残高 ............................................. 19,163 ) 10,740 8,183 ) 0 ) — ¥ $ ) ) ) ) ) 連結財務諸表に対する注記 ニチコン株式会社および連結子会社 注記1. 連結財務諸表の作成基準 添付のニチコン株式会社(以下「当社」 という)及びその国内連結 び会計慣行に準拠して作成しております。従って、 連結財務諸表の 子会社の財務諸表は、 日本の商法(以下「商法」 という)及び証券取 作成に当たっては、 在外連結子会社の財務諸表を日本の会計原則 引法に定める規定、 ならびに日本において一般に公正妥当と認められ 及び会計慣行に準拠させるための調整は行っておりません。なお、 た会計原則及び会計慣行に準拠して作成されており、 これらは国際 当該国におけるGAAPと日本におけるGAAPとの差異は連結財務 財務報告基準(IFRS)が要請している会計処理の原則及び開示の 諸表に重大な影響を与えておりません。 基準とは一部相違しております。 日本の連結財務諸表で開示されている一部の勘定残高につい また、 在外連結子会社の財務諸表は、 当該子会社の所在国におい ては、 海外の読者の便宜をはかって、 必要とされる程度に要約また て一般に公正妥当と認められた会計原則(以下「GAAP」 という)及 は組替えを行っております。 注記2. 重要な会計方針の要約 (1)連結の基本原則 当社の子会社数は、 2004年3月期末で19社、 また、 2003年3月期末で17社であります。添付の連結財務諸表は、 当社と19社(前会計年度 については17社) の子会社(以下、 「当社及び連結子会社」 という) の財務諸表が含まれております。 その連結子会社は以下のとおりです。 連結子会社名 所在地国及び地域 2004年3月期末における持分比率 決算期 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 95.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 49.0% 100.0% 100.0% 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 3月31日 12月31日 12月31日 ニチコン草津株式会社 日本 ニチコン亀岡株式会社 日本 ニチコンタンタル株式会社 日本 ニチコン朝日株式会社 日本 ニチコン岩手株式会社 日本 ニチコンワカサ株式会社 日本 ニチコン福井株式会社 日本 ニチコン滋賀株式会社 日本 ニチコンデンドー株式会社 日本 ニチコン(アメリカ)コーポレーション 米国 ニチコン(ホンコン)リミテッド 中国(香港) ニチコン(ヨーロッパ)リミテッド 英国 ニチコン(シンガポール)プライベートリミテッド シンガポール ニチコン(マレーシア)センディリアンバハッド マレーシア ニチコン(タイワン)カンパニーリミテッド 中華民国 ニチコン(オーストリア)ゲー・エム・ベー・ハー オーストリア ニチコン(タイランド)カンパニーリミテッド タイ ニチコンエレクトロニクス(ウーシー)カンパニーリミテッド 中国 ニチコンエレクトロニクストレーディング(シャンハイ)カンパニーリミテッド 中国 朝日電機工業株式会社、 ワカサ電機株式会社及びデンドー株式会 シー) カンパニーリミテッド、 ニチコンエレクトロニクストレーディング (シャ 社については、 2003年4月1日付でニチコン朝日株式会社、 ニチコンワカ ンハイ) カンパニーリミテッドについては連結財務諸表に与える影響 サ株式会社及びニチコンデンドー株式会社に商号変更をいたしました。 の重要性が増したことにより、 2003年3月31日終了年度から連結子 ニチコン草津株式会社及びニチコン亀岡株式会社については当連 会社に含めております。 結会計年度において当社から分社化したことにより、 2004年3月31日 連結財務諸表作成に当たり、 連結会社間の重要な取引やそれに 終了年度から連結子会社に含めることといたしました。 伴う勘定残高ならびに未実現利益はすべて消去しております。連結 ニチコン (タイランド) カンパニーリミテッド、 ニチコンエレクトロニクス (ウー 子会社の決算日が、 親会社の決算日と異なる子会社については、 3 25 日までの3ヶ月以内であるため、 それぞれの決算財務諸表を使用し 等に基づく時価法により評価しております。評価差額は、 部分資本 ております。 直入法により処理し、 売却原価は移動平均法により算定しておりま 当社の2004年3月期末及び2003年3月期末における重要な非 す。その他有価証券で時価のないものは、 主として移動平均法に 連結子会社はありません。2004年3月期末及び2003年3月期末に よる原価法により評価しております。 おける関連会社は、 それぞれ12社であります。持分法については、 三和電機株式会社以外の関連会社の当期純利益及び剰余金の 各合計額が連結上の当期純利益及び利益剰余金等に対する重 要性がないため、 同社に対する投資勘定についてのみ適用して おります。 その他の関連会社の投資勘定は取得原価によって計上してお (4) たな卸資産 製品及び仕掛品は、 主として総平均法による原価法で評価して おります。その他のたな卸資産は、 主として移動平均法による原価 法で評価しております。 ります。 2004年3月期より、 ニチコン (シンガポール) プライベートリミテッド (5)有形固定資産 については、 決算日を12月31日から3月31日へ変更し、 これに伴い 当社及び国内子会社の有形固定資産(1998年4月1日以降に 当連結会計年度に含まれる当該連結子会社の財務諸表の会計 取得した建物を除く) の減価償却費は、 法人税法の規定に従って 期間は15ヶ月となっております。 それぞれの資産の見積耐用年数に基づく定率法を採用しており 2003年3月期より、 朝日電機工業株式会社、 ニチコン (ヨーロッパ) ます。 リミテッド、 ニチコン (マレーシア) センディリアンバハッド、 ニチコン (タ 1998年4月1日以降に当社及び国内子会社が、 新規に建物を取 イワン) カンパニーリミテッ ド、 ニチコン (オーストリア) ゲー・エム・ベー・ハー 得した場合の減価償却費は、 上記と同様の基準による定額法を については、 決算日を12月31日から3月31日へ変更し、 これに伴い 採用しております。 前連結会計年度に含まれる当該連結子会社の財務諸表の会計 在外連結子会社の有形固定資産の減価償却費は、 それぞれ 期間は15ヶ月となっております。 の資産の見積耐用年数に基づき、 主として定額法で計算しており 2003年3月期より、 ニチコン岩手株式会社、 ニチコン福井株式会 ます。 社については決算日を1月31日から3月31日へ変更し、 これに伴い 建物及び構築物と機械装置の耐用年数は、 主としてそれぞれ 前連結会計年度に含まれる当該連結子会社の財務諸表の会計 7年∼50年および4年∼11年であります。 期間は14ヶ月となっております。 小規模の改良、 取替えを含む通常の修繕費及び維持費は、 発 2003年3月期より、 ワカサ電機株式会社、 デンドー株式会社につ 生時の費用として計上しております。また、 有形固定資産の処分 いては決算日を2月28日から3月31日へ変更し、 これに伴い前連結 に伴う損益は、 その処分があった連結会計年度に認識しております。 会計年度に含まれる当該連結子会社の財務諸表の会計期間は13ヶ 月となっております。 (6) コンピュータ・ソフトウエア (2)外貨建財務諸表の換算 添付の連結貸借対照表上の「投資その他の資産」の「その他」 に含まれている資産計上した社内利用のコンピュータ・ソフトウエア 在外連結子会社の財務諸表の円貨への換算については、 日本 に係る減価償却の方法は、 主として見込利用可能期間である5年 の企業会計審議会によって公表されている「外貨建取引等会計 間の定額法によっております。 処理基準」による方法によっております。この基準によれば、 資産 及び負債は決算日の為替相場により、 また資本勘定は、 発生時の 為替相場により換算されます。 さらに収益及び費用項目については、 (7)外貨換算 期中平均相場により換算しております。換算によって生じた換算 2001年3月期より、 当社及び国内連結子会社は日本の企業会計 差額は、 添付の連結貸借対照表に記載されている「為替換算調 審議会が公表した「外貨建取引等会計処理基準の改訂に関す 整勘定」に計上しております。 る意見書(1999年10月22日付) 」 を適用しております。 この基準では、 短期、長期を問わず外貨建の貨幣資産及び負債は、原則として (3)有価証券の評価 決算日の為替相場で円換算することが求められております。 2001年3月31日以降から、 当社及び国内連結子会社は、 日本の 企業会計審議会が公表した金融商品に係る会計基準である「金 融商品に係る会計基準の設定に関する意見書 (1999年1月22日付) 」 当社及び連結子会社は、 債権の貸倒れによる損失に備えるため、 を適用しております。この基準に従い、 当社及び国内連結子会社 一般債権については貸倒実績率により、 貸倒懸念債権等特定の が保有する有価証券を評価のため保有目的に応じて満期保有目 債権については個別に回収可能性を検討し、 回収不能見込額を 的の債券とその他有価証券に区分しております。満期保有目的の 計上しております。 債券は、 償却原価法により評価しております。 その他有価証券で時価のあるものは、 決算期末日の市場価格 26 (8)貸倒引当金 (9)ヘッジ会計 25日に国に返還額(最低責任準備金) の納付を行いました。 当社は、 輸出取引に係る為替変動リスクを回避する目的のため、 なお、 この年金資産の返還による影響額として、 当連結会計年 為替予約を付しております。貸借対照表日現在において、 一定の 度に5,389百万円(51,842千ドル) の特別利益を計上しております。 条件を満たす為替予約については、 外貨建ての売掛債権に振り 当てられ、 契約した換算比率で円換算されております。2001年3月 (12) 研究開発費 期より、 上記以外の為替予約に係る損益は、 ヘッジ対象である売 研究開発費は、 発生年度の費用として計上しております。 掛債権に係る損益が認識される時点まで繰り延べられ、 その時点 でヘッジ対象に係る損益と為替予約に係る損益が相殺されること になっております。 (13)利益処分 日本の商法及び当社の定款によれば、 取締役会による利益処 (10) リース取引 リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外 のファイナンス・リース取引については、 企業会計審議会が公表し ている「リース取引に係る会計基準」に準拠して、 当該リース資産 は資産計上せず、 支払リース料は、 リース期間にわたって各会計 期間の費用に計上しております。 (11)退職給付引当金および年金制度 当社の退職金規程では、 勤続年数3年以上の従業員については、 原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。 この退職給付金は、 通常、 勤続年数、 退職の事由、 退職時の報 酬額により算出されております。 従来当社は、 厚生年金基金制度に加入しており、 この制度は社 会保険制度と関連していて、 会社と従業員の拠出からなる基本部 分(代行部分を含む) と会社独自で設けた加算部分からなってい ましたが、 当社は2004年1月1日に厚生労働大臣の認可を得て、 厚 生年金基金から企業年金基金へ移行し、 国の年金代行部分であ る基本部分の返還をしました。 これにより、 全額会社負担の拠出金 からなる加算部分のみの企業年金制度を実施しています。 さらに、 当社及び国内連結子会社は、 適格退職年金制度を採用しており 分案(主として利益配当金の支払) は、 各事業年度末から3ヶ月以 内に開催することを義務付けられた株主総会での承認が必要と されております。添付の連結財務諸表に反映されている各年度の 利益処分は、 当該年度中に株主総会の承認を得て処分された直 前の事業年度に係るものであります。 取締役賞与金は当該年度の費用ではなく、 利益の配分として 会計処理し、 上記の利益処分の一部を構成しております。 (14) 1株当たり当期純利益および配当金 1株当たり当期純利益は、 各連結会計年度の期中平均発行済 株式数により計算しております。 2003年3月期から当社は、 「1株当たり当期純利益に関する会計 基準」 (企業会計基準第2号)及び「1株当たり当期純利益に関す る会計基準の適用指針」 (企業会計基準適用指針第4号) を適用 しております。 2004年3月期及び2003年3月期における潜在株式調整後1株当 たり当期純利益については、 希薄化効果を有している潜在株式が 存在していないため記載しておりません。 1株当たり配当金は、 各連結会計年度の支払済の中間配当金 と当該年度の公表期末配当金の配当額を示しております。 ます。当社及びこれら子会社が支払う退職金は、 これらの年金制 度からの給付金で充当・減額されます。 在外連結子会社の一部につきましては確定拠出型年金制度を (15)現金及び現金同等物 連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物は、 採用しております。 手許現金、 随時引き出し可能な預金及び価値の変動について僅 2000年4月1日時点で当社及び国内連結子会社は、 日本の企業 かなリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来 会計審議会が公表した「退職給付に係る会計基準の設定に関 する定期預金からなっております。 する意見書(1998年6月16日付)」を適用しております。 この基準に 従い、 退職給付引当金は、 連結会計年度末における退職給付債 務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。 当社の取締役及び監査役については、 退任の場合、 役員退職 (16)固定資産の減損に係る会計基準の設定 2002年8月9日に企業会計審議会より 「固定資産の減損に係る 金内規に基づき、 退職一時金を受給する資格を有しており、 その 会計基準」が公表されました。これは資産の収益性の低下により 支給額についても内規に基づき決定されております。役員退職慰 投資額の回収が見込めなくなった状態であり、 一定の条件の下で 労引当金は、 貸借対照表日現在で取締役及び監査役が退職した 回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理です。 場合の見積要支給額を表しております。 この会計基準は2005年4月1日以後開始する事業年度から実施 2001年6月15日に確定給付企業年金法が日本政府により公布さ されるよう措置することが適当であります。 しかし、 2004年4月1日以 れ、 会社は厚生労働大臣の認可を得て、 厚生年金基金の代行部 後開始する事業年度及び2004年3月31日から2005年3月30日まで 分の返上ができるようになりました。 に終了する事業年度に早期適用することも認められています。 この新しい法律にしたがって、 当社は、 厚生年金基金の代行部 当社と国内の関係会社は上記の会計基準を2004年3月31日終 分について2002年8月20日に将来分支給義務免除の認可を受け 了年度には早期適用しておりません。当社はこの会計基準の適用 ました。 また2004年1月1日に過去分返上の認可を受け、 2004年3月 の影響額を試算中であります。 27 注記3. 米ドル表記について 当社は、 連結財務諸表を円貨で作成しております。添付の財務諸 めに行っており、 実際に上記またはその他の為替相場によって円貨 表及び注記事項の米ドル金額は、 2004年3月期末における実勢為替 表示額を米ドルに換金・実現あるいは精算されたりするということを 相場である1米ドル=103.95円で換算したものであります。米ドル金額 意味するものではありません。 の表示は便宜的なものであり、 この換算は、 単に読者の便宜を図るた 注記4.短期有価証券及び投資有価証券 2004年3月期末及び2003年3月期末において当社及び連結子会社が保有する有価証券及び投資有価証券の概要は、 以下のとおりです。 単位:百万円 単位:千米ドル 2004 2003 2004 有価証券: 債 券 ........................................................................................ 投資有価証券: 株 式 ........................................................................................ 債 券 ........................................................................................ その他 ........................................................................................ 2004年3月期末において、 満期保有目的の債券で時価があるものの連結貸借対照表計上額及び時価に関する情報は、 以下のとおりです。 単位:百万円 連結貸借対 照表計上額 時価が連結貸借対照表計上額を超えるもの 地方債等 ..................................................................................... 社 債 ..................................................................................... 小 計 ..................................................................................... 時価が連結貸借対照表計上額を超えないもの 地方債等 ..................................................................................... 社 債 ..................................................................................... 小 計 ..................................................................................... 合 計 ..................................................................................... ¥ 4,484 12,267 16,751 4,525 10,204 14,729 ¥ 31,480 単位:千米ドル 時 価 ¥ 4,489 12,289 16,778 4,519 10,186 14,705 ¥ 31,483 差額 ¥ ( ( ( ¥ 連結貸借対 照表計上額 時 価 差額 5 22 27 $ 43,139 118,009 161,148 $ 43,191 118,219 161,410 $ 52 210 262 6) 18 ) 24 ) 3 43,530 98,161 141,691 $ 302,839 43,474 97,990 141,464 $ 302,874 ( 56 ) ( 171 ) ( 227 ) $ 35 2004年3月期末において、 その他有価証券で時価のあるものの連結貸借対照表計上額及び取得原価に関する情報の概要は、 以下のとおりです。 単位:百万円 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの 株 式 ......................................................................................... 社 債 ......................................................................................... 小 計 ......................................................................................... 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの 株 式 ......................................................................................... 合 計 ......................................................................................... 28 ¥ ¥ 単位:千米ドル 連結貸借対 照表計上額 取得原価 2,555 100 2,655 ¥ 7,219 119 7,338 85 2,740 76 ¥ 7,414 差額 ¥ ( ¥ 取得原価 連結貸借対 照表計上額 差額 4,664 19 4,683 $ 24,577 962 25,539 $ 69,447 1,143 70,590 $ 44,870 181 45,051 9) 4,674 814 $ 26,353 728 $ 71,318 ( 86 ) $ 44,965 2004年3月期末において、 時価のない主な有価証券の内容及び連結貸借対照表計上額に関する情報の概要は、 以下のとおりです。 単位:百万円 その他有価証券 非上場株式 .................................................................................. ¥ 単位:千米ドル 920 $ 8,852 2004年3月期において売却したその他有価証券は、 以下のとおりです。 単位:百万円 売却額 ¥ 14 売却益の合計額 ¥ 3 単位:千米ドル 売却損の合計額 売却額 売却益の合計額 売却損の合計額 ¥ — $ 131 $ 27 $ — 2004年3月期において売却した満期保有目的の債券は、 以下のとおりです 社 債 ..................................................................................... 単位:百万円 売却原価 ¥ 売却額 305 ¥ 単位:千米ドル 売却損益 ¥ ( 304 売却原価 1) $ 2,936 売却額 $ 売却損益 $( 2.927 9) 売却理由:国内関係会社の清算手続きに関連して売却したものです。 2004年3月期末において、 その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の償還予定額は、 以下のとおりです。 単位:百万円 地方債等 ............................. 社 債 ............................. ¥ ¥ 単位:千米ドル 2004 2004-2008 2009-2013 3,528 8,036 11,564 ¥ ¥ ¥ 5,481 14,435 19,916 — 119 119 ¥ 2004 2004-2008 2009-2013 $ $ $ 33,938 77,310 $ 111,248 52,731 138,860 $ 191,591 $ 2003年3月期末において、 満期保有目的の債券で時価があるものの連結貸借対照表計上額及び時価に関する情報は、 以下のとおりです。 単位:百万円 連結貸借対 照表計上額 時価が連結貸借対照表計上額を超えるもの 地方債等 ..................................................................................... ..................................................................................... 社 債 ..................................................................................... 小 計 時価が連結貸借対照表計上額を超えないもの 地方債等 ..................................................................................... ..................................................................................... 社 債 ..................................................................................... 小 計 ..................................................................................... 合計 ¥ 5,719 12,325 18,044 820 7,324 8,144 ¥ 26,188 時 価 ¥ 5,740 12,366 18,106 820 7,315 8,135 ¥ 26,241 差 額 ¥ 21 41 62 ( ( ( ¥ 0) 9) 9) 53 2003年3月期末において、 その他有価証券で時価のあるものの連結貸借対照表計上額及び取得原価に関する情報は、 以下のとおりです。 単位:百万円 取得原価 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの ..................................................................................... 株 式 ..................................................................................... 債 券 ..................................................................................... 小 計 連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの ..................................................................................... 株 式 ..................................................................................... 合計 ¥ ¥ 2,030 251 2,281 636 2,917 連結貸借対 照表計上額 ¥ ¥ 3,545 257 3,802 563 4,365 差 額 ¥ 1,515 6 1521 ( ¥ 73 ) 1,448 29 2003年3月期末において、 時価のない主な有価証券の内容及び連結貸借対照表計上額に関する情報の概要は、 以下のとおりです。 単位:百万円 その他有価証券 非上場株式 ................................................................................... ¥ 925 2003年3月期末において、 その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の償還予定額は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 地方債等 ...................................................................................... 社 債 ...................................................................................... ¥ ¥ 2005-2008 3,506 6,447 9,953 注記5.たな卸資産 2004年3月期末及び2003年3月期末におけるたな卸資産は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 製 品 ............................................................................................... 仕掛品 ............................................................................................... 原材料及び貯蔵品 ............................................................................. ¥ ¥ 単位:千米ドル 2003 ¥ 8,170 3,899 3,958 16,027 ¥ 2004 9,205 4,853 4,882 18,940 注記6. デリバティブ及びヘッジ 当社は、 輸出取引に係る為替変動リスクを回避する目的のため、 為 ります。当社の為替予約取引の契約先は、 信用度の高い銀行であるた 替予約を付しております。 これらのヘッジ手段の有効性は、 ヘッジ期間 め、 契約不履行による信用リスクはないものと判断しております。 を通じて、 ヘッジ対象の相場変動による変動額を基礎にして判断してお 2004年3月期末及び2003年3月期末における先物為替予約残高は以下のとおりです。 単位:百万円 2004 売建(US$) : 契約額等 ....................................................................................... 時 価 ....................................................................................... 評価損益 ....................................................................................... ¥ ¥ 単位:千米ドル 2003 2004 327 316 11 注記7. リース取引 (1)当社及び連結子会社には、 リース物件として機械装置及びその 他の資産があります。リース物件の所有権が借主に移転すると 30 企業会計審議会により開示が要求されている、取得価額相当 額及び減価償却累計額相当額などの追加情報は、 2004年3月期 認められるもの以外のファイナンス・リース取引に係る支払リース 末及び2003年3月期末において、 以下のとおりです。 料の総額は、2004年3月期が34百万円(334千米ドル)、2003年3 なお、 以下の金額は添付の連結貸借対照表には計上されてお 月期は46百万円であります。 りません。 単位:百万円 単位:千米ドル 2004 取得価額相当額: 機械装置及び工具器具備品 .......................................................... そ の 他 ...................................................................................... 小 計 ...................................................................................... 差引:減価償却累計額相当額 ............................................................ ¥ 2003 71 27 98 60 ) 38 ( ¥ ¥ ( ¥ 2004 144 51 195 144 ) 51 2004年3月期末及び2003年3月期末における未経過リース料の期末残高相当額の総額は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 1年以内 .......................................................................................... 1 年 超 .......................................................................................... ¥ 2003 17 21 38 ¥ 単位:千米ドル ¥ 2004 32 19 51 ¥ $ 161 202 363 $ 取得価額相当額、 未経過リース料期末残高相当額は、 支払利子込み法により算定しております。 2004年3月期及び2003年3月期において減価償却費相当額は、 過リース料期末残高の有形固定資産期末残高等に占める割合 それぞれ34百万円(334千米ドル)、 46百万円です。これらの金額 が低いため、 支払利子込み法によっております。減価償却費相当 は、 添付の連結損益計算書に計上されておりません。 額は、 リース期間を耐用年数とし、 残存価額を零とする定額法によっ 取得価額相当額は、 リース料支払総額であります。これは未経 ております。 (2) 2004年3月期末及び2003年3月期末におけるオペレーティング・リース取引の未経過リース料の総額は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 1年以内 .......................................................................................... 1 年 超 .......................................................................................... ¥ 2003 ¥ 10 4 14 ¥ 単位:千米ドル 2004 18 15 33 ¥ $ 97 39 136 $ 注記8.退職給付関係 2004年3月期末及び2003年3月期末現在の従業員に係る退職給付債務と添付の連結貸借対照表に計上されている退職給付引当金と の調整内容は、 それぞれ以下のとおりです。 単位:百万円 2004 退職給付債務 .................................................................................. 年金資産 ......................................................................................... 退職給付引当金(従業員分)............................................................ ¥ ( 14,655 ) 10,195 ¥ ( 4,460 ) 単位:千米ドル 2003 2004 ¥ ( 26,066 ) 14,667 ¥ ( 11,399 ) $ ( 140,987 ) 98,080 $ ( 42,907 ) 取締役及び監査役に対する役員退職慰労引当金は、 2004年3月期末及び2003年3月期末においてそれぞれ248百万円(2,386千米ドル) 及び264百万円であります。 31 2004年3月期末及び2003年3月期末における退職給付費用の内容は概ね、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 勤務費用 .............................................................................................. 利息費用 .............................................................................................. 期待運用収益 ....................................................................................... 数理計算上の差異の費用処理額 ........................................................... 過去勤務債務の費用処理額 .................................................................. 臨時に支払った割増退職金 ................................................................... 退職給付費用........................................................................................ 厚生年金基金代行部分返上に伴う利益.................................................. 合計 ...................................................................................................... ¥ ( ¥ ¥ ( 733 532 183 ) 382 — 480 1,944 5,389 3,445 ) 単位:千米ドル 2003 ¥ ( ( ( ¥ ¥ 2004 953 527 189 ) 153 ) 891 ) — 247 — 247 $ $ $ 厚生年金基金に対する従業員の拠出額は、 勤務費用に含まれておりません。 2004年3月期及び2003年3月期において、 退職給付債務の計算にお 規模会社に適用が認められている簡便法によって算定しております。 ける割引率を2.1%にしており、 また2004年3月期及び2003年3月期に 当社は、 確定給付企業年金法の施行に伴い、 厚生年金基金の代 おいて、 期待収益率を1.5%にしています。退職給付債務は勤務年数 行部分について、 2002年8月20日に厚生労働大臣から将来分支給義 を基準に配分しております。 また過去勤務債務の額及び数理計算上 務の免除の認可を受け、 また2004年1月1日に過去分返上の認可を受 の差異は、 発生年度に一括して損益処理しております。一部の連結 け、 2004年3月25日に国に返還額(最低責任準備金) の納付を行いま 子会社の退職給付債務については、 退職給付会計基準に従って、 小 した。 〔注記2の(11) を参照ください〕。 注記9. 偶発債務 2004年3月期末において、 偶発債務はありません。 注記10. 株主持分 2001年9月30日以前において日本の商法は、 株式の発行価額の少 自己株式を取得しております。2004年6月29日に開催された定時株主 なくとも2分の1以上、 かつ、 額面以上の金額を資本金に組入れるよう 総会において、 定款の一部を変更し、 商法の規定により、 取締役会の 規定しておりました。資本金に組み入れるべき割合は、 取締役会の決 決議をもって自己株式を買受けることができる旨、 定款に定めております。 議に基づき決定されます。資本金に組入れる金額を超える金額は、 1999年、 2000年、 2001年、 2002年、 2003年及び2004年6月に開催さ 資本準備金に計上しております。 れた定時株主総会において、 ストックオプション制度が承認されました。 2001年10月に改正商法の施行があり、 額面株式の制度は廃止され、 1999年6月に承認された同制度により、 当社対象取締役及び従業 2001年9月30日以前において商法は、 現金配当とその他の社外流出 員に対して、 それぞれ合計が116千株及び204千株を上限に普通株 額の10%以上の金額を、 資本金の25%に達するまで利益準備金(利 式を購入する権利を付与しております。当該権利の行使期間は、 益剰余金に含まれる) として積み立てるよう規定しておりました。 2001年7月1日から2004年6月30日となっております。 2001年10月1日の改正商法は、資本準備金と利益準備金の合計 2000年6月に承認された同制度により、 当社対象従業員に対して、 額(総称して法定準備金) を資本金の25%まで法定準備金として計 34千株を上限に普通株式を購入する権利を付与しております。当該 上しておくよう規定しています。商法の改正以前から、 法定準備金は 権利の行使期間は、 2002年7月1日から2005年6月30日となっております。 取締役会の決議をもって資本金に組み入れること及び株主総会の 2001年6月に承認された同制度により、 当社対象取締役及び従業 承認をもって資本の欠損填補のために取崩すことができました。 員に対して、 52千株を上限に普通株式を購入する権利を付与してお さらに、 改正商法では、 法定準備金が資本金の25%を割らない範 ります。当該権利の行使期間は、 2003年7月1日から2006年6月30日と 囲で配当することが認められています。 なっております。 同時に改正商法の下で当社は配当可能限度額を超えない自己株 2002年6月に承認された同制度により、 当社対象取締役、 監査役及 式の再購入が認められています。 び従業員並びに主要関係会社の対象経営幹部に対して、 180千株を 2003年6月27日に開催された定時株主総会において、 商法の規定 上限に普通株式を購入する権利を付与しております。当該権利の行 の改正によって、 前年の定時株主総会から今回の定時株主総会の 使期間は、 2004年7月1日から2007年6月30日となっております。 終結の時点までの期間に4,500百万円を上限に自己株式300万株を 2003年6月に承認された同制度により、 当社対象取締役、 監査役及 上限とする自己株式を取得することができる旨、 承認されました。なお、 び従業員並びに主要関係会社の対象経営幹部に対して、 280千株を 当期中において当社は、 1,421千株、 1,670百万円(16,066千米ドル) の 32 上限に普通株式を購入する権利を付与しております。当該権利の行 使期間は、 2005年7月1日から2008年6月30日となっております。 上限に普通株式を購入する権利を付与しております。当該権利の行 2004年6月に承認された同制度により、 当社対象取締役、 監査役及 使期間は2006年7月1日から2009年6月30日となっております。 び従業員並びに主要関係会社の対象経営幹部に対して、 510千株を 注記11. その他有価証券評価差額金 2004年3月期末及び2003年3月期末の資本の部に含まれている税効果控除後のその他有価証券評価差額金の内容は、 以下のとおりです 単位:百万円 単位:千米ドル 2004 時価が取得原価を超過する金額 ........................................................ 繰延税金負債 .................................................................................... その他 ............................................................................................... ¥ その他有価証券評価差額金(税効果控除後) ¥ ( ( 4,683 1,892 ) 28 ) 2,763 2003 ¥ ( ( ¥ 1,521 615 ) 9) 897 2004 $ 45,051 ( 18,200 ) ( 265 ) $ 26,586 注記12.販売費及び一般管理費 2004年3月期及び2003年3月期における添付の連結損益計算書の販売費及び一般管理費の内容は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 運送費 .............................................................................................. 広告宣伝費 ....................................................................................... 給与及び賞与 .................................................................................... 研究開発費 ....................................................................................... その他 .............................................................................................. ¥ ¥ 2,611 172 3,348 761 4,786 11,678 単位:千米ドル 2003 ¥ ¥ 2,548 205 3,506 847 4,847 11,953 2004 $ $ 25,118 1,655 32,204 7,317 46,049 112,343 注記13.研究開発費 2004年3月期及び2003年3月期における売上原価ならびに販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、 それぞれ2,213百万円(21,291 千ドル) と2,234百万円であります。 注記14.法人税等 当社及び国内連結子会社は、 それぞれの所得に応じて異なる法 込まれております。その結果、法定実効税率の低下が見込まれ、 人税等が課税されており、 その法人所得に対する法人税等の総額 2004年4月1日以降に開始する事業年度において回収が見込まれる の法定実効税率は2004年3月期及び2003年3月期においては、 約42% 繰延税金資産については、 地方税率の低下を見込んだ法定実効税 でした。また、在外連結子会社については、各子会社が事業運営し 率により算定しております。 ている国での法人税等が課税されております。 この変更により、 2003年3月期において、 繰延税金資産が107百万 2003年3月31日に地方税法の改正が公布され、 2004年4月1日から 円減少し、法人税等調整額が131百万円、 その他有価証券評価差 企業に対して外形標準課税が課せられることになりました。この改正 額金が24百万円それぞれ増加しております。 に伴い、 2004年4月1日以降開始事業年度より地方税率の低下が見 33 2004年3月期及び2003年3月期の繰延税金資産・負債の主な原因別内訳は、 以下のとおりです。 単位:百万円 単位:千米ドル 2004 繰延税金資産: 退職給付引当金繰入限度超過額 .................................................... たな卸資産未実現利益 .................................................................. 未払事業税否認額 ......................................................................... 税務上繰越欠損額 ......................................................................... 環境対策費用 ................................................................................ その他 ........................................................................................... 小計 ............................................................................................... ¥ ¥ 1,578 252 37 519 485 907 3,778 繰延税金負債: その他有価証券評価差額金 ........................................................... その他 .......................................................................................... 小計 .............................................................................................. 繰延税金資産の純額: 2003 ¥ 4,261 350 198 587 — 907 6,303 1,892 272 2,164 1,614 2004 $ 615 348 963 5,340 ¥ 15,178 2,423 358 4,989 4,664 8,732 36,344 18,200 2,616 20,816 15,528 $ 繰延税金資産の純額は、 連結貸借対照表に以下のとおり含まれております。 単位:百万円 単位:千米ドル 2004 流動資産 - 繰延税金資産 .................................................................. 投資その他の資産 - 繰延税金資産 .................................................... 流動負債 - 繰延税金負債 .................................................................. 固定負債 - 繰延税金負債 .................................................................. 合計 ............................................................................................... ¥ ( ( ¥ 2003 ¥ 1,092 561 33 ) 6) 1,614 ( ( ¥ 2004 $ 10,503 5,399 ( 316 ) ( 58 ) $ 15,528 2,646 2,707 7) 6) 5,340 2004年3月期及び2003年3月期の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因は、 以下のとおりです。 2004 法定実効税率 .................................................................................... 交際費永久に損金に算入されない項目 .......................................... 受取配当金等永久に益金に算入されない項目 ............................... 海外関係会社配当金 ..................................................................... 住民税等均等割額 ......................................................................... 欠損金子会社の未認識税務利益 .................................................... 外国税額等調整項目 ...................................................................... 税率変更による期末繰延税金資産の減額修正 ............................... その他 .......................................................................................... ......................................... 税効果会計適用後の法人税等の負担率 42.0 % 0.5 — 1.2 0.7 11.7 — 1.2 3.0 60.3 % 2003 42.0 % — ( 0.2 ) — 0.6 13.1 ( 7.5 ) 2.4 2.1 52.5 % 注記15.連結損益計算書の補足情報 2004年3月期における添付の連結損益計算書「営業外収益(費用)」に計上されている「事業再構築関連費用」は、 事業再構築のため の事業所の統廃合、 分社化や不採算事業からの撤退等の実施に伴って生じた費用であります。 単位:百万円 固定資産処分損 ................................................................................ 特別退職金等人件費関連費用 ........................................................... ............................................................................. たな卸資産廃棄損 34 ¥ 1,400 580 370 2,350 単位:千米ドル $ 13,468 5,586 3,558 22,612 また、 「環境対策費用」に計上されている1,200百万円(11,544千ドル) は、 過去にコンデンサの製造用として使用していた材料とその製品 について、 環境対策を行うことに要する金額であります。 注記16. セグメント情報 当社及び連結子会社の2004年3月期及び2003年3月期のセグメント情報は、 以下のとおりです。 (1) 事業の種類別セグメント情報 当社及び連結子会社は、 コンデンサ及びその関連製品の製 る当該主要事業以外の事業の割合がいずれも10%未満と重 造ならびに販売を主な事業としております。2004年3月期及び 要でないため、 日本の連結財務諸表規則の規定に基づき、事 2003年3月期においては、全セグメントの売上高の合計、全セグ 業の種類別セグメント情報の記載を省略しております。 メントの営業利益及び全セグメント資産の金額の合計額に占め (2) 所在地別セグメント情報 2004年3月期及び2003年3月期の所在地別セグメント情報は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004年3月期 日 本 米 国 アジア その他 売 上 高: 1.外部顧客に対する売上高 ........................................................... 2.セグメント間の内部売上高又は振替高 ....................................... 合 計 ............................................................................... 営業費用 ........................................................................................... 営業利益 ........................................................................................... 資産 ¥ 53,787 ¥ 11,366 ¥ 31,030 ¥ 14 38,953 1,501 11,380 92,740 32,531 11,382 88,454 32,695 ¥ 4,286 ¥ ( 2 ) ¥ ( 164 ) ¥ ........................................................................................... ¥ 93,744 ¥ 8,125 ¥ 15,166 ¥ 4,666 5 4,671 4,561 110 2,061 消去又は全社 連 結 — ¥ 100,849 ( 40,473 ) — ( 40,473 ) 100,849 ( 40,861 ) 96,231 ¥ 388 ¥ 4,618 ¥ 26,415 ¥ 145,511 ¥ 単位:百万円 2003年3月期 日 本 売 上 高: 1.外部顧客に対する売上高 ........................................................... ¥ 61,026 2.セグメント間の内部売上高又は振替高 ........................................ 40,714 合 計 ............................................................................. 101,740 営業費用 ........................................................................................... 93,618 営業利益 ........................................................................................... ¥ 8,122 ........................................................................................... ¥ 109,619 資産 米 国 アジア その他 ¥ 13,523 ¥ 29,409 ¥ 1,540 14 30,949 13,537 31,005 13,593 56 ) ¥ ( 56 ) ¥ ( ¥( ¥ 9,977 ¥ 15,655 ¥ 消去又は全社 連 結 6,113 ¥ — ¥ 110,071 ( 42,380 ) 112 — ( 42,380 ) 6,225 110,071 ( 42,253 ) 6,444 102,407 219 ) ¥ ( 127 ) ¥ 7,664 2,310 ¥ 17,523 ¥ 155,084 単位:千米ドル 2004年3月期 日 本 米 国 アジア その他 消去又は全社 連 結 売 上 高: 1.外部顧客に対する売上高 ........................................................... $ 517,431 374,727 2.セグメント間の内部売上高又は振替高 ........................................ 892,158 合 計 ............................................................................. 850,932 営業費用 ........................................................................................... 営業利益 ........................................................................................... $ 41,226 — $ 970,176 $109,344 $ 298,514 $ 44,887 $ — 50 ( 389,351 ) 14,436 138 970,176 44,937 ( 389,351 ) 312,950 109,482 925,750 43,879 ( 393,089 ) 314,531 109,497 $( 15 ) $ ( 1,581 ) $ 1,058 $ 3,738 $ 44,426 資産 $ 78,166 ........................................................................................... $ 901,814 $ 145,898 $ 19,826 $ 254,109 $ 1,399,813 資産のうち「消去又は全社」の項目に含めた全社資産の金額は、 2004年3月期及び2003年3月期においては、 それぞれ42,465百万円(408,514 千米ドル)及び34,282百万円であります。 (3) 海外売上高 2004年3月期及び2003年3月期の海外売上高の状況は、 以下のとおりです。 35 単位:百万円 2004年3月期 米 州 海外売上高 ....................................................................................... ¥ 連結売上高 ....................................................................................... 連結売上高に占める海外売上高の割合 ............................................. 11,379 — 11.3% 2003年3月期 米 州 海外売上高 ....................................................................................... ¥ 連結売上高 ....................................................................................... 連結売上高に占める海外売上高の割合 ............................................. 13,537 — 12.3% 2004年3月期 米 州 アジア ¥ その他 ¥ 37,761 — 37.4% 合 計 ¥ 5,301 — 5.3% 54,441 100,849 54.0% 単位:百万円 アジア ¥ その他 ¥ 36,231 — 32.9% 合 計 ¥ 6,625 — 6.0% 56,393 110,071 51.2% 単位:千米ドル 海外売上高 ....................................................................................... $ 連結売上高 ....................................................................................... 連結売上高に占める海外売上高の割合 ............................................. アジア 109,462 — 11.3% その他 $ $ 363,260 — 37.4% 合 計 $ 523,723 970,176 54.0% 51,001 — 5.3% 注記17. 1株当たり情報 2004年3月期及び2003年3月期における1株当たり当期純利益は、 以下のとおりです。 単位:円 単位:米ドル 2004 1株当たり当期純利益 ....................................................................... 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 ............................................... ¥ 2003 ¥ 27.28 — 40.57 — 2004 $ 0.26 — 2004年3月期及び2003年3月期における潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、 希薄化効果を有している潜在株式が存在し ていないため記載しておりません 2004年3月期及び2003年3月期における1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、 以下のとおりです。 単位:百万円 2004 普通株式に係る当期純利益 ............................................................... ¥ 単位:千米ドル 2003 2,164 ¥ 3,274 2004 $ 20,819 単位:千株 普通株式の期中平均株式数 .............................................................. 2004 2003 79,322 80,687 希薄化効果を有しないため、 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に含めなかった潜在株式の概要は、 以下のとおりです。 単位:千株 2004 新株予約権方式によるストックオプション .......................................... 自己株式譲渡方式によるストックオプション ....................................... 460 346 2003 180 346 注記18. 後発事象 2004年6月29日に開催された当社定時株主総会において、 1株6円50銭(0.06米ドル)の現金配当508百万円(4,892千米ドル)及び取締 役賞与金27百万円(260千米ドル)が正式に承認決議されました。 36 独立監査人の報告書 ニチコン株式会社取締役会及び株主御中 当監査法人は、 ニチコン株式会社及び連結子会社の2004年3月31日及び2003年3月31日現在の添付の円表示 の連結貸借対照表、 並びに同日をもって終了した各連結会計年度の連結損益計算書、 連結株主持分計算書、 及び連結キャッシュ・フロー計算書について監査を行った。この連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、 当 監査法人の責任は監査の結果に基づき連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 当監査法人は日本において一般に公正妥当と認められ適用されている監査基準に準拠して監査を実施した。 監査基準は、 当監査法人に連結財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求め ている。監査は、 連結財務諸表における金額及び開示の根拠資料に対する試査を含む。監査はまた、 経営者が 採用した会計原則並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め、 全体としての連結財務諸表の表示を検討 することを含んでいる。当監査法人は、 監査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。 監査の結果、 当監査法人は、 上記の連結財務諸表は、 日本において一般に公正妥当と認められる会計原則に 準拠して作成されており、 よって、 ニチコン株式会社及び連結子会社の2004年3月31日及び2003年3月31日現在の 財政状態並びに同日をもって終了した各連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示 しているものと認める。 米ドルで表示された金額は、 単に読者の便宜のために提供されたものであり、 添付の連結財務諸表の注記3で 述べられている基準で換算されたものである。 中央青山監査法人 大阪、 日本 2004年6月29日 37 連結子会社 国内連結子会社 海外連結子会社 ニチコン草津株式会社 NICHICON (AMERICA) CORP. 〒525-0053 滋賀県草津市矢倉2丁目3番1号 TEL.077-563-1181 FAX.077-563-1208 927 East State Parkway, Schaumburg, Illinois 60173, U.S.A. TEL.1-847-843-7500 FAX.1-847-843-2798 資 本 金:3,000千US$ 事業内容:各種コンデンサの販売 資 本 金:80百万円 事業内容:電力用・機器用コンデンサ、 コンデンサ応用関連機器の製造 ISO9001、 ISO14001認証取得 (2003年10月1日に草津工場を分社化し、 ニチコン草津株式会社として発足しました) ニチコン亀岡株式会社 〒621-0811 京都府亀岡市北古世町2丁目15番1号 TEL.0771-22-5541 FAX.0771-29-2010 資 本 金:80百万円 事業内容:ハイブリッドIC・回路モジュール、 正特性サーミスタの製造 ISO9001、 ISO14001認証取得 Unit 308, Harbour Centre Tower 1, 1 Hok Cheung Street, Hunghom, Kowloon, Hong Kong TEL.852-2363 4331 FAX.852-2764 1867 資 本 金:5,000千HK$ 事業内容:各種コンデンサの販売 NICHICON (EUROPE) LTD. ニチコンタンタル株式会社 Coliseum Business Centre, Riverside Way, Camberley, Surrey GU15 3YL, United Kingdom TEL.44-1276-685393 FAX.44-1276-686531 資 本 金:1,000千STG£ 事業内容:各種コンデンサの販売 〒520-1215 滋賀県高島郡安曇川町三尾里690番地の2 TEL.0740-32-1250 FAX.0740-32-1504 NICHICON (TAIWAN) CO., LTD. (2003年4月1日に亀岡工場を分社化し、 ニチコン亀岡株式会社として発足しました) 資 本 金:316百万円 事業内容:タンタル電解コンデンサの製造 ISO9001、 ISO/TS16949、 ISO14001認証取得 16F-12, No.6, Sec.4, Hsin-Yi Rd., Taipei, Taiwan TEL.886-2-2708-0200 FAX.886-2-2708-0959 資 本 金:30,000千NT$ 事業内容:各種コンデンサの販売 ニチコン朝日株式会社 NICHICON (SINGAPORE) PTE. LTD. 〒028-3308 岩手県紫波郡紫波町平沢字的場120番地 TEL.019-676-4511 FAX.019-676-6710 資 本 金:100百万円 事業内容:アルミ電解コンデンサ(小形品) の製造 ISO9001、 ISO/TS16949、 ISO14001認証取得 (朝日電機工業株式会社は2003年4月1日付けで、 ニチコン朝日株式会社に商号変更しました) ニチコン岩手株式会社 〒028-4305 岩手県岩手郡岩手町大字久保第8地割17番地の1 TEL.0195-62-5311 FAX.0195-62-3400 資 本 金:100百万円 事業内容:アルミ電解コンデンサ(チップ品) の製造 ISO9001、 ISO/TS16949、 ISO14001認証取得 ニチコンワカサ株式会社 〒917-0026 福井県小浜市多田35号1番地の1 TEL.0770-56-2111 FAX.0770-56-2116 資 本 金:84百万円 事業内容:スイッチング電源の製造 ISO9001、 ISO14001認証取得 (ワカサ電機株式会社は2003年4月1日付けで、 ニチコンワカサ株式会社に商号変更しました) ニチコン福井株式会社 〒912-0805 福井県大野市土布子第4号24番地15 ニチコンテクノロジーセンター内 TEL.0779-65-8800 FAX.0779-65-8801 238A Thomson Road #12-01/02, Novena Square, Singapore 307684 TEL.65-64815641 FAX.65-64816485 資 本 金:8,000千SP$ 事業内容:各種コンデンサの販売 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. No.4 Jalan P/10, Kawasan Perusahaan Bangi, 43650 Bandar Baru Bangi, Selangor Darul Ehsan, Malaysia TEL.60-3-89250678 FAX.60-3-89250858 資 本 金:63,000千M$ 事業内容:アルミ電解コンデンサ(チップ品・小形品・大形品) の製造・販売 ISO9002、 QS-9000、 ISO14001認証取得 NICHICON (THAILAND) CO., LTD. Empire Tower 15th Floor, Unit 1506, Tower 3, 195 South Sathorn Road, Yannawa, Bangkok 10120, Thailand TEL.66-2-670-0150 FAX.66-2-670-0153 資 本 金:20,000千BAHT 事業内容:各種コンデンサの販売 NICHICON (AUSTRIA) GmbH Am Concorde Business Park C2 Top, Nr.14 2320 Schwechat, Austria TEL.43-1-706-7932 FAX.43-1-706-7933 資 本 金:1,000千EUR 事業内容:各種コンデンサの販売 NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 資 本 金:100百万円 事業内容:タンタル電解コンデンサの製造 ISO9001、 ISO14001認証取得 Block 51-B, Wuxi National High & New Technology Industrial Development Zone, Wuxi, Jiangsu, 214028 China TEL.86-510-5218222 FAX.86-510-5221170 資 本 金:20,000千US$ 事業内容:各種コンデンサおよび回路製品の製造・販売 ISO9001、 ISO14001認証取得 ニチコン滋賀株式会社 NICHICON ELECTRONICS TRADING (SHANGHAI) CO., LTD. 〒525-0053 滋賀県草津市矢倉2丁目3番1号 TEL.077-563-1181 FAX.077-563-1208 Room 1406∼1407, Orient International Plaza (Part C) 85 Lou Shan Guan Road, Shanghai, 200336 China TEL.86-21-6278-7658 FAX.86-21-6278-7657 資 本 金:500千US$ 事業内容:各種コンデンサの販売 資 本 金:50百万円 事業内容:タンタル電解コンデンサの製造 ISO14001認証取得 38 NICHICON (HONG KONG) LTD. 会社概要 役員の状況 2004年6月29日現在 代表取締役社長 武田 一平 取 胡桃澤 秀好 岩佐 譽 三井 紘一 西澤 唯芳 荒木 幸彦 梅村 幸人 締 役 工 場 長 野 工 場 〒399-8205 長野県南安曇郡豊科町大字豊科 常 勤 監 査 役 西幡 奎二 監 山崎 幸三 熊田 泰彦 査 役 4085番地 TEL.0263-72-2830 FAX.0263-72-7140 生産品目:アルミ電解コンデンサ(大形品) ISO9001、 ISO/TS16949、 ISO14001認証取得 穂 高 工 場 〒399-8302 長野県南安曇郡穂高町大字北穂高 1284番地の2 TEL.0263-82-2510 FAX.0263-82-7536 生産品目:アルミ電解コンデンサ用電極箔 ISO9001、 ISO14001認証取得 設 立 年 月 日 1950年(昭和25年)8月1日 資 本 金 14,286百万円(2004年3月31日現在) 大 町 工 場 〒398-0003 長野県大町市大字社字島8224番地1 従 業 員 数 連結 4,587名 単独 1,122名 (2004年3月31日現在) 本 社 所 在 地 〒604-0844 京都市中京区御池通烏丸東入 TEL.075-231-8461 FAX.075-256-4158 営 TEL.0261-21-3200 FAX.0261-21-3206 生産品目:アルミ電解コンデンサ用電極箔 ISO9001、 ISO14001認証取得 大 野 工 場 〒912-0095 福井県大野市下丁1号11番地の2 TEL.0779-66-0333 FAX.0779-66-0312 生産品目:アルミ電解コンデンサ(小形品) ISO9001、 ISO/TS16949、 ISO14001認証取得 業 東日本営業本部 〒105-0013 東京都港区浜松町2丁目5番5号 東 京 支 店 TEL.03-5473-5611 FAX.03-5473-5651 富 田 工 場 〒912-0805 福井県大野市土布子4字青島24-11番地 ニチコンテクノロジーセンター内 TEL.0779-65-8000 FAX.0779-65-8911 生産品目:アルミ電解コンデンサ用電極箔 ISO9001、 ISO14001認証取得 東日本営業本部 〒460-0003 名古屋市中区錦2丁目4番3号 名 古 屋 支 店 錦パークビル18階 TEL.052-223-5581 FAX.052-220-1839 西日本営業本部 〒530-0046 大阪市北区菅原町3番2号 大 阪 支 店 TEL.06-6362-6421 FAX.06-6365-7033 営 業 所 電源センター 〒105-0013 東京都港区浜松町2丁目5番5号 TEL.03-3432-6561 FAX.03-3437-5769 生産品目:スイッチング電源の設計・開発 ISO9001認証取得 札幌、 長野、 岡山、 福岡 株式情報 会社が発行する株式の総数 発行済株式総数 株 主 数 上場取引所 2004年3月31日現在 株価の推移 137,000,000株 81,144,372株 9,511名 東京証券取引所市場第一部 大阪証券取引所市場第一部 名古屋証券取引所市場第一部 株主名 持株数(株) 議決権比率(%) 7,629,800 6,716,000 4,144,612 3,370,000 3,090,000 2,448,989 2,200,021 1,915,000 1,622,700 1,363,700 9.76 8.59 5.30 4.31 3.95 3.13 2.82 2.45 2.08 1.75 (円) 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 1999 2000 2001 2002 2003 2004 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 日本生命保険相互会社 株式会社京都銀行 株式会社みずほコーポレート銀行 株式会社UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 平井 信子 ザ チェースマンハッタンバンクエヌエイロンドン 野村信託銀行株式会社(投信口) 39 ニチコン株式会社 京都市中京区御池通烏丸東入 〒604-0844 TEL.075-231-8461 FAX.075-256-4158 URL http://www.nichicon.co.jp/ http://www.nichicon-us.com/ このカタログの印刷は、環境にやさしい 植物性大豆油インキを使用しています。 古紙配合率100%再生紙を使用