Social and Environmental Report 2008 社会・環境報告書 2008 ニチコン株式会社 編 集 に あ たって 当社では、2001年から「環境報告書」を発行し、2006 年 から 「社会・環境報告書」 と名称を改め継続発行しています。 ニチコングループは2003 年 6 月に 「CSR 室」を設け、社会 的責任を果たすための取組みを推進してきましたが、 「内部統 制システム」の構築体制をより強化していくため、2006 年11 月に「CSR 推進委員会」を設置しました。今回の報告書では、 CSR の推進体制とマネジメントにおける重点取組み課題を具 体的に報告しています。 また、 「社会とニチコン」では、これまでのように活動主体であ る従業員の声を、 「環境とニチコン」では、パフォーマンス報告に 加えて活動事例を掲載し、わかりやすい報告を心がけました。 ■ 参考にしたガイドライン 環境省の「環境報告書ガイドライン(2007年度版)」を参考に しました。 ■ 対象期間 本報告書は 2007 年度(2007 年 4 月1日∼2008 年 3 月 31日)の活動とその実績を報告するものです。ただし、一部、 2008 年 4月以降の活動・実績にも言及しています。 ■ 対象範囲 本報告書では、ニチコン株式会社およびグループ会社のうち、 国内で ISO14001を認証取得している事業所の環境側面 および社会的側面を報告しています。 <将来に関する予測・予想・計画について> 本報告書には、当社グループの過去と現在の事実だけでなく、将来に関する予測・予想・ 計画なども記載しています。これらは、記述した時点で入手できた情報に基づいた仮定な いし判断であり、不確実性が含まれています。したがって、将来の事業活動の結果や将来 に惹起する事象が本報告書に記載した予測・予想・計画とは異なったものとなる恐れがあ ります。読者の皆様には、以上をご承知おきくださいますようお願い申し上げます。 1 社会・環境報告書 2008 contents ごあいさつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 報告組織の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 5 C S R マ ネジメント 7 9 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ コンプライアンス 10 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ リスクマネジメント 11 CSRについての考え方と推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・ コーポレート・ガバナンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 社会とニチコン お客様への製品責任を果たすために・・・・・・・・・・・・・・・13 株主・投資家への責任を果たすために・・・・・・・・・・・・・・15 取引先様への責任を果たすために・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 従業員への責任を果たすために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 社会とのコミュニケーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 環境とニチコン 環境マネジメント推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 環境保全活動計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 環境会計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 事業活動に伴う環境負荷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 地球温暖化防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 廃棄物削減と資源の有効活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 地球との共生を目指した製品づくり・・・・・・・・・・・・・・・・・29 化学物質の適正管理とリスクマネジメント・・・・・・・・30 社会・環境 報 告 書 2008 2 ごあいさつ ステークホルダーの満足と経営リスクの低減により 企業価値の向上を目指します 代表取締役社長(COO) 荒木幸彦 代表取締役会長(CEO) 武田一平 3 社会・環境報告書 2008 内部統制システムの強化を推進 事業活動全般における環境負荷低減に積極的に取り組んでき ました。地球温暖化の原因の一つにもなる二酸化炭素の排出 近年、企業の社会的責任(CSR)の重要性は年を追うごとに 量削減をはじめ、環境配慮型製品・サービスの開発、グリーン 高まっています。社内の企業倫理のあり方を見直し、コンプラ 調達、生物多様性の保全、環境社会貢献などの活動に関係部 イアンス(法令遵守)、コーポレートガバナンス(企業統治)、リ 署が一丸となって努力を重ねています。 スクマネジメント、環境保全活動、情報セキュリティ、そして社 また、ニチコングループでは欧州の RoHS 指令や REACH 会貢献活動などを制度化・システム化していくことは、いまや 規則などに対応するのはもちろんのこと、メーカーとして使用 企業に課せられた責務となっています。 ニ チコング ル ープが C S R 活 動に取り組 み 始 めた の は 2002 年10 月。コンプライアンスや反社会的行為の禁止など を「グループ行動規範」 としてまとめ、制定したのが始まりです。 する化学物質の安全性の評価と保証に万全の体制で取り組ん でいます。 環境問題は、 「知らなかった」 「含まれているとは思わなかっ た」では済まされません。法令遵守は企業の社会的責任である そして 2003 年 6 月、電子部品業界で最初に専門部署である ことを、私たち経営陣や品質保証に関わる部門のメンバーはも 「CSR 室」を設け、グループ全体の環境保全活動や環境マネジ とより、社員一人ひとりが今一度、肝に銘じておかなければな メントシステムの運用、リスクマネジメントについて、組織だっ らない義務でもあります。 た運営体制をつくることからスタートしました。 その後、相次ぐ企業不祥事を背景に、企業の行為や姿勢に 対する社会の目はいっそう厳しさを増すようになりました。 2006 年 5月に施行された「会社法」は大会社の取締役会に対 して内部統制関連事項についての決議を求め、2006 年 6月 ステークホルダーの期待に応えて 企業価値向上を目指す 現代社会は企業に対して自社の経営目標・目的に向かって、 に制定された 「金融商品取引法」 、いわゆる 「日本版 SOX 法」 で 法令を遵守した上で経営資源を有効活用し、その成果を会計基 は上場会社に対して 2008 年 4 月以降に開始される事業年度 準に従って正しく開示し、さらに邁進することを求めています。 から内部統制報告書の提出を定めており、法令違反や倫理違 ニチコングループが現在、構築と強化を進めている内部統制 反、不正行為を発生させないための社内の仕組みづくりが要 システムは、その一連の企業活動を円滑に遂行し、公正さを担 求されるところとなっています。 保するための仕組みであります。 こうした社会の要請に応えて、ニチコングループは 2006 ニチコングループは信頼性の高い内部統制システムを構築 年 8 月に「内部統制システム構築プロジェクト」を発足。同年 することで、環境問題への対応も含む5つのCSR (企業の社会 11 月には、 「会社法」が求める内部統制システムの構築を推進 的責任)のテーマを着実に果たすことによって、全てのステー する中核組織として 「CSR推進委員会」 を設置しました。 クホルダーの満足度向上に努めます。そして一方では、これら 「日本版 SOX 法」の要求する財務報告の信頼性を確保すべ 内部統制システムを適正に運用することによって、経営リスク く法令を遵守し、業務の有効性と効率性を推し進めて経営目標 の低減を図るよう努めてまいります。これらを実現することが を達成するためのPDCA を回し健全な経営を行うことに努め 企業としての信頼性と企業価値の向上につながるものと確信 ています。 しています。 電子部品メーカーの責務として 事業活動における環境負荷低減に尽力 日 本 が 議 長 国を務 めた 北 海 道 洞 爺 湖 サミット( G 8 )が 本報告書では、ニチコングループの環境保全活動および CSR に対する考え方や取り組みを報告しています。ご一読い ただき、皆様の忌憚のないご意見やご提案をお寄せいただけ れば幸いに存じます。 2008年9月 2008 年 7 月に開催され、食糧安全保障やアフリカ開発支援 などが人々の関心を集めましたが、中でも一番のテーマとなっ たのは地球温暖化防止です。これは一国の努力だけでは抑止 できない全世界的な問題であり、異常気象の頻発や生態系へ の影響、海面の上昇などを例に取るまでもなく、深刻化の一途 をたどっている喫緊の課題です。 ニチコングループは「環境マネジメント」を「コーポレートガ ニチコン株式会社 代表取締役会長(CEO) 代表取締役社長(COO) バナンス」や「コンプライアンス」、 「リスクマネジメント」 、 「情報 セキュリティ」 と並ぶCSR推進の重要テーマの一つとして据え、 社会・環境 報 告 書 2008 4 報告組織の概要 プロフィール 会社概要 事業拠点 社 名 ニチコン株式会社 国内販売拠点 本 社 所 在 地 〒604−0845 京都市中京区烏丸通御池上る 東日本営業本部/東京支店、名古屋支店、札幌営業所、 設 立 1950年(昭和 25 年)8月1日 北関東営業所、東北営業所、長野営業所 資 本 金 14,286 百万円(2008年 3月31日現在) 西日本営業本部/岡山営業所、福岡営業所 連 結 売 上 高 119,567百万円(2008年 3月期) 従 業 員 数 連結 5,437 名(2008 年3月31日現在) 国内製造拠点 連結子会社数 20社(国内10 社、海外10 社) 長野工場 穂高工場 大町工場 富田工場 電源センター ニチコン草津株式会社 事業内容 エレクトロニクス機器に不可欠な電子部品 「コンデンサ」 を開発・製造・販売しています。 ニチコン亀岡株式会社 ニチコン大野株式会社 ニチコンタンタル株式会社 ニチコン朝日株式会社 ニチコン岩手株式会社 ニチコンワカサ株式会社 ニチコン福井株式会社 コンデンサは電気を蓄え、蓄えた電気を放出する部品で、あら 株式会社酉島電機製作所 日本リニアックス株式会社 ゆるエレクトロニクス機器に使われています。 ニチコンは「デジタル家電機器」 「自動車・車両関連機器」 「イン 海外販売拠点 バータ機器」 「情報通信機器」を重点市場に、機能・バリエー NICHICON (AMERICA) CORP. ションともに多彩な製品を提供するコンデンサメーカーとして、 NICHICON (HONG KONG) LTD. 業界をリードしています。 NICHICON (TAIWAN) CO., LTD. NICHICON (SINGAPORE) PTE. LTD. 製品一覧 NICHICON (THAILAND) CO., LTD. NICHICON (AUSTRIA) GmbH 機能性 アルミ 高分子アルミ固体 電解 コンデンサ 電解コンデンサ タンタル コンデンサ 電解 応用関連 コンデンサ 機器 プラスチック フィルム コンデンサ NICHICON ELECTRONICS TRADING (SHANGHAI) CO., LTD. 海外製造拠点 正特性 サーミスタ 電気 二重層 コンデンサ 電力・ 機器用 コンデンサ NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. スイッチング 電源 NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 機能 モジュール 売上高 製品部門部別売上高比率 (単位:百万円) 118,713 119,567 120,000 100,849 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. 104,096 106,871 電子機器用コンデンサ 74.5% アルミ電解コンデンサ タンタル電解コンデンサ フィルムコンデンサ、正特性サーミスタ “ポジアール ” 回路製品 15.0% 90,000 電力・機器用 コンデンサおよび 応用関連機器/その他 10.5% フィルムコンデンサ コンデンサ応用関連機器 コンデンサ主要原材料 0 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 2008/3 (年月) 5 中華圏、韓国および ASEAN諸国 2008 年 3月 60,000 社会・環境報告書 2008 日本 39.0% アジア 46.8% スイッチング電源 機能モジュール 30,000 地域別売上高比率 米州 8.2% アメリカ、 ブラジル、 メキシコ等 欧州 6.0% イギリス、 フランス、 オーストリア等 2008 年 3月 代表製品 アルミ電解コンデンサ 搭載される商品例 酸化アルミニウムを誘電体とするコンデンサで、多くの電気 を蓄えることができる一般的なコンデンサです。 ニチコンは高容量・高品質の電極箔と信頼性の高い電解液 を材料に、長年蓄積した生産技術を駆使し、世界トップクラス のシェアを獲得しています。 タンタル電解コンデンサ 希少金属であるタンタルの酸化物を誘電体とするコンデン 搭載される商品例 サで、ニチコンの第2の主力製品です。 小形で多くの電気を蓄えることができるのが特長で、身近な ものでは、携帯電話やデジタルカメラ、DVD プレーヤー・レ コーダーなどに使用されています。 回路製品 交流電流を直流に変換して回路に送り込むスイッチング電源 搭載される商品例 や、基板上に電子部品を実装した電子回路である機能モジュー ルを製造しています。 スイッチング電源は、情報通信機器・事務機器などに使用さ れ、機能モジュールは携帯電話用バッテリーモジュールや自動車 用センサーモジュールとして使用されています。 電力・機器用コンデンサ ビルや工場などの受変電設備に用いられ、電力ロスを低減さ 設置される施設例 せる進相コンデンサや、パワーエレクトロニクスと呼ばれる半 導体電力変換装置を支える各種コンデンサを製造しています。 ニチコンの製品は、環境対応、安全性と信頼性の高さに定評 があります。 当期純利益 総資産 (単位:百万円) 従業員数 (単位:百万円) (単位:人) 180,000 5,000 4,071 4,000 4,081 155,879 4,240 150,000 145,511 7,000 166,840 169,648 153,989 120,000 2,000 5,437 4,587 4,000 90,000 2,191 3,000 60,000 1,000 5,846 5,398 5,000 3,000 6,334 6,000 2,000 1,277 30,000 1,000 0 0 0 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 2008/3 (年月) 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 2008/3 (年月) 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 2008/3 (年月) 社会・環境 報 告 書 2008 6 CSR マネジメント CSR についての考え方と推進体制 CSR の基盤 ――ニチコングループCSR 憲章 ニチコンでは、グループの全従業員が共有すべき CSR(企 ことが重要です。 「ニチコングループ CSR 憲章」は、 「ニチコン 業の社会に対する責任)の指針として、2005 年12月に「ニチ グループ環境憲章」 (1997 年12月制定、2001年 7月改定) コングループCSR 憲章」 を制定しました。 とともに、ニチコングループ全員の重要な行動指針として、周 企業と社会のつながりは欠くことのできないものであり、企 知徹底を図っています。 業が存続していくためには、CSRに積極的かつ真剣に取組む ニチコングループCSR憲章 ● CSR理念 ニチコングループは、 「企業市民」の一員として、これからの未 来を全ての人と共に生きていくためには、経営のあらゆる側面 において「企業の社会に対する責任」 (CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことが最重要課題であることを認識 し、あらゆる企業活動の場において関係法令・国際ルールおよ びその精神を理解し遵守すると共に、社会倫理を守り社会的良 識を持って、行動します。 ● 活動方針 1. “誠心誠意” をモットーにして良き企業市民として社会と調和 した企業活動を進めます。 (1)製品およびサービスの提供には常にお客様の満足を心掛 け、製品の品質・安全・信頼性を確保し、環境への影響に配 慮します。 (2)2002 年10月に制定した「ニチコングループ行動規範」を 遵守し、公正・透明・自由な競争を行うと共に関係法令を遵 守し、社会倫理に従って健全で誠実な取引を行います。 2005年12 月制定 (3)国内各地域・海外各国の歴史と文化を尊重し、 コミュニケー ションを図り、企業活動を通じて地域経済、社会の繁栄と融 和に貢献します。 2. 「地球との共生」 「人と環境に優しい社会」を目指して環境と の調和を図ります。 (1)1997 年12 月に制定した「ニチコングループ環境憲章」に 基づき、かけがえのない地球を守るために企業活動のあら ゆる面で環境保全に取組みます。 (2)環境に配慮した製品を提供するための技術開発を推進する と共に、持続可能な環境改善活動に取組みます。 3. 「人を活かして人間尊重」を基本に社員の個性を伸ばし、 差別のない明るい職場づくりを目指します。 (1)取引先を含め、全てのステークホルダーとの関わりにおい て人々の人格と基本的人権を尊重します。 (2)安全で働きやすい職場環境を作ると共に、自主性と創造性 が発揮できる職場づくりを目指します。 VOICE CSR室長の声 執行役員常務 CSR 室長 岩佐 譽 CSRマネジメントを強化し、 社会から、より信頼される企業グループをめざす 当社では2003 年 6月にCSR 室を設置して以来、企業の果 たすべき社会的責任についてグループ内で啓蒙を図るととも に、CSR活動を展開してきました。 2006 年に施行された「会社法」は、 「会社の業務の適正を 確保するための体制」について、また同年に制定された「金融 商品取引法」では 2008 年事業年度から「財務報告の信頼性 の確保と有効性の評価ができる仕組み」を構築することを義務 付けています。 これら二つの法律が要求している内容をまとめて内部統制 と呼んでいますが、基本的には業務の有効性および効率性、財 務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守ならびに資 産保全の 4 つの目的を達成するために全ての役員・従業員に よって遂行される仕組みやプロセスのことです。内部統制とは、 7 社会・環境報告書 2008 単に不祥事の発生を未然に防ぐ防波堤としての役割だけでな く、持続的な発展に向け企業戦略を達成して企業価値を最大 化するために、会長・社長のメッセージを組織全体に浸透させ ていく上でも必要なシステムです。 当社のCSR 室が発足した当時の中心的な課題は、環境管理 とリスクマネジメントでした。しかしながら、その後の内部統制 のシステム構築にあたり、CSRの対象範囲が広がってきました。 そこで、当社グループでは2006 年11月本社に取締役社長 を委員長に、本社在勤の全取締役・執行役員を委員とする 「CSR 推進委員会」を、その傘下として事業所には「CSR 委員 会」 をそれぞれ設置しました。 これらの委員会では、内部統制の構築に不可欠な5つのテー マと課題やポイントについて従業員に周知を図るとともに、 テーマ別に分かれた 5 つの小委員会が活動計画の設定と月次 の活動内容を監査し、指導する仕組みとなっています。 CSR の取り組みの指針は、経団連の「企業行動憲章実行の 手引き(第5版) 」や電子情報技術産業協会(JEITA)の「サプラ イチェーン CSR 推進ガイドブック」などであり、その精神を尊 重し、自主的に実践しています。 CSR推進体制 取締役会 監査役会 代表取締役 会長・社長 CSR 室 監査・法務 チーム コーポレート・ガバナンス コンプライアンスホットライン (内部通報制度) CSR 推進委員会 (社長・取締役・執行役員) コンプライアンス リスクマネジメント 各事業所・関係会社 環境マネジメント コンプライアンスホットライン (各事業所・関係会社) CSR 委員会 ( 各事業所・関係会社) 小 委 員 会 コーポレートガバナンス 情報セキュリティ 2008年度重点取り組み事項 ●会社法にて求められる内部統制システムの構築として、業務の適正を確保するための体制整備を 一段と進める。 ●日本版 SOX 法の「内部統制報告書」を作成するにあたり、全社統制のあり方を確認するとともに、 業務プロセスの見直しを実施する。 コンプライアンス ●「経営理念」「行動規範」「憲章」等に関する継続的な学習を実施する。 ●適用される法令及び社内諸規程・ルール等の遵守状況の確認と周知を図る。 リスクマネジメント ●社内想定リスク大・中分類表に基づき、自事業所に該当するリスクの洗い出し、担当部署を明確化する。 ●該当する個別リスクと関連社内規程との関係性を点検し、規程との整合性を確認する。 環境マネジメント ●事業所におけるISO 14001の取組み内容の確認と状況把握に努める。 ●事業所の二酸化炭素排出量の把握と削減を推進する。 情報セキュリティ ●情報セキュリティに関するリスクの洗い出しと対応策を実施する。 ●機密情報取扱責任者の職務権限の明確化と、保管場所・管理手順等のデータベース化を行う。 社会・環境 報 告 書 2008 8 CSR マネジメント コーポレート・ガバナンス コーポレート・ガバナンスの強化 内部統制システムの整備 当社は経営の効率性、健全性、透明性を確保し、企業価値の 内部統制システムについては、CSR 室・総務部・経理部・シ 継続的な向上と社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバ ステム部・監査・法務チームが中心となってプロジェクトチーム ナンスの強化を最重要課題のひとつと位置付け、組織体制を を編成し、その構築に努めています。 構築してきました。 また、企業経営に損失を与えるリスクを回避し、社会からの 企業経営における重要事項の意思決定は主に取締役会が担 信頼を維持するために、当社では取締役社長を委員長とする い、その具体的な案件の意思決定は主に取締役が担います。 「CSR 推進委員会」を設け、その下部組織となるCSR 室と総 取締役会を監査する役割として監査役による監査役会を設け 務部が総合的にリスク管理業務を行っています。具体的には社 ています。 内規程を整備し、法令遵守、自然災害、労働安全衛生、品質保 当社では取締役会を構成する取締役は、意思決定を迅速に 行うために少数に絞り、取締役会を必要に応じて随時開催し、 証、情報セキュリティ、与信など、企業経営に重大な影響を及 ぼすさまざまなリスクに対処する体制を整えています。 十分な協議のうえ方針を決定しています。取締役会は各取締役 が担当する業務の進行状況などを監督しています。 これらの問題が発生した場合には取締役会を随時開催し、 十分な協議のうえ、迅速かつ的確に対策を講じています。ま 2003 年6月からは経営環境の変化に迅速に対応するため、 た、事業部門ごとの課題は、事業部長を兼任する執行役員が 執行役員制度を導入し、執行役員は各事業部の責任者である 取締役と緊密に連携をとって協議し、適正な事業運営を進め 事業部長などを兼任しています。執行役員と取締役は連携を密 ています。 にし、事業運営を円滑に進めるための組織体制を構築するとと 内部監査機能としては、代表取締役直轄の監査・法務チーム もに、業務執行上必要が生じたときは個別に協議し、各事業部 がグループの会計、業務などの内部監査を定期的に実施し、各 門の運営を進めています。 事業部門に具体的な助言を行っています。 一方、監査役は取締役会などに出席して意見を述べるほか、 また、監査役会は、代表取締役や各取締役と緊密に連絡をと 取締役の業務執行や各事業部の業務内容などが適法であるか りあうとともに、監査・法務チームや会計監査人とも連携し、効 を監査するとともに、事業所やグループ企業の監査を通じて経 率的で実効性のある監査を行っています。 営状況を把握しています。なお、監査役が法定の人数に満たな い場合に備え補欠監査役制度を設けています。 コーポレート・ガバナンス体制図 株 主 総 会 監査役会 取締役会 監査役 社外監査役 代表取締役 会長、社長 CSR 室 CSR推進委員会 監査・法務 チーム 執行部門 執行役員 事業部門 関 係 会 社 9 社会・環境報告書 2008 会計監査人 CS R マネジメント コンプライアンス コンプライアンスの徹底 ニチコングループ行動規範(項目を抜粋) 当社では「社訓」に加え、目指すべき方向性や社会的責任を 表した 「経営理念」 を定め、これを会社の方針として従業員が心 を一にして事業を推進しています。 さらには、取締役や従業員が法令を遵守し、共通の倫理観・ 価値観を保つ指針として、 「ニチコングループ行動規範」を定 Ⅰ. 総則 基本姿勢 法令、ルール、諸規程の遵守 基本的人権の尊重 利害関係者との公平、公正、透明な関係維持 めています。これらの内容はハンドブック「ニチコン従業員『考 高い倫理観に基づく行動 働』の手引き」に掲載し、従業員は常時携行して日々実践する 「行動規範」 遵守の責任 よう努めています。また、従業員のコンプライアンスへの意識 を徹底するために、階層別・職種別の教育研修を継続的に実施 しています。 一方、コンプライアンスの監視体制として、コンプライアン Ⅱ. 販売先、購入先、その他の取引先、競争会社等との関係 製品およびサービスの提供 公正、透明な企業活動の徹底 購入先、協力先との取引に関する方針 ス小委員会が取締役や従業員が行動規範を遵守しているか適 販売代理店等との取引に関する方針 宜チェックしています。また、監査・法務チームによる内部監査 接待・贈答等に関する方針 と監査役監査や、内部通報制度「コンプライアンス・ホットラ 輸出入関連法規の遵守 イン」 を設け、不祥事の未然防止と早期発見に努めています。 宣伝・広告等に関する方針 Ⅲ. 株主・投資家等との関係 企業情報の発信 インサイダー取引の禁止 Ⅳ. 会社財産・情報の管理 利益相反行為及び公私のけじめ 秘密情報の取扱 知的財産権の保護 Ⅴ. 社会との関係 環境保全 寄付行為 「ニチコングループ行動規範」 (日本語版、英語版、中国語版) 政治資金 反社会的な行為への関与の禁止 社内・社外相談窓口の設置(内部通報制度) Ⅵ. 運用体制 法令、社内規則・方針を遵守し健全な企業活動を推進するう えで「コンプライアンス」は重要な役割をもっています。当社は 「コンプライアンス」を高めるしくみのひとつとして内部通報規 程を制定し、この規程に基づきコンプライアンス・ホットライン (内部通報制度) を設けています。 外部労働力の適正な受入れ 外部から労働力を受け入れる場合には、偽装請負防止を念 頭に「労働者派遣法」 「職業安定法」等を遵守し、雇用関係が不 具体的には、相談窓口や相談方法を設け、通報があった場合 安定にならないようにしています。また、安全管理責任を明確 には必要に応じて調査を実施しています。また、通報者の個人 にするなど労働者保護を踏まえた適正な契約を結んでいます。 情報の保護等を徹底しています。 このように、コンプライアンス・ホットラインの活用により不 祥事の未然防止と早期発見に努めています。 社会・環境 報 告 書 2008 10 CSR マネジメント リスクマネジメント リスクマネジメントの推進 情報セキュリティの強化 企業活動に大きな影響を及ぼす「自然災害・事故」 「経営リス コンピュータのネットワーク化が進み、利便性は飛躍的に向 ク」 「政治・経済・社会リスク」などの想定できるリスクへの対応 上していますが、情報漏えいや改ざんが起きてしまった場合に 策とその体制などについて「リスクマネジメント規程」に示して は、事業上の損失が生じるだけでなく社会的信用も失墜しかね います。 ません。ニチコングループでは、情報セキュリティ対策として全 この規程では、従業員、顧客や地域住民など、ステークホル 従業員が情報資産保護の重要性を認識し、日々の業務のなか ダーのみなさまの視点に立ち、リスクの未然防止や被害を最 で徹底するために、2007 年 2月に「情報セキュリティ基本方 小限にとどめるために適切な対応を取り、安全かつ安定的な企 針」 を定め、情報資産の取り扱いのルールなどについては、 「情 業経営を推進することを目的としています。 報セキュリティハンドブック」 「ニチコン従業員『考働』の手引き」 の配布により徹底を図っています。 一方、情報資産は全社員が必要な時に、いつでも正しく取り 災害リスクマネジメント 出し業務を遂行できることはもちろん、戦略的に活用すること 企業活動の中で自然災害や事故などで被害を受けたときに、 によって新しい事業を生み出せる財産であると考えています。 事業を継続し、早期に再開していく事業継続マネジメントの構 今後も情報資産を安全・正確に活用することによって、ニチ 築が重要な課題となっています。 コングループの持続的・安定的な発展のための基礎を築いて ニチコングループでは「事業継続計画(BCP)」の策定へ向 いきます。 けた準備の手始めとして、災害発生時の影響を最少限にとどめ るため、生産設備等の耐震性向上に努めています。また、コン ピュータシステムにおける重要な情報システム機器は、本社よ 情報セキュリティ基本方針 りさらに防災性に優れた遠隔地データセンターにて管理・運用 1. ニチコン株式会社及びその関係会社(以下、 「当社」とい しています。 また、自衛消防隊を組織し、災害発生を想定した訓練なども う)は、情報及び情報システム(以下、 「情報資産」 という) を最重要経営資源の一つと位置付け、グループをあげて 適時実施しています。 情報セキュリティの確保に取り組みます。 リスク発生時の全社的連絡体制 2. 当社の事業活動に関わる全ての情報を保護の対象とし、 第一発見者 所属長・事業所長 その重要度に応じた最適なセキュリティ対策を講じます。 (緊急の場合) 3. 当社のネットワーク化された情報システムは、今や事業活 動そのものであり、その利用者・取扱者一人ひとりが個 本社 総務部長 当該リスクの本社総括責任部署長 関連責任部署長 別に定められたルールに従い、高いセキュリティ意識の もとに考働しなければなりません。 CSR 推進委員会 4. 当社の情報資産を保護・管理するため、CSR 推進委員 会を統括組織と定め、セキュリティ対策の運用状況を 定期的に評価し、継続的な改善を行うものとします。 管理本部長 CSR室長 リスクマネジメント小委員会 5. 当社は、情報セキュリティに関する法令やその他の社会 的規範を遵守し、 これらに準拠・適合した情報セキュリティ (重大・重要な場合) マネジメントシステムの構築を図ります。 会長・社長 (大規模リスクの場合など) 対策本部設置 11 社会・環境報告書 2008 企画本部長 生産本部長 営業本部長 技術本部長 品質保証本部長 常勤監査役 6. 本基本方針及びこれに関連する社内規程・ルール等に違 反した場合には、該当者は就業規則に基づいて懲戒され るものとします。 お客様 株主・ 投資家 行政 環境的側面 経済的側面 国際社会 取引先 社会的側面 従業員 市民社会 地域社会 社会とニチコン 企業活動の継続と健全な発展のためには、社会とのよりよい関係を築くことが重要です。 ニチコングループは、 「誠心誠意」 をモットーに多様なステークホルダーへの責任を果たしていきます。 社会・環境 報 告 書 2008 12 社会とニチコン お客様への製品責任を果たすために 品質と顧客満足の追求 ニチコングループは『常に品質の絶対性を第一義とする生産 し、企業活動のあらゆる面において、環境保全に配慮して行動 活動理念を基に信頼性の向上、クレームの撲滅を図り、お客様 します。』をもとに、二酸化炭素排出量削減、資源・エネルギー の信頼に応え、企業発展の原動力とする。』という「品質管理の の使用量削減、環境負荷物質を含まない材料の開発・改良を 基本方針」のもと、お客さまの声に常に耳を傾けながら、品質 積極的に進めています。 の継続的改善に取り組んでいます。その最終目標は、当社の品 このような方針のもと、お客さまにご満足頂くために、全従 質方針である「不良ゼロ」です。また、当社環境憲章『ニチコン 業員は具体的目標を掲げ、達成に向け“考働” (「しっかり考え成 グループは、 「地球との共生」 「人と環境に優しい社会」を目指 果のでるように働く」 を意味する当社造語) を実践しています。 苦情処理体制 本社 品質保証部(営業本部) 苦情受付連絡票 工場長 苦情回答書 (対策・処理報告) 技術課 苦情受付連絡票 小売店 特約店 お客様 苦情:連絡 工場窓口 品質管理課 営業窓口 苦情回答書 苦情処理書 (対策・処理報告) 回答 対策会議 苦情受付 苦情回答書 苦情処理連絡票 対策・実施の監査 対策・実施報告 対策事項 関連課 原因調査・各工程 事務局・品質管理課 ISO9001:2000シリーズ認定事業所一覧 認証取得事業所名 ニチコン (株) 本社 東日本営業本部 (1)東京支店 ・札幌営業所 ・北関東営業所 ・東北営業所 ・長野営業所 (2)名古屋支店 西日本営業本部 ・岡山営業所 ・福岡営業所 長野工場、穂高工場、 大町工場、富田工場、電源センター 登録年月 審査登 録機関 製造課 VOICE 登録証番号 営業責任者の声 執行役員 東京支店 支店長 塩崎 正信 お客様に安全と安心を提案いたします 1991 年 9 月 JQA JMI-0007 ニチコン草津(株)、ニチコン亀岡(株) ニチコン大野(株) ニチコンタンタル (株) ニチコン朝日 (株)、ニチコン岩手 (株) ニチコンワカサ (株) ニチコン福井(株) 15/03Q0572R00 2003 年 6 月 WIT NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 272223 NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 2005 年 5 月 BV 2006 年 5 月 SIRIM AR4005 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. お客様との窓口である営業部門として一番重要なこと は、安全で安心してお使いいただける製品を提案すること と考えています。 お客様のご要求される仕様を注意深くお聞きし、当社技 術部門・品質保証部門・製造部門へ正確にフィードバックす ることにより、相互に勘違い、思い違いが生ずることがない ように、的確な製品情報を提供してまいります。また、必要 以上な宣伝・広告で過度な安心感を与えないように日々の 営業活動を進めています。 特に、お客様からのご要求のあったRoHS、REACH、 ELV 等有害物質規制など環境への影響に配慮した製品に対して は、絶対に齟齬が生じることがないように、ユーザー情報を 品質問題発生時の対応 品質問題発生時は、お客様のリスクを減らすため、 「迅速な対 応」 (原因追求、対策立案、製品処置) を行うとともに、 「真の原因 把握による再発防止」 「対策の水平展開」に努めており、本社/ 販社−主幹工場−生産工場の連携で問題解決を図っています。 13 社会・環境報告書 2008 徹底的に確認したうえで製品をご提供しています。 また、製品安全問題が発生した場合には、お客様から誠意 をもって確実に情報をお聞きし、迅速に対応してまいります。 そのため、日頃から消費者問題・PL 法等についての知識を 身に付け、適切な対応に備えています。 製品の安全を確保するための取り組み いかなる環境でも安全に使える製品の開発・設計を、経営 品質保証部門 ❶ 製品安全管理体制の部門内監査を実施する。 ❷ 市場クレームの分析と問題点のフィードバックを行う。 トップから全設計部門に指示し、次のことに取り組んでいます。 ●新製品開発や設計変更時には、変更による生産工程や製品 への影響を徹底的に討議する。 ●設計∼生産∼出荷の重要な節目には関係者が会し、あらゆ 購買・製造部門 購買 る角度から製品の安全性・信頼性を検証する。 ❶ 安全が確保される製品を作るためには良い材料・部品を購入する。 ●設計部門、生産事業所、本社の技術・品質保証部門は、何重 ❷ 悪い部品を使うと、いくら良い設計、良い製造でも安全なものはでき ものチェックを行い、安全性・信頼性に疑いがあれば追加対 策を講じる。 ないと認識する。 ❸ 取引先に部品・材料の要求仕様を明確に伝える。 受入 製品安全方針 ❶ 受入検査は手順書どおり確実に実施する。 技術部門 ❷ 悪い部品・材料があったら即フィードバックする。 ❶ お客様の予想外の使い方や製造時から廃棄時に至るまですべての場 ❸ チェックシートに製品安全項目をもれなく入れる。 面を想定して危険性や欠陥を洗い出し、取り除くために、 a. 万一故障しても安全が確保できる設計をする。 b. 間違った使用をしても安全が損なわれない設計をする。 c. いたずらできないような工夫(設計) をする。 ❷ お客様に製品の機能を十分に知っていただき、安全に使用していただ くために取扱説明書を、 a. 分かりやすくする。 b. 警告や注意書きを守らなかった場合、製品やお客様がどうなるか も明記する。 ❸ 安全性に関する法規、基準、規格について、日本だけでなく海外のも のも把握し、設計に反映させる。 ❹ 特殊採用を実施する場合は、その手順や判断基準を明確にしておく。 ❺ 重要保安部品の検査については、特に的を得た検査になっているか を確認する。 ❻ 担当している部品、材料が最終製品にどのように組み込まれ、どのよ うに使われるかを知っておく。 製造 ❶ 工程中、試験中等で小さな不具合や疑問点でも必ず報告する。 ❷ QC工程図、作業標準書等に製品安全チェック項目を必ず入れる。 ❸ 計測器の検定、治工具・生産設備の点検・整備はきちんと行う。 出荷 ❹ 重要保安製品には、安全性、信頼性の高い部品を選定する。 ❶ 完成品として製品安全項目をチェックリストに抜け落ちなく入れる。 ❺ 試作品、量産試作品の安全性評価を実施する。 ❷ 不合格品が混入しないよう区別を明確にする。 ❻ 同業他社製品の安全性調査を実施し、良いところは今後の開発の参 ❸ 梱包材のバリ、シャープエッジ等によるケガのないことを確認する。 考にする。 ❼ 市場クレームやお客様の要望を設計に反映させる。 VOICE 営業部門 品質保証責任者の声 執行役員 品質保証本部 本部長 ❶ 正しい製品知識を身につけ、お客様に製品情報を提供する。 岡 正博 ❷ 宣伝・広告に必要以上に安心感を与える表示は避ける。 ❸ 製品安全問題が発生したら報告し、スピーディに対応する。 ❹ 消費者問題やPL(製造物責任)知識を身につけ、お客様に対応する。 お客さまへの製品提供責任を果たすために 製品提供の責任は、お客さまの最終製品に組み込まれ、 ❺ お客様の安全を確保するために正しい使い方を説明する。 出荷された後、長期間の使用で故障しない、または安全に 事務部門 に 「ニチコンの製品を買って良かった」 と思っていただくこと 寿命を全うする信頼性の高い製品を提供し続け、お客さま ❶ PLに関する法律、規制、基準等の適合性をチェックする。 と考えています。 必要な仕様・要素の決定段階から、製造、納入に至るま ❷ PL問題に対応できるよう、関連文書やPL保険の管理を行う。 で、品質保証の観点で検証し決められたことを決められた ❸ 製品の廃棄に伴う環境に対する影響を調査し、必要に応じてその改善 通りに履行する管理システムを構築することによって、製品 に関する提案を行う。 の「不良ゼロ」 に取り組んでいます。 ❹ 製品安全に関する教育を行う。 社会・環境 報 告 書 2008 14 社会とニチコン 株主・投資家への責任を果たすために 堅実・健全な財務体質を維持 積極的な IR 活動 さらなる成長を目指した積極的な事業戦略を展開していく ニチコングループは、 「適時」 「適切」 「公平」をIRの基本に掲げ には、強靭な財務体質が欠かせません。ニチコングループは安 ています。IRツールも充実させ、四半期ごとの決算情報の開示や 定した財務体質を維持しており、自己資本比率に関しては上場 半期ごとの決算説明会では、株主・投資家の皆様に当社グループ 企業の平均が約 30%とされるなか、77.2%(2008 年3月末 の財務情報や戦略などを詳細かつ分かりやすく説明しています。 時点)と高い健全性を確保しています。また、市場競争の厳し 株主・投資家の皆様からの貴重なご意見やご指摘は、可能な い昨今の経営環境にあっても有利子負債ゼロで無借金経営の 限り経営に反映させ、企業価値の向上につなげたいと考えて 財務体質を保持しています。 います。 自己資本比率 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 2008/3 81.0 78.3 77.1 74.4 77.2 株主総会での工夫 2007年度の定時株主総会 (2008年6月27日開催) には、 101名の株主のみなさまにご出席いただきました。 株主総会の開催にあたっては多数の株主のみなさまにご出席 いただけるよう会場設営をはじめ、さまざまな部分に配慮いたし 利益配分に関する基本方針 ました。また、議決権行使については、インターネットでもできる ニチコングループでは、株主の皆様への利益還元を経営の重 ようにしました。さらに、決算内容の報告は映像やグラフなどで 要課題と認識し、企業価値の拡大と企業体質の強化を図り、利 ビジュアル化し、見やすく、わかりやすい報告に努めています。 益を増加させることにより配当の安定的増加に努めることを経 株主総会当日は、製品展示をご覧いただいたほか、開会まで 営の基本としています。2008 年 3月期の年間配当金は、前期 の間に当社のコンデンサを搭載したアンプやオーディオ設備で 比1円増配の21円とさせていただきました。これは4期連続の BGM を流すなど、当社製品への理解を深めていただけるよう 増配となります。 工夫いたしました。 内部留保資金は、既存のコア事業の拡大やユーザーニーズ に対応する新製品開発のための研究開発投資など、将来を見 VOICE 据え、企業価値を高めるための投資に活用していきます。 IR責任者の声 一株当たりの配当金 執行役員 IR室 室長 (単位:円) 20.00 10.00 13.00 15.00 17.00 2004/3 2005/3 2006/3 21.00 20.00 河辺 喜代一 “魅力ある企業” との評価をいただくために 企業はIR 活動を通じてステークホルダーのみなさまに経 0 2007/3 2008/3 (年月) 営方針や業務の進捗状況をタイムリーにお知らせし、意見 を交換しあうことで相互に信頼関係を醸成し、正当な評価 を得ることが可能となると考えます。 株主構成 当社の IR 室は社長直轄の組織として、株主さまへの各種 当社の株主構成は下記の通りです。金融機関、外国法人、 個人 株主で約 80%を占めています。 説明会や個別取材による投資家・証券アナリストへの投資 情報の提供、ホームページによる情報開示、アニュアルレ ポートの作成、展示会への出展などを通じ、投資家のみな さまにご理解を深めていただく一方、これらの機会にいた 所有者別分布(株式数) 自己株式 8.4% 38.1% 個人等 金融機関 4.7% 41.4% 個人等 16.7% 2008 年 3月 25.2% その他法人 10.2% 社会・環境報告書 外国法人等 30.5% 証券会社 その他法人 1.4% 2008 7.8% これからもステークホルダーのみなさまの声を経営に生 かし、何事も誠心誠意で対応することによって、 “魅力ある 企業”と評価をいただけるように努力を続けてまいります。 14.9% 外国法人等 15 だいた意見やご提案を経営にフィードバックしております。 金融機関 自己株式 2007 年 3月 今後も企業価値の向上を目指す当社の活動にご支援のほ どよろしくお願いいたします。 証券会社 0.7% 社 会とニチコン 取引先様への責任を果たすために 購買基本方針 サプライヤーミーティングの開催 ニチコングループの購買基本方針は ①公開 ②公平 ③社会 「ニチコングループとサプライヤーは、共により良い製品を 性。 『当社とサプライヤーは、共により良い製品を作るための 作るためのパートナー」との基本的な考え方に基づいて、相互 パートナー』 という考えのもとに、取引先様との公正でオープン 理解を深め、相互訪問による情報交換にも積極的に取り組み、 な取引と相互信頼に基づいた持続的パートナーシップを築き、 最良の製品をお届けできるように努めています。 共存共栄を目指していくことを目的としています。 1 2 3 ニチコングループでは、毎年、春と秋の年2回、主要取引先 様を招きサプライヤーミーティングを開催しています。サプライ 公開 ヤーミーティングでは、業界動向や当社グループを取り巻く環 ニチコンの資材調達は企業規模、国籍を問わず 自由競争の原理に基づいた取引を推進します。 境を説明するほか、取引先の皆様から改善活動についての取り 組みを発表していただくなど、一社一社がサプライチェーンを 公平 構成していることを強く自覚し、相互理解を図っています。特に、 お取引先様との「相互信頼」に基づき、 公正・公明・公平な取引を行います。 環境負荷低減については、 「ニチコングループグリーン調達ガ イドライン」 に則して改善していただくよう依頼し、密なコミュニ ケーションを図っています。 社会性 資材調達活動を通じ、社会に貢献し、法令を遵守するとともに、 地球環境に配慮した取引を行います。 2007 年 10 月に152 社 250 名、2008 年 5 月には148 社 222 名の代表者を主要取引先様からお招きして、サプライ ヤーミーティングを開催しました。 CSR 調達への取り組み ニチコングループでは、CSR の考え方をグループ内にとど まらず、調達取引先様にも広めることで、社会的責任を果たし ていきたいと考えています。 調達取引先様においても、業務の遂行にあたっては各国の適 用法令を遵守し、社会的倫理に従った行動をお願いしています。 また、購入・協力先を評価する際は合理的基準に基づき「公正」 「公明」 「公平」を保つよう努めています。当然のことですが、当社 が優位な立場を利用して不当に不利益をおよぼすような行為や、 職務に関連して個人的な利益や便宜供与の要求は行いません。 VOICE 購買責任者の声 生産本部 資材チーム 理事 平岡 正文 取引先様と当社がWIN-WINの関係を築くために お取引先様との関係においては、購買基本方針である 「公開」 「公平」 「社会性」 を基本とし、 CSRの考え方や法令遵 守の徹底を図っていきます。 一方、昨今の諸資材高騰は、一部の企業を除き企業の体 力を奪っています。いまこそVA /VEを積極的に推進し、 WIN−WINの関係を築きたいと考えます。 そのためには現在の仕入れルートを見直し、選択と集 中を進めるとともに、広く国内外から提案を募集していく 方針です。 下請法の遵守 ニチコングループでは取引先様・委託先様との取引を公正に 進めていくうえで、基本となる下請法の遵守を徹底していきます。 また、以下の義務および禁止事項を全従業員に徹底するた め、従業員教育の充実を図っています。 義務 ●書面の交付義務 ●支払期日を定める義務 ●書類の作成、保存義務 ●遅延利息の支払義務 禁止事項 ●買いたたき ●受領拒否 ●返品 ●下請代金の減額 ●割引困難な手形の交付 ●購入、利用強制 ●不当な経済上の利益の提供要請 ●不当な給付内容の変更および 不当なやり直し ●報復措置 ●有償支給原材料の対価の早期決済 社 会・環 境 報 告 書 2008 16 社会とニチコン 従業員への責任を果たすために 雇用に関する基本的な考え方 働きやすい職場環境の整備 雇用の確保を基本方針とし、さらなる事業拡大・成長を遂げ るため、新規採用も含めた人材面の基盤強化を図ります。 採用において性別・年齢・国籍などによる差別はありません。 「チャレンジ精神旺盛でバイタリティがあふれ、 『誠心誠意』ベ 従業員が安心して、また快適に仕事に取り組めるようにする ため、 ニチコングループでは福利厚生制度を充実させています。 社会保険や労働保険といった法定福利はもちろん、 「健康づ くり」 「財産づくり」 「生活の安心づくり」 「生き甲斐づくり」 「老後 ストを尽くす人」 、 「明朗で責任感があり何事にも情熱を持って、 生活の安心づくり」という5つの分野における法定外福利を設 高い目標を掲げチャレンジできる人」を求めています。処遇の け、従業員のライフプランをサポートしています。 面でもこの方針は貫かれており、何ごとにもベストを尽くし、高 い目標に向かってチャレンジする人には活躍の場が与えられ、 健康づくり 従業員がいきいきと働ける職場づくりを実践しています。 ニチコングループの主な法定外福利 高齢者雇用への取り組み 材を定年後に再雇用し、これまでに積み上げた経験とスキルを 会 社 の 発 展に活かしていただくことができる制 度として、 財産づくり ニチコングループでは、仕事に対する意欲と能力を有する人 2006年度より定年到達後の再雇用制度を導入しています。 正しい人権意識を持つことは、社会生活を送るうえで最も基 とのひとつであり、 「ニチコングループ行動規範」の中でも、 「全 ての人の基本的人権の尊重」 を掲げています。 人権教育については、毎月1回、職場の従業員全員が参加す の行動規範の読み合わせの際にテー マとして取り上げています。 このほか、 セクシュアルハラスメントの 防止をはじめ、人権に関わる各種テー マを設けた研修も実施しています。 老後生活の安心づくり る「総合礼」で実施しているほか、毎週の朝礼時に行う職場ごと 生き甲斐づくり 本となる事項です。ニチコングループで最も大切にしているこ 生活の安心づくり 基本的人権の尊重と人権教育 疾病の予防 体力の 維持・増進 ●健康診断 (一般、生活習慣病、特殊、VDT、人間ドックなど) ●健康相談、指導 ●休憩室 ほか ●安全衛生講習会 ●体育奨励金 ●体力測定 ●スポーツ施設 ほか 財産形成施策 ●従業員持株会 ●一般財形貯蓄 住宅総合施策 ●財形住宅貯蓄 ●財形住宅融資制度 ●社員寮 生活援護施策 ●食堂・売店施設 ●貸付金制度 ●財形教育融資制度 ほか 生活保障施策 ●慶弔見舞金制度 ●業務上災害補償給付 ●通勤途上災害補償給付 ●団体扱い生命保険・損害保険 ほか 生き甲斐 づくり ●社内旅行 ●レクリエーション行事 ●リゾートホテル法人会員 ●契約施設利用補助 ●クラブ活動 ほか 教育活動 ●自己啓発(エチケット・マナー研修、通信教育) 生活の安定 ●退職金制度 ●確定拠出年金 ●個人年金保険 ●退職年金制度 ●財形年金 朝礼時に行動規範の読み合わせ ワークライフバランス 表彰制度 従業員が安心して働くことができる制度のひとつとして、仕 ニチコングループでは、仕事で功績のあった従業員や成績優秀 事と生活を両立させ能力を十分発揮できることを目指した「育 で他者の模範となる従業員を表彰する制度を設けています。表 児休業制度」を平成 4 年から、 「介護休業制度」を平成 5年から 彰は毎年1回、創立記念日に行っており、表彰された従業員は社 導入しています。 内報に氏名や内容が公示され、賞品または賞金が授与されます。 また、出産・育児・介護のための休暇・休業・短時間勤務・時 間外労働免除制度の内容や利用者の感想を、社内報を通じて 発明考案報奨制度 研究開発に携わる従業員の意欲を高めるため、ニチコング ループでは、業務上の特許・実用新案・意匠について報奨金を 支給する 「発明考案報奨」制度を設けています。 2007 年度の報奨実績は166 件でした。 17 社会・環境報告書 2008 紹介することによって、グループ全事業所で安心して制度が利 用できる風土を醸成し、育児休業取得率の向上、育児休業複 数回取得者の増加に繋げています。 さらに、次世代育成支援対策法に基づく行動計画を実施し、 より働きやすい環境づくりに向けた制度導入・整備を図って います。 適正な労働時間管理 従業員の健康づくりと支援 従業員の心身の健康保持増進ならびにワークライフバラン ニチコングループでは、健康保持・増進の一環として、定期 スの観点から、生産性の向上による時間外労働の削減を軸に、 健康診断、生活習慣病検診、人間ドック、脳ドック等の各種健康 労働時間短縮に向けた取り組みをグループ全事業所で展開し 診断に加え、産業医による職場巡視・健康相談・指導、健康管 ています。 理に関する冊子配布なども実施しています。 取り組み推進にあたっては、管理職ならびに労働組合による また、近年注目されているメンタルヘルスについても産業 指導・助言事項、安全衛生委員会での調査審議事項を踏まえ、 医や医療機関による講演などを実施し、従業員が心身ともに健 日々継続的に改善を進めるとともに、長時間労働者に対して 康に働くことができるよう全面的にサポートしています。 は、産業医による面接指導を実施。その結果を基に事後措置を 速やかに講じ適切な労働時間管理の実現に努めています。 従業員の能力向上を支援する教育研修制度 ニチコングループでは、 「人」こそ最大の経営資源であり、企 労働安全衛生の確保 ニチコングループの各事業所では、作業者の安全衛生意識 を高揚するために、作業前の安全唱和や KYT(危険予知訓 練)で 潜在する「危険」を洗い出し注意喚起しているほか、定 業のエネルギーであるとの観点に立ち、 「新入社員研修」 「営業 期的に安全衛生教育を実施しています。特に、新入社員に対す 研修」 「階層別研修」 「大学との連携によるMOT(技術経営)教 る安全衛生教育では、 「安全第一」をスローガンに OJT をはじ 育」 「エチケット・マナー研修」 「通信教育」など、 「スピード&フレ めとした各作業における安全作業を徹底して教育しています。 キシビリティ」をモットーに基礎的な内容のものから高度・専門 2007年度のグループ全体での取組みとして「労働災害の撲 的な内容まで多様な人材育成プログラムを用意しています。 滅」を最重要課題として掲げました。本社をはじめ他事業所か また、通信教育では多彩なコースを用意し、従業員一人ひと ら参加して運営する安全衛生委員会(クロスチェック)では、労 りが研修や自己啓発を通じて能力を向上させることができるよ 働安全衛生に関する他事業所の問題点を相互にチェックし合 うにしています。 いました。問題点の指摘を受けた点は対策を講じて改善する とともに、優れた点にも目を向け自事業所の活動に反映させ VOICE ています。 度数率(100 万時間当りの休業災害件数) 技術責任者の声 ニチコン亀岡株式会社 技術部 部長 玉井 久世志 MOT (技術経営) 受講経験者としての業務への 展開および抱負について 私は管理職になってすぐに MOT の第一期生として研修 ニチコン 2.0 全産業 製造業 1.780 1.850 1.950 1.900 1.830 0.980 0.990 1.010 1.020 1.090 0.328 0.860 1.5 1.0 0.5 0 2003 を受講しました。 「ロードマップ」 「シナリオプランニング」 「新 0.333 0.000 0.490 2004 2005 2006 2007 (年度) 0.120 0.110 0.110 0.100 規ビジネスの創出」 「知財戦略」など、さまざまなことを教わ りましたが、 MOTの先生からいただいた 「受動から能動」 「気 強度率(1000 労働時間当りの労働損失日数) 付き」 という言葉がとても心に響いたのを覚えています。 あれから4 年、ニチコン亀岡は「受動から能動」、主力が ニチコン カスタム案件から環境問題を先取りした電気自動車という、 近未来の大市場に向けた自社開発品の展開へと大きな変 どのような技術を展開し、どう経営に結び付けていくの 製造業 0.120 0.120 0.120 0.110 0.110 0.004 0.012 0.070 2003 2004 2005 0.1 革期を迎えようとしており、学んだことを実践する時期にき ています。 全産業 0.2 0 0.090 0.000 2006 0.001 2007 (年度) か―― 技術と経営をリンクさせ、動きの早いこの業界にお いて、 「眼力」と「気付きの力」を磨きながら、ニチコン全体 がより良い方向に進めるよう舵取りの一翼を担っていきた いと考えています。 社会・環境 報 告 書 2008 18 社会とニチコン 社会とのコミュニケーション 工場見学の受け入れ 社会貢献活動 小学校の社会見学、中学・高等学校の体験学習や企業見学 ニチコングループの各事業所では、地域社会に貢献するた などの一環で、当社の各事業所を毎年大勢の児童・生徒が訪 めに清掃キャンペーン、クリーンアップ活動、花壇の手入れな れています。 どに取組んでいるほか、地域をあげての同様の活動にも積極 会社概要や環境活動についての説明のほか、工場見学や実 的に参加しています。また、事業所によっては、事業所周辺を清 際に職場に入って作業体験をしていただくなど、地域の皆様と 掃する日を設定し定期的に従業員参加による環境美化を行っ さまざまなかたちでコミュニケーションを図っています。 ています。 このほか、3 つのグループ工場がある福井県大野市では「水 環境の維持・保全」を目的に、 「大野市地下水保全基金」を設立 していますが、2000年から毎年寄付を続けています。 ニチコン草津には、地元の草津市立矢倉小学校の三年生児童108人が訪れました。 工場周辺のクリーン活動 (ニチコン大野) 工場外周のゴミ等の収集 (ニチコン福井) 工場前道路の花壇を亀岡市の協力を 得て季節にあった草花に植替え (ニチコン亀岡) 工場排水が流れ込む川周辺の清掃 (富田工場) 富田工場には、地元の大野市立森目小学校3∼4年生11名が、 社会科の授業の一環として訪れました。 大町工場には、 地元の大町高等学校2年生の 1グループが、事業所視察に訪れました。 展示会への出展 当社は、重点市場に向けた販促活動の一環として、エレクトロ 車などの環境対応車向けに紹介したアルミ電解コンデンサ、 ニクス業界の国際展示会「CEATEC JAPAN」、電源システム フィルムコンデンサ、充電器一体型 DC-DCコンバータは、来 に関する技術展「TECHNO-FRONTIER」、電気設備機器・資 場者の高い関心を集めました。 材の総合展 「電設工業展」 などの専門展示会に出展しています。 電子部品は、小形・薄形化、高信頼化、高性能化が進む一方 で、環境への配慮が求められています。当社は、これらの展示 会を通じて、高度化・多様化するニーズに応えた製品・技術の PRに努め、ブランドイメージの向上、新規顧客の開拓に取り 組んでいます。 エレクトロニクス化が進む自動車市場に注力する当社は、 2008 年5月に横浜で開催された自動車技術展「人とくるまの テクノロジー展」 にも出展しました。ハイブリッドカー、電気自動 19 社会・環境報告書 2008 人とくるまのテクノロジー展 ニチコンブース ニチコングループ環境憲章(1997年12月制定、2001年7月改訂) 環境理念 ネ! シク ヨロ ニチコングループは、 「地球との共生」 「人と環境に優しい社会」 を目指し、 企業活動のあらゆる面において、環境保全に配慮して行動します。 活動指針 ニチコン株式会社では、全社・全グループの環境保全活動を進めるために、 ニチコンの環境マスコット 環太郎 資源の有効活用、環境汚染防止を最優先とした下記の全社共通の活動指針を掲げます。 また、これ以外にも、事業所ごとに事業内容、地域の特徴を踏まえた独自のテーマが設定されており、 企業活動のあらゆる側面において環境負荷の低減に向けた取り組みを進めます。 1.環境への影響を配慮した製品の提供に努める。 2.関連する法律、規制などを遵守するとともに、自主管理基準を導入し、運用を図る。 3.資源・エネルギーの使用量の削減を図る。 4.廃棄物の削減とリサイクル化に努める。 5.オゾン層破壊物質、地球温暖化物質、有害物質の使用・排出は、代替物質の使用、回収、リサイクルにより削減を図る。 6.環境教育を実施し、環境理念・事業所環境方針の理解と、環境に関する意識向上を図る。 7.地域社会の環境保全活動に参画し、社会に貢献する。 8.環境監査等を通じて自主管理活動の継続的改善を図る。 環境とニチコン かけがえのない地球環境を守り、次世代に受け継いでいくために、 ニチコングループは、環境憲章に基づいて、企業活動のあらゆる面で環境保全に取り組みます。 社会・環境 報 告 書 2008 20 環境とニチコン 環境マネジメント推進体制 各委員会の役割 環境保全組織 グリーン調達委員会 ニチコングループは、下図の体制で環境保全活動を推進し ています。CSR 室長を環境管理総括責任者とし、環境管理委 員会で環境保全活動に関する戦略・方針・目標・施策などを審 議・決定します。 グループ全体のグリーン調達に係わる事項について検討する 委員会です。 省エネルギー対策委員会 生産活動に伴うエネルギーの削減を図り、二酸化炭素排出量 決定した内容は各工場・事業所に周知され、PDCAサイクル の削減に係わる事項について検討する委員会です。 −Plan(計画) 、Do(実行) 、Check(監視) 、Action(改善) − を回しながら環境経営の質を向上させています。 化学物質管理委員会 生産工程で使用、または製品に含有する有害化学物質の全廃、 削減に係わる事項について検討する委員会です。 体制図 会長・社長 グリーン調達委員会 CSR室 環境管理総括責任者 (CSR室長) 内部監査チーム 環境管理委員会 委員長:CSR室長 環境管理推進責任者 省エネルギー対策委員会 化学物質管理委員会 廃棄物対策委員会 環境事務局(環境管理室) 各工場・事業所 環境管理総括責任者 EMS※管理責任者 工場環境管理委員会 委員長:事業所長 工場環境専門部会 省エネ、廃棄物、 製品、化学物質 環境事務局 各実行部門 ※ EMS:Environmental Management Systemの略で、環境マネジメント システムのこと。 廃棄物対策委員会 廃棄物の排出抑制、再資源化に係わる事項について検討する 委員会です。 各工場・事業所における推進体制 国内の各製造事業所では、事業所長が環境管理総括責任者 として、 EMS管理責任者を任命するとともに、事業所ごとの環 境影響に適した環境方針を定め、それに沿った環境保全活動を 実施しています。 また、環境に関する事業所の活動計画などは工場環境管理 委員会で審議・決定されます。 CSR室の役割 ニチコングループ全体の環境保全活動・環境マネジメントシ ステムの運用、法令遵守(コンプライアンス)、社会貢献、企業 ISO14001認証取得状況 倫理、リスクマネジメントなどを継続的に改善・強化していくた 当社は地球との共存を目指して、 1996 年 8 月にグローバル めに、それぞれの関係部署と横断的な連携をとり、推進を図る スタンダードに準拠した環境マネジメントシステム確立のため、 とともに、その活動について監査をする役割を担います。 国際規格ISO14001の認証取得方針を決定しました。 この方針に基づいて、国内外の全製造事業所(国内12 事業 環境管理委員会の役割 所、海外3事業所) において認証を取得しています。 環境管理委員会は環境担当役員(CSR 室長)、本社役員、各 事業所長などで構成されています。 ニチコングループ ISO14001 認証取得状況一覧 (★は本報告書の対象範囲) 委員会の主な役割は、環境に関する活動計画の策定・推進 および特定テーマ推進のための専門部会設置などで、ニチ 登録年月 審査登録機関 登録証番号 長野工場 ★ 1998 年 12 月 JQA JQA-EM0278 穂高工場 ★/大町工場 ★ 1998 年 12 月 JQA JQA-EM1964 富田工場 ★ 2002 年 3 月 JQA JQA-EM2295 ニチコン草津(株) ★ 1998 年 12 月 JQA JQA-EM1769 自らの環境マネジメントシステムが ISO14001の要求事項 ニチコン亀岡(株) ★ 1998 年 11 月 JQA JQA-EM1768 に適合し、確実に実施され、維持されているかを監査 (年2回) し ニチコン大野(株) ★ 1998 年 7 月 JQA JQA-EM0182 ます。適切な環境監査を実施するため、当社の内部環境監査員 ニチコンタンタル (株)★ 1998 年 7 月 JQA JQA-EM1786 は、以下の資格要件を満たす者が選任されています。 ニチコン朝日 (株) ★ 1999 年 7 月 JQA JQA-EM0470 ニチコン岩手(株) ★ 1999 年 7 月 JQA JQA-EM0469 コングループにおける環境に関する最高審議機関です。 内部環境監査チームの役割 2007年度の内部監査員は100名、 うち主任監査員は10名です。 21 認証取得事業所 ニチコンワカサ (株) ★ 1999 年 2 月 JQA JQA-EM1772 内部環境監査員: 外部機関のセミナー「内部環境監査員養成コース」を受 講し、修了試験に合格した者。 ニチコン福井(株) ★ 2003 年 4 月 JQA JQA-EM3125 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. 1998 年 12 月 SIRIM,QAS N00330001 主 任 監 査 員: JAB(財団法人日本適合性認定協会)認定の「フォーマ ルトレーニングコース(TEC003)」を修了し、規定の試 験に合格した者。 NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 2004 年 3 月 萬泰認証 15/07E5239R11 NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 2005 年 12 月 BV 272224 社会・環境報告書 2008 環境監査 環境教育・啓発 各事業所の取り組み状況につい 環境教育としては、事業所ごとに実施する 「環境マネジメント 各事業所の取り組み ては、事業所が行う内部環境監査 システムに基づく教育(EMS教育)」、 「新入社員に対する教 内部監査 (マネジメントシステム監査、遵法 監査、環境パフォーマンス監査)と 認証機関による外部監査、また全 育」、 「内部環境監査員の養成」、 「階層、専門別教育」などを実 マネジメント システム監査 遵法監査 環境 パフォーマンス 監査 施しています。 特に近年は設計・開発などの技術部門を対象に、 RoHS指 グループを視野に入れて各事業所 令、ELV 指令などで使用が禁止されている有害物質について に対して行う本社監査を毎年実施 の教育にも力を注いでいます。環境に配慮した企業経営には、 し、環境マネジメントシステムが有 効に機能し、成果を上げているか 否かを確認しています。 従業員の一人ひとりが環境問題を認識することが大切です。従 認証機関 による 外部監査 本社監査 改善の機会 ストロングポイント 業員への環境教育の重要性を認識し、今後も継続的に取り 組んでいきます。 2007 年度の外部審査結果 認証取得事業所 長野工場 穂高工場/大町工場 富田工場 ニチコン草津(株) ニチコン亀岡 (株) ニチコン大野 (株) ニチコンタンタル (株) ニチコン朝日 (株) ニチコン岩手 (株) ニチコンワカサ (株) ニチコン福井 (株) 合計 指摘事項 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 3 7 11 8 13 15 9 15 4 5 11 7 105 1 0 0 0 0 1 0 1 1 1 0 5 EMSニュース (環境だより)の発行 環境保全活動の一環として、各 事業所において『EMSニュース (環境だより)』を発行し、従業員 の環境意識向上を図るツールと して有効に活用しています。 2007 年度は、グループ全体 で40回発行しました。 環境関連資格保有状況 VOICE 内部監査員の声 ニチコングループでは各事業所で必要な有資格者数を確保 するという考えではなく、環境保全活動の充実・強化のために も、また、環境に関する意識向上のためにも、より多くの従業員 大町工場 NPS EMS 事務局 主事 の資格取得を推進しています。そのため、業務を通じての教育 平林 辰雄 に加え、資格取得に役立つ通信教育の受講を推奨しています。 2007 年度の環境関連資格の新規取得者は、グループ全体 個人単位の環境活動としても省エネに挑戦してほしい 内部環境監査の目的は、組織の環境マネジメントシステム が「規格の要求事項に合致し、環境方針、目的・目標などの計 画された内容に適合して維持されているかを見極めること」、 また、 「監査の結果を経営層に提供すること」にあります。この 中の目的を考えた場合、最近の世界情勢において大きな問 題となっている地球温暖化やエネルギ−の高騰を念頭におか ねばなりません。ニチコンにおいてはCSR委員会でも、この 点についてエネルギー消費の削減などに取組んでいますが、 この活動自体が私たちの目的・目標に直結し、 環境マネジメント のみならず、事業活動そのものへ繋がる内容となっています。 環境マネジメントプログラムには個人レベルの小さな内 容まで入れる必要はありませんが、個人の環境活動として、 なければならない(必要不可欠な)エネルギ−と、なくても 良い(削減することのできる)エネルギ−の区別を考えてほ しいと思っています。そうした取組み意識をもって事業所や 各家庭での省エネ活動に挑戦してください。 で延べ 32人となりました。 改善提案活動 ニチコングループでは、従業員の創意工夫により、業務の効 率化・合理化・安全性の向上と従業員の職場士気を高めること を目的に、グループ全体で一斉提案月間、また事業所ごとに強 化月間を設けて業務改善提案活動を展開しています。最近で は、多くの事業所で全員参加を達成しています。 また、提案内容は、環境・安全衛生、設備改善や作業効率アッ プに関わるものなど、多方面にわたっており、 「提案審査委員 会」で一次・二次審査のうえ、特に優れた提案(半年間実施した 上での効果が著しいもの) に対しては表彰を実施しています。 2007 年度は、全提案件数 30,143 件、うち環境に関する 提案は、1,775件でした。 社会・環境 報 告 書 2008 22 環境とニチコン 環境保全活動計画 ニチコングループ環境保全活動計画(要約) 2007 年度 項 目 目 標 省エネルギー 廃棄物削減 環境汚染物質削減 グリーン調達 評価 参照頁 今後の目標 (2008∼2010 年度) 実 績 CO 2 排出量を売上高原単位で前年 度比 1%削減する 前年度比 9.8%増 × P26 売上高原単位で前年度比 1 %の CO 2 排出量の削減に取り組み 再資源化率 99.7%を達成する 廃棄物再資源化率 99.7%を達成 ◎ P28 2010 年度末までにゼロエミッション (埋立て廃棄物ゼロ) を達成する RoHS 指令対応 製品対応および管理体制の構築を 完了 ◎ P29 国内外で施行される環境法規制の遵 守に向け、対応品の技術確立と管理体 制の確立を行う セット部品のアンチモンおよび臭素 系難燃剤の代替調査と技術対応を 行う 規制動向と代替化技術の調査を実施 ○ 有害化学物質( PRTR 対象の第 1 種 2001 年度比 78.3%の削減 化学物質)の排出量を 2001 年度比 (前年比 0.2 ポイント向上) 78.5%削減する ○ P30 有害化学物質(PRTR 対象の第 1 種化 学物質)の排出量を 2001 年度比を基 準として 2010 年度末までに 80%削減 する 製品含有禁止物質の不使用の徹底 ◎ P29 グリーン調達調査の継続とグリーン調達 ガイドライン適合品の調達維持 禁止物質の混入事故発生なし ×:成果が出なかった △:あまり成果が出なかった ○:少し効果が出た ◎:成果が出た (評価は自己評価です) 2007 年度の活動総括 ののCO2 排出量が増加することとなりました。 「ニチコングループ環境憲章」で定めた項目を実施していく 売上高原単位でのエネルギーの使用量を削減すべく、生産 ため「ニチコン環境保全活動計画」を定めています。2007 年 性の向上、ムダの排除などの取組みをさらに推進していきたく 度の目標と実績は、上記の通りで、省エネ(CO2 削減)を除き 考えています。そのほか環境汚染物質削減、グリーン調達につ 概ね計画通りに実施することができました。 いては、ほぼ計画どおり実施できました。 生産の拡大に伴い、電気・ガス、諸資材、資源の使用量が増 えたことにより、廃棄物処分量、CO2 排出量が、増加する中で、 23 廃棄物は「埋立て処分量」を約 12%削減することができたも 社会・環境報告書 2008 今後もさらに環境保全の推進を行うべくISO14001環境マ ネジメントシステムのスパイラルアップに取り組んでいきます。 環 境とニチコン 環境会計 環境会計についての考え方 ニチコングループでは、2000年度から、環境パフォーマン ●集計にあたっての原則 スの向上と、その情報公開を目的に、環境保全コストとその効 ①設備投資は実施した年度に全額集計する。 果を計るための環境会計を導入しています。下記データは、環 ②減価償却の集計は行わないこととする。 境省から公表された「環境会計ガイドライン2005 年度版」に ③設備投資に対する効果は3年間を限度として集計する。 準じて集計したものです。 ④効果は、確実な根拠に基づいて算出されるものに限定する。 ●対象期間 ・リスク回避効果 (みなし効果) は採用しない。 2007 年 4月1日∼2008 年 3月31日 ・再資源化のための売却益や省エネルギー活動による節約 ●集計範囲 額など、実際に得られた効果に限定して集計する。 国内でISO14001を認証取得している事業所 環境保全コスト (単位:百万円) 環境保全コストの分類 2006 年度 2007 年度 事業エリア内 コスト 投資額 費用 合計 投資額 費用 主な取り組み内容 合計 150 701 851 16 560 576 29 5 34 14 5 19 855 323 1,178 42 287 329 廃棄物の適正処理および再資源化処理 環境管理活動コスト 0 123 123 3 137 140 環境マネジメントシステムの運用および 教育・啓発活動 研究開発コスト 0 5 5 12 105 117 社会活動コスト 0 1 1 0 2 2 自然保護および緑化活動 該当なし 公害防止コスト 地球環境保全コスト 資源循環コスト 環境損傷対応コスト 合計 0 0 0 0 0 0 1,034 1,159 2,193 87 1,097 1,183 公害防止設備の維持管理 省エネルギー機器の維持管理 環境配慮型製品の開発 環境保全効果 環境保全効果の分類 事業活動に投入する資源に関する 環境保全効果 事業活動から排出する環境負荷および 廃棄物に関する環境保全効果 総エネルギー投入量(GJ) 電気使用量(GJ) 重油使用量(GJ) ガス使用量(GJ) PRTR 対象化学物質投入量(t) 循環資源投入量:紙(枚) 水資源投入量(万m3) 上水(万m3) 地下水(万m3) 温室効果ガス排出量(t-CO2) 重油使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) ガス使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) 電気使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) PRTR 対象化学物質排出量・移動量(t) 廃棄物等総排出量(t) 廃棄物最終処分量(t) 総排水量(万m3) NOX 排出量(t) SOX 排出量(t) BOD 排出量(t) COD 排出量(t) 環境保全対策に伴う経済効果 主な効果の内容 収益 費用節減 廃棄物のリサイクル売却益 10,290,130 9,534,687 735,312 20,131 2,106 7,011,152 884 19 865 406,257 51,647 1,231 407,379 280 86,478 285 837 61 88 18 11 2006 年度 9,294,556 8,589,041 685,843 19,673 2,110 6,937,415 847 19 828 416,352 48,173 1,204 366,975 290 85,607 323 781 42 75 20 10 基準期間との差 (環境保全効果) 995,574 945,646 49,469 458 -4 73,737 37 0 37 -10,095 3,474 27 40,404 -10 871 -38 56 19 13 -2 1 (単位:百万円) 金額 2007年度の環境会計では、環境保全コストの合計が2,193 282 百万円であったのに対し、経済効果の合計金額は 354 百万円 省エネルギーによるエネルギー費の節減 45 使用薬品、材料等の削減 27 合計 2007 年度 環境パフォーマンス指標(単位) 354 でした。 環境保全に関する投資の部では、大町工場の設備増強に伴う 酸回収装置や濃縮装置など排水処理施設関係に投資しました。 社会・環境 報 告 書 2008 24 環境とニチコン 事業活動に伴う環境負荷 ニチコングループでは、事業活動と環境との関わりを数値と 19,058kl(7.2%増) となりました。アウトプットでは、CO2 排出 量が416,351t-CO2 から460,257t-CO2(10% 増)と増加 して把握し、環境負荷低減に向けた活動に活かしています。 しました。 2006年度と2007年度を比較すると、インプットでは主なエ また、廃棄物再資源化率は99.7%を達成し、廃棄物処分量 ネルギー使用量として電気使用量が 873,758 千 kWh から も323tから285t (11%減) となりました。 969,958 千 kWh(11% 増) 、重油使用量が17,776kl から 電 気 化学物質 ガ ス 重 油 紙 上 水 地下水 7,011,152 枚 19 万 t 865 万 t (PRTR対象) 化学 物質 969,958 千 kWh 19,058kl 405,130 kg 2,106 t I NP UT 研究開発 製 造 O UT P UT NOx 排出量 SOx 排出量 (PRTR対象) CO2 NOx SOx 化学 物質 460,257t-CO2 61t 88 t 280 t 排水量 837 万 t BOD COD BOD COD 18 t 11t 廃棄物処分量 廃棄物再資源化 285 t 85,714 t 今後の取り組みとしては、生産の拡大に伴い、増加傾向にあ また、廃棄物対策として取り組んできたゼロエミッション活 るエネルギー使用量について、効率的な生産活動の推進に 動についても再資源化率99%を維持し、今後も埋め立て廃棄 よって、生産高原単位での使用量とCO2 排出量の削減に努め 物ゼロ、および省資源を目指した活動を継続してまいります。 てまいります。 25 化学物質 CO2 排出量 社会・環境報告書 2008 環 境とニチコン 地球温暖化防止 CO2 排出量削減への取組み ニチコングループでは地球温暖化の原因となるCO2 の排出 して実施し省エネ化を進めています。納入業者の車両に対して 量削減に向け、全グループをあげて取組んでいます。大量のエ は、エコドライブ(急発進、急加速はやめる)や、アイドリングス ネルギーを消費する製造工程では、生産効率の改善と不良率 トップキャンペーンへの協力を求めています。 削減に積極的に取組み、エネルギーの原単位使用量の削減に 一方、製品の発送にあたっては、分納していたものは、その 努めているほか、省エネにつながる設備の改善や効率的な稼 回数を削減したり、発送便を混載便に変更するなど、物流面に 働を推進しています。 おいてもCO2 削減に取組んでいます。 また、CO2 削減は全従業員参加の活動として捉え、身近なと ころでは空調温度の適正管理や、不必要な照明・機器の停止、 こうした CO2 削減活動の取組みの輪が、事業所からサプラ イヤー、地域へと広がっていくことを期待しています。 通勤車両(マイカー通勤者)のアイドリングストップなどを継続 使用エネルギーの種類 CO2 排出量 A 重油 20.55% (単位:t-CO2/ 億円) 売上高原単位 (単位:t-CO2) ■ CO2 排出量 500,000 500 460,257 450,000 400,000 387,843 344,876 350,000 LPG 0.67% 1992 年度 300,000 301,270 A 重油 7.15% LPG 0.20% 400 385.15 350.76 363.15 350 300 298.88 250,000 電気 78.78% 331.61 450 416,351 250 200,000 200 150,000 150 100,000 100 50,000 50 0 0 2003/3 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 (年月) 各種エネルギー換算係数について: CO2 換算係数は、電機・電子業界「地球環境保全のための自主行動計画」 の係数を引用し、再計算を実施しました。 電気の換算係数は、電機事業連合会発表の 1990 年需要端係数を使用し ています。 2007 年度 電気 92.65% CO2 排出量削減への各社の取り組み事例 ニチコン大野株式会社 ニチコン亀岡株式会社 アルミ電解コンデンサのエージング工程設備には、保温され クリーンルーム内の圧力設定値を変更することによってボイ た炉がありますが炉内温度を一定に保つために電力を使って ラーの稼働時間が減少し、 A重油の使用量の削減につながり います。この電力の ました。また、歩留り向上にも取り組んだことで、一ヶ月あたり 消費を抑えるために 3∼4tのCO2 を削減することができました。 炉 の 周 囲に保 温 材 を巻き、省エネ化を 図っています。これに 長野工場 集塵機の省エネ V ベルトを採用するとともに、クーリングタ よるCO2 削減量は、 ワーの冷却ファンの省エネ運転によって年間 8,000Kwh の電 一日あたり117㎏に 力削減を実現しました。 のぼります。 社会・環境 報 告 書 2008 26 環境とニチコン 地球温暖化防止 CO2 排出量削減への各社の取り組み事例 大町工場 ① エッチング液温度変更 (低下) による重油削減 大町工場 ② 排水中和設備、攪拌機停止による電力量削減 大町工場では、エッチング工程の中で、エッチング液の温度 第一排水処理施設には 3 系統の排水中和槽があり、それぞ を高温で処理しているものがあります。工程中にエッチング槽 れ2段階、または 3 段階で中和処理をしており、個々の槽に攪 へ調合した常温の液を添加していますが、エッチング反応だけ 拌機を設置しています。 では規定温度にならず、重油ボイラーで加熱した蒸気を利用し 加温しなければなりません。 その中で、中和負荷の比較的軽い槽を中心に運転管理方法 を見直し、攪拌機の停止または回転数変更による電力削減が そこで、CO2 削減のために、エッチング液温度を下げること 可能かどうかの検討を行いました。 によって加温用の蒸気量を少なくしています。そのため、蒸気 3ヶ月間の検討 (データ集積) の結果、強制攪拌させなくても水 を作りだすボイラ−の負荷も小さくなり、重油量の削減につな 流のみで問題のない第2と第6の攪拌を停止しました。また、混 げています。 合槽についても、ポンプ槽までの間にpH調整がなされて安定し ており水流のみで可能であることがわかったため、停止しました。 これらによって、設備稼働に必要な電力の削減を実現しました。 ①(重油削減=CO2 削減) エッチング機において液温を下げて、加温蒸気の削減 ②(電力削減=CO2 削減) 排水処理装置攪拌機の停止 濃厚排水 希薄排水 濃厚排水 (pH低) (pHやや低) (pH低) エッチング液循環 調合液添加 常温 凝集槽 第4中和 第1中和 反応槽 第5中和 第2中和 P 停止 混合槽 停止 第6中和 停止 第3中和 非常時に稼動 エッチング液 A重油 高温 熱交換器 数度 下げる ポンプ 蒸気 加温 重油 ボイラー ポンプアップし 送液 第7中和 第8中和 ポンプ槽 ニチコン朝日株式会社 −−空調機フリークール化−− ①改善前 ① 既存 第二工場 生産工程では、年間を通じて冷房が必要なため、 A重油を使 用して吸収冷温水機によって冷水を製造し、冷房に利用。 第三工場 既存 吸収式冷凍機 既存 冷却塔 ②改善後 外気温が低い(15℃以下)時に冷却塔のみで冷水を製造し て冷房に利用。外気温が高くなり冷水が製造できなくなった場 ② 省エネ改善 (フリークール化) 合は、自動で吸収冷温水機が稼働できるようにしました。 その結果、2007 年 12 月から2008 年 3 月までにA重油 使用量が低減し、CO2 を208t削減できました。 濾過機 新設 27 社会・環境報告書 2008 既存 冷却塔 既存 吸収式冷凍機 第二工場 第三工場 環 境とニチコン 廃棄物削減と資源の有効活用 廃棄物削減、リサイクルへの取組み 廃棄物の適正管理 ニチコングループでは、循環型社会の構築を目指し、廃棄物 ニチコングループでは外部の業者に産業廃棄物の処理を委 の削減とリサイクルの推進を図っています。ゼロエミッションの 託しています。産業廃棄物は排出者の責任で処理しなければな 定義を「廃棄物総発生量の 98%を再資源化する」こととし らないため、その責任は重く、不法投棄や汚染事故を防止する 2002 年度以降、これを達成してきました。 ための管理に努めています。廃棄物処理を委託する際には、委託 2007 年度も導電性アルミ固体電解コンデンサ廃棄物の有 先の事前監査を実施するほか、委託後も自ら最終処分の現地確 価物化をさらに推進したほか、焼却処理をしていた紙くずや布 認を実施し、定期的な監査を継続することで委託先の廃棄物処 ウエスをボイラーなどに使用する固形燃料の原材料としてリサ 理の状況を評価しています。 イクル化に取り組んだ結果、2006 年度に続き 99.7%の再 また、日々の管理として、 資源化を実現しました。特に、2007 年度は、 「埋め立て廃棄 廃棄物置場の巡回点検、 物ゼロ」に取り組み、埋立て処分量は 2006 年度比で約12% 産 業 廃 棄 物 管 理 票(マニ 削減することができました。 フェスト) による管理を徹底 し、廃棄物の適正管理に努 廃棄物総排出量、再資源化量、再資源化率 (単位:t) ■総排出量 ■ 再資源化量 100,000 80,000 99.0 98.6 65,991 60,000 77,066 65,052 めています。 再資源化率 99.7 99.6 99.0 78,220 76,280 (単位:%) 85,607 86,478 84,814 77,476 100.0 80.0 85,714 60.0 40,000 40.0 20,000 20.0 0 0.0 2003 2004 2005 2006 産業廃棄物処理委託業者監査 総排出量・発生量内訳 2007 (年度) 廃棄物・有価物発生量 86,478 t 総排出量・発生量内訳 廃油 1% 紙屑 1% 金属屑 2% 廃プラ 1% その他 1% 汚泥 18% 直接再資源化 2007年度 廃酸 76% 83,659 t 中間処理委託 2,739 t 陶磁器屑 7% 最終処分量 中間処理後 再資源化 中間処理後 最終処分 2,056 t その他 1% 汚泥 20% 廃プラ 30% 2007年度 81t 再資源化量 85,714 t 最終処分量 直接最終処分 285t 204t 再資源化品目 汚 泥:凝集剤、金属回収(ニッケル) 廃プラ:燃料、セメント材料 廃 油:助燃剤、再生回収 金 属:再生金属(アルミ、タンタル) 紙屑 42% 社会・環境 報 告 書 2008 28 環境とニチコン 地球との共生を目指した製品づくり 製品開発における基本姿勢 ニチコングループは「地球との共生」を目指し、環境保全に 寄与する製品づくりを各事業所で進めています。 ポリ塩化ビニル(PVC)レス、鉛フリー、六フッ化硫黄(SF6) フリー製品として「Geo(ジオ)○○○」の名称をつけた製品の ほか、省電力・省資源に貢献する製品や廃棄に伴う問題の解決 この対応には、サプライチェーン間でのより確実な情報伝達 が求められます。ニチコングループは、使用する部材の規制物 質管理を徹底するとともに、環境に配慮した製品開発を積極的 に進めています。 ※ REACH 規則:Registration, Evaluation & Authorization of CHemicals の略。EUの新たな化学物質規制で、化学物質の安全性評価を製造・輸入 する企業に義務づけ、化学物質を登録制として危険性の高い物質の使用 を制限するもの。現在施行されている化学物質に関するEUでの規制を、 このREACH規則に一本化することも検討されている。 に貢献する 「環境に優しい製品」 を開発しています。 RoHS 指令※への対応 製品の環境性能を確保するグリーン調達 ニチコングループは、RoHS 指令(特定有害物質の使用制限 ニチコングループでは、2005年に制定した 「ニチコングルー に関するEU 指令)への対応として、すでに鉛フリー製品の開発 プグリーン調達ガイドライン」を法規制の動向に合わせて改定 を終え、鉛フリー製品を標準品として販売しており、鉛入り製品 し、運用しています。今後も国内外の法規制などにより使用お を購入されているお客様に対して、鉛フリー製品への切替を提 よび含有を禁止する化学物質の不使用を徹底するため、取引 案しています。また、焼却条件によってはダイオキシンの発生が 先様との連携を強化し、環境配慮形製品の提供に努めます。 懸念されているPVC(ポリ塩化ビニル) に関してもPET(ポリエ チレンテレフタレート)等 PVCレス製品を標準品としています。 TOPICS また、EUのRoHS指令と同様に、 中国でも電気・電子機器に対 し「電子情報製品汚染制御管理方法」 (中国版 RoHS)が2007 ハイブリッドカー/ 電気自動車向け製品に注力 年3月に施行されるなど、化学物質の規制は今や世界各国で検 石油エネルギーの使用を抑え、CO2(二酸化炭素)の排 討・実施されています。同じ物質の規制でも除外項目が設けられ 出を低減するなど、環境負荷の小さいハイブリッドカーの市 ていたり、段階的に規制を行ったり、規制の内容は一様ではあり 場が拡大しています。こうした需要の拡大を受け、ニチコン ませんが、いずれの法規制にも正しく対応することが求められま 草津ではハイブリッドカーの駆動用インバータユニットに用 す。 ニチコングループは最新法規制情報を入手し、環境に配慮し いられるフィルムコンデンサモジュールを専門に生産する た設計思想で製品開発を行い、お客様のニーズに応えています。 ※ RoHS指令:Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment の略。 EU にて販売される電気 電子機器に含まれる特定物質の使用禁止を定めた指令で、重金属(鉛、 カドミウム、水銀、六価クロム)とダイオキシン類の発生原因となる特定 臭素系難燃剤(PBB、 PBDE)の使用を全廃するようメーカーに要求して いるもの (2006年7月よりEU 各国にて施行) 。 新工場棟を2006年3月から稼動しており、国内外の自動 車メーカーからの受注拡大を図ることで、地球環境問題の 解決に役立つハイブリッドカーの普及に貢献していきます。 また、走行中にCO2を排出しない電気自動車も実用化の 段階になり、大きな注目を集めています。三菱自動車工業 株式会社様が、2009 年中の国内市場投入を予定してい る新世代電気自動車 『i MiEV (アイ ミーブ) 』 向けに、当社は ELV 指令※への対応 ニチコングループでは、ELV 指令(使用済み自動車に関する 欧州議会および理事会指令)への対応はもとより、自動車特有 の熱や振動の加わる苛酷な使用条件を満たす車載用高機能品 を提供しています。 REACH 規則※への対応 REACH 規則(化学物質の登録、評価、認可および制限に関 する規則)は 2007 年 6 月に施行され、2008 年 6 月から予 備登録作業が開始されています。 社会・環境報告書 ルを開発・提供しています。最先端技術を盛り込んだこのモ ジュールは、高圧バッテリーの充電が家庭用コンセントから 簡単にできる設計となっています。併せて一体となっている 降圧型DC-DCコンバータを介し、 オルタネーター(発電機) の代わりに低圧バッテリーの充電も行っています。 電気自動車は、これから本格的な市場拡大が見込まれて ※ ELV指令:End of Life Vehiclesの略。自動車への特定有害物質の使用 を制限し、廃車時のリサイクルを円滑にすることを目的とする指令で、 2003 年7月1日以降に登録される新車について、一部の代替技術の 確立が困難な部品を除き重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価クロム)の 使用禁止を要求するもの。 29 充電器と降圧型DC-DCコンバータとを一体化したモジュー 2008 おり、当社ではモジュールのさらなる小型化や充電効率の 向上に取組んでいきます。 環 境とニチコン 化学物質の適正管理とリスクマネジメント 化学物質の排出・移動量の削減 ニチコングループでは、PRTR 法※に基づき、対象となる化 ることができました。2007 年度の PRTR 調査結果は、PRTR 学物質について取扱量、排出量、移動量を把握し、行政に対し 法対象物質 354 物質のうち取扱物質が 20 物質、届出対象物 て報告するとともに、有害化学物質(PRTR 対象の第1種指定 質は12物質で6月30日までに行政への報告を完了させました。 化学物質)の排出量(大気、水域、土壌などの環境への排出)の ※ PRTR法:PRTRはPollutant Release and Transfer Register(環境汚染物 質排出移動登録)の略で、有害性のある化学物質がどのような発生源から、どれ くらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出 されたかというデータを把握し、集計・公表する仕組み。PRTR 法は、 「特定化学 物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律」のこと。 削減に取組んでいます。 2007 年度は、取扱量が2,105tで排出量を0.21t削減す PRTR調査結果(2007年度:国内) 排出量 取扱量 (単位:t) 大気への 排出 公共用水域 への排出 土壌への 排出 移動量 埋立処分 排出量 合計 下水道への 移動量 その他 (廃棄物) 移動量 合計 2007 年度 2,105.85 7.17 10.77 0.00 0.00 17.94 0.00 262.33 262.33 2006 年度 2,110.19 7.87 10.28 0.00 0.00 18.15 0.00 271.68 271.68 2005 年度 1,899.97 8.52 9.78 0.00 0.00 18.38 0.00 248.20 248.20 2004 年度 2,035.95 10.57 12.32 0.00 0.00 22.91 0.00 281.79 281.79 2003 年度 1,895.17 15.69 24.43 0.00 0.00 40.13 0.00 281.43 281.43 2002 年度 2,188.33 18.63 24.43 0.00 0.00 43.05 0.00 307.58 307.58 大気・水質汚染防止 事 例 紹 介(富田工場) ニチコングループでは、大気・水質汚染防止について、法や 条例の排出基準を上回る厳しい自主基準を設定しています。環 境マネジメントシス テムをベースに汚染 物質の厳重な管理を 化成液組成変化防止対策メカニズムによるホウ酸投入量削減 ●現状 給電槽のアンモニウムイオンが電気的に箔に付着し洗浄槽で除 去しきれないイオンが次の化成槽に持ち込まれ、液組成変化の要因 となる。 ●対策 洗浄槽へ新たに電極板を設け、給電とは逆電圧を印加することで、 箔に付着したアンモニウムイオンを除去し、次の槽への持込みを防 止する。 実施し、汚染防止を 図っています。 大町工場 排水分析のためのサンプリング ●効果 ・化成液の特性安定化(比抵抗、 pH) ・液特性の安定化により液補正の頻度が削減されるため、液補正に使 用するホウ酸量が削減される。 N+ N+ 緊急事態に備えた訓練の実施 N+ 各事業所では、環境影響評価によって潜在的危険要因を分 析・登録するとともに、油や化学物質の万一の漏洩を想定した への漏洩事故防止を図っています。 N+ N+ N+ N+ N+ N+ N+ N+ 給電槽 N+ N+ N+ 緊急事態に対応するための訓練を実施しています。また、緊急 処理対策備品を配備するなど、緊急事態が起こった際の外部 箔進行方向 N+ 洗浄槽 次の化成槽 新設の電極板 電極板 N+ アンモニウムイオン HN4+ N+ 電解洗浄により箔から除去されたアンモニウムイオン N+ 対策前 化成槽に持ち込まれるアンモニウムイオン ホウ酸投入量比較 対策前データは1年間の平均投入量より ホウ酸投入量 100 75 50 25 0 % ニチコン大野 重油もれの緊急時訓練 ニチコン福井 消火器使用訓練 対策後 対策前 対策前・後の 2カ月データ ●ホウ酸投入量削減効果 ホウ酸投入量が半減となった 社会・環境 報 告 書 2008 30 ニチコン株式会社 〒604−0845 京都市中京区烏丸通御池上る TEL.075−231−8461 FAX.075−256−4158 http://www.nichicon.co.jp/ この報告書の内容に関するお問い合わせ先 総務部/環境管理室 TEL.075−241−5319 FAX.075−256−4158 [email protected] 発行:2008年9月 次回発行予定:2009年9月 これまでの発行:2001年9月、2002年10月、 2003年9月、2004年10月、 2005年9月、2006年10月、 2007年9月 このカタログの印刷は、 環境にやさしい 植物性大豆油インキを使用しています。