NJM6219 ステッピングモータドライバ ■ 概要 ■ 外形 NJM6219はバイポーラ2チャンネルステッピング モータドライバで、LS−TTL互換ロジック入力部、OF Fタイム制御、および保護ダイオード内蔵のHブリッジ出力 部から構成され最大1000mAまでの出力電流が可能で す。 パッケージはEMP24を用意しており、わずかな外付け 部品でステッピングモータシステムを構成できます。 NJM2673E3 NJM6219E3 ■ 特徴 ● スイッチドバイポーラ定電流ドライバ ● 広電源電圧範囲 4∼45V ● 広出力電流範囲 5∼1000mA ● ハーフ/フルステップモード ● 熱遮断保護回路内蔵 ● 外形 EMP24 ■ 端子配列 VMM MA1 1 24 MA2 2 23 E1 E2 3 22 C1 C2 4 21 MB1 MB2 5 20 GND 6 GND 7 I02 I12 NJM 6219E3 I01 19 GND 18 GND 8 17 I11 9 16 PHASE1 PHASE2 10 15 VR2 VR2 14 T1 11 13 VCC T2 12 図 1 端子配列図 -1- NJM6219 ■ブロック ブロック図 ブロック図 VCC Vcc C1 E1 T1 PHASE1 Phase1 I01 MA1 I11 Current Select VR1 Logic MB1 VMM1 TSD VMM2 PHASE2 Phase1 MB2 Current Select I02 Logic I12 MA2 VR2 GND ■ 端子説明 EMP 記号 1 MA1 2 MA2 3 E2 4 C2 MB2 5 6,7,18,19 GND 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 20 21 22 I02 I12 PHASE2 VR2 T2 VCC T1 VR1 PHASE1 I11 I01 MB1 C1 23 24 E1 VMM -2- C2 T2 図 2 ブロック図 E2 説明 Ch1 モータ出力 A。モータ電流はフェーズ 1 が H レベルのとき MA1 から MB1 に流れます。 Ch2 モータ出力 A。モータ電流はフェーズ 2 が H レベルのとき MA2 から MB2 に流れます。 Ch2 共通エミッタ。検出抵抗 RSを GND 間に接続します。 Ch2 コンパレータ入力。RC ネットワークでフィルタされた、検出抵抗両端の瞬間電圧を検出し ます。 Ch2 モータ出力 B。モータ電流はフェーズ 2 が H レベルのとき MA2 から MB2 に流れます。 GND 端子。十分なヒートシンキングのため、すべての GND ピンが、適切な広い銅配線に半田付 けされていることを確認してください。 Ch2 電流レベル選択入力。I01 入力と共に、出力部の電流レベルを制御します。 Ch2 電流レベル選択入力。I02 入力と共に、出力部の電流レベルを制御します。 Ch2 モータ電流方向制御。モータ電流は H レベルのとき MA2 から MB2 に流れます。 Ch2 基準電圧。コンパレータを介して出力電流を制御します。 Ch2 クロック発振器。56kΩ抵抗と 820pF を、T と GND の間で並列に接続します。 ロジック電圧供給。通常+5V。 Ch1 クロック発振器。56kΩ抵抗と 820pF を、T と GND の間で並列に接続します。 Ch2 基準電圧。コンパレータを介して出力電流を制御します。 Ch1 モータ電流方向制御。モータ電流は H レベルのとき MA1 から MB1 に流れます。 Ch1 電流レベル選択入力。I01 入力と共に、出力部の電流レベルを制御します。 Ch1 電流レベル選択入力。I02 入力と共に、出力部の電流レベルを制御します。 Ch1 モータ出力 B。モータ電流はフェーズ 1 が H レベルのとき MA1 から MB1 に流れます。 Ch1 コンパレータ入力。RC ネットワークでフィルタされた、検出抵抗両端の瞬間電圧を検出し ます。 Ch1 共通エミッタ。検出抵抗 RSを GND 間に接続します。 モータ電源電圧 4∼40V。 NJM6219 ■絶対最大定格 絶対最大定格 (Ta=25°C) 項目 電圧 ロジック部電源電圧 モータ電源電圧 ロジック入力 コンパレータ入力電圧 基準入力電圧 電流 モータ出力電流 ロジック入力電流 アナログ入力電流 温度 動作温度 保存温度 消費電力 TGND=+25°C TGND=+125°C 記号 最小 最大 単位 VCC VMM VI VC VC 0 0 -0.3 -0.3 -0.3 7 45 VCC VCC VCC V V V V V IM II IA -1000 -10 -10 +1000 - mA mA mA Topr Tstg -40 -55 85 150 °C °C PD PD - 5 2 W W ■推奨動作条件 推奨動作条件 項目 ロジック部電源電圧 モータ電源電圧 モータ出力電流 動作接合部温度 ライズタイムロジック入力 ロジックフォールタイム 記号 最小 標準 最大 単位 VCC 4.75 5.00 5.25 V VMM IM Tj tr tf 4 -800 -20 - - 40 800 +125 2 2 V mA ℃ µS µS -3- NJM6219 ■電気的特性 電気的特性 (Tj=+25℃, VCC=5V,VMM=40V,CT=820pF,RT=56kΩ) 項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位 - 0.9 170 60 - mA 2.0 -250 - 0.8 20 - V V µA µA - 8.8 - kΩ 405 284 134 450 315 150 495 347 163 -20 - - mV mV mV µA - 1.1 1.3 1.1 1.3 1.0 1.2 1.1 1.3 - 1.4 1.7 1.4 1.7 1.3 1.6 1.4 1.7 100 V V V V V V V V µA 27 31 35 µs 最小 - 標準 13 42 最大 - 単位 °C/W °C/W 全体 消費電流 ターンオフ遅延時間 サーマルシャットダウン温度 ロジック入力部 ロジック入力部 Hレベル入力電圧 Lレベル入力電圧 Hレベル入力電流 Lレベル入力電流 入力抵抗部 入力抵抗 コンパレータ入力部 コンパレータ入力部 スレシュホールド電圧 ICC td TSD VIH VIL IIH IIL dVc/dt≧50mV/μs VI=2.4V VI=0.4V RR VCH VCM VCL VR=5.0V,I0=I1=L VR=5.0V,I0=H,I1=L VR=5.0V,I0=L,I1=H IC 入力電流 モータ出力部 モータ出力部 下側トランジスタ飽和電圧 VOL 上側トランジスタ飽和電圧 VOU 下側ダイオード順方向電圧降下 VIL 上側ダイオード順方向電圧降下 VIU 出力リーク電流 単安定マルチバイブレータ 単安定 マルチバイブレータ ILEAK カットオフタイム IM=500mA IM=800mA IM=500mA IM=800mA IM=500mA IM=800mA IM=500mA IM=800mA I0=I1=H toff µS °C ■熱特性 熱特性(EMP24) 熱特性(EMP24) 項目 熱抵抗 記号 RthJ-GND RthJ-A 条件 Note 2. Notes 1.すべての電圧は接地に対してのものです。電流は、指定された端子に流れ込む場合は正、流れ出す場合は負になります。 2 2.すべての接地ピンは 20cm の PCB 銅配線領域に半田付けされていて、自然対流状態です。 -4- NJM6219 ■ 応用回路例 Rs 1ohm CC 820pF RC 1kohm GND E2 C2 TSD R S T2 Q LOGIC CT 820pF MB2 RT 56kohm MA2 VR2 I02 I12 PHASE2 MOTOR VMM NJM6219 PHASE1 I11 I01 VR1 VCC VCC MA1 LOGIC MB1 S T1 Q R TSD GND VREF VCC CT 820pF RT 56kohm C1 CC 820pF E1 RC 1kohm VMM Rs 1ohm ■ 用語の定義 -5- NJM6219 ■ 機能説明 NJM6219は2相ステッピングモータの1つのモータ巻線に、一定のバイポーラ電流を駆動します。 電流制御はスイッチングモードによって行われます。図4と図5を参照してください。 入力ロジックによって、3つの異なる電流レベルとゼロ電流を選択できます。 NJM2673は次の機能ブロックで構成されています。 ・入力ロジック ・電流検出 ・シングルパルス発生器 ・出力部 入力ロジック 入力ロジック ・フェース入力 フェーズ入力は、モータ巻線内の電流方向を決定します。Hレベル信号を入力することでMAからMBに電流に電流が流 れ、Lレベル信号を入力することでMBからMAに電流が流れます。シュミットトリガによって耐ノイズ性が得られ、遅延 回路によってフェーズ推移中の出力部での貫通電流を防止できます。 ハーフステップ動作およびフルステップ動作が可能です。 電流レベル 電流レベル選択 レベル選択 I0およびI1への信号入力状態によってモータ巻線内の電流レベルを決定します。 以下の信号入力状態によって 3 つの固定された電流レベルが選択できます。 ・モータ電流 I0 I1 Hレベル 100% L L Mレベル 60% H L Lレベル 20% L H ゼロ電流 0% H H Rs Motor Current 図4 -6- モータ電流(IM)特性例 垂直軸:200mA/div 水平軸:1ms/div 拡大部分は 100µs Fast Current Decay Slow Current Decay Time 図5 出力部と高速および低速電流減衰の場合の 電流経路 NJM6219 電流レベルは,基準電圧 VR と,検出抵抗 RS の値によって決定されます。 最大モータ電流は,次のように計算できます。 im=(VR・0.083)/RS[A](100%レベル) im=(VR・0.050)/RS[A](60%レベル) im=(VR・0.016)/RS[A](20%レベル) また,モータ電流は,基準入力電圧を変調することで連続的に変化させることができます。 電流センサ 電流センサ 電流センサには,基準電圧分圧器と,選択可能な電流レベルを決定するための 3 つのコンパレータが含まれています。モー タ電流は,電流検出抵抗 RS での電圧降下として検出され,ドライバからの基準電圧の 1 つと比較されます。2 つの電圧が等 しい場合は,コンパレータはシングルパルス発生器をトリガします。一度に 1 つのコンパレータだけが入力ロジックによって 起動されます。 シングルパルス シングルパルス発生器 パルス発生器は,コンパレータ出力のポジティブ・エッジでトリガされる,単安定マルチバイブレータです。マルチバイブ レータ出力は,パルスタイム toff の間は H になります。toff は,RT と CT によって決定されます。 このシングルパルスによって,モータ巻線への電力供給がオフになり,その結果として toff の間に巻線電流が減少します。 toff の間に新しいトリガ信号が発生してもそれは無視されます。 出力部 出力部には,H ブリッジで接続された 4 つのトランジスタと 4 つのダイオードが含まれています。上側フライホイールダイ オードは外付けで回路に接続して下さい。モータ巻線に供給される電力を切り換え,巻線に一定の電流が流れるようにするた めに,2 つのシンク・トランジスタが使用されています。図4と5を参照してください。 過負荷防止 この回路は,接合部温度を制限するサーマル・シャットダウン機能を装備しています。最大許容接合部温度を超えると,出 力電流が低減されます。ただし,短絡保護は行われていないことに注意する必要があります。 動作 モータ巻線に電圧 VMM が加えられる場合,電流の立ち上がりは次の式に従います。 - R t /L im=(VMM/R)・(1-e ( ・ ) ) R=巻線抵抗 L=巻線インダクタンス T=時間 (図5の矢印①を参照) 外部検出抵抗 RS には,モータ電流がアナログ電流として現れます。この電圧は,ローパスフィルタ RC,CC 経由で電圧コ ンパレータ入力(ピン 4 、22)に供給されます。検出された電圧がコンパレータのスレッシュホールド電圧を超えて上昇し た瞬間に,単安定マルチバイブレータがトリガされ,その出力は導通していたシンク・トランジスタをオフにします。 モータ巻線両端の極性は逆転し,電流は上側保護ダイオードを通ってソース・トランジスタに強制的に環流させられます(図 5の矢印②を参照) 。 単安定マルチバイブレータがタイムアウトになった後は,電流は減衰しているため,検出抵抗両端のアナログ電圧はコンパ レータのスレッシュホールドレベルより下になります。 これによって,シンク・トランジスタがオンになり,モータ電流が再び増大し始めます。このサイクルは,ロジック入力部 によって電流がオフになるまで繰り返されます。 I1 と I0 の両方が H レベルの場合は,出力 H ブリッジの 4 つすべてのトランジスタがオフになります。これは,2 つの反対の フリーホイール・ダイオードに誘導電流が流れることを意味します(図5の矢印③参照) 。この方法によって,1 つのトランジ スタのみオフになった場合よりも速く電流が減衰します。このため,ハーフステッピング・モードでの速度性能が向上します。 -7- NJM6219 ■ 動作タイミングチャート -8- NJM6219 ■ 応用例 モータ選択 モータ選択 一部のステッピング・モータは,最大電流での連続的な動作用に設計されていません。回路がモータに一定の電流を駆動す るとき,低速および高速動作の両方で,モータの温度が上昇します。 また,鉄損が非常に大きくスイッチングモード動作には適していないものもあります。 干渉 電流スイッチング・モード動作を伴う回路での一部の用途では,干渉による問題が発生することがあります。この場合,モ ータ電源 VMM と接地の間に 0.1µF のセラミック・コンデンサをパッケージの付近で使用して回路をデカップリングするとよ いでしょう。 また,VRef 入力が十分にデカップリングされていることを確認してください。IC 付近の+5V ラインに電解コンデンサを使 用する必要があります。 RS,CC,および回路 GND の間の接地配線は,できるだけ短くする必要があります。このことは,RS と CC をそれぞれピン 22 とピン 23 および 4 ピンと 3 ピンに接続するリードにも当てはまります。 電磁干渉を最小にするため,プリント基板上の MAおよび MBリードを並列で端子コネクタに直接引き回すことを推奨しま す。モータ・ワイヤは,各フェーズ別にツイストペア線を使用することを推奨します。 未使用の 未使用の入力部 耐ノイズ性を最大にするため,未使用の入力部は適切な電圧レベルに接続する必要があります。 ランピング ステッピング・モータは,同期モータであり,負荷の変動によって速度が変化しません。これは,すべての動作モードで, モータと負荷の結合した慣性に応じてモータのトルクが十分に大きい必要があることを意味します。速度が変化すると,必要 なトルクは速度変化の 2 乗で増大し,必要な出力は速度変化の 3 乗で増大します。したがって,モータの脱調を避けるため, ランピング,すなわち制御された加速または減速を考慮する必要があります。 VCC と VMM 電源電圧 VCC と VMM は,任意の順序でオンまたはオフにできます。通常の dVC/dtV 値が仮定されます。 モータによって破壊的な過渡電流が発生するのを防ぐため,ドライバ回路基板をシステムから取り除く前にすべての電源電 圧をオフにしておく必要があります。 スイッチング周波数 スイッチング周波数 モータのインダクタンスとパルスタイム toff は,電流調整のスイッチング周波数を決定します。したがって,可聴範囲より上 のスイッチング周波数を得るには,モータの選択で,図3で推奨する値以下の RT および CT 構成要素の値が必要になります。 40kHz より上のスイッチング周波数は電流調整に影響する可能性があるため推奨できません。 アナログ制御 アナログ制御 VR 入力を調整することで電流レベルを連続的に制御できるため,限定的なマイクロステッピングを行うことができます。 センサ抵抗抗 センサ抵抗抗 RS 抵抗は,非誘導タイプの電力用抵抗である必要があります。VR=5V で最大モータ電流 415mA の場合には誤差 1%以下 1.0Ω 抵抗が適しています。最大モータ電流 im は,次の式を使用して計算できます。 im=(VR・0.083)/RS[A](100%レベル) im=(VR・0.050)/RS[A](60%レベル) im=(VR・0.016)/RS[A](20%レベル) -9- NJM6219 ■ 特性例 VCC VS. ICC @NJM6219 I0=I1=HIGH 80 70 60 50 40 30 20 10 0 ICC[mA] ICC[mA] VCC VS. ICC @NJM6219 I0=I1=LOW 0 1 2 3 4 5 6 7 80 70 60 50 40 30 20 10 0 8 0 1 2 VCC[V] 4 5 6 7 8 VCC[V] COMP input Voltage VS. COMP input Current @NJM6219 VCC=VR=5V I0=I1=LOW COMP input Voltage VS. COMP input Current @NJM6219 VCC=VR=5V I0=LOW I1=HIGH 1.4 1.4 1.2 1.2 1.0 0.8 0.6 1.0 Ic[uA] Ic[uA] 3 0.8 0.6 0.4 0.4 0.2 0.0 0.2 0.0 0 100 200 300 400 500 0 100 200 300 400 500 Vc[mV] Vc[mV] COMP input Voltage VS. COMP input Current @NJM6219 VCC=VR=5V I0=HIGH I1=LOW Phase input Voltage VS. Phase input Current @NJM6219 VCC=VR=5V 1.4 140 1.2 1.0 0.8 120 Iin[uA] Ic[uA] 160 0.6 0.4 0.2 100 80 60 40 20 0.0 0 0 100 200 300 Vc[mV] - 10 - 400 500 0.0 1.0 2.0 Vin[V] 3.0 4.0 NJM6219 ■ 特性例 Power Dissipation vs Motor Current NJM6219(1ch Drive)VCC=5V, VMM=40V, ta=25°C 6.0 5.0 PD[W] 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 0 200 400 600 800 1000 1200 IM [mA] Power Dissipation vs Motor Current NJM6219(2ch Drive)VCC=5V, VMM=40V, ta=25°C 6.0 5.0 PD[W] 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 0 200 400 600 800 1000 1200 IM [mA] <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 - 11 -