2013年 環 境 報 告 書 ―目 次― ページ 1 ごあいさつ 2 新電元グループ 2012 年度の主な取り組み 低炭素社会の実現に向けて 新電元工業陸上競技部 新電元工業飯能工場が「彩の国工場」に指定 「全国危険物協会理事長賞」を受賞 新電元グループの事業継続計画(BCP)の策定 8 会社概要、事業概要、事業拠点 環境マネジメント 16 新電元グループの環境方針 新電元グループの環境保全活動組織 17 新電元グループの環境目的目標 2011 年度 環境目的目標と結果 2012 年度 環境目的目標 18 環境会計 19 法令順守、環境監査 20 環境リスク管理 22 23 24 25 27 28 環境パフォーマンス 省エネルギーと地球温暖化防止 ゼロエミッションの推進 グリーン調達の取り組み 環境教育 海外サイトの取り組み 各サイトの取り組み(ハイライト) 社員とともに 30 安全衛生、社員の健康づくり 【 報告対象範囲 】 本報告書は、2012年度(2012年4月1日から2013年3月 31日)の新電元グループにおける環境保全活動の結果 をもとに作成しました。 (一部2013年4月1日以降の活動内容についても記載し ています) 新電元グループと記載した場合には、下記の12社(国 内7社、海外5社)を対象としています。 また、新電元グループ国内と記載した場合には、下記 の国内7社を対象としています。 私たちの暮らしと新電元の技術 10 私たちの暮らしと新電元の技術 12 環境配慮型製品への取り組み 1) 基板型電源 HSB シリーズ 2) 疑似共振制御 IC『MS1005SK』 3) 情報・通信装置用整流器ユニット 地域社会とともに 32 社会貢献活動 34 2013 年 環境報告書の発行にあたって 【 国内 】(7 社) ・新電元工業株式会社 ・株式会社秋田新電元 ・株式会社東根新電元 ・株式会社岡部新電元 ・新電元スリーイー株式会社 ・株式会社新電元ロジステック ・新電元メカトロニクス株式会社 【 海外 】(5 社) ・Lumphun Shindengen Co., Ltd. ・Shindengen Philippines Corp. ・PT. Shindengen Indonesia ・広州新電元電器有限公司 ・Shindengen(Thailand) Co., Ltd. ご あ い さ つ 企業ミッション 「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」 代表取締役社長 2013年の環境報告書の発行にあたり、皆様にご挨拶申し上げます。 新電元グループは、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」ことを企 業ミッションとして、地球環境と調和する活力溢れる企業づくりに取り組んでおります。私たちは、企業ミッションに 掲げた命題を肝に銘じ、追求し続けていくことが、当社に求められる社会的な存在価値であり、また、持続可能 な社会の実現にも資するものと考えます。 新電元グループは、パワーエレクトロニクスのリーディングカンパニーとして、パワー半導体、環境対応車向け DC/DCコンバータ、太陽光発電用パワーコンディショナやLED照明用電源等の製品分野において事業シナジーを 発揮し、省エネルギー、燃費向上、再生可能エネルギー活用等の環境性能に優れた製品の開発・提供を推進 し、低炭素社会の実現に向け貢献しています。 化学物質への対応については、欧州連合のELV指令・RoHS指令・REACH規則をはじめとする製品にかかわる 化学物質規制が多様化する中、迅速かつ的確に情報を入手し、製品中に含有する化学物質の管理を徹底し ています。 企業の社会的責任(CSR)が益々重要となっていますが、新電元グループにおいても、CSR活動を全社的に体 系化するため役員を委員としたCSR委員会を立ち上げ、全社的CSRの一元化、活性化を図り、社会貢献活動や 労働安全衛生、事業継続マネジメント(BCM)等に取り組んでいます。紛争鉱物問題への対応についてもサプラ イチェーンにおける重要なCSRの課題として捉え、取り組んでまいります。 今後も環境経営を推進する中で、顧客・株主から信頼され、地域・社会から愛され、従業員・家族が誇りを持 てる企業作りに取り組んでまいります。 この「環境報告書」をご高覧いただき、新電元グループの環境経営活動への更なるご理解をいただくと共に、 ご意見を賜れば幸いに存じます。 -1- 新電元グループ 2012 年度の主な取り組み 2012 年度 新電元グループの主な活動を紹介します。 【低炭素社会の実現に向けて】 地球温暖化問題への取り組みは、事業活動における環境負荷低減に努めるとともに、製品・サービスのライフサ イクルを通じた社会全体の環境負荷低減を図ることが重要と考えています。 当社においても、環境ビジネスを成長分野と捉えており、新たな事業の柱として環境主軸の経営を構築し、環境 ビジネスの中核企業を目指しています。 1.再生可能エネルギーの普及促進に向けた当社の製品貢献 新電元グループは、石油・石炭等に代わるクリーンなエネルギーとして、政府が導入・普及を促進している再生 可能エネルギーの中で太陽光をエネルギーとする太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナ及び太陽光 発電システム用半導体デバイスの研究開発、生産、販売を通じて、地球温暖化を始めとする社会的課題の解決 に向けた製品貢献を実践しています。 ①太陽光発電用パワーコンディショナ パワーコンディショナとは、太陽電池により発電された直流電力を交流電力に変換し、商用、電力系統に接 続する交流電源装置です。太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナは、非常に重要な役割を担 っており、システムの性能を左右するものであります。 新電元のパワーコンディショナ SOLGRID® SERIES(以下、SOLGRID® SERIES と称す)は、トランス内蔵設計により、 作業性の向上と省スペース、高いコストパフォーマンスとトランス内蔵型でありながら効率 93%以上を実現して います。 当社の太陽光発電用パワーコンディショナ SOLGRID® SERIES(写真左) SOLGRID® SERIES は、新電元工業株式会社の登録商標です。 -2- ②太陽光発電システム用半導体デバイス 太陽光発電システムでは、端子ボックス、接続箱、パワーコンディショナに半導体デバイスが使用されてい ます。新電元の半導体デバイスは、低損失の特性を活かし太陽光発電システムの効率改善に貢献していま す。また、新電元では、これからの環境・エネルギー時代を支えるパワーデバイスに新素材も含めた要素開 発段階から取り組んでいます。より低損失で消費電力低減に貢献できる半導体デバイスの開発と回路技術 を融合することで、高効率化を実現しています。 ●端子ボックス用バイパスダイオード 太陽光パネルはたくさんのパネルが直列に接続されているので、システムの中に発電力が著しく低下した パネルがあると、システム全体が影響され、出力が大きく低下します。 端子 BOX 用バイパスダイオード*1 とは、日影や故障で一部のパネルの発電能力が低下したとき、端子 BOX 用ダイオードに電流経路を切り替えてシステム全体から一時的に分離することでシステムの能力低下を最 小限に抑える役割を持ちます。これには順方向損失の小さいショットキーバリアダイオード*注を使うのが一般 的です。 ●接続箱用 3 相ブリッジダイオード 太陽光パネルとパワーコンディショナの間をつなぐダイオードです。パワーコンディショナから太陽光パネル に電気が逆流するのを防止する役割を持ちます。 システム電圧が高いことから、高耐圧のダイオード*2 を使うのが一般的です。 ●パワーコンディショナ用低損失デバイス 太陽光パネルでつくられた直流電力を交流電力に変換するのがパワーコンディショナです。スイッチング 素子とダイオードを多数組み合わせた回路で構成されます。パワーコンディショナは太陽光発電システム全 体の発電効率にも影響するので、低損失なデバイス*3 が求められます。 *2 高耐圧のダイオード *1 バイパスダイオード 太陽光パネルは、たくさんのパネルが直 列に接続されています。 *3 低損失なデバイス *注 順方向の立ち上がり電圧が低く、スイッチング速度が極めて早く、高速低 VF ダイオードとして最適の整流素子 -3- 2.「第 3 回国際スマートグリッド EXPO」に出展 「エネルギーの変換効率を極限まで追及する」ことを企業ミッションに掲げる新電元グループは、低炭素社会を 実現するために、次世代の電力網の代表例といわれるスマートグリッド社会の実現を目指した官民共同によるイン フラの構築を通じ社会貢献を行いたいと考えています。 新電元グループでは、2013 年 2 月 27 日から 3 月 1 日まで東京ビッグサイトにて開催された『第 3 回国際スマー トグリッド EXPO』に出展いたしました。ご来場いただいた方に高い評価をいただいております。 当社出展ブースの様子 3.「第 1 回関西スマートコミュニティ EXPO」に出展 新電元グループでは、2013年10月2日(水)~4日(金)までインテックス大阪で開催された「第1回 関西スマート コミュニティ EXPO」に出展いたしました。太陽光発電用パワーコンディショナSOLGRID®シリーズをはじめ、電気自動 車用普通・急速充電器のほか、それらを支えるパワー半導体を展示しました。ご来場いただいた方に高い評価をい ただいております。 当社出展ブースの様子 4.「彩の国ビジネスアリーナ2013」に協力 新電元工業は、2013 年 1 月 30 日から 1 月 31 日までさいたまスーパーアリーナで開催された「彩の国ビジネス アリーナ 2013」に埼玉県の要請を受けてエネルギー・環境関連産業企業として出展しました。このイベントでは、当 社の新エネルギー、モビリティ製品を展示することで、来場者や出展者間における情報交換を通じて、産学官の連 携および企業間ネットワークの構築につながりました。 当社出展ブースの様子 -4- 【新電元工業陸上競技部】 新電元工業陸上競技部は、創部以来、実に 60 年もの長きに亘り、埼玉県飯能市を拠点に、駅伝を中心とした 競技活動を通じて、地域社会への貢献と、社会人として誇れる人間形成、競技者としての更なる競技力向上を目 指して活動を行っています。 いわゆる強化実業団チームではありませんが、現在もチームは伝統の“アマチュアイズム”を継承し、従業員とし て定時まで業務をこなす傍ら、就業後や休日に 365 日地道にトレーニングを行っています。 今後も地域の皆様をはじめ、大勢の皆様のご声援を励みに精力的な活動を展開してまいりますので、ご声援の ほど、宜しくお願いいたします。 皆様のご声援のおかげで、2013 年 6 月 29 日に開催された男鹿駅伝競走大会(秋田県)において 15 年ぶりに 優勝しました。 当社陸上競技部 選手と監督(写真左端)、コーチ(写真左から二番目、右端) 男鹿駅伝優勝のゴール 1.「奥むさし駅伝競走大会」への協力 奥むさし駅伝競走大会(埼玉県飯能市にて開催)は、一般ランナーにも門戸が開かれた本格的な駅伝競走大 会であり、全国的な大会でも活躍している実業団、大学、高校のチームも参加する大きな大会です。 本大会は、58 年(第 1 回から 47 回大会後に中断、新たに 11 回開催)の歴史を数え、当社陸上競技部は第 1 回大会から毎回出場しています。また地元飯能市で開催されることもあり、多くの一般従業員も参加しています。 審判長をはじめとした競技役員やコースの走路警備等にも、当社の多くの従業員や OB がボランティアで協力し ています。 2.チーム目標 当社陸上競技部は、「全日本実業団対抗駅伝出場権獲得」、「奥多摩渓谷駅伝・埼玉駅伝・奥むさし駅伝の 3 大会の総合優勝」というチーム目標に向かい、多くの試合に臨んでおり、毎回、当社の役員をはじめ、多くの従業員 や OB が応援に駆けつけています。 -5- 【新電元工業飯能工場が「彩の国工場」に指定】 新電元工業飯能工場は、2012 年 9 月 11 日、埼玉県より「彩の国工場」に指定されました。 「彩の国工場」とは、技術力や環境面で優れている工場が、埼玉県知事から豊かな彩の国づくりの協力者(パー トナー)として指定される制度です。新電元グループでは、2000 年に岡部新電元が指定されています。 埼玉県知事 上田 清司 様 (写真:右) 当社展示品のご視察風景 新電元工業株式会社 総務部工場総務課 課長(当時) 野口 浩明 (写真:左) 【新電元インドネシアがブカシ県環境部より表彰】 新電元インドネシアは、2012 年 7 月 10 日、所在するブカシ県環境部より、「ブカシ県環境賞」を受賞しました。 これは、自社の環境管理及び環境保全活動等を通じて地域に貢献したことが評価されての受賞です。 「ブカシ県環境賞」を受賞 インドネシアでは毎年、祝祭 IdulAdha(犠牲祭)が行われます。新電元インドネシアでは、CSR 活動の一環として、 この IdulAdha を迎えるにあたり、毎年近くのムスクに数頭のヤギや牛を寄付しており、近くの住民との良い繋がりを 築いています。 牛の寄付 -6- 【「全国危険物安全協会理事長賞」を受賞】 新電元工業飯能工場は、2013 年 6 月 3 日に開催された一般財団法人全国危険物安全協会主催の平成 25 年度全国危険物安全大会において「全国危険物安全協会理事長賞」を受賞しました。これは、安全管理並びに 災害防止活動を積極推進した功績が認められての受賞です。 同表彰は、全国都道府県 47 事業所に授与され、当社は埼玉県 8,000 事業所の代表として栄えある受賞となり ました。 新電元工業株式会社 取締役常務執行役員 小笠原 政教 「全国危険物安全協会理事長賞」を受賞 【新電元グループの事業継続計画(BCP)の策定】 新電元グループでは、大規模災害時のリスク管理及びサプライチェーン管理を事業活動における社会的責任の 一つと捉えており、ISO22301(事業継続マネジメント)に準拠した事業継続計画(Business Continuity Plan)を策定し 体系的なマネジメントを実践しています。 2012 年度は、代表取締役社長を委員長とした BCM (事業継続マネジメント:Business Continuity Management) 委員会を設置し、災害対策及び事業継続の体制を一層強化しました。これにより、国内外の関係会社からのリスク 情報の収集と発信の機能が一元化されることになり、迅速な初動対応が可能となりました。 新電元工業飯能工場では、2012 年 10 月 23 日、24 日に東京直下型地震を想定した防災訓練を実施しました。 初日は、全従業員を対象とした一斉避難訓練、二日目は、災害対策本部の初動対応訓練を実施しています。 避難訓練の様子(新電元工業飯能工場) BCP 社内説明会の様子(秋田新電元) 資産救済訓練の様子(秋田新電元) 国内外の関係会社においても避難訓練、災害対策本部の初動対応訓練の実施や、安否確認システムの導入 等に加えて、新電元工業と連携して製品単位及びエリア単位での BCP 活動を推進しています。 これらの対策を推進することにより、災害等の発生時における影響を最小限に留めるべく、リスク耐性の強化を図 っています。 -7- 【 会社概要 】 商 号:新電元工業株式会社 設 立:1949年8月16日 連結 金:17,823百万円 単独 資 本 従業員数(2013年3月末) 5,235名 1,094名 連 結 売 上 高:88,426百万円 国内連結子会社 1,117名 (2013年3月末) 海外連結子会社 3,024名 【 事業概要 】 事業分類 デバイス事業 電装事業 新エネルギー 事業 製 品 用 途 薄型 TV、DVD、BD、オーディオなど の AV 機器 エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの白 物家電、 自動車、産業機器、通信機器 パソコンおよび周辺機器、ゲーム機 器、OA 機器などの情報機器 ・一般整流ダイオード ・ブリッジダイオード ・高速整流ダイオード ・サージ防護素子 ・SIDAC ・MOSFET ・高耐圧パワーIC ・省電力型電源用 IC 等 ・パワーモジュール ・二輪車用レギュレータ/レクティファイヤ ・二輪車用 CDI ・四輪車用 DC/DC コンバータユニット 二輪車、自動車、汎用エンジン、船 外機 ・太陽光発電用パワーコンディショナ ・LED 照明用電源 ・DC/DC コンバータ(絶縁型・非絶縁型) ・発電機用インバータ ・ガスコージェネレーション制御ユニット ・通信局用整流器 ・移動体基地局用電源 ・通信用インバータ ・電力集中監視システム ・情報・産業用スイッチング電源 産業機器 サーバ、ストレージ装置 ネットワーク機器 太陽光発電 LED 照明 発電機 ガスコージェネレーション 通信局舎、移動体通信基地局、IP ネットワーク機器、放送局、その他の 通信機器、電力監視機器、ストレー ジ装置、液晶製造装置・EV 用充電 器 その他事業 四輪車、油圧機器、建設機械、産業 用刺繍機、その他 FA 機器 ・ロータリソレノイド ・プッシュプルソレノイド ・チューブラソレノイド ・比例ソレノイド 中期経営戦略「環境ビジネスのコア事業化」 平成24年度は、当社の『中期経営(平成22年から平成24年の3ヵ年)計画』の最終年度でありました。モビリティ市場においては、 アジア二輪車市場における環境対応を睨んだFIシステム(電子制御燃料噴射システム)の導入が進んだことで当社ECU(電子制 御ユニット)の需要が増加しました。また、新エネルギー市場においては、再生エネルギーへの関心の高まりや電力全量買取制 度の開始で太陽光発電向けパワーコンディショナの需要が急伸する等、環境ビジネスの事業拡大が図られています。 -8- 【 事業拠点 】 販売 製造 製造および販売 海外ネットワーク 研究開発 サービス Europe Asia Japan U.S.A. 国内ネットワーク 海外事業所 ● 新電元工業株式会社 ● SEOUL OFFICE ● BANGKOK REGIONAL OFFICE 海外関係会社 ● ● ● ● ● LUMPHUN SHINDENGEN CO., LTD. ★ SHINDENGEN PHILIPPINES CORP. ★ PT.SHINDENGEN INDONESIA ★ SHINDENGEN VIETNAM CO., LTD. GUANGZHOU SHINDENGEN ELECTRONIC CO., LTD. 広州新電元電器有限公司 ★ ● SHINDENGEN (THAILAND) CO., LTD. ★ ● Nava Nakorn Factory ● Rayong Factory ● SHINDENGEN AMERICA, INC. ● SHINDENGEN (H.K.) CO., LTD. 新電元(香港)有限公司 ● Head Office ● Taiwan Representative Office ● Shanghai Liaizon Office ● SHINDENGEN UK LTD. ● Head Office ● German Branch ● SHINDENGEN SINGAPORE PTE LTD. ● SHINDENGEN (SHANGHAI) ELECTRIC CO., LTD. 新電元(上海)電器有限公司 ● SHINDENGEN INDIA PRIVATE LTD. ● Headquarters ● Gurgaon Office ● NAPINO AUTO & ELECTRONICS LTD. ● Manesar Plant 国内事業所 ● 新電元工業株式会社 ● 本社 ● 大阪支店 ● 名古屋支店 ● 宇都宮出張所 ● 飯能工場 ★ 国内関係会社 ● ● ● ● ★:環境報告書の報告対象 -9- 株式会社秋田新電元 ★ 株式会社東根新電元 ★ 株式会社岡部新電元 ★ 新電元デバイス販売株式会社 ● 本社 ● 大阪支店 ● 名古屋支店 ● 新電元スリーイー株式会社 ★ ● 新電元熊本テクノリサーチ株式会社 ● 新電元エンタープライズ株式会社 ● 株式会社新電元ロジステック ★ ● 新電元メカトロニクス株式会社 ● 本社 ★ ● 大阪営業所 ● 名古屋営業所 私たちの暮らしと新電元の技術 あらゆるシーンで、パワーイノベーションを。 環境・新エネルギー市場 太陽光発電・蓄電 パワーコンディショナ、 産業機器市場 工場 LED照明 LED 照明用電源 (街灯・看板・店舗) 住宅 (ガスコージェネレーション) 各種FA機器用電源、 ロボットコントローラ用電源 ガスコージェネレーション システム用ECU HV カー EC EV (急 二輪車 レギュレータ/レクチファイア (REG/RECT)、点火装置(CDI)、 アイドリング STOP 対応 ECU、 ウィンカリレー - 10 - パ DC 充 ファイア 装置(CDI)、 応 ECU、 私たちの暮らしと新電元の技術 情報・通信市場 移動体通信基地局 通信局用整流装置、 通信局用インバータ、 AC/DC コンバータ、 DC/DC コンバータ ホームエレクトロニクス市場 住宅 (ホームエレクトロニクス) データセンター・ 通信局 AV 機器、白物家電、 ゲーム機器、PC、OA機器 通信局用整流装置、 通信局用インバータ、 モニタリング装置、 ストレージ装置用電源 発電機市場 発電機 正弦波インバータ、 サイクロコンバータ、 点火装置(トラマグ) モビリティ市場 四輪車 HV 車載用 DC/DC コンバータ、 カーアクセサリ、 ECU 用パワー半導体、 EV 用充電器 (急速・普通・オンボード) 電動二輪車 パワードライブユニット(PDU)、 DC/DC コンバータ、 充電器(急速・普通) - 11 - 私たちの暮らしと新電元の技術 環境配慮型製品への取り組み 企業ミッションの追求 「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」 新電元グループでは、企業ミッションを具現化するために、パワーエレクトロニクスメーカーの視点から地球 環境問題を見据えた技術開発への取り組みを積極的に実施してきました。 さらに私たちは、これまで培ってきた環境技術を適用した低損失半導体、高効率電源など環境配慮型製 品を市場に供給することで、省エネルギーおよび温暖化ガスの削減に貢献していきます。 産業機器向け 小型・軽量・高効率化の電源 基板型電源 HSB シリーズ 電子機器は直流電圧(DC)を利用するため、交流電圧(AC)として供給される家庭用電源等から給電するため には、AC/DC 変換回路を使用して電圧を変換する必要があります。一般家電製品等で見かける AC アダプターはこ の役割を担っています。このとき変換に伴う損失は熱となりますが、変換効率が高ければ高いほど損失が少なく、こ の発熱を低く抑えることが可能となります。 当社が開発した『HSB シリーズ』は、変換効率 90%以上の高効率を実現した産業機器向け小型・高温対応の汎 用 AC/DC 電源 HSB シリーズとして 150W と 200W の出力電力をご用意しています。それぞれに出力電圧 24V と 48V の製品を揃え、2 シリーズ 4 機種の豊富な製品展開となっています。200W タイプについては、当社のみ(平成 25 年 9 月現在・当社調べ)のラインナップです。 小型・軽量 【主な用途】 化、高効率化 一般産業機器 ( 90% 以 上 ) に (製造設備、検査装置、搬送装置、 より、環境負 荷の軽減を実 測定機器、管理機器)、 現! 情報機器、通信機器、放送設備、 セキュリティーなど 従来品 HSA150(左)と開発品 HSB150(右)の比較 今回開発した『HSB150 シリーズ』では、同出力電力の従来品と比較し取付け床面積で 80%の小型化、重量 380 gから 260gと約 30%の軽量化、使用する部品数についても 179 点から 166 点へ削減を可能とし、省資源化と廃 棄時の環境負荷軽減を実現しています。これに加え、電源の変換効率も 90%以上と高効率化を実現しており、省 エネルギー化に貢献しています。もちろん従来品と同様、EU における RoHS 指令に対応した設計となっており、有害 物質への配慮も行っています。 新電元工業 新エネルギー事業部 江田 聖民 【開発者の一言】 今回の製品は、小型化・高効率のために従来品から部品選定、部品削 減、部品実装位置の見直しなどを行い、無駄を無くす設計を心がけました。 今後は、更なる小型・高効率化を追及し、環境に貢献できる製品開発を していきたいと思います。 - 12 - 私たちの暮らしと新電元の技術 家電市場向け 待機電力の大幅削減を実現! 疑似共振制御 IC『MS1005SK』 近年環境への関心が高まるにつれ、電機電子製品においても省エネルギー設計が求められるようになっていま す。特に EU で環境配慮設計(エコデザイン)を義務付けた ErP(Energy‐related Products)指令が発効されて以降、 急速に省エネルギー型製品への関心が高まっています。 このような背景から、当社独自のウルトラスタンバイ(UT スタンバイ)機能を 搭 載 す る こ と で 待 機 時 の 電 力 を 大 幅 に 削 減 し た 疑 似 共 振 制 御 IC 『MS1005SK』を開発しました。この製品は、待機時の使用電力を大幅に削減 し、省エネルギー設計を実現することに役立ちます。 通常、家電製品や OA 機器など待機モードを持つ機器では、機器の使用 時に比べて待機状態にある時間が長く、このときもリモコン受光回路や予約 MS1005SK 動作のためのタイマ等に微小な電力が流れて動作しています。省電力化を考 えた場合、製品本体での負荷電流削減だけでなく、部品レベルでもこのような 微小負荷領域における電源の効率向上が重要となります。この製品をお使いいただくことで、待機電力の大幅削 減という面から省エネルギー製品の設計実現をサポートします。 【主な用途】 白物家電、設備、OA 機器、テレビ・レコーダーなど 待機電力の削減が求められる用途 従来技術から新技術への置き換えを行った時のCO2削減貢献量 待機電力削減効果 従来技術(オートバースト) 新技術(UTスタンバイ) 59.1mW 7.1mW 待機電力(電源)※1 0.431kWh 0.052kWh 年間待機電力量/台 ‐ 出荷台数(2013年5月現在) 3,000,000台 1,293,000kWh 156,000kWh 年間待機電力量/出荷台数 1,137,000kWh ‐ 年間総削減量 ‐ 466,170kg‐CO2 CO2削減貢献量 UT スタ ン バイ回 路は、環境負荷 低減に大きく貢 献しています。 大幅に削減! ※1:条件 100V入力 12V/70W電源 無負荷(Xコン放電抵抗なし) ※CO2排出係数は0.41kg/CO2/kWhで試算 ※1日のうち待機時間:20時間、稼働時間:4時間で試算 従来技術から新技術(UTスタンバイ)へ置き換えを行った場合のCO2削減貢 献量を試算すると、待機電力の削減効果は一般家庭約200世帯分の電力使用 量削減に相当します(一般家庭の平均年間電力使用量を5,500kWhとした場合 ((財)省エネルギーセンターHPデータ・総合エネルギー統計平成15年度版より))。 新電元工業 電子デバイス事業部 林 正明 一般家庭 約 200 世帯分 一般家庭の平均年間電力 使用量:5,500kWh ⇒ 約 200 世帯分の電力使 用量を削減することができま す。 【開発者の一言】 今回の製品は、究極のスタンバイ性能を目指して開発した IC です。 およそ1年の開発期間で製品化することができ、主に A 社 BD レコーダー にご採用いただいています。 現在も、待機電力の大幅削減に向けて、更なるスタンバイ性能 UP を図り アプリケーション開発を行っています。 極小スタンバイを目指す設計等に、是非ご検討お願いいたします。 - 13 - 私たちの暮らしと新電元の技術 通信機器向け 高効率・塵害対応型の整流器 情報・通信装置用整流器ユニット 当社が通信機器向けに開発した整流器ユニットは、通信機器への電力を提供しつつバッテリへの充電機能も持 つ製品です(強制風冷方式・交流三相 200V 入力・48V 150A 定格出力)。交流電力を直流電力へ変換する整流 器としての電力変換効率は、定格 150A において 93%以上の高効率を実現し、現行品に比べ 0.5~1.0%の効率向 上を図りました。また、現行品の外形、入出力インタフェースと互換性を持たせ、現行設備との入れ替えを容易に できる設計が特長です。 【主な用途】 サーバーやルータ、交換機などの通信機器向け整流装置 今回開発した製品は、『ICT 分野におけるエコロジーガイドライン』 で整流器(入力 3 相 AC200V、出力電力 5kW 以上)に用いる評価 指標※1 にて、従来品の「★★★」から「★★★★」に多段階評価が 向上しました。(「★★」が基準値であり、「★★★★」は基準値に対 する消費電力削減率が、20%以上 30%未満となります。) また冷却用ファンは常に一定速で回転するのではなく、出力の 軽負荷領域では回転数を制御し低速回転に切り替わるように設計 しています。これにより消費電力の低減につながるだけでなく、過酷 な環境下でご利用いただく場合に機器本体内へ吸入する塵や埃 を低減する塵害対応にもつながります。 有害化学物質への対応については、EU の RoHS 指令に対応して います。 従来品と互換性 を保ちつつ、消費 電力削減率をア ップ! 開発した通信機器用の整流器ユニット ※1:『ICT 分野におけるエコロジーガイドライン』では、整流器を評価する指標として ATIS※2 で規定された TEER(Telecommunications Energy Efficiency Ratio)値を用いて 5 段階評価基準を設定しています。 ※2:ATIS‐0600015.04.2010:Energy Efficiency for Telecommunication Equipment:Methodology for Measurement and Reporting DC Power Plant-Rectifier Requirements 詳細については下記サイトを参照して下さい。 http://www.tca.or.jp/information/pdf/ecoguideline/guideline_4.pdf 新電元工業 新エネルギー事業部 呉 益東、大賀 正義、佐藤 佳輔 【開発者の一言】 今回の製品は、現行品との互換性を持ちつつ、効率向上などを行いまし た。現行品ユニットと混載可能なため、現行設備をそのまま活かし、ユニット を入れ替えるだけで効率アップを図れる等、通信事業者の方々への保守的 な面でもメリットがあります。 今後は、更なる高変換効率製品を開発し、環境に貢献していきたいと思 います。 - 14 - - 15 - 環境マネジメント 新電元グループの環境方針 1.基本理念 新電元グループは、社会の発展と人類の繁栄に寄与する為、お客様・株主から信頼され、地域・社会か ら敬愛され、従業員が誇りを持って働くことができ、そして地球環境と調和する、活力溢れる企業づくりに全 社を挙げて取組み、もって世界の「良き企業市民」たることを旨とする。 2.企業ミッション 新電元工業株式会社は、「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献す る」ことを企業ミッションとして掲げています。 私たち新電元工業株式会社およびグループ会社の役員、社員は企業ミッションに基づき、より一層の社 会貢献に努めるため、以下の環境方針に則り行動します。 3.基本方針 新電元グループは、生物多様性も考慮し豊かな自然環境を将来にわたって守り、持続的発展ができる 社会を目指すために、以下の項目について活動を展開し、環境負荷の低減に努めます。 1) 法令及びそれに準ずる要求事項を順守する。 2) 事業活動における省エネルギーに努め、二酸化炭素排出量の削減を図る。 3) 省エネルギー製品の開発・設計により、製品使用時のエネルギー使用量の削減を図る。 4) 製品及び製品製造に関る環境負荷量の把握に努める。 5) 製造工程及び製品の省資源化を図る。 6) 製造工程において使用する化学物質及び製品含有化学物質の管理を徹底する。 7) グリーン調達を推進する。 8) 廃棄物の削減、リサイクル及びゼロエミッションを推進する。 2013年2月22日 改訂 新電元グループの CSR・環境保全体制 新電元工業 秋田新電元 環境ISO事務局 省 エネ ル ギ ー 推 進 部 会 廃 棄 物 対 策 部 会 グ リ ー ン調 達 推 進 部 会 専門部会 東根新電元 岡部新電元 新電元スリーイー 新電元ロジステック 新電元メカトロニクス 環境委員会 CSR委員会 Lumphun Shindengen (ランプーン新電元) Shindengen Philippines (新電元フィリピン) 内部監査員チーム 環境管理責任者会議 代表取締役社長 Shindengen Indonesia (新電元インドネシア) 広州新電元電器 (広州新電元) Shindengen(Thailand) (新電元タイランド) - 16 - 環境マネジメント 環境目的目標 2012年度 環境目的目標と結果 目 的 1.省エネルギーの推進 ・CO2総排出量の削減 2.グリーン調達の推進 ・新電元工業製品のグリーン調達推進 (適切な製品含有化学物質の情報管 理)による環境保護活動への貢献 3.廃棄物の削減・リサイクルの推進 ・ゼロエミッションの維持 ・排出物*3に関するリスク低減 目 標 ① 予想CO2 排出量39,178tに対して、556t削減す る。*1 ①新グリーン調達データベースシステムによる AIS *2 データ管理を実施する。 ②環境文書・データ登録を推進する。 ③グリーン調達の推進と、環境リスクの低減を実 施する。 ④サプライヤ環境監査を実施する。 ①埋立率 1%以下を維持する。 ②リサイクル率 98%以上を維持する。 ③廃棄物委託業者の確認について、3年計画を 作成し実施する。 ① 生物多様性に関わる教育を実施する。 4.生物多様性 ・生物多様性に配慮した事業活動の推 進 結 果 ① 達成 (574t削減) ①実施 ②実施 ③実施 ④実施 ① 達成(0.1%) ② 達成(99.2%) ③実施 ①実施 *1 「2012 年度予想 CO2 排出量 39,026t に対して、321t 削減する」から見直し変更した。 *2 Article Information Sheet の略。JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨する製品含有化学物質情報 を伝達する為の基本的な情報伝達シート。 *3 事業所で発生する不要物で売却できないもの(廃棄物)と、売却できるもの(有価物)を含めた総称。 2013年度 環境目的目標 目 的 目 標 1.省エネルギーの推進 ①基準年度に対し、エネルギー原単位改善率を年平均1%改善す ・2012年度を基準とし2020年度にエネ る。 ルギー原単位改善率を7.73%改善する ②2013年度は予想エネルギー使用量27,615kℓに対し276kℓ削減 する。 2. ゼロエミッションの推進 ① 埋立率1%以下を維持する。 ② リサイクル率98%以上を維持する。 ・ゼロエミッションの維持 ③廃棄物委託業者の確認を実施する。 ・排出物に関するリスク低減 3. 化学物質管理の推進 ・製品含有化学物質及び工程使用物 質の適切な情報管理による環境保護 活動への貢献 4. 生物多様性保全の推進 ・生物多様性に配慮した事業活動の推 進 ① 工程使用物質の情報管理の方法の検討 ②紛争鉱物調査の実施と管理方法の検討 ① 生物多様性に係る教育の実施 ②事業活動における生物多様性保全の検討 * 目的目標は、新電元グループ国内を対象に設定しています。 - 17 - 環境マネジメント 環境会計 新電元グループでは、環境経営をより効果的に推進するために環境会計を導入し、環境保全コストとそれに伴う 経済効果(金額)や物量効果を定量的に把握し、公表しています。 環境会計算出方法に当たっては、環境省環境会計ガイドラインを参考にして独自の算出基準を制定し、それに 則り実施しています。 【環境保全コスト】 (単位:百万円) 2011年度 2012年度 分類 主な内容 投資額 費用額 投資額 費用額 238 1.事業エリア内コスト 41 227 77 10 115 公害防止コスト 14 122 水質汚濁防止や大気汚染防止に関わる費用 内 1 18 1 58 省エネルギー関連設備の導入費 訳 地球環境保全コスト 121 資源循環コスト 9 105 9 リサイクル化処理費、廃棄物処理費 2.上・下流コスト 10 0 5 0 グリーン調達に関わる費用、分析装置購入費 3.管理活動コスト 198 0 290 0 環境教育費、認証取得費用、内部監査費 4.研究開発コスト 太陽光発電用パワーコンディショナ、バイパスダイ 125 オード、アイドリング機能搭載ECU、EV用充電器等 0 53 0 の開発 5.社会活動コスト 4 0 4 0 地域の美化活動参加 6.環境損傷コスト 103 2 17 0 土壌・地下水汚染への取り組み 678 合 計 44 595 77 *公表した数値には一部推計値を含んでいます。 *2011 年度公表より、キャッシュフローをベースとし、減価償却費を除いた金額としました。 *端数処理上、合計値が合わない場合があります。 【環境保全効果】 (1)環境保全対策に伴う経済効果 項 目 収益 有価物の売却により得られた利益 削 省エネルギー等による費用削減効果(電力量、重油等) 減 効 省資源又はリサイクルに伴う廃棄物処理費の削減 果 その他環境改善による費用削減 合 計 (2)環境保全効果(物量効果) 項 目 二酸化炭素排出量(t‐CO2):新電元グループ国内 電力使用量(百万kWh) 重油使用量(kℓ ) 都市ガス使用量(千Nm3) 上水使用量(千m3) 廃棄物量(t) リサイクル量(t) 2011年度 332 95 3 1 431 2011 年度 38,784 90 3,111 60 579 198 3,739 (単位:百万円) 2012年度 285 131 2 1 419 2012年度 39,761 91 3,006 65 544 276 4,039 *電力のCO2排出量換算係数について:東京電力及び東北電力の2010年度の係数を使用しています。 東京電力(0.000374t‐CO2/kWh)、東北電力(0.000326t‐CO2/kWh) (3)製品の省エネ効果等 新電元グループが2012年度開発・生産した主な省エネルギー製品を使用時の電力量削減及び二酸化炭素排 出量の削減として表わしてみました。 項 目 使用電力量の削減量 二酸化炭素排出量の削減 半導体デバイス、電源等の省エネルギー製品 110百万kWh 51千t‐CO2 *使用電力量の削減量=(「旧製品の年間消費電力」-「2012年度省エネ製品の年間消費電力」)×生産台数 - 18 - 環境マネジメント 法令順守、環境監査 【環境に関する法令等の順守状況】 【改正水質汚濁防止法への対応】 新電元グループ国内では、適用される法令や条 例、公害防止協定などを特定する手順を定め、制 定および改定される法令等に対応を図っています。 業界における取り決め事項については、新電元工 業が中心となって情報を収集し、新電元グループ 内で情報の共有化を図り対応しています。 法令等、業界の取り決め事項や地域との協定事 項の順守状況は、少なくとも年1回の内部監査で確 認を行っています。 2012年度の順法監査において、順守状況に問題 が無いことを確認しています。 東根新電元では、2012年12月13日、改正水質 汚濁防止法に関する山形県村山総合支庁の立入 調査が行われました。 今回の改正では既存設備の「有害物質貯蔵施 設」・「地下埋設配管」等の構造基準に関する判断 に難しい面がありましたが、県の担当者の方と直接 に確認することにより、適切な判断をする事ができま した。 併せて管理手順書やチックシートを一覧にまとめ た「管理要領」についても担当者の方とのディスカッ ションを通じて適切なものを作成する事が出来まし た。 今後は、これらに基づき汚染の未然防止に努め てまいります。 【環境内部監査状況】 新電元グループ国内では、グループ環境内部監 査計画に基づき年1回以上のシステム監査を実施 しています。監査では、各社の環境ISO事務局が中 心になり、グループの環境マネジメントマニュアルと 各社の標準の整合性及びPDCAが適切に廻ってい ることの確認等を行っています。 また、内部監査のレベル向上と平準化を目的とし て、各社の内部監査員は自社以外の内部監査に 参画する仕組みを構築しています。2012度の内部 監査では、グループ会社の監査員11名が相互に監 査に参画しました。 新電元グループ海外のISO取得認証会社におい ては、各社の監査計画に基づき内部監査を実施し ています。 山形県立入検査の模様(東根新電元) 【施設管理の日常管理業務について】 東根新電元総務部では、敷地、建物、クリーンル ーム、超純水供給、生産冷却水、廃水処理、排ガ ス処理等、多くのユーティリティー設備を管理してい ます。施設事務所には、集中監視盤を設置し、あら ゆる設備を常時監視する「見える化」により的確な 管理体制を敷いています。これらの監視盤を駆使し、 省エネ運転にも活かしています。例えば、気候に合 わせて冷水温度やボイラ-運転台数等を細かく調 整することで、常に最小限のエネルギーで最大限の 効果が出せる様に運転しています。 今後も生産工場として省エネ活動を心掛けなが ら、施設設備の適切な運転管理を行ってまいりま す。 【ISO14001の更新監査】 2012 年 12 月 18 日から 12 月 21 日において、 ISO14001:2004 規格に基づく更新監査が行われ、新 電元グループの環境マネジメントシステムが包括的に 継続し有効であることを確認しました。 更新監査の様子(新電元工業) 東根新電元 総務部 斉藤 俊弘 - 19 - 環境マネジメント 環境リスク管理 新電元グループでは、環境方針に掲げた「製造工程において使用する化学物質及び製品含有化学物質 の管理を徹底する。」に沿って、化学物質の管理に取り組んでいます。 製品含有化学物質の管理においては、欧州連合のELV指令・RoHS指令等への対応に取り組み、また新し い化学物質管理の規則であるREACH規則への対応も開始しています。 【PRTR 対 象 物 質 】 (単位:t) 消費量 廃棄物 下水道 埋立処分 土壌 リサイクル量 移動量 除去処理量 排出量 公共用水 12 大気 年度取扱量 CAS 番号 年度取扱量 政令番号 物質の名称 11 アンチモン及びその化合物 31 ― 15.3 15.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 5.9 10.0 0.0 0.0 エチルベンゼン 53 100‐41‐4 7.3 5.9 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 1.3 0.0 0.0 3.2 エチレンジアミン 59 107‐15‐3 1.0 1.1 0.1 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9 キシレン 80 1330‐20‐7 45.1 43.1 3.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 39.4 クメン 83 98‐82‐8 0.9 1.2 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 テトラヒドロメチル無水フタル酸 265 11070‐44‐3 12.0 13.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.3 11.7 0.0 0.0 1,2,4-トリメチルベンゼン 296 95‐63‐6 23.4 25.8 0.8 0.0 0.0 0.0 0.0 24.2 0.0 0.0 0.7 1,3,5-トリメチルベンゼン 297 108‐67‐8 5.8 6.9 0.4 0.0 0.0 0.0 0.0 5.0 0.0 0.0 1.5 鉛 304 7439‐92‐1 20.4 24.6 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 24.3 0.0 0.2 ヒドラジン 333 302‐01‐2 1.8 1.9 0.1 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.6 ピロカテコール 343 120‐80‐9 2.5 1.6 0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 1.4 0.0 0.0 0.0 フェノール 349 108‐95‐2 2.9 3.1 0.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.3 フッ化水素及びその水溶性塩 374 ― 70.0 52.9 1.3 1.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 23.0 1‐ブロモプロバン 384 106‐94‐5 15.3 17.0 9.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 7.4 メチルナフタレン 438 1321‐94‐4 40.4 41.7 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 41.2 0.0 0.0 リン酸トリトル 460 1330‐78‐5 1.0 1.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 0.9 0.0 0.0 265.1 256.9 19.1 2.3 0.0 0.0 0.0 88.1 0.0 80.2 合 計 27.0 67.2 *新電元グループ国内において 2011 年度又は 2012 年度の年間の取扱量が 1t 以上の物質を掲載しています。 *取扱量は小数点以下第 2 位を四捨五入しています。取扱量と排出量及び移動量等の合計値が等しくない場合があります。 【土壌・地下水汚染の取り組み】 新電元グループでは、半導体製造の洗浄工程において、トリクロロエチレンを使用していました。 過去にトリクロロエチレンを使用した実績のある事業所を対象に、1997年度より逐次土壌・地下水汚染の実態調査を 実施しています。 2012年2月に新電元スリーイーの事業所の浄化が完了しましたが、現在は新電元工業飯能工場など5事業所で浄化 対策を実施しています。その進捗状況については、定期的に行政機関へ報告しています。 - 20 - - 21 - 環境パフォーマンス 省エネルギーと地球温暖化防止 新電元グループ国内では、電機電子4団体の自主行動計画に基づき、省エネ活動に取り組んでいます。 「2012年度予想CO2排出量39,178tに対して、556t削減する。」を目標に掲げ取り組み、結果は574t‐CO2の削 減となり目標を達成することができました。 【次世代スマートグリッド社会への貢献】 ■新電元グループの電力消費量の推移 新電元工業は、次世代スマートグリッド社会の実 現に向けて、EV(電気自動車)用・PHV(プラグイン ハイブリッド車)用向け車載充電器および、それらの インフラとなる普通・急速充電器等の製品を市場に 供給し、持続可能な社会創りに貢献しています。 (百万kWh) 180 150 120 90 60 30 0 03 04 05 06 07 08 09 新電元グループ国内 10 11 12 (年度) 新電元グループ海外 *2011 年度について、各電力会社の計画停電等による減少を含ん でいます。 *2012 年度について、A 重油使用チラーから電気式チラーに切り替 えたことによる増加を含んでいます。(岡部新電元) ■新電元グループ重油使用量の推移 当社の急速充電器(左)と普通充電器(右) (kℓ) 7,000 6,000 【電気自動車を導入】 5,000 4,000 新電元工業飯能工場では、省エネ活動の一環と して電気自動車、ハイブリッド車等の環境対応車を 積極的に導入して、出張時等の移動に関わる温室 効果ガス削減にも取り組んでいます。 2012 年 10 月、日本最高の電費性能を誇る電気 自動車 FIT EV を企業向けリース販売第 1 号として 導入しました。 3,000 2,000 1,000 0 03 04 05 06 07 新電元グループ国内 08 09 10 11 12 (年度) 新電元グループ海外 ■新電元グループ国内 CO2 排出量の推移 (千t‐CO2) 70 60 50 40 30 20 10 0 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度) *CO2 排出係数は各電力会社の最新を見直して、新電元グループ 国内のみ対象に CO2 排出量を算出しました。 *2012 年度は、各電力会社の CO2 排出係数増加に起因する増加 を含んでいます。 本田技研工業株式会社製 電気自動車 FIT EV - 22 - 環境パフォーマンス ゼロエミッションの推進 新電元グループ国内では、ゼロエミッション(総排出量に対して埋立率を1%以下とする)の維持に取り組ん でいます。 2012年度の埋立率は、0.1%と達成しました。 2013年度以降も、引き続きゼロエミッションの維持を目的・目標に掲げ、総排出量の削減に努めていきま す。 【新電元グループの排出量の実績】 【物流における省資源化の推進】 新電元グループの廃棄物量とリサイクル量の推移 を下図に示します。 2012 年度の結果 国内 海外 全体 20 256 276 廃棄物量(t) 2,390 1,649 4,039 リサイクル量(t) 99.2 84.5 93.2 リサイクル率(%) ■新電元グループのリサイクル量と廃棄物量の推移 新電元ロジステックは、SOLGRID® SERIES の梱包を 含めた物流を担当しています。 「お客様に安心と満足を!」をスローガンに、お客 様との事前確認により、荷受からお引渡しまで、きめ 細やかなサービスで配送・納品を行っています。 梱包材については、再利用可能な設計で、リユー ス化を推進しています。 SOLGRID® SERIES は、省資源等の環境保全に配 慮した物流サービスで、お客様にお届けしていま す。 【担当者の一言】 当社の事業活動で発生する主な排出物は部品 材料の入庫時に生じるダンボールです。 物流部門においても、リユース化の推進や木製 パレットのゼロ化を目標に掲げ省資源活動を推進し ています。 また、高効率輸送(積み合わせ輸送)を推進する ことによる、CO2 削減にも取り組んでいます。これには、 「構成表・発注書管理システム」が活用されており、 営業・生産工場・当社間における情報の共有化が 図られています。 今後も、物流部門における環境保全活動に取り 組んでいきます。 (t) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 03 04 05 06 07 リサイクル量 08 09 10 11 12 (年度) 廃棄物量 ■新電元グループ国内リサイクル量と有価物量の 推移 (t) 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度) リサイクル量 有価物量 新電元ロジステック 販売物流部 浅川聡、吉田育弘、野中俊宏 伊勢美佐子、大倉光世 - 23 - 環境パフォーマンス グリーン調達の取り組み REACH規則の施行が2007年にEUで始まり、グリーン調達の取り組みは大きく変化しています。これまで の「有害物質を使用しない」という考え方から、「製品が含有する化学物質の情報を適切に把握し管理 する」ことが求められるようになっています。これを実現するためにはサプライチェーンを通じて互いに情 報を共有し、協力し合う体制が必要であると、新電元グループは考えています。 【グリーン調達推進部会】 【主な取り組み】 グリーン調達推進部会は、新電元グループのグリ 2011 年に RoHS 指令の全面見直しが実施され、 ーン調達推進を目的とする組織です。各社の担当 また REACH 規則では認可対象候補物質(SVHC)が 者が定期的に集まり、最新の法規制情報の周知・ 半年ごとに追加されるなど、製品含有化学物質の 共有、製品含有化学物質情報の管理における問題 規制はますます厳しくなっています。これに対応す 点の解決等に取り組んでいます。最近では、化学物 るため、新電元グループでは、膨大な含有化学物 質の規制が強化される一方で、短期間での製品含 質情報の管理だけでなく、最新の法規制を正しく理 有化学物質調査が求められる時代になりました。新 解するための社内教育にも力を入れています。 電元グループでは、サプライチェーンを通じて互いに 以下に主な活動を記載します。 情報を共有し、協力し合う体制が重要であると考え、 お取引先の皆様のご協力を得ながら活動を進めて (1) 当社が独自に開発したグリーン調達データベ います。 ースシステムおよび JAMP AIS を活用した製品 含有化学物質の情報管理の推進 【JAMP AISへの対応】 (2) お取引先の皆様へ環境対応体制調査及び 新電元グループは、JAMP(アーティクルマネジメ 環境品質監査の実施 ント推進協議会)が提案する AIS への対応を積極的 (3) お取引先の皆様と当社グリーン調達活動との に推進し、AIS での情報伝達に対応しています。 協力体制構築のための個別の支援の実施 (最新の AIS(ver.4.1)は、2013 年 7 月に公開) (4) 改正 RoHS 指令を始めとする最新法規制に関 新電元工業は、JAMP が推進する「産業界全体に する社内教育の実施 おける化学物質のリスク管理」という考え方に賛同し、 (5) 当社グリーン調達基準書の公開 会員企業として参画しています。 部材調達のグローバル化が進み、部品や材料を 【社内教育の実施】 海外で調達することは当たり前の世界になりました。 RoHS 指令の全面見直しに伴い、新電元グループ 今後も国内だけでなく海外のお取引先の皆様ととも では実務担当者を中心に社内教育を実施しました。 に、私たちの製品を安心して使用していただけるよう、 今後もグリーン調達を推進するため、最新情報の入 これまで以上にグリーン調達のグローバル化にも積 手や対応、社内教育を積極的に進めていきます。 極的に取り組んでいきます。 菜の花 - 24 - 環境パフォーマンス 環境教育 【階層別教育】 新電元グループでは、従業員それぞれの立場に 合わせ、一般環境教育、階層別教育、専門教育等 を行っています。また、環境マネジメントシステムを 適切に運用するために、環境内部監査員教育も実 施しています。 新電元グループでは、新任部課長等に対し、管 理者として環境保全活動にどのように取り組んでいく かを自覚するための階層別教育を行っています。 新電元工業では、『新電元の環境保全活動の概 要』、『生物多様性への取り組み』および『海外法規 制と新電元の対応』をテーマに教育を実施しました。 その後のグループ討議においては、環境側面と環 境影響の洗い出しから、環境方針に展開する演習 に取り組み、発表を行い理解を深めています。 【新入社員研修】 新電元工業では、新入社員研修の一環として環 境ポスター製作のプログラムを組み入れています。 新電元グループの省エネ、廃棄物削減、化学物 質管理、生物多様性等の環境に関する取り組みに ついて講義を受けたあとポスター製作を行います。 新入社員が「環境問題解決のために何をしなけれ ばならないか」について真剣に議論を重ね、ユニー クな環境ポスターが製作されています。 製作した環境ポスターは、環境月間に新電元工 業飯能工場内に掲示される他、各社でも環境意識 啓発のために掲示しています。 生物多様性に関する教育(写真:上) 海外法規制に関する教育(写真:下) 【環境標語】 新電元グループ国内では、毎年6月の環境月間 に合わせて環境標語 を募集しています。 選考の結果選ばれ た最優秀作品は、ポ スターとして掲示し、 環境保全活動に活用 しています。 2012年度は各社か ら多数の環境標語が 集まり、右の作品が最 優秀作品に選ばれま 2012 年度環境標語 最優秀作品 した。 ポスター製作の様子(写真:上/中) 最優秀作品(写真:下) 秋田新電元 鈴木 直樹 - 25 - 環境パフォーマンス 【環境内部監査員教育】 新電元グループ国内では、各社の環境事務局が共同で、環境内部監査員の養成教育および環境内部監査員 に対するスキルアップ教育を実施しています。環境内部監査員の養成教育では、最新の国内外の環境法規制情 報やケーススタディに基づく監査の演習等を実施します。修了すると、環境内部監査員として認定されます。 環境内部監査員教育 (新電元工業) 環境内部監査員教育 (新電元工業) 【生物多様性に関する教育】 新電元グループ国内では、2011 年度から生物多様性も考慮した活動を進めていくことを環境方針に掲げました。 2 年目の取り組みとなる 2012 年度は、新電元工業環境管理部が生物多様性の概要および生物多様性と事業活 動との関わりに関する教育用 DVD を作成し、国内事業所を中心に教育を実施しました。 2013 年度以降も、生物多様性に関する教育を継続的に実施していきます。 教育用に社内製作した DVD 事業所緑地帯(岡部新電元) 【緊急事態への準備及び対応訓練】 新電元グループでは、事故・災害などの緊急事態に速やかに対応することおよび環境リスクを低減するために、 計画的に緊急事態への準備及び対応訓練を実施しています。 空気呼吸器訓練 (秋田新電元) 災害対策本部設置訓練 (東根新電元) - 26 - 起震車体験訓練 (新電元スリーイー) 環境パフォーマンス 海外サイトの取り組み 【ランプーン新電元での取り組み】 【新電元インドネシアでの取り組み】 ランプーン新電元では、2012 年 7 月 19 日から 24 日に毎年恒例の安全・環境週間を開催し、様々な 安全活動や環境活動に取り組みました。 新電元インドネシアでは、安全パトロールや避難訓 練を実施しています。2012 年は、火災発生による重 傷者の発生等を想定した訓練を実施しました。 職場で出来る運動の取り組み 廃棄物分別ゲームの風景 避難訓練の様子 【新電元フィリピンでの取り組み】 【広州新電元での取り組み】 新電元フィリピンでは FUN RUN を開催し、社員、 家族、友人およびサプライヤが多数参加しました。 走る距離に応じて集まった寄付金は、近隣の小学 校と相談し必要なものを寄贈しています。 関連記事・33 ページ 広州新電元では、2012 年 5 月に新電元工業飯 能工場で開催された第 2 回 SQIP&環境改善発表 会に参加し改善活動について発表しました。 また 8 月には、新入社員を対象とした消火安全 教育を実施しました。 発表の様子 盛大に開催された FUN RUN の様子 消火安全教育の様子 - 27 - 環境パフォーマンス 各サイトの取り組み(ハイライト) 新電元工業 電子デバイス事業本部 生産統括部 堀口 江未子 諸口 真弓 秋田新電元 チップ製造部 田代 俊司 東根新電元 総務部 鈴木 伸 岡部新電元 総務部 吉田 憲一郎 新電元スリーイー 生産部 濱中 徳一 秋田新電元では、安全で安心して働ける環境を維持するため、危険物取扱者に よる工場巡視を毎月実施しています。巡視内容は薬品漏洩の危険性、薬品貯蔵量 と状態、オイルフェンス・吸着材の常備数、消火機材の確認等で、これらは環境負荷 に直結する問題の確認とも言えます。全従業員に教育・訓練されているとはいえ、危 険事項は出てきます。その都度責任者を決め完結までフォローしています。今年度も 当活動を通し、環境保護と危険性に対する感度向上を図ってまいります。 東根新電元では、2012 年度方針重点活動項目の中でリサイクル率向上を掲げ、 廃棄物の調査と分別回収の徹底を目標として活動を展開しました。老朽化設備更新 もあり、設備類が 5 台廃棄されました。その中でプラスチックや金属など、有価物とし てリサイクルできるものを分解・分別して排出することで廃棄処理費用の削減ができ ました。今後も、環境活動を積極的に進めていきます。 岡部新電元では、2008 年度から重油使用の完全撤廃を目標に掲げ 3 か年計画で 活動を展開しました。しかし、景気の低迷、震災、海外工場の被災の影響によるバッ クアップ支援等もあり、2012 年度にクリンルームへの熱源を重油焚きから電気式チラ ーに変更したことで、2 年の遅れとなりましたが、重油使用がゼロとなり目標を達成しま した。 また、場外・場内の清掃を毎月定期的に実施しており、飛散しているゴミや一般道 の景観改善等の活動を行っています。 新電元スリーイーでは、パワーコンディショナー主力工場として、お客様のご要求に お応えするべく増産対応に追われています。それを受けて、電気部品、機械部品も 大量に入荷されていることから、梱包材等の廃棄物も増加しています。当社では環境 活動の一環として、通い箱化を推進することで、廃棄物の削減に取り組んでいます。 新電元メカトロニクス 営業部 菊川 拓磨 電子デバイス生産統括部では、海外事業所で生産された製品の輸入に際して、リ ターナブルパレット(通い容器)の使用を推進しています。リターナブルパレットは、木 製パレットに比べ耐久性がありリユース回数が増えることで、廃棄物削減となり環境貢 献にも繫がっています。 また、海外事業所の生産歩留まり向上や棚卸回転率の向上等の効率良い生産を 支援することを通して、エネルギー使用量の削減、資源の有効利用等による生態系 の保全にも取り組んでいます。 新電元メカトロニクスでは、製造委託先の武蔵工業と合同で「マナー向上委員会」 を作り、職場の「5S」に取り組んでいます。2012 年度は、トイレ・洗面所でのマナー向上 を目標に掲げ、ポスターの掲示、ペーパーホルダーの増設、ハンカチ、タオル所持の チェックなどを実施した結果、「ドアノブがぬれている」「洗い場に水の飛び散りがある」 等の苦情が減り一定の改善が見られました。 - 28 - 環境パフォーマンス 新電元ロジステック 千葉流通センター 環境管理責任者 蔵本 浩志 ランプーン新電元 環境管理責任者 Pairat Sinlaphajaraen 新電元フィリピン 環境管理責任者 Jerry Sia 広州新電元 人事総務部 課長 楊明 (Yang Ming) ランプーン新電元では、電力消費量の削減、廃棄物の削減および有価売却化に 取り組んでいます。2012 年は、空気圧縮機や空調機の昼夜の稼働を調整することで 電力消費量を削減することができました。廃棄物に関しても銅線のリサイクル(有価 売却化)を実現することができました。これらの活動により、コストダウンにもつながって います。リサイクル率に関しても、99%を維持しています。 新電元フィリピンでは、電力消費量の削減に取り組んでいます。2012 年は、空調シ ステムのチラーおよびコンデンサの交換により、電力消費量を約 20%削減することが できました。また、水のリサイクル率 27%を目標に掲げ取り組んだ結果、リサイクル率 29%を達成しています。 化学物質の抑制と管理に関しても目標に掲げて活動を展開しており、使用量の削 減及び適正管理に努めています。 新電元インドネシア 総務部 部長 マルスディ・B・ウトモ 新電元ロジステック千葉流通センターでは、環境マネジメントマニュアルを基本に目 標を掲げ、改善活動を行っています。今年も引き続き節電が重要と考え、まずは熱 中症等を防ぐため、温湿度を管理しつつエアコンを稼働させています。工場の窓に熱 対策フィルムを貼る等の対策も実施済みです。無駄な電灯の消灯活動は全従業員 で行っています。また、社会貢献活動として毎年恒例のクリーンキャンペーン IN 南房 総(海岸清掃)に参加しています。 新電元インドネシアでは、BCP の推進をはじめ、リスクを軽減するために、毎年職場 の安全や環境健全に関する活動を実施しています。2012 年は、消火訓練、避難訓 練(火災による避難訓練)、交通安全指導会及びセーフティ・ドライブ指導会を実施し ています。この様な活動によって、当社は従業員と事業活動の健全性を守っていき ます。 広州新電元では、2012 年 6 月に新電元グループ災害防止水平展開を受けて、 「通路に不要なものはないか?」「天井、壁、カーテン類に可燃の恐れはないか?」 「棚などの耐震固定はしてあるか?」等の現場確認を実施しました。新電元工業の担 当者からは、「配線の繋ぎ方」「配線の保護」「不要な配線」や「スイッチ感電対策」等 について指摘を受け、改善に努めています。 春を待つ風景 - 29 - 社員とともに 安全衛生、社員の健康づくり 新電元工業では、安全配慮義務教育をはじめ、漏 電事故の防止や電気配線ミスによる感電事故の防 止を目的とした低圧電気取扱特別教育を実施してい ます。あらためて基礎から教育を実施することで、事 故の未然防止に努めています。 新電元グループでは、すべての従業員が健康で安 全に安心して働けるために、様々な取り組みを実施し ています。 【安全衛生推進の体制】 新電元工業では、会社経営層を含む委員で構成 する「中央安全衛生委員会」の設置をはじめ、各職 場、階層ごとに組織化した安全衛生推進の体制を整 え、働くものすべてが快適に業務に取り組めるよう積 極的に活動しています。 中央安全衛生委員会では、新電元工業飯能工場 の従業員を中心に安全標語を募集し、最優秀作品 を安全衛生スローガンに掲げて啓発活動をしていま す。 また新電元グループ国内ではメンタルヘルス教育 も実施しており、近年社会問題としても大きく取り上げ られているメンタルヘルス対応に積極的に取り組んで います。各社で実施したすべての安全衛生教育につ いては、安全衛生協議会で報告し、情報の共有にも 努めています。 平成25度 スローガン 『ひとりひとりが責任者 皆で無くそう 職場の災害』 新電元グループ国内では、安全衛生協議会を通 じて安全衛生に関する情報交換や職場巡視等の活 動を展開しています。また、国内・海外グループ各社 を含めた安全巡視を実施し、事故防止に努めていま す。 【インフルエンザ予防接種の取り組み】 新電元工業では、健康管理や体力づくりを目的に さまざまな活動に取り組みました。 飯能工場では 2012 年 11 月 7 日、531 名の従業 員が診療所にてインフルエンザ予防接種を受けまし た。2013 年度は、BCP の観点からも接種日を複数日 確保することで接種者の増加を目指します。 その他の取り組み 取り組み 実施内容 特殊健康診断 2012 年 12 月 14 日 対象:有機・特化・鉛 メンタルヘルス講習会 2013 年 1 月 11 日 対象:勤続 10 年未満 トリム運動 2012 年 8 月から 2013 年2月 参加者:78 名 婦人科検診 2013 年 2 月 25 日から 27 日 受診者:13 名 アスベスト検診 2013 年 2 月 28 日 受診者:28 名(退職者 含) 【安全衛生教育の実施】 新電元グループでは、安全衛生に関する教育プロ グラムを充実させ、それぞれの職場で必要な安全衛 生教育を実施しています。 秋田新電元、東根新電元、新電元スリーイーでは 外部講師の方を招いて普通救命講習会を開催し、 救命方法について学ぶとともに、AEDの取り扱い方法 についても講習を受けました。万が一の緊急事態に 役立てるよう今後も継続していく計画です。 新電元工業飯能工場では、2013年4月1日現在 AEDを場内6ヶ所に設置し、取り扱い方法についても 定期的に講習会等を開催しています。 低圧電気取扱特別教育の様子 (新電元工業) AED 取扱い講習会の様子(東根新電元(写真左)) AED 設置の様子(新電元工業飯能工場(写真右)) - 30 - 社員とともに 【交通事故の防止】 【災害発生状況】 新電元グループでは、交通事故の防止に向け、さ まざまなイベントや訓練を実施しています。 東根新電元では所轄の村山警察署が飲酒運転撲 滅を目標に呼びかけた交通検問出発式及び交通検 問に参加し従業員の交通安全意識の高揚にと勤め ました。また、新入社員に対して冬季の安全運転を 習得させるために、地元の自動車学校主催の「冬のド ライバーズクリニック」に参加しました。 新電元スリーイーでは、所轄の飯能警察署主催の 交通事故防止コンクールに参加しました。90 名の従 業員が無違反を宣言し参加しましたが、違反者が 4 名という結果でした。また、新電元工業飯能工場、新 電元スリーイーでは毎年、飯能警察署交通課を招き、 交通安全に関する講話をいただいています。 秋田新電元においても、新規採用者、違反者等を 対象に由利本荘警察署員を招き、交通安全に関す る講話をいただきました。 新電元グループ国内における業務上災害発生件 数は、リスクアセスメント等の取り組みにより2009年度 以降、確実に減少しています。 下記に、新電元グループ国内の災害発生状況を 示します。 ■新電元グループ国内業務上災害発生件数の推移 (発生件数) 25 20 15 10 5 0 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度) 業務上災害 休業 業務上災害 不休業 ■新電元グループ国内通勤時災害発生の推移 (発生件数) 25 20 交通安全講話の様子(新電元スリーイー) 15 10 5 0 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度) 通勤災害 休業 通勤災害 不休業 交通安全講話の様子(秋田新電元) 【リスクアセスアセスメントの取り組み】 新電元グループ国内では、安全衛生の面から職 場の危険源を洗い出し、リスク低減に取り組むリスク アセスメントを実施しています。 新電元工業ではリスクアセスメントの実施を標準化 しており、全社で危険源の撲滅に向けた取り組みを実 施しています。中央安全衛生委員会が掲げたスロー ガン(前ページ参照)にもあるように、リスクの低減では 「基本を見直す」姿勢が重要と考えています。全社員 が一丸となり、危険源の抽出に努めた結果、近年社 内の怪我や事故は減少傾向にあります。 - 31 - 地域社会とともに 社会貢献活動 新電元グループでは、地域社会との共存共栄をめざし、健全で心豊かな社会に向けて、「企業市民としての社会貢 献活動」に取り組んでいます。 【第 2 回「震災復興元気市」への参加】 【秋田地域の企業の牽引役として活躍】 2013 年 3 月 10 日、埼玉県飯能市中央公園等で 第 2 回「震災復興元気市」が開催されました。 本イベントは、震災から 2 年を迎えるにあたり、飯能 市民として 3 月 11 日を風化させることなく心にとどめ、 震災を忘れず、被災地を応援し、支援することを目 的として被災地の特産品や開催地近郊のグルメを紹 介することを通じて復興への思いを共有するもので す。 当社は飯能商工会議所からの要請を受けて参加・ 協力しました。 今後も、支援の輪の広がりに協力してまいります。 1.普通・急速充電器および電気自動車(EV)の展示 当社が研究開発、生産、販売している普通・急速 充電器および電気自動車を展示し、当社の環境への 取り組み姿勢を地域の皆さまに知って頂くよい機会と なりました。 秋田新電元は、地域経済や地域雇用の活性化に 努めています。特に事業活動における安全衛生活動 は充実しており、2012 年度は、高圧ガス保安協会より 「優良製造所」として表彰していただきました。また、 従業員の通勤時の事故防止への取り組み等が評価 されて、秋田県自動車安全運転センターより「銅賞」 を授与していただきました。 高圧ガス保安協会 東北支部協賛会 会長 山口美紀生 様 (写真:右) 秋田新電元 環境管理責任者 堀内 惣(写真:左) 秋田新電元では、各種部活動や労働組合主催の催 し物も盛んです。 男子ソフトボール部は、2010年から3年連続で実業 団東北大会を優勝しています。その成績が評価され 「功績賞」をいただきました。 2012年7月12日には、恒例の「第12回秋田新電元サ マーカーニバル」が開催され、従業員とその家族が絆 を深めることができた時間となりました。 2.南三陸町支援(宮城県) 「たこの頭のから揚げ」 の販売に協力 当社は、復興支援市の中で、宮城県南三陸特産 の「たこの頭のから揚げ」の販売に協力しました。 「たこの頭のから揚げ」は、ビールのおつまみにピッ タリと好評を得ていました。 「サマーカーニバル」の様子 - 32 - 地域社会とともに 【秋田新電元のエコキャップ運動】 【タイ:地域コミュニティへの参画】 秋田新電元では、環境保護活動および社会貢献 活動の一環として、社内で販売される飲料水につい て、使用済みペットボトルのキャップと空ボトルに分別 する仕組みを「エコキャップ運動」と称して従業員に 展開してきました。 ポリオワクチンの提供を通した途上国支援の輪も広 がり分別の意識、習慣付けに成功、現在も分別率 100%を維持しています。 今後も活動を積極的に進めて行きます。 タイ王国チェンマイ県に設立するランプーン新電元 は、タイ工業団地公社(IEAT)内の企業と協同しCSR活 動を積極的に実施しています。 2012年は、ライフサイクルアセスメントやカーボン フットプリントに関する研修会および植林事業等に参 加しました。 植林事業の様子(ランプーン新電元) 【フィリピン:CSR活動】 新電元フィリピンではFUN RUNの開催で集まった 寄付金を利用し、2012年度は、学習用具やパソコン、 分別用のゴミ箱等を寄贈しています。 秋田新電元 総務部 宮崎 夏希 【地元自治体と近隣企業との協力】 東根新電元では、2005年より東根市が地域の特 性にあった地球温暖化防止等の啓発活動の一環とし て実施している「環境週間ひがしね」に、近隣企業で 構成されている大森工業団地連絡協議会環境部会 の会員として各種イベントに協力しています。2012年 度は、「大森だんじろうの環境実験室」の中で、「はず むシャボン玉作り」を企画運営しました。 寄贈式の様子 Shindengen Philippines Corp. 社 長 (当時) 大野 昌美 (写真: 中央左) 学習用具を寄贈する様子 シャボン玉作りの様子(東根新電元) また、社内で回収したペットボトルキャップ総重量 43.4kg(18,662個)、ポリオワクチン23人相当分を2012 年11月25日に大森工業団地連絡協議会環境部会 経由で東根市に委託しました。 分別用のごみ箱を寄贈する様子 【寄付・協賛】 新電元工業飯能工場では2012年度、埼玉の優れ た自然や貴重な歴史的環境を次の世代に残していく ために保全活動を推進している「さいたま緑のトラスト 運動」に賛同し、森林の保全・活用等の生物多様性 の保全にも活用される「さいたま緑のトラスト基金」に 寄付・協賛を行いました。 回収されたペットボトルキャップ(東根新電元) - 33 - <2013年 環境報告書の発行にあたって> 新電元グループ国内外各社の環境保全活動の取り組み状況をまとめ、2013年環境報告 書としてお届け致します。 本報告書は、新電元グループの環境保全活動の基本方針や活動内容をステークホルダ ーの皆様に広く理解していただき、社内外とのコミュニケーションをはかること、および従業員 の意識向上のためのツールとしての活用を目的としています。 本年度の報告書では、各サイトにおける環境保全活動の報告を充実させるとともに、各担 当者の横顔と取り組みを皆様にお伝えできるように編集しました。 CSR関連の報告では本年度も新電元グループにおける社会貢献活動、および労働安全の 活動について掲載しています。 これからも、生物多様性の保全を考慮しながら低炭素社会および循環型社会の実現に貢 献し、信頼され愛される企業でありたいと願い活動を続けていきたいと考えています。 この報告書を手にしていただく皆様から、本報告書へのご意見、ご感想をお寄せいただけ れば幸いに存じます。 2013年10月 新電元グループ環境委員長 小笠原 政教 新電元グループ環境報告書作成メンバー 小 池 重 彦 猪 原 幹 雄 加 藤 則 子 今 田 裕 美 - 34 - 表紙の写真 「猫の休日」 撮影:関根 敏博(新電元工業) 【お問合せ】 本報告書記載の当社製品に関するお問合せは、 各事業部営業窓口までお願いいたします。 詳しくは、当社ホームページをご覧下さい。 http://www.shindengen.co.jp/ または 新電元 で検索 撮影:関根 敏博(新電元工業) 本 社 : 〒100‐0004 東京都千代田区大手町二丁目2番1号(新大手町ビル) 発 発 TEL:03‐3279‐4431 FAX:03‐3279‐6478 行 : 〒357‐8585 埼玉県飯能市南町10番13号 行 新電元工業株式会社飯能工場 環境管理部 TEL:042‐971‐1118 FAX:042‐971‐1102 E‐mail:[email protected] 日 : 2013年10月 次回発行予定 : 2014年6月 本報告書は新電元工業ホームページでもご覧いただくことができます。 URL: http://www.shindengen.co.jp または 新電元 で検索