日本語版

シングル/クアッド、+18V
オペアンプ
AD8614/AD8644
特長
ピン配置
ユニティ・ゲイン帯域幅:5.5MHz
低電圧オフセット:1.0mV
5ピンSOT-23
(末尾RT)
スルーレート:7.5V/μs
単電源動作:5∼18V
高出力電流:70mA
低電源電流:800μA/アンプ
大容量負荷でも安定
OUT A
1
V–
2
+IN
3
5 V+
AD8614
4 −IN
レール to レール入出力
アプリケーション
LCDガンマ及びVCOMドライバ
モデム
携帯計装機器
ダイレクト・アクセス構成
14ピンTSSOP
(末尾RU)
OUT A
– IN A
+ IN A
V+
+ IN B
– IN B
OUT B
1
14
7
8
OUT D
– IN D
+ IN D
V–
+ IN C
– IN C
OUT C
AD8644
概要
14ピン狭幅SO
(末尾R)
AD8614(シングル)とAD8644(クアッド)は、単電源、
5.5MHz帯域幅、レール to レールのアンプで、LCDモニター
用途に最適です。
当社独自の高電圧、高速のコンプリメンタリー・バイポー
ラ・プロセス−HV XFCBで製造されたAD8614/AD8644は、
内部の寄生容量の小さいトレンチ絶縁型のトランジスタを
用いることにより、ゲイン帯域幅、位相マージン、容量性
負荷ドライブ能力を改善しています。携帯用や高密度設計
OUT A
1
14
OUT D
–IN A
2
13
–IN D
+IN A 3
12
+IN D
V+ 4
AD8644
11
V–
+IN B 5
10
+IN C
–IN B 6
9
–IN C
8
OUT C
OUT B
7
などには、1アンプ当たり800μAという低電源電流(代表値)
が大きなメリットです。さらに、レール to レール出力スイ
ングにより、標準のビデオアンプより大きいダイナミッ
ク・レンジとコントロールが得られます。
5Vから最大18Vまでの高い電源で動作し、70mAの出力ドラ
イブ、高スルーレート、高い容量性ドライブ性能を備えた
AD8614/AD8644は、LCD用途に理想的です。
AD8614/AD8644は、−20∼+85℃の温度範囲で仕様規定さ
れ、5ピンSOT-23、14ピンのTSSOP及びSOIC表面実装パッ
ケージを、テープとリールで用意しています。
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ
の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害
に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特
許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03
(5402)8400 〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003
新大阪第二森ビル
AD8614/AD8644ー仕様
電気的特性(とくに指定のない限り、5V≦VS≦18V、VCM=VS/2、TA=25℃)
パラメータ
記号
入力特性
オフセット電圧
Vos
条件
Min
Typ
Max
単位
1.0
2.5
3
400
500
100
200
Vs
mV
mV
nA
nA
nA
nA
V
dB
V/mV
-20℃≦TA≦+85℃
入力バイアス電流
Is
80
-20℃≦TA≦+85℃
入力オフセット電流
Ios
5
-20℃≦TA≦+85℃
入力電圧範囲
同相モード除去比
電圧ゲイン
出力特性
出力電圧ハイ
出力電圧ロー
出力短絡電流
電源
PSRR
電源電流/アンプ
0
60
10
CMRR
Avo
VCM = 0V∼Vs
VOUT = 0.5V∼Vs - 0.5V、RL = 10kΩ
VOH
VOL
ISC
ILOAD = 10mA
ILOAD = 10mA
Vs - 0.15
-20℃≦TA≦+85℃
30
VS =±2.25V∼±9.25V
80
PSRR
Isy
75
150
65
0.8
110
0.8
電流ノイズ密度
SR
GBP
Φo
ts
en
en
in
CL = 200pF
dB
mA
mA
1.1
1.5
-20℃≦TA≦+85℃
ダイナミック性能
スルーレート
ゲイン帯域幅積
位相マージン
セトリング・タイム
ノイズ性能
電圧ノイズ密度
V
mV
mA
mA
150
1.1
0.01%、10Vステップ
7.5
5.5
65
3
V/μs
MHz
度
μs
f = 1kHz
f = 10kHz
f = 10kHz
12
11
1
nV/ Hz
nV/ Hz
pA/ Hz
注
Typ値はすべてVs=18Vでの値です。
仕様は、予告なく変更することがあります。
絶対最大定格*
電源電圧‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20V
入力電圧 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥GND∼Vs
保管温度範囲 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−65∼+150℃
パッケージ・タイプ
θJA1
θJC
単位
5ピンSOT-23(RT)
14ピンTSSOP(RU)
14ピンSOIC(R)
230
180
120
140
35
56
℃/W
℃/W
℃/W
動作温度範囲 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−20∼+85℃
注意
接合温度範囲 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−65∼+150℃
1.θJAは最悪条件での仕様で、表面実装用回路ボードにハンダ付けされたデバイスについての値
です。
ピン温度範囲(ハンダ付け、60秒) ‥‥‥‥‥‥‥‥300℃
オーダー・ガイド
*上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与えることがあり
ます。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セクション
に記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長期間絶対最
大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に影響を与えることがあります。
モデル
温度範囲
パッケージ
パッケージ・
オプション
AD8614ART1
AD8644ARU2
AD8644AR2
-20∼+85℃
-20∼+85℃
-20∼+85℃
5ピンSOT-23
14ピンTSSOP
14ピンSOIC
RT-5
RU-14
R-14
注意
1.3,000または10,000個リール
2.2,500個リールのみ
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、
検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル
ギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪
失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
2
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
REV.0
代表的な性能特性−AD8614/AD8644
80
8
35
30
25
20
15
+OS
10
60
0.01%
0.1%
4
0
–4
0.1%
45
40
90
5V ≦ V S ≦ 18V
RL = 1MΩ
CL = 40pF
TA = 25℃
20
0
135
180
位相シフト – 度
40
0∼±Vの出力スイング
小信号オーバーシュート – %
12
V S = 18V
RL = 2kΩ
TA = 25℃
45
ゲイン – dB
50
0.01%
–8
− OS
5
10
100
1k
– 12
10k
0
0.5
容量 – pF
図1.小信号オーバーシュート対負荷容量
6.5
5.5
電圧 - 1V/Div
4.5
25
21
3.5
2.5
1.5
17
13
9
5
0.5
1
– 0.5
–3
– 1.5
–7
– 2.5
– 11
10M
100M
時間 – 500ns/Div
400
900
300
SINK
SOURCE
TA = 25℃
V S = ±2.5V
入力バイアス電流 - nA
電源電流/アンプ – μA
100
図6.小信号過渡応答
1,000
800
1k
700
600
500
400
300
200
100
0
– 100
– 200
200
– 300
100
0.1
1
負荷電流 – mA
VS
2
図5.大信号過渡応答
5V ≦ V S ≦ 18V
TA = 25℃
10
100
図7.電源レールへの出力電圧対負荷電流
REV.0
100k
1M
周波数 – Hz
時間 - 1μs/Div
10k
0.01
10k
V S = 5V ≦ V S ≦ 18V
RL = 2kΩ
CL = 200pF
AV = 1
TA = 25℃
図4.大信号過渡応答
1
0.001
1k
図3.オープンループ・ゲインと
位相対周波数
V S = 18V
RL = 2kΩ
CL = 200pF
AV = 1
TA = 25℃
時間 - 1μs/Div
△出力電圧 – mV
3.5
29
V S = 5V
RL = 2kΩ
CL = 200pF
AV = 1
TA = 25℃
10
3.0
図2.セトリング・タイム
電圧 - 4V/Div
7.5
1.0
1.5
2.0
2.5
セトリング・タイム – μs
電圧 – 50mV/Div
0
0
0
1
2
3
4
5
6 7
電源電圧 – ±V
8
9
図8.電源電流対電源電圧
3
10
– 400
– 2.5
– 1.5
– 0.5
0.5
同相モード電圧 - V
1.5
2.5
図9.入力バイアス電流対同相モード電圧
AD8614/AD8644
400
180
300
160
V S = 18V
0.9
電源電流/アンプ – mA
140
200
120
100
アンプ数
入力バイアス電流 – nA
V S = ±9V
1.0
2.5V ≦ V S ≦ 9V
TA = 25℃
0
100
– 100
80
60
– 200
40
– 300
20
– 400
–9 –7 –5 –3 –1 0 1
3
同相モード電圧 – V
5
7
0
9
図10.入力バイアス電流対同相モード電圧
0.8
0.7
V S = 5V
0.6
– 2 – 1.5 – 1 – 0.5 0 0.5 1 1.5
入力オフセット電圧 - mV
0.5
− 35
2
図11.入力オフセット電圧分布
3
2
12
10
8
6
120
1k
10k
100k
周波数 - Hz
1M
A V = 100
0
100
10M
図13.最大出力スイング対周波数
1k
10k
100k
周波数 - Hz
1M
0
10M
図14.最大出力スイング対周波数
120
10k
100k
周波数 - Hz
1M
10M
100
V S = 18V
TA = 25℃
5V ≦ V S ≦ 18V
TA = 25℃
80
20
0
100
電源除去 – dB
同相モード除去 – dB
40
ゲイン – dB
1k
図15.閉ループ出力インピーダンス対周波数
140
5V ≦ V S ≦ 18V
TA = 25℃
AV = 1
A V = 10
2
0
100
85
180
60
4
1
65
240
V S = 18V
A VCL = 1
RL = 2kΩ
TA = 25℃
14
インピーダンス - Ω
出力スイング - Vp-p
出力スイング - Vp-p
4
45
5V ≦ V S ≦ 18V
TA = 25℃
16
V S = 5V
A VCL = 1
RL = 2kΩ
TA = 25℃
25
温度 – ℃
300
18
5
5
図12.電源電流対温度
20
6
−15
80
60
60
PSRR+
40
PSRR−
40
20
20
1k
10k
100k
1M
周波数 – Hz
10M
100M
図16.閉ループゲイン対周波数
0
100
1k
10k
100k
周波数 – Hz
1M
10M
図17.同相モード除去対周波数
4
0
100
1k
10k
100k
周波数 – Hz
1M
10M
図18.電源除去対周波数
REV.0
AD8614/AD8644
100
9
100
V S = 5V
TA = 25℃
8
6
SR−
5
4
3
AV = 1
RL = 2kΩ
CL = 200pF
TA = 25℃
2
1
10
1
0
2
4
6
8 10 12 14 16 18
電源電圧 – V
20
電圧ノイズ密度 - nV Hz
スルーレート – V/μs
電圧ノイズ密度 - nV Hz
SR+
7
0
V S = 18V
TA = 258C
10
100
1k
10k
10
1
10
周波数 - Hz
図19.スルーレート対電源電圧
図20.電圧ノイズ密度対周波数
100
1k
10k
周波数 - Hz
図21.電圧ノイズ密度対周波数
アプリケーション
AD8614/AD8644は、内蔵の短絡保護がありません。短絡の制限
動作の原理
AD8614/AD8644は、当社独自の高電圧、高速、補完バイポー
は、出力段トランジスタの高電流ロールオフ及び、図の出力段に
ラ・プロセス−HV XFCBで製造され、寄生容量を下げるトレンチ
圧は、短絡電圧の間は1つのダイオードにクランプされています。
示されている抵抗による電圧低下の関数です。この抵抗による電
絶縁トランジスタを内蔵しています。
図22は、AD8614/AD8644の簡略化した回路図です。入力段は1
組のNPNペアと1組のPNPペアの2組のコンプリメンタリー差動ペ
出力短絡保護
広い帯域幅と高いスルーレートを実現するため、AD8614/AD8644
アで構成されており、レール to レール動作を行っています。入力
の出力は短絡保護をしていません。出力を直接グランドや電源レ
段は2つのバック・ツー・バック接続されたダイオードによりアバラ
ールへ短絡すると、デバイスを破壊することがあります。通常の最
ンシェ・ブレーク・ダウンから保護されています。各入力端子は1.5k
大安全出力電流は70mAです。
Ωの抵抗を備えており、この抵抗によって過電圧になった場合に、
出力電流保護を必要としながら、出力電圧ヘッドルームを低減し
入力電流を制限することで、入力が既定値を越えたときに起こる
たくないアプリケーションでは、出力と直列にした低い値の抵抗を
フェイズ・リバース現象から保護しています。この2つの差動ペア
使うことができます(図23参照)
。抵抗がアンプのフィードバック・
は、2組のカスケード接続されたトランジスタに接続されています。
ループ内に接続されているので、VOUTがグランドに短絡し、VINが
ここは、このアンプの中で最大のゲインを持つステージです。2組
最大18Vまで振れても、出力電流は70mAを越えません。
のカスケード接続は、出力段回路に差動で出力します。出力段に
18V単電源のアプリケーションでは、261Ω以下の抵抗はおすす
は2つのコンプリメンタリー・コモン・エミッタ・トランジスタが用いら
めできません。
れています。これにより、出力は10mA負荷で各レールから125mV
以内まで振れることができます。出力段のゲイン及び、オペアンプ
のオープンループ・ゲインは、負荷抵抗に依存します。
V CC
−1.5kΩ
1.5kΩ +
V CC
V OUT
V CC
V EE
図22.簡略化した構成図
REV.0
5
AD8614/AD8644
デバイスが消費する電力は、次のように計算します。
18V
PDISS=ILOAD×(Vs−VOUT)
V IN
ここで、
261Ω
AD86x4
VOUT
ILOADは、AD86x4出力負荷電流
Vsは、AD86x4電源電圧
VOUTは、AD86x4出力電圧
図24は、デバイスが過熱しているかどうかを知るのに便利
図23.出力短絡保護
な方法です。最大安全消費電力は、パッケージの種類とパ
ッケージ周囲の温度によってグラフから読み取れます。前
入力過電圧保護
他の半導体デバイスと同じく、入力がどちらかの電源電圧
述の式を用いれば、P DISSがデバイスの電力軽減曲線を越え
ているかどうかは、容易にわかります。正常動作を確実に
を超える条件が存在するときは、必ず入力過電圧特性に注
得るため、図24に示す推奨軽減曲線を守ることが重要です。
意を払う必要があります。過電圧が生ずると、電圧レベル
及び異常電流の大きさに応じてアンプがダメージを受けて
1.5
しまいます。入力電圧がどちらかの電源を0.6V以上越える
14ピンSOICパッケージ
θJA = 120℃/W
と、内部ピン接合部が通電し、電流が入力から電源へと流
最大消費電力 – W
れます。図22に見るようにAD8614/AD8644は、各入力と直
列に1.5kΩの抵抗を備えており、電流を制限する補助として
います。入力電流は5mA以下に制限されている限り、有害
ではありません。電圧が大きいため5mA以上の電流が流れ
1.0
14ピンTSSOPパッケージ
θJA = 180℃/W
0.5
5ピンSOT-23パッケージ
θJA = 230℃/W
る場合、外部直列抵抗を追加します。抵抗の大きさは、最
大過電圧を5mAで割って、内部の1.5kΩを引くと計算できま
す。例えば、入力電圧が100Vに達する場合、外部抵抗は
0
–35
(100V/5mA)−1.5kΩ=18.5kΩとなります。入力に過電圧
がかかる場合、片方または両方の入力と直列に抵抗を配置
–15
5
25
45
周囲温度 – ℃
65
85
図24.5ピン、14ピン・パッケージの最大消費電力対温度
します。アンプの一般的な過電圧特性について詳しくは、
当社文献センターから入手できる“1993 System Applications
未使用のアンプ
クアッド・パッケージで未使用のアンプは、1kΩのフィー
Guide”をご参照ください。
ドバック抵抗を介して反転入力と出力を接続し、非反転入
出力位相の反転
AD8614/AD8644は、入力電圧が電源レール内に制限されて
力はグランド電位に接続したユニティ・ゲイン・フォロワ
ーにすることを推奨します。
いる限り、位相反転に耐性があります。出力は位相を変え
ませんが、入力過電圧によって大電流が生じてデバイスを
損なうことがあります。入力電圧が電源電圧を超える可能
容量性負荷ドライブ
AD8614/AD8644は、優れた容量性負荷ドライブ能力を発揮
性があるアプリケーションでは、前述の過電圧保護を用い
します。大容量性負荷でも安定していますが、容量性負荷
る必要があります。
が増大するとアンプ帯域幅が低下します。
大容量性負荷をAD8614/AD8644出力から直接ドライブする
消費電力
AD8614/AD8644が安全に消費できる最大電力は、接合温度
ときは、過渡応答を改善するために、緩衝ネットワークを
の上昇により制限されます。最大安全接合温度は150℃で、
らグランドに接続された直列のR-Cを容量性負荷と並列に配
これを超えるとデバイスの性能が悪くなります。最高温度
置しています。構成を、図25に示します。このネットワー
を瞬間的に超えることがあっても、チップ温度が下がると
クは、アンプの帯域幅は増大しませんがオーバーシュート
すぐに適正な回路動作を回復します。デバイスを長期間
量を著しく低下させます。
用いることができます。ネットワークは、アンプの出力か
「過熱」状態にしておくと、恒久的に破損してしまいます。
AD86x4の内部接合温度を計算するには、以下の式を用います:
5V
TJ=PDISS×θJA+TA
ここで、
V OUT
AD86x4
AD86x4
TJ=AD86x4接合温度
V IN
PDISS=AD86x4消費電力
RX
CL
CX
θJA=AD86x4パッケージの温度抵抗。接合から周囲温度。
図25.緩衝ネットワークによる容量性負荷の補償
TA=回路の周囲温度
6
REV.0
AD8614/AD8644
緩衝ネットワークの最適値は、容量性負荷のサイズに基づ
5V
いて経験的に決定します。表Ⅰは、負荷容量に対する緩衝
5V
VDD
ネットワーク値のいくつかの例を示しています。
VDD 28
表Ⅰ 大容量性負荷の緩衝ネットワーク
負荷容量(CL)
緩衝ネットワーク(Rs、Cs)
0.47nF
4.7nF
47nF
300Ω、0.1μF
30Ω、1μF
5Ω、1μF
C1
100μF
10
2
U1-A
1
4
LEFT OUT 35
R3
20Ω
R1
2kΩ
3
5
AD1881
(AC'97)
6
RIGHTOUT 36
ダイレクト・アクセス構成
図26は、600Ω送信システム用の5V単電源送受信電話線イン
C2
100μF
7
U1-B
VSS
9
8
ターフェースの構成です。トランス結合の600Ω線で信号の
簡略化のため他のピンを省略
R4
20Ω
R2
2kΩ
U1 = AD8644
全二重送信が可能です。アンプA1は、モデムの出力ドライ
図27.PC-99対応ヘッドフォン/ラインアウト・アンプ
ブの要求に合わせてゲインを調整できます。A1とA2はとも
に、トランスに対して可能な限り大きな差動信号を供給す
出力アンプからのゲインが必要な場合は、図28のよう
に別途4つの抵抗を加えます。AD8644のゲインは、以
下の式で設定できます。
るように設定します。+5V単電源で可能な信号の最大は、
600Ωのインピーダンスを持つ通信ラインに対してほぼ
4.0Vp-pです。アンプA3は、通信ラインから受信信号を取り
出す差動アンプの働きをします。受信信号はA4によって増
Av=
幅されます。また、A3は送信信号が受信信号を妨害しない
R6
R5
ようにします。A4はA1と同様に、モデムの入力信号の要求
に合わせてゲインを調整できます。標準の抵抗値では、SIP
5V
(シングル・インライン・パッケージ)フォーマットの抵抗
R6
20kΩ
VDD
アレイを使用できます。これをAD8644の14ピンSOICまたは
5V
VDD 38
TSSOPパッケージと組み合わせれば、コンパクトな回路を
LEFT OUT
35
構成できます。
C1
100μF
10
2
R5
10kΩ
U1-A
4
1
3
R3
20Ω
R1
2kΩ
5
P1
Txゲイン
調整
2kΩ
R3
360Ω
電話線へ
1
1:1
C1
R1
10kΩ 0.1μF
2
A1
R5
10kΩ
6.2V
ZO
600Ω
VREF
R2
9.09kΩ
RIGHTOUT 36
6
7
A2
R10
10kΩ
2
R11
10kΩ
R12
10kΩ
3
A3
1
R14
R13
10kΩ 14.3kΩ
U1-B
5
A4
9
8
R4
20Ω
R2
2kΩ
VSS
R6
20kΩ
簡略化のため他のピンを省略
R8
10kΩ
AV =
U1 = AD8644
R6
R5
= +6dB WITH VALUES SHOWN
図28.PC-99対応ヘッドフォン/スピーカー・アンプ、
ゲインあり
P2
Rxゲイン
調整
受信RxA
2kΩ
6
C2
100μF
7
R7
10kΩ
5
10μF
R9
10kΩ
6
R5
10kΩ
5V DC
R6
10kΩ
A1, A2 = 1/2 AD8644
A3, A4 = 1/2 AD8644
AD1881
(AC97)
送信TxA
3
6.2V
T1
MIDCOM
671-8005
27
7
C2
0.1μF
AD1881からリファレンスが供給されるので、どちらの回路
にも入力結合コンデンサは不要です。
出力ジャックやヘッドフォンの配線が不意にグランドにシ
図26.モデム用の単電源ダイレクト・アクセス構成
ョートした場合、R4とR5はAD8644の出力を保護するのを
助けます。出力結合コンデンサC1とC2はヘッドフォンから
ヘッドフォン/マイクロフォン用のワンチップ・プリアンプ
高出力電流性能のおかげで、AD8644はコンピュータの音声
の直流をブロックし、次のコーナー周波数のハイパスフィ
ルタを作ります。
出力ジャックを駆動する優れたアンプとなります。図27は、
AD8644をACコーデックとインターフェースさせ、ヘッド
f−3 dB =
フォンやスピーカーを駆動するところを示しています。
1
2πC1(R 4 + R L )
ここで、RLは、ヘッドフォンの抵抗です。
REV.0
7
AD8614/AD8644
残りの2つのアンプは、低電圧マイクロフォンのプリアンプ
として用いられます。AD8614(シングル)は、スタンドアロン
スパイスモデル
AD8614/AD8644アンプのスパイスモデルは、当社ウェブサ
のマイクロフォンのプリアンプとして用いられます。
図29参照。
イトからダウンロードできます(http://www.analog.com)。
10kΩ
レール to レール出力スイングなど、多くのAD8614/AD8644
5V
AV = 20dB
パラメータを正確にシミュレートしています。マクロモデ
2.2kΩ
1kΩ
ルの出力電圧対出力電流特性は、実際のAD8614/AD8644の
1μF
性能と同じで、レール to レールのアンプには重要なポイン
MIC 1 IN 21
MIC 1
10kΩ
AD1881
(AC'97)
圧ノイズ、CMRRとPSRR対周波数、過渡応答など、多くの
5V
AV = +20dB
AC特性も正確にシミュレートしています。高度の正確さを
2.2kΩ
1kΩ
1μF
備えたAD8614/AD8644マクロモデルは、どのアンプにも有
MIC 2 IN 22
VREF
トです。同時に、ゲイン帯域幅積、位相マージン、入力電
D9168-2.7-2/00,1A
マクロモデルは、オフセット電圧、入力同相モード範囲、
効な最も信頼できて、現実に近いモデルです。
MIC 2
27
図29.マイクロフォン・プリアンプ
外形寸法
サイズはインチと(mm)で示します。
5ピンSOT-23
(末尾RT)
0.1181 (3.00)
0.1102 (2.80)
0.0669 (1.70)
0.0590 (1.50)
5
1
4
2
0.1181 (3.00)
0.1024 (2.60)
3
ピン1
0.0374 (0.95) BSC
0.0748 (1.90)
BSC
0.0512 (1.30)
0.0354 (0.90)
0.0079 (0.20)
0.0031 (0.08)
0.0571 (1.45)
0.0374 (0.95)
0.0059 (0.15)
0.0019 (0.05)
実装面
0.0197 (0.50)
0.0138 (0.35)
10˚
0˚
0.0217 (0.55)
0.0138 (0.35)
14ピンTSSOP
(末尾RU)
14ピン狭幅SOIC
(末尾R)
0.201 (5.10)
0.193 (4.90)
0.256 (6.50)
0.246 (6.25)
0.1574 (4.00)
0.1497 (3.80)
1
14
8
1
7
ピン1
0.0098 (0.25)
0.0040 (0.10)
7
0.2440 (6.20)
0.2284 (5.80)
0.0688 (1.75)
0.0532 (1.35)
ピン1
0.006 (0.15)
0.002 (0.05)
実装面
0.0433
(1.10)
MAX
0.0256
(0.65)
BSC
0.0118 (0.30)
0.0075 (0.19)
0.0079 (0.20)
0.0035 (0.090)
0.0500
実装面 (1.27)
BSC
8˚
0˚
0.0192 (0.49)
0.0138 (0.35)
0.0099 (0.25)
0.0075 (0.19)
0.0196 (0.50)
x 45˚
0.0099 (0.25)
8˚
0˚ 0.0500 (1.27)
0.0160 (0.41)
0.028 (0.70)
0.020 (0.50)
このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。
8
REV.0
PRINTED IN JAPAN
8
0.177 (4.50)
0.169 (4.30)
14
0.3444 (8.75)
0.3367 (8.55)