VLSI夏の学校 「ノイズ関連技術の理論と実際」

熱ノイズ、1/fノイズ等各種ノ
イズやジッタ・位相ノイズの
発生の原理、 1/fノイズの測定
方法
VLSI夏の学校
「LSI設計者のためのノイズ基礎講座
~理論から測定・対策技術まで~」
Rev.2
アジレント・テクノロジー株式会社
EEsof EDA事業部
マーケティング・サービス部門
EDAテクニカルサポート・コンサルティング
塚原 正大
August, 23, 2010
1
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
2
August 23, 2010
変数の定義
k
: ボルツマン定数(1.38×10-23 J/K)
q
: 電子の電荷量(1.602×10-19C)
T
R
: 絶対温度[K]
f
: 周波数帯域幅 [Hz]
: 抵抗値[Ω]
AF , KF : フリッカーノイズ・パラメータ
COX
: 単位面積当たりゲート酸化膜容量[F/m2]
3
Leff
: 実効チャネル長
F
: Noise Figure
P0
: VCO発振パワー
f0
: VCO発振周波数
k vco
: VCO変換利得[Hz/V]
Q
: 共振回路のQ
Rvar
:バラクタ雑音抵抗
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
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August 23, 2010
ノイズの種類と発生原理
~熱雑音~
説明・発生原理
– 抵抗体などで電流が流れていなくても、電子の不規則な熱振動によって発生する
ノイズ。つまり電子の熱運動によって引き起こされるノイズ。
vn  4kTRf
2
4kTf
in 
R
2
別名
– ジョンソン・ナイキスト・ノイズ (発明者名)
– ジョンソン・ノイズ(発明者名)
– ホワイト・ノイズ、白色ノイズ(色)
– 研究者によっては、ショット・ノイズと 量子雑音として統一する場合がある
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August 23, 2010
ノイズの種類と発生原理
~ショット・ノイズ~
説明・発生原理
– トランジスタのPN接合には、ポテンシャルの壁が存在する。電子やホールは電
荷をもった粒子とみなすことができるが、これら粒子がポテンシャル壁を越える
とき、電流は連続した値では流れない。この不連続な電流によって引き起こる雑
音。
in  2qIf
2
別名
– ホワイト・ノイズ、白色ノイズ(色)
– 研究者によっては、熱雑音と 量子雑音として統一する場合がある
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August 23, 2010
ノイズの種類と発生原理
~1/fノイズ~
説明・発生原理
– すべての能動素子と一部の受動素子(一部の抵抗など)で見られるノイズで、雑音レベルが周波数に逆比
例することから1/fノイズと呼ばれる。最初に真空管で観測され、“フリッカー(ふらつき)現象”と呼ばれ
たことから、フリッカーノイズとも呼ばれる。
– BJTの場合、ベース・エミッタ間の空乏層における汚染や結晶欠陥がトラップを発生させ、キャリア数が
時間的にゆらぐことになる。このトラップは時間が長いほど確率が増すため、雑音レベルは周波数に逆
比例する。
AF
iB  KF
2
IB
f
f
– MOS FETの場合、チャネル界面での欠陥によるトラップにより、キャリア数が時間的ゆらぎとして観
測される。
AF
iD
2
別名
I
1
 KF DEF
2
f
COX Leff
– フリッカー・ノイズ
– ピンク・ノイズ(色)
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August 23, 2010
ノイズの種類と発生原理
~RTSノイズ (1/2)~
説明・発生原理
– Random Telegraph Signal(RTS)ノイズまたはRandom Telegraph Noise(RTN)は、MOSトランジスタの
ゲート酸化膜の界面準位による電子のランダムな捕獲と放出が原因。従来の1/fノイズは、さまざまな時
定数を持ったRTSが重ね合わされて観測されたものであると報告されている(次頁)。
– RTSノイズが発生すると、ポテンシャルは2つの状態の間を往復する。特定の周波数を超えると、周波
数の2乗に反比例して(1/f2に比例して)減尐する。
-1
別名
– ポップコーン・ノイズ
– バースト・ノイズ
– レッド・ノイズ (色)
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August 23, 2010
ノイズの種類と発生原理
~RTSノイズ (2/2)~
RTSノイズが顕著に現れる場合は、
1/fスロープにバンプが観測される
-1
RTS
RTS
RTS
RTS
RTS
RTS
RTS
-2
1/fノイズはRTSノイズの重ね合わせ
RTSノイズ測定の必要性 (何のためにRTSノイズ測定が必要か?)
 設計サイド
RTSノイズが発生しているかどうかを確認 → RTSノイズ低減をプロセスサイドへ要求 →
RTSノイズの小さなデバイスに変更
 プロセスサイド
プロセス工程を変更し低ノイズプロセスへ、 Gate酸化膜の品質管理
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ノイズの種類と発生原理
~ノイズの色~
なぜノイズに色の名前が付いているのか?
– 可視光線のスペクトラムと周波数を対比して表現している。
可視光線の スペクトラム
ノイズの周波数
波長=750nm
波長=450nm
低周波
高周波
– 熱雑音は全周波数に均等に含まれる=白色光はRGBのすべてが均等に含まれる
この由来から、熱雑音はホワイトと呼ばれる。
– 1/f2ノイズは、低い周波数でより強力なエネルギーをもつことからレッドと呼ば
れる。
– 1/fノイズは、ホワイトとレッドの中間から、ピンクと呼ばれる。
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ノイズの種類と発生原理
~まとめ~
名称
傾き
RTSノイズ 1/fノイズ
1/f2
1/f1
熱雑音
ショット・ノイズ
1/f0
RTSノイズは、低周波側で発生するとは限らない
11
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
12
August 23, 2010
ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
ノイズ
13
タイムドメイン
周波数ドメイン
ディジタル・アプリケーション
アナログ・アプリケーション
ジッタ
位相ノイズ
ビットエラー率
の低下
位相ノイズの低
下=通信品質の
低下
August 23, 2010
ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
~ジッタ~
⊿v ノイズ
電圧
時間
⊿Φ ジッタ
電圧ノイズ → ジッタ
ジッタとは、信号の時間的ズレやゆらぎ
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August 23, 2010
ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
~位相ノイズ~
デバイス・ノイズ
位相ノイズとは、発振周波数の短期的ゆらぎ
1/f
Flat
周波数
fc
発振器 位相ノイズ L(fm)
1/f3
1/f2
1/f
Flat
fm オフセット周波数
f0
Lesson’s Equation
3
2


 f0 
 f0 
L( f m )  10 log N 3     N 2     N 0


 fm 
 fm 
15
N3 
FkT f c  f 02

P0
8Q 2
N2 
FkT f 02 2kTRvar kvco


P0 8Q 2
f m2
N0 
FkT
P0
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
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August 23, 2010
1/fノイズ測定の重要性
~測定の重要性~
13
nm
14
nm
16
nm
1.4
18
nm
23
nm
25
nm
[email protected] Performance
[email protected] Performance
50nm
Process Technology
40nm
20
nm
Supply Voltage [V]
1.6
28
nm
1.8
32
nm
ジッタや発振器の位相ノイズを決定づける重要な特性。
30nm
20nm
10nm
1.2
0nm
1
信号振幅に低下による
S/N比劣化
-10nm
-20nm
0.8
-30nm
0.6
0.4
2004
微細化による低電圧化
-40nm
2006
2008
2010
2012
-50nm
2014
ノイズレベル低減が必要
YEAR
2005 ITRS(国際半導体技術ロードマップ)より
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1/fノイズ測定の要求が
高まる
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1/fノイズ測定の重要性
~シミュレーションの重要性(ジッタ 1/2)~
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August 23, 2010
1/fノイズ測定の重要性
~シミュレーションの重要性(ジッタ 2/2)~
ジッタ大
ジッタ小
シミュレー
ション
実測
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August 23, 2010
1/fノイズ測定の重要性
~シミュレーションの重要性(位相ノイズ)~
20
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
21
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FETの1/fノイズ理論式
~等価回路図~
ドレイン電流
によるショッ
トノイズ
RSOURCEによ
る熱雑音
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ゲート電流に
よるショット
ノイズ
1/fノイズ
RLOADによる
熱雑音
August 23, 2010
FETの1/fノイズ理論式
~1/fノイズ理論式~
vn
雑音電圧→雑音電流変換式
23
vn  4kTRLOAD f
2
S id 


1

1
 1

r
 ds RLOAD






2
[A 2 /Hz]
August 23, 2010
BJTの1/fノイズ理論式
~1/fノイズ理論式~
vn
雑音電圧→ベース雑音電流変換式



2
 Vn  4kTRLOAD

1

1
1


 R
rce
LOAD
Sib  
24
2




r

2


g

4
kT
(
R

r
)
m
SOURCE
bb 

 RSOURCE  rbb  r 




2
2  r RSOURCE  rbb  
gm 

 RSOURCE  rbb  r 



2
August 23, 2010
Agenda
 ノイズの種類と発生原理
 ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係
 1/fノイズ測定の重要性
 FETの1/fノイズ理論式
 1/fノイズ測定方法
25
August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~測定原理図~
RLOAD
vn
PreAMP
Signal Analyzer
Sid
RSOURCE
1.
2.
3.
4.
26
バイアス源は低ノイズであること(電池レベル)
適切なRSOURCE、RLOADが設定できること
PreAMPは低ノイズ・高Gainであること
太線部の配線は短いこと → 長いと寄生容量によりロールオフが低域で発生
August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~ロールオフ~
入力側寄生容量
CIN
出力側寄生容量
COUT
低い方でロールオフは決まる
f roll off |IN 
1
2  CIN  RSOURCE
f roll off |OUT 
27
1
2  COUT 
1
1
1

rds RLOAD
-20dB/dec
August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~測定ソリューション~
USB2.0
Windows XP
IEEE1394 (for 89600A)
GP-IB (for 89410A/35670A/E444xA/E5052B)
Agilent 89410A/89600A
Vector Signal Analyzer
Agilent 35670A
Dynamic Signal Analyzer
Agilent Control Unit
Agilent 4142B/4155/4156/B1500A
DC Source/Monitor
Agilent E444xA
Precision Spectrum Analyzer
Agilent E5052B
Agilent Resistor Unit
Pre-Amp
Signal Source Analyzer
Agilent 41800A
Active Probe
Resistor / Filter
DUT
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1/fノイズ測定方法
~低システムノイズ~
System Noise
0
Noise Voltage [dBV^2/Hz]
-20
100Ω熱雑音と
等価
-40
-60
-80
-100
-177dBV2/Hz
-120
-140
-160
-180
-200
1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 1.E+06 1.E+07 1.E+08
Freq [Hz]
1E-25A2/Hz
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August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~ウェハ・プローバーとの親和性(Cascade社)~
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August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~ウェハ・プローバーとの親和性(元SUSS社)~
SIGMA EMC Guard
31
August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~超高速ノイズ測定~
x3 by SW
x10.5
x3.5 by HW
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August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~高品質ノイズ測定~
Results of 89610A
Results of E5052B
DUT : NMOS
Bias : Id=1uA, 100uA, 10mA / Vds=1V
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August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~使い勝手の良いソフトウェア(1/2)~
出力雑音電流の
表示
入力雑音電圧の
表示
ロールオフ周波数
表示
システムノイ
ズとの比較が
容易
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August 23, 2010
1/fノイズ測定方法
~使い勝手の良いソフトウェア(2/2)~
RTSノイズの
表示
35
August 23, 2010
まとめ

ノイズの種類と発生原理


ノイズとジッタ/位相ノイズとの関係


電圧低下→S/N比劣化→1/fノイズの低減化→1/fノイズの測定が必要
FETの1/fノイズ理論式


ジッタと位相ノイズの発生理論
1/fノイズ測定の重要性


熱雑音、ショット・ノイズ、1/fノイズ、RTSノイズ、ノイズの色
Vn→Sid計算式
1/fノイズ測定方法

自前で測定システムを構築するためには、
①
ノイズ理論の熟知
②
測定原理、測定器の原理の熟知
③
ハードウェア&ソフトウェア構築力
④
経験
の十分なスキルが必要で、かなり困難。

36
信頼のおけるベンダーから提供されている測定ソリューションを選択される方が簡単で確実。
(お客様の声:自作システムでは、測定のたびに結果が変わり、本当にデバイスのノイズを測定できているのか不安 )
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1/fノイズ測定システムのご紹介
カタログ
http://jp.tm.agilent.com/tmo/eda/tdc/pdf/fnoise_intro_rev3.0.pdf
http://jp.tm.agilent.com/tmo/eda/tdc.shtml
測定システムを導入いただいたお客様の声
旭化成エレクトロニクス様
http://cp.literature.agilent.com/litweb/pdf/5990-6037JAJP.pdf
お問合せ先
(EDA担当営業をご指名ください。)
Phone: 0120-421-345 (9:00~18:00)
Fax: 0120-421-678 (24時間受付)
E-mail: [email protected] (24時間受付)
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