ホットスワップ可能ロードシェア・コントローラ

LTC4350
ホットスワップ可能
ロードシェア・コントローラ
新規設計には推奨されません。
代替デバイスについては、弊社にお問い合わせください。
特長
■
■
■
■
■
■
■
概要
N+1冗長電源を構築
LTC®4350は、並列接続された複数の電源にシステムが等しく
負荷を分担することができる、負荷分担コントローラです。全
ての電流がシェア・バスに一致するまで、各電源の出力電圧
はSENSE+入力を使用して調整されます。LTC4350はまた、直
列パス・トランジスタをオフすることで故障電源を分離し、故
障した電源を認識します。
そこで故障電源は取り除かれ、
シス
テム電源をオフすることなく、新しいユニットと交換できます。
LTC4350は、
16ピン細型SSOPパッケージで供給されます。
ホットスワップ™電源
故障電源を出力から分離
OR接続ダイオードを排除
出力ロー、
出力ハイ、
および回路開放の不具合を認識して制限
1.5V~12Vの出力電圧
16ピン細型SSOPパッケージ
L、LT、LTC、LTM、Linear TechnologyおよびLinearのロゴはリニアテクノロジー社の登録商標で
す。Hot SwapおよびThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。他の全ての商標はそれぞれ
の所有者に所有権があります。
アプリケーション
サーバおよびネットワーク関連機器
テレコムおよびベース・ステーション関連装置
■ 分散型電源システム
■
■
標準的応用例
5V負荷の分担
(モジュールあたり5A)
SENSE+
SUD50N03-07
OUT+
51Ω
0.1µF
VICOR*
VI-J30-CY
274k
100Ω
0.1µF
121k
37.4k
R+
GATE
R–
VCC
43.2k
LTC4350
470k
STATUS
RSET
GND COMP2
4.7µF
1000pF
0.1µF
TRIM
STATUS
SB
OV
TIMER
GAIN COMP1
12.1k
12.1k
FB
IOUT
UV
0.1µF
VOUT+ SHARE BUS VOUT–
0.010Ω
100Ω
150Ω
34k
SENSE–
OUT–
SENSE+
51Ω
0.1µF
VICOR*
VI-J30-CY
274k
100Ω
0.1µF
0.1µF
121k
470k
R+
GATE
R–
LTC4350
OV
TIMER
GAIN COMP1
12.1k
12.1k
FB
IOUT
0.1µF
TRIM
37.4k
VCC
43.2k
UV
SENSE–
OUT–
0.010Ω
SUD50N03-07
OUT+
*負荷分担回路は、SENSE+ピンまたはFBピンがあるほとんどの電源で動作します。
STATUS
SB
RSET
GND COMP2
1000pF
34k
STATUS
4.7µF
100Ω
150Ω
4350 TA01
4350fb
1
LTC4350
絶対最大定格
ピン配置
(Note 1)
電源電圧
(VCC)................................................................... 17V
入力電圧
TIMER ............................................................... −0.3V~1.2V
R+、R−
(Note 2)................................................ −0.3V~17V
FB...................................................................... −0.3V~5.3V
OV、UV ................................................................... −0.3V~17V
出力電圧
COMP1................................................................. −0.3V~6V
COMP2................................................................. −0.3V~3V
GAIN、SB ........................................................... −0.3V~5.6V
GATE(Note 3)........................................................ −0.3V~20V
IOUT、STATUS ......................................................... −0.3V~17V
RSET ......................................................................... −0.3V~1V
動作温度範囲
LTC4350C..............................................................0℃~70℃
LTC4350I .......................................................... −40℃~85℃
保存温度範囲................................................... −65℃~150℃
リード温度(半田付け、10秒)..........................................300℃
TOP VIEW
UV
1
16 VCC
OV
2
15 STATUS
TIMER
3
14 GATE
GAIN
4
13 R+
COMP2
5
12 R–
COMP1
6
11 IOUT
SB
7
10 RSET
GND
8
9
FB
GN PACKAGE
16-LEAD PLASTIC SSOP
TJMAX = 150°C, θJA = 135°C/W
発注情報
鉛フリー仕様
テープアンドリール
製品マーキング
パッケージ
温度範囲
LTC4350CGN#PBF
LTC4350CGN#TRPBF
4350
16-Lead Plastic SSOP
0°C to 70°C
LTC4350IGN#PBF
LTC4350IGN#TRPBF
4350I
16-Lead Plastic SSOP
–40°C to 85°C
さらに広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。
非標準の鉛ベース仕様の製品の詳細については、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。
鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。
テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください。
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
それ以外はTA = 25℃での値。
特記がない限り、
VCC = 5V。
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
l
1.0
1.6
2.0
mA
2.36
2.45
2.52
V
2.24
2.34
2.44
V
1.208
1.196
1.220
1.220
1.236
1.244
V
V
0.02
0.05
%/V
–0.0008
0.003
–0.1
0.1
%
%
DC Characteristics
ICC
VCC Supply Current
UV = VCC
VLKOH
VCC Undervoltage Lockout High
l
VLKOL
VCC Undervoltage Lockout Low
l
VFB
FB Pin Voltage
0°C to 85°C (LTC4350I) or 0°C to 70°C (LTC4350C)
–40°C to 85°C (LTC4350I)
VFBLIR
FB Line Regulation
VCC = 3.3V to 12V, COMP1 = 1.240V
VFBLOR
FB Load Regulation
COMP1 = 2V
COMP1 = 0.64V
l
l
4350fb
2
LTC4350
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
それ以外はTA = 25℃での値。特記がない限り、VCC = 5V。
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
DC Characteristics
VUVTH
UV Pin Threshold
High Going Threshold
Low Going Threshold
l
l
1.215
1.205
1.244
1.220
1.258
1.237
V
V
VOVTH
OV Pin Threshold
High Going Threshold
Low Going Threshold
l
l
1.203
1.180
1.220
1.205
1.250
1.229
V
V
VTM
TIMER Pin Threshold
l
1.18
1.22
1.26
V
ITM
TIMER Pin Current
TIMER On, VTIMER = 0V
TIMER On, VTIMER = 0V, VOV > VOVTH
l
l
–1.75
–5.30
–2
–6
–2.3
–6.7
µA
µA
VG
GAIN Pin Voltage
RGAIN = 25k, (VR+ – VR–) = 100mV
l
2.3
2.5
2.7
V
VGO
GAIN Pin Offset
RGAIN = 25k, (VR+ – VR–) = 0mV
l
0
0.02
0.20
V
VSB(MIN)
SB Pin Minimum Voltage
2
8
VSB(MAX)
SB Pin Maximum Voltage
VCC = 3.3V
VCC = 12V
l
l
2.4
5.6
2.7
7.8
2.9
10.5
V
V
ISB(MAX)
SB Pin Maximum Current
VSB = 0V
l
–8
–33
–41
mA
RSB
SB Pin Resistor Value
l
14
20
33
kΩ
VE/A2OFF
E/A2 Offset
mV
mV
VSB – VGAIN
l
8
25
50
VRSET(MAX) RSET Pin Maximum Voltage
VCC = 3.3V, RSET = 100Ω
VCC = 12V, RSET = 100Ω
l
l
0.94
0.94
1
1
1.03
1.03
V
V
VRSET(MIN) RSET Pin Minimum Voltage
VCC = 5V, RSET = 1000Ω
VCC = 5V, RSET = 100Ω
l
l
0.001
0.001
0.5
0.5
V
V
RSET Pin Maximum Current
RSET = 50Ω, VIOUT = 1.1V
l
18
20
21
mA
VRCTH
Reverse Current Threshold
VR+ – VR+
l
10
30
40
mV
∆VGATE
External N-Channel Gate Drive
VGATE – VCC
l
10.8
12
12.7
V
IGATE
GATE Pin Current
Gate On, VGATE = 0V
l
–8
–10
–12
µA
VSOL
STATUS Pin Output Low
IOUT = 3mA
l
0.1
0.3
1.2
V
IRSET(MAX)
Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに永続的損傷を与える可
能性がある。長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、
デバイスの信頼性と寿命に悪影響
を与える可能性がある。
+
−
Note 2:VCC = 0Vの間、
R とR は17Vになる可能性がある。
Note 3:内部クランプにより、
GATEピンはVCCより少なくとも10.8V高い電圧に制限される。
この
ピンをクランプ電圧より高い電圧にドライブするとデバイスを損傷するおそれがある。
4350fb
3
LTC4350
標準的性能特性
ICC対VCC
3.5
ICC対温度
1.66
TA = 25°C
VCC = 5V
UV THRESHOLD (V)
1.62
ICC (mA)
2.5
2.0
1.60
1.58
1.5
1.56
0
2
4
8
6
VCC (V)
10
12
1.54
–50
14
1.222
VCC = 5V
OV THRESHOLD (V)
UV THRESHOLD (V)
1.225
1.240
1.235
1.230
2
4
8
6
VCC (V)
10
12
14
4350 G03
OVスレッショルド対温度
1.225
VCC = 5V
1.220
1.216
1.214
1.212
1.210
1.208
1.215
1.210
1.205
1.206
1.220
0
4350 G02
1.218
1.225
1.204
1.215
–50
–25
0
25
50
TEMPERATURE (°C)
75
1.202
100
0
2
4
4350 G04
FB対VCC
1.230
8
6
VCC (V)
10
12
14
1.200
–50
GAIN (V)
FB (V)
1.220
1.215
0
2
4
8
6
VCC (V)
10
12
14
4350 G07
1.210
–50
100
RGAIN = 25k
(VR+ – VR–) = 100mV
TA = 25°C
2.6
1.225
1.215
75
Gainピン電圧対VCC
2.7
VCC = 5V
1.220
0
25
50
TEMPERATURE (°C)
4350 G06
FB対温度
TA = 25°C
–25
4350 G05
1.230
1.225
FB (V)
1.230
1.215
100
75
TA = 25°C
1.220
1.245
1.210
1.235
OVスレッショルド対VCC
1.255
1.250
50
25
0
TEMPERATURE (°C)
–25
4350 G01
UVスレッショルド対温度
1.240
1.220
OV THRESHOLD (V)
1.0
TA = 25°C
1.245
1.64
3.0
ICC (mA)
UVスレッショルド対VCC
1.250
2.5
2.4
2.3
–25
0
25
50
TEMPERATURE (°C)
75
100
4350 G08
2.2
0
2
4
8
6
VCC (V)
10
12
14
4350 G09
4350fb
4
LTC4350
標準的性能特性
Gainピン電圧対温度
2.7
2.6
∆VGATE対VCC
13
RGAIN = 25k
(VR+ – VR–) = 100mV
VCC = 5V
∆VGATE対温度
13.0
TA = 25°C
VCC = 5V
12
12.5
2.4
∆VGATE (V)
2.5
∆VGATE (V)
GAIN (V)
11
10
12.0
9
8
2.3
2.2
–50
11.5
7
–25
0
25
50
TEMPERATURE (°C)
75
100
6
0
2
4
4350 G10
8
6
VCC (V)
10
12
14
4350 G11
11.0
–50
–25
0
25
50
TEMPERATURE (°C)
75
100
4350 G12
ピン機能
UV(ピン1 )
:低電圧ピン。
スレッショルドは、24mVのヒステリ
GAIN(ピン4 )
:アナログ出力ピン。R+とR ­ピン間の電圧が1k
シスをもって1.244Vに設定されます。UVピンがハイになると、
チャージ・ポンプがGATEピンを上昇させます。UVピンがロー
になると、GATEピンをローにします。
抵抗で除算され、GAINピンからの電流として供給されます。
GAINピンの外部抵抗は、電流検出抵抗からGAINピンまで
の電圧利得を決定します。
OV
(ピン2)
:過電圧ピン。
スレッショールドは、15mVのヒステリ
COMP2(ピン5)
:アナログ出力ピン。
このピンは、
シェアバス誤
シスをもって1.220Vに設定されます。OVピンがハイになると、
GATEピンはローになります。
タイマーのサイクルの後、OVピン
がローになるまでSTATUSピンはローのままです。
TIMER
(ピン3)
:アナログ・システムのタイミング生成ピン。
この
ピンは、UVピンがハイになってから負荷分担がオンする前ま
での遅延を設定するために使用します。TIMERピンの他の用
法は、STATUSピンのフォールト表示を遅延することです。
タイマがオフの時、
内部NチャネルFETがTIMERピンをグラン
ドに短絡します。
タイマがオンすると、VCCから2μAまたは6μA
のタイマ電流(ITIMER)
がTIMERピンに接続され、電圧がdV/
dt = ITIMER/CTで与えられる傾斜で上昇し始めます。電圧が遷
移点(1.220V)
に達すると、TIMERピンをグランドに引き戻し
てタイマをリセットします。
タイマ期間は次式で与えられます:
(1.220V • CT)/ITIMER
差アンプE/A2の出力です。
このピンとグランド間の補償コンデ
ンサが、電源調整ループのクロスオーバ周波数を設定します。
ほとんどの場合、
このピンは0.5V∼1.5Vの間で動作し、RSET
ピンの電圧から1ダイオード電圧高い値を示します。
これは3V
でクランプされます。起動の間、
このピンはグランドにクランプ
されます。
タイマー・サイクルの後(およびGATEピンがハイなら
ば)、COMP2が解除されます。
COMP1(ピン6 )
:アナログ出力。
このピンは、電圧レギュレー
ションする誤差アンプE/A1の出力です。
このピンとグランド間
の補償コンデンサがシェアバス・ループのクロスオーバ周波数
を設定します。
このピンは、SBピンの電圧から1ダイオード電圧
高く動作し、8.4Vでクランプされます。
SB
(ピン7)
:アナログ出力ピン。
このピンは、
いくつかの電源間
で分担される負荷電流値を通信するために使われるシェアバ
スを駆動します。
プルアップ用に内部NPN、
そしてプルダウン用
に20k抵抗を使用して、
このピンをCOMP1ピンよりも1ダイオー
ド分低く駆動するアンプがあります。
4350fb
5
LTC4350
ピン機能
GND
(ピン8)
:デバイスのグランド。
FB(ピン9)
:アナログ誤差アンプ入力
(E/A1)。
このピンは、
出
力電源電圧を監視するために外部抵抗分割器とともに使用し
ます。FBピンは、1.220Vリファレンスと比較されます。FBピンと
リファレンスの差が増幅され、COMP1ピンに出力されます。
RSET
(ピン10)
:アナログ出力ピン。IOUTアンプがCOMP2ピンの
電圧をRSETピンに変換(1ダイオード電圧分低く)
します。従っ
て、RSETピンとグランド間につながれた外部抵抗(RSET)
を通
る電流は、
(COMP2­VDIODE)/RSETです。
出力電圧を調整す
るために、
この電流を使います。
IOUT
(ピン11)
:アナログ出力ピン。IOUTピンに流入する電流は、
RSETピンから流出する外部抵抗RSETで設定された電流に等
しくなります。
この電流は、電源の内部電圧帰還回路で検出さ
れた電圧を修正して出力電源電圧を調整するために使いま
す。
R­
(ピン12)
:アナログ入力ピン。R+とR­ピン間の電源経路に
つながれた検出抵抗で、R+とR ­ピン間の電圧降下として電
源電流を測定します。
この電圧はISENSEブロックで測定され、
GAINピンで乗算されます。
R+
(ピン13)
:アナログ入力ピン。R+とR­ピン間の電源経路に
つながれた検出抵抗で、R+とR ­ピン間の電圧降下として電
源電流を測定します。
この電圧はISENSEブロックで測定され、
GAINピンで乗算されます。
GATE
(ピン14)
:外部Nチャネル・パワーFETの上側ゲートドラ
イブ。
内部のチャージ・ポンプが、FETをドライブするために必
要なゲートドライブを提供します。GATEでの電圧立上がり/立
下がり傾斜は、GATEとGND間につながれた外部コンデンサ
と10μAのチャージ・ポンプ出力電流で設定されます。低電圧
ロックアウト回路がVCC遷移を監視する時には、OVピンがハ
イまたはUVピンがローで、GATEピンはすぐにGNDレベルに
なります。
STATUS
(ピン15)
:オープンドレイン・デジタル出力。STATUSピ
ンには、GNDに対するオープン・ドレイン出力があります。
この
ピンは、
システムでフォールトが発生していることを示すために
ローになります。最初は、VCCの低電圧ロックアウト、
または出
力電圧が有効なままでUVピンがローです。2番目は、COMP2
ピンが1.5Vより大きいか、
または0.5Vよりも低く、GAINピンの
電圧が100mVより大きい時です。最後のフォールトは、OVピ
ンがハイの時です。
この3つの不具合が、
タイミング・サイクル
の後にSTATUSピンのプル・ダウンを有効にします。
V CC(ピン16 )
:通常動作時に3.3V∼12Vの範囲の正電源入
力。ICCは標準で1.6mAです。低電圧ロックアウト回路は、VCC
の電圧が2.47Vよりも大きくなるまでデバイスをディスエーブル
します。VCCピンに0.1μFのバイパス・コンデンサをつけてくださ
い。調整しているものと同じ電源出力にVCCピンがつながれる
なら、電源出力がグランドに短絡する間、電源を持ち上げるた
めに51Ωのデカップリング抵抗が必要です。VCCは、R+とR­ピ
ンに接続される電源以上である必要があります。
4350fb
6
LTC4350
ブロック図
14
13
R+
GATE
+
VCC
12
R–
–
16
CHARGE
PUMP
ISENSE
gm = 1m
6
Ω
COMP1
GAIN
+
REF
9
SB
E/A1
FB
–
COMP2
E/A2
–
REVERSE CURRENT
–
+
+
–
IOUT
UV
OV
+
2µA/6µA
+
LOGIC
REF
10
–
REF
2
11
IOUT
+–
RSET
1
5
OVER/UNDER
CURRENT
30mV
R–
7
20k
+
R+
4
–
TIMER
STATUS
3
15
GND
8
4350 BD
4350fb
7
LTC4350
アプリケーション情報
LTC4350は、電源を並列接続する方法を提供します。
また、
負
概要
荷の分担、不具合の分離、
および電源の活線挿抜を提供しま
多くのシステム設計者は、冗長性の達成のために並列電源を
す。電源電流が実際に測定され、
そして電流シェアバス信号
経済的に実現する方法を模索しています。2番目の傾向は、多
くの電源間でいくつかの負荷の分担を提供することです。
ある と比較します。電源の出力電圧は負荷電流が電流シェアバス
に一致するまで調整され、負荷が分担されます。負荷と故障
場合には、
いずれかの電源の故障がその故障電源を切断す
負荷と直列の2つの付加的パワー
るシーケンスをトリガし、
システムにフラグを送ります。
そこで、 電源間を即座に切断する、
FETがあります。
これらのパワーFETによって、制御方法にそっ
サービス技術者が良品の電源と交換します。連続的に電源が
て電源が印加されているバックプレーンに電源を接続したり、
供給されるシステムで電源カードが交換される場合の電源バ
中断せずに抜いたりできます。
ス・グリッチを防ぐために、
ホットスワップ回路があります。
この
システムのブロック図を図1に示します。
電流分担
電流分担の構成要素について論議しましょう。
これらの要素
負荷分担とホットスワップ制御の機能を1つのデバイスに組み
を簡略化したブロック図を図3に示します。ISENSEブロックは、
込んだ、LTC4350は冗長電源の設計を簡素化します。完全な
検出抵抗両端の電圧降下を増幅して電源電流を測定します。
冗長電源は、図2に示すように電源モジュールとLTC4350のの
GAINピンの外部抵抗がISENSEブロックの利得を決めます。検
組み合わせです。電源モジュールは、LTC4350とインタフェース
+
出抵抗両端の電圧降下は、GAINピンの電流を生成するため
または帰還ピンを持
するためにリモート検出ピン
(SENSE )
に高精度な1k抵抗で除算されます。例えば、10mVの検出電
たなければならないことに注意してください。
圧は10μAの電流に変換されます。
もしGAINピンに10kの抵抗
を接続すれば、電圧利得は10k/1kつまり10になります。
CONNECTOR
HOT
SWAP
LOAD
SHARE
POWER
SUPPLY
HOT
SWAP
LOAD
SHARE
POWER
SUPPLY
LOAD
CONNECTOR
4350 F01
OUTPUT SHARE INPUT
BUS
BUS
BUS
図1.冗長電源カード・システム
INPUT BUS
OUTPUT BUS
POWER
MODULE
OUT+
SENSE+
SENSE–
OUT–
GAINピンの電圧は、E/A2ブロックを使って電流シェアバスと
比較されます。E/A2の出力は、IOUTブロックを使って電源の出
力電圧を調整するために使用します。E/A2ブロックの目的は、
GAINピンの電圧をSBピンの電圧に等しくすることです。
シス
テム内の全てのLTC4350のGAINピン電圧がSBピン電圧に等
しい場合、
負荷電流は等しく分担されています。
電圧監視
LTC4350の独自性は、
その正確な出力電圧レギュレーション
です。
これはLTC4350の誤差アンプとリファレンスで処理さ
れ、電源の誤差アンプやリファレンスではありません。E/A1ア
ンプは、FBピンに接続された帰還分割器を介して出力電圧を
監視します。FBピンの電圧は、LTC4350の内部リファレンスと
比較されます。FBピンがリファレンス以下の場合、E/A1の出力
がSBピン
(またはシェアバス)
を駆動します。FBピンがリファレ
ンスよりも高ければ、COMP1ピンはグランド・レベルとなり、直
列ダイオードを使ってSBピンをCOMP1ピンから切断します。
LTC4350
SHARE BUS
4350 F02
図2.冗長電源システム
4350fb
8
LTC4350
アプリケーション情報
OUT+
PASS-FET USED TO
DISCONNECT A BAD POWER
SUPPLY AND TO HOT-SWAP A
POWER SUPPLY
R
1 SENSE 2
CG
+
–
THIS VOLTAGE REPRESENTS
THE REFERENCE CURRENT
VALUE (i.e., SHARE BUS)
NEEDED TO FORCE THE OUTPUT
VOLTAGE TO EQUAL THE REF
FB PIN
ISENSE
GATE
DRIVE
ROUT
+
IADJ
LOAD
4
3
–
SENSE+
gm = 1m
Ω
IOUT
PIN
COMP1 PIN
–
SHARE BUS
E/A1
REF
THIS RESISTOR CONVERTS IADJ
TO A VOLTAGE TO MODIFY THE
REMOTE SENSE INPUT OF THE
POWER SUPPLY (SENSE+). IT
CREATES AN ARTIFICIAL
SENSE+ VOLTAGE THAT
ADJUSTS THE POWER
SUPPLY’S OUTPUT VOLTAGE
UP OR DOWN
+
THIS VOLTAGE REPRESENTS
THE POWER SUPPLY CURRENT
MEASURED USING A SENSE
RESISTOR
20k
COMP2 PIN
+
THIS AMPLIFIER CONVERTS
THE E/A2 VOLTAGE OUTPUT TO
A CURRENT OUTPUT (IADJ)
+
E/A2
–
IOUT
–
RGAIN
THIS AMPLIFIER FORCES THE POWER
SUPPLY CURRENT TO EQUAL THE
REFERENCE CURRENT VALUE
(i.e., SHARE BUS)
RSET PIN
RSET
4350 F03
図3.簡略化ブロック図
高度なリファレンスをもつLTC4350は、
SBピンとSBピンに接続
された20k負荷を駆動します。他のLTC4350の全てのCOMP1
ピンは、
それらのFBピンが各々のリファレンスよりも高い電圧
であるためにローになります。COMP1ピンとSBピン間の直列
ダイオードは、実際に出力段にダイオードを持つ低インピー
ダンス・バッファ・アンプです。従って、主LTC4350のE/A1は
シェアバスを、
しっかりとレギュレーションされた出力電圧を
維持する正確な値に駆動します。バッファ・アンプは少なくと
も、50個の20k負荷を駆動する能力があります
(各20k負荷は
LTC4350を示す)。
出力電圧調整
LTC4350は、
リモート検出の機能がある電源で動作するよう
に設計されています。各々の電源の出力電圧は、共通の負荷
で最終的な出力電圧より低く、調整してください。例えば、5V
システムでは、電源出力は4.90Vまたは5Vより低い何らかの値
に設定する必要があります。
これは通常、
モジュールの調整ピ
ンで行います。
そして電源電圧の出力は、
いくらかの正の検出
電圧を作為的に減らすことで増加します。
そしてLTC4350は出
力電圧を5V(2%の増加)
に調整します。最大調整範囲は、配
線の電圧降下を見込んで2%∼5%、
ただし300mV以内に設
定できます。
ほとんどの電源では、電圧検出は直接出力電圧に接続されま
す。小さな値の抵抗ROUTが電源検出ラインと直列に接続され
る場合、ROUT両端の電圧降下によって検出電圧は低めに生
じます。
これにより、電源は補償出力電圧を増加しなければな
りません。従って、LTC4350は、最終的な出力電圧の完全な制
御を遂行します。
4350fb
9
LTC4350
アプリケーション情報
IOUTブロックは、E/A2出力
(COMP2ピン)
をROUTを流れる電
流に変換します(図3参照)。COMP2の電圧が増加する時、
ROUTでの電流も増加します。
つまり、ROUT両端の電圧降下に
等しい量で出力電圧は増加します。外部抵抗RSETがI OUTブ
ロックで、電圧対電流の関係を設定します。ROUTでの電流は
次式で定義されます。
IADJ =(VCOMP2−0.58V)/RSET
RSETの両端に適用される最大電圧は1Vです。
出力電圧の調
整範囲は次式で設定されます。VMAXADJ = ROUT/RSETこれ
は、
シェアバスが偶発的にVCCに短絡した場合、最悪条件の
出力電圧を設定します。前述のとおり、
その範囲は2%∼10%
の値です。
補償因子のCCP1とCCP2は、2つの誤差アンプE/A1とE/A2のク
ロスオーバ周波数を設定するために使用します。全部品を選
択する計算に関しては、設計例の項で論議します。
出力調整ソフト・スタート
LTC4350には、GATEピンがVCCを4V以上超え、
タイマが終了
してUVピンが有効になるまで、COMP2ピンをグランド・レベ
ルに維持するソフト・スタート回路があります。
起動時には、出力電圧を監視し、調整する回路を含むほとん
どの回路が有効です。外部パワーFETは、電源が投入される
時、最初は開放回路です。FETがオフから完全なオン状態に
遷移するまで、約10ms∼100ms必要です(ホットスワップの項
で後述されます)。
この間、FBピンはグランド近傍で、SBを正
の電源レール・レベルにします。
そしてCOMP2ピンも正の電源
レール・レベルになり、RSETは1Vになります。
そこで、電源の出
力電圧は公称よりも10%高い、
その最大調整値に調整されま
す。一旦パワーFETがオンすると、
負荷はこの調整出力電圧を
見ます。
これは、
負荷で電圧オーバシュートのように現れ、
ルー
プ自身が補正されるまで存在します。ループの主要な極は
COMP2に存在します。従って、
オーバシュート期間はCOMP2
ピンの放電時間で決まります。
このオーバシュートを取り除くために、COMP2ピンはGATEピ
ンがV CCよりも4V以上高くなる(パワーFETがオン)まで、
グラ
ンドにクランプされます。
そして、COMP2ピンは充電し始めFB
ピンが1.220Vに安定するまで充電を続けます。
パワーFETはオンしたが、電源はまだ上昇を続けている場
合には、負荷電圧はオーバシュートします。
これらの場合、
COMP2ピンは1タイミング・サイクルの間、
グランドにクランプ
されます。UVピンが1.244Vよりも大きい場合、
デバイスはタイ
マ・サイクルを開始します。
タイマ・サイクルは、TIMERピンの外
部コンデンサへの2μAの電流ソースを使用します。
TIMERピン
の電圧が1.220Vを超えるとすぐに、
タイマ・サイクルは終了しま
タイ
す。
タイム・アウトは、t = CT • 1.220V/2μAで定義されます。
マ・サイクルの終わりで、電源の立ち上がりも終了しなければ
いけません。
フォールト
電源出力のフォールトには、
いくつかの種類があります。出力
からグランドまたは通常の出力電圧より高い正電源への短
絡は、ハード・フォールトと考えられます。
これらのフォールト
は、システムの破損を防ぐために、ただちに悪い電源を負荷
から切断する必要があります。
ソフト・フォールトには、電源故
障による回路開放や、出力電圧は正常だが、
いくつかの電源
間で負荷分担が等しくない負荷電流分担故障があります。
LTC4350は軽いフォールトも厳しいフォールトも分離でき、
STATUSピンを使ってシステム・コントローラに信号を出しま
す。
ハード・フォールト
LTC4350は、付加の外部パワーFETが電源と負荷の間につな
がれる場合には、電源でのフォールトを認識し、
それを負荷か
ら分離できます。電源出力がグランドに短絡した場合、逆電流
ブロックが、電流検出抵抗両端の電圧が極性を変え、5μsより
も長く30mVを超えていることを検出します。外部パワーFETの
ゲートがすぐにローになり、負荷から短絡を切り離します。検
出抵抗両端の逆電圧が20mVよりも低いとすぐに、
ゲートを立
ち上げ、
パワーFETをオンします。
電源出力が高電圧に短絡する状態は、過電圧フォールトと
みなされます。
この場合、パワーFETのゲートはローになり、
負荷から過電圧を切断します。
この機能は、電源出力電圧を
監視するためにOVピンを使用します。一旦OVピンの電圧が
1.220Vのスレッショルドを超えると、外部パワーFETのゲート
はローになります。
4350fb
10
LTC4350
アプリケーション情報
OVピンが1.220Vを超えるとすぐに、
タイマが始動します。
タイ
マは、TIMERピンの外部コンデンサのための6μA電流ソース
から成ります。TIMERピンの電圧が1.220Vを超えるとすぐに、
STATUSピンがローになります。
図3には2つの外部パワーFETがあります。電源側(左)
にドレ
インを持ち、
負荷側(右)
にソースを持つFETは、高電圧フォー
ルトを負荷から防止するために使用されます。過電圧保護が
不要な場合には、
このFETは省略できます。同様に、負荷側
(右)
にドレインを持つFETは、
グランドへの短絡保護が不要
な場合には削除できます。パワーFETの他の用法は、電源の
ホットスワップを行えることです。
ホットスワップについては後
述します。
ソフト・フォールト
システム出力電圧のレギュレーションを厳密にするシェアバス
の存在によって、
システムは負荷電流が正確に分担されてい
るかどうかを検出できます。前述のように、測定された電流が
シェアバスの値に等しくなるまでE/A2の出力が調整します。電
源出力が正しく分担することに失敗すると、E/A2出力は加減
された電圧になります。LTC4350は、E/A2出力を監視するた
めに、過電流/低電流防止を使用します。
このブロックは、E/A2
出力がIOUTブロックがアクティブである公称0.5V∼1.5Vの範
囲外になる時、
ソフト・フォールトが発生していることを示すロ
ジックを発信します。
タイマ・サイクルの後、STATUSピンがソフ
ト・フォールトを示します。
タイマは、TIMERピンの外部コンデ
ンサのための2μA電流ソースから成ります。TIMERピンの電
圧が1.220Vを超えるとすぐに、STATUSピンがローになります。
STATUSピンのフォールト表示は、
ある1つの条件ではディス
エーブルされます。
負荷電流が低い時、E/A2出力は0.5Vよりも
ソフト・フォール
低くなります。
この場合、
電流が大きくなるまで、
トの表示をディスエーブルする必要があります。大きな電流と
は、
GAINピンが100mVよりも大きくなる時として定義されます。
ソフト・フォールトの最も一般的な状況は、
電源が抜かれる、
お
よびシェアバスがVCCやグランドに短絡するような場合です。
ホットスワップ
LTC4350は、電源バスに供給せずに、電力が印加されている
システムに電源を活線挿抜できるように外部パワーFETを制
御します。パワーFETのゲートはゆっくりと立ち上がります。
こ
れは電源の入出力コンデンサをゆっくりと変化させ、
コンデン
サが電源バスに活線挿入されたことによる大きな突入電流を
防ぎます。
電源がV CCに最初に投入された時、パワーFETのゲートは
ローになります。VCCが低電圧ロックアウトのスレッショールド
よりも高くなるとすぐに、
デバイスのUVピンが機能します。VCC
ピンには0.1μFバイパス・コンデンサが必要です。VCCピンが調
整している電源と同じ出力に接続されている場合は、電源出
力がグランドに短絡している間、電源を持ち上げておくために
51Ωのデカップリング抵抗が必要です。
UVピンが1.244Vよりも高い場合、外部FETのゲートは10μA
の電流ソースで充電されます。GATEピンの電圧は、10μA/CG
に等しい傾斜で上昇し始めます
(図4)。
ここで、CGはGATEピ
ンとGND間に接続された外部コンデンサです。
この緩やかな
充電によって、電源出力は安全な方法で負荷分担を開始でき
ます。
VCC + 10V
GATE
SLOPE = 10µA/CG
VOUT
VCC
t1
t2
4350 F04
図4.電源オン
4350fb
11
LTC4350
アプリケーション情報
ます。SENSE+ラインがない場合には、
モジュールの誤差アン
プの帰還分割器が利用できます。次の段階は、各電源に必要
な最大の正の調整をを決めることです。
この調整には、電源と
負荷間の供給経路にあるいかなる検出抵抗、パワーFET、配
線、
および接続で発生するI • R降下も含みます。例えば、最大
電流が10Aで、電源と負荷間の寄生抵抗が0.01Ωの場合、I •
R降下のための正の調整範囲は0.1Vです。開始電圧は4.9V
0.1Vですから、最低の開始電圧は4.8Vになります。
この電圧
は目標よりも0.2V低い値です。
この例でLTC4350が必要とす
る全調整範囲は0.1V+0.2V = 0.3Vです。最低の開始電圧が
目標電圧を300mV以上下回ってはならないことに注意してく
ださい。
電源が抜かれる時、電源に負荷がかかっている場合はUVピ
ンは1.220Vよりも低く降下します。LTC4350は即座にパワー
FETのゲート放電し、電源を負荷から分離します。
設計例
負荷分担部品
この項では、部品定数の選択に伴う計算を説明します。図5の
設計例は5V出力です。
この設計は、各々の類似の項へ拡張で
きます。
第1段階は、最終出力電圧と出力電圧の調整量を決めること
です。負荷分担される前の電源電圧は、最終出力電圧よりも
低くある必要があります。
負荷が5Vを得ることを期待している
のであれば、全ての共有される電源は4.90Vよりも低く調整さ
れなければいけません。
これによって部品とリファレンスの偏
差には2%の変動が与えられ、
出力はいつでも5Vよりも低く開
始します。
負荷に大きなコンデンサを付加する必要がないように、
I • R降
下は低く設計してください。
ほとんどの場合、大きなコンデンサ
は、I • R降下前の電源出力にあります。0.002Ωの検出抵抗が
使用され、FETの抵抗が0.003Ωより低ければ、全体で0.005Ω
の直列抵抗は20A負荷まで容認できます。FBピンがDC出力
インピーダンスを補償できることは明らかですが、AC出力イン
ピーダンスはI • R降下にコンデンサのESRを加えたものです。
所望の出力よりも低く出力電圧が設定されると、LTC4350は
電源のSENSE+入力を利用して出力を増加する責務を負い
OUT+
4 × SUD50N03-07
(0.007Ω EACH)
4.9V NOMINAL, 5.3V MAXIMUM
ROUT
30Ω
SENSE+
3
51Ω
RG
100Ω
0.1µF
VCC
RSET
100Ω
IOUT
RSET
RGAIN
86.6k
274k
CUV
0.1µF
43.2k
GATE
R+
R–
FB
TIMER
GAIN
LTC4350
GND
STATUS
SB
UV
COMP1
OV
121k
12.1k
1
RSENSE
0.002Ω
5V SHARE
BUS BUS
2
4
37.4k
12.1k
CG
0.1µF
CT
0.1µF
STATUS
CP1
1000pF
4350 F05
COMP2
CP2
1µF
RP1
150Ω
図5.5V負荷分担(モジュールあたり20A)
4350fb
12
LTC4350
アプリケーション情報
RSETを100Ωにすると、100ΩのROUTによって出力電圧は最大
1Vの調整ができます。
この例で0.3Vの範囲は、ROUTが30Ωで
す。
いくつかの電源モジュールでは、SENSE+ラインと電源出
力の間に既に抵抗があります。
この場合、ROUTの値は2つの抵
抗の並列接続です。1つはモジュール内で、
もう1つはSENSE+
とモジュールの出力端子の間にあります。
利得設定抵抗R GAINの値は、検出抵抗両端の最大電圧降
下およびデバイスの電源電圧V CCに依存します。GAINピン
の最高可能電圧は1.5V∼V CC 電圧です。GAINピンの最大
電圧は次のように表されます。VGAINMAX = RSENSE • IMAX •
RGAIN/1k = VCC­1.5V 従って、RGAINの式は次式のように
なります。RGAIN =(VCC­1.5V)• 1k/(RSENSE • IMAX)
この例
では、VCC = 5V、IMAX = 20A、
そしてRSENSE = 0.002Ωです。
従って、RGAINは87.5kですが、1%値を使うと86.6kとなります。
FBピン分割器が、5V入力に対して1.220V出力を提供します。
FBピン分割器の抵抗精度が、最終的な出力電圧の精度に影
響します。
この例のUV抵抗分割器は、VCCが4Vより高く増加
するとゲートをオンします。
これはUVピンが1.220Vに相当しま
す。
コンデンサC UVは、負荷が変動する間の誤動作を防ぎま
す。OV設定点は、VCCに対する最大調整を超えている必要が
は5Vの高さで始まり、5.3V
あります。電源出力
(VCCでもある)
まで調整できます。
この例で、OVピンが1.220Vの時のOV設
定点はVCCでは5.5Vです。
タイマ・コンデンサCTは、
0.1μFで61msタイマ・サイクルであるよ
うに設定します。式は次のようになります。t = C T • 1.22V/2μA
ゲート・コンデンサCGは、10μA/CGまたは10msごとに1Vの傾
斜を持つように0.1μFに設定します。
この場合、
出力が5Vに上
がる前にGATEピンは9Vまで充電しなければならず、
それに
は90msかかります。
この場合、
ゲートが9Vよりも高くなると、
出
力調整ソフト・スタートがオンします。
ソフト・スタート回路が
COMP2ピンを解除し、
負荷分担ループが機能します。100Ωの
抵抗RGは、
オン・スレッショルドでパワーFETが高周波発振し
ないようにします。V CCピンには0.1μFバイパス・コンデンサが
必要です。VCCピンが調整されている同じ電源電圧に接続さ
れている場合には、電源出力がグランドに短絡する間、電源を
引き上げておくために51Ωのデカップリング・コンデンサが必
要です。
補償
帰還誤差アンプE/A1のクロスオーバ周波数を設定するため
に、補償コンデンサC P1が必要です。200kHzのクロスオーバ
周波数はほとんど全ての用途で適正であり、C P1は1000pF
(0.001μF)
が必要です。
他の補償コンデンサの設計には、電源の帯域に関する知識が
必要となります。帯域は容易に測定できます。
まず、電源の出力
電圧を監視するためにストレージ・オシロスコープを使用しま
す。次に、1Aの固定抵抗負荷を準備し、
そして全負荷電流を
最大定格近くに増加する2番目の抵抗負荷に切り替えます。
電源出力に2番目の抵抗(正しい電力定格)
の支線を引くと、
負荷ステップを生じます。出力電圧が100mVよりも大きく降
下する時(例えば5Vから4.8Vへ)、
その立ち下がりエッジでス
コープをトリガします。
そのステップからの復帰時間t Rを測定
してください。t Rは、10%から90%までの時間測定として定義
されます
(図6参照)。
90%
0.1∆V
VOUT (t)
抵抗ROUTとRSETは、調整範囲を設定します。RSETの電圧は、
ROUT/RSETの比でROUTの電圧に変換されます。従って、
出力
電圧の調整は、COMP2ピンの電圧から1ダイオード電圧を引
いたものでもあるRSETの電圧に追従します。式は次のようにな
ります。VADJ =(VRSET)• ROUT/RSET =(VCOMP2­VDIODE)•
ROUT/RSET VRSETの最大電圧は1Vに制限されます。
出力の
最大調整は次式で表されます。VADJMAX = ROUT/RSET 通
常、RSETの値は50Ω∼100Ωの範囲です。
0.1∆V
∆V
10%
tr
t
4350 F06
図6.tR測定
4350fb
13
LTC4350
アプリケーション情報
補償コンデンサCP2は、tRを使用して表1から見い出すことがで
きます。零点を設定する抵抗RP1の値は150Ωです。
この値は、
零点がクロスオーバ周波数以上であることを補償します。
表1
は主基板に挿入する従たるカード上に電源と一緒にあります。
この場合、入出力コンデンサをホットスワップする必要があり
ます(図7参照)。LTC4350が出力コンデンサをホットスワップ保
護します。
LT®4250が入力コンデンサをホットスワップ保護しま
す。他のホットスワップ部品を表2に記載します。
tR
fC = 0.35/tR
CP2
5µs
70kHz
0.1µF
10µs
35kHz
0.22µF
VOLTAGE RANGE
3.3V to 12V
LTC1422 Single Channel
LTC1645 Dual Chanel
3.3V to 15V
LTC1642 Overvoltage Protection
20µs
17.5kHz
0.47µF
40µs
8.8kHz
1µF
60µs
5.8kHz
1.5µF
80µs
4.4kHz
2.2µF
100µs
3.5kHz
2.7µF
150µs
2.3kHz
3.3µF
200µs
1.8kHz
4.7µF
300µs
1.2kHz
6.8µF
400µs
0.9kHz
10µF
500µs
0.7kHz
12µF
他のアプリケーション
このデータシートの最初のページにに示したアプリケーショ
ンは、電源と負荷が1つの主基板上にあると仮定しています。
システムが真のN+1ホットスワップ電源の場合には、LTC4350
表2
2.7V to 16.5V
PART NUMBER
LTC1647 Dual Channel
9V to 80V
LT1641 Positive High Voltage
–20V to –80V
LT4250 Negative High Voltage
ある場合には、
出力電圧はLTC4350の低電圧ロックアウトより
も低いことがあります。
この場合、
デバイスに電力を供給するた
めに3.3V以上の外部電源が必要です。24V入力/1.5V出力の
スイッチング電源を用いた、1.5V出力冗長電源を図8に示しま
す。LTC4350のVCCピンは、LTC1629のINTVCCピンで駆動で
きます。
4350fb
14
LTC4350
アプリケーション情報
–48V RTN
–48V RTN
POWER SUPPLY 1
RTN
VIN+
VDD
UV
LT4250L
OV VEE
SENSE
PWRGD
1
OUT+
3.3V
2
4
3
ON/OFF
DRAIN
GATE
RSENSE
ROUT
+
SENSE
SENSE–
RG
–48V
3
1
–48V
–48V
3.3VOUT
4
2
VIN–
OUT–
CG
VCC
GND
RSET
SB
RGAIN
STATUS
IOUT
RSET
R+
R–
FB
STATUS
GAIN
SB
LTC4350
GND
CONNECTOR
GATE
TIMER
CT
UV
OV
CUV
COMP1
COMP2
LOAD
CP1
CP2
RP2
–48V RTN
POWER SUPPLY 2
RTN
VIN+
VDD
UV
LT4250L
OV VEE
SENSE
PWRGD
1
OUT+
3
3.3V
2
4
ROUT
ON/OFF
DRAIN
GATE
RSENSE
SENSE+
SENSE–
RG
–48V
–48V
3.3VOUT
3
1
4
2
VIN
–
OUT–
CG
VCC
GND
RSET
SB
RGAIN
STATUS
IOUT
RSET
R+
R–
FB
STATUS
GAIN
SB
LTC4350
GND
CONNECTOR
GATE
TIMER
CT
UV
CUV
OV
COMP1
COMP2
CP1
CP2
RP2
4350 F07
図7.­48V入力/3.3V出力、
ホット・スワップ電源
4350fb
15
LTC4350
パッケージ
GNパッケージ
16ピン・プラスチックSSOP
(細型0.150)
(Reference LTC DWG # 05-08-1641)
.189 – .196*
(4.801 – 4.978)
.045 ±.005
16 15 14 13 12 11 10 9
.254 MIN
.009
(0.229)
REF
.150 – .165
.229 – .244
(5.817 – 6.198)
.0165 ± .0015
.150 – .157**
(3.810 – 3.988)
.0250 BSC
RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUT
1
.015 ± .004
× 45˚
(0.38 ± 0.10)
.007 – .0098
(0.178 – 0.249)
.0532 – .0688
(1.35 – 1.75)
2 3
4
5 6
7
8
.004 – .0098
(0.102 – 0.249)
0˚ – 8˚ TYP
.016 – .050
(0.406 – 1.270)
NOTE:
1. 標準寸法:ミリメートル
インチ
2. 寸法は
(ミリメートル)
.008 – .012
(0.203 – 0.305)
TYP
.0250
(0.635)
BSC
GN16 (SSOP) 0204
3. 図は実寸とは異なる
* これらの寸法にはモールドのバリを含まない
モールドのバリは各サイドで0.006"(0.152mm)
を超えないこと
** 寸法にはリード間のバリを含まない
リード間のバリは各サイドで0.010"(0.254mm)
を超えないこと
4350fb
16
LTC4350
改訂履歴 (Rev Bよりスタート)
REV
日付
概要
ページ番号
B
3/10
新規設計には推奨されません。
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4350fb
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い
ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資
料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
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LTC4350
アプリケーション情報
24VIN
VIN
24V
VIN
CIN
RSENSE
1.5V
RSENSE
1.5V
COUT
RG
GND
GND
VCC
SENSE GATE
ON
LT1641
TIMER
INTVCC
GND
CG
ROUT
LTC1629
VOS+
VCC
RSET
RGAIN
1.5VOUT
LOAD
STATUS
R+
R–
FB
IOUT
RSET
STATUS
GAIN
SB
LTC4350
GND
SB
GATE
TIMER
CT
UV
OV
CUV
CONNECTOR
COMP1
COMP2
CP1
CP2
RP1
24VIN
VIN
CIN
COUT
RG
GND
GND
VCC
SENSE GATE
ON
LT1641
TIMER
GND
CG
ROUT
INTVCC
LTC1629
VOS+
VCC
RSET
RGAIN
VOUT
STATUS
R+
R–
FB
IOUT
RSET
STATUS
GAIN
SB
LTC4350
GND
SB
GATE
TIMER
CT
UV
CUV
CONNECTOR
OV
COMP1
COMP2
CP1
CP2
RP1
図8.24V入力/1.5V出力、
ホット・スワップ電源
関連製品
製品番号
LTC1421
説明
ホットスワップ・コントローラ
LT1640AL/LT1640AH 負電圧ホットスワップ・コントローラ
LT1641
LTC1645
LTC1646
LTC4251
3V∼12V、­12V複数電源
­10V∼­80V、負の高電圧電源
正電圧ホットスワップ・コントローラ
9V∼90V、正の高電圧電源
デュアルCompactPCIホットスワップ・コントローラ
プリチャージとローカル・リセット・ロジックで3.3V/5Vのみ
マルチ機能回路ブレーカ付ホットスワップ・コントローラ
2.5V∼16.5V電源、RESET出力
2チャネル・ホットスワップ・コントローラ
LTC1647-1/LTC1647-2 デュアル・ホットスワップ・コントローラ
LTC4211
注釈
1.2V∼12Vで動作、電源シーケンス
デュアルONピン、2.7V∼16.5Vで動作
ThinSOT™パッケージ、­48Vホットスワップ・コントローラ アクティブ電流リミット、­15V∼­100V電源
4350fb
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リニアテクノロジー株式会社
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8F
TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp
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LT 0310 REV B • PRINTED IN JAPAN
 LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2001