LT Journal of Analog Innovation V24N1 - April 2014

2014 年 4 月
こ の 号 の 内 容
堅牢な RS485/RS422
トランシーバ 9
MIL-STD-1275D への適合を
容易にする高電圧サージ・
ストッパ 15
高 PWM 調光比向けの昇降圧
第 24 期第 1 号
入力が 6.5V∼100V 超の
フォワード・コンバータ用
アクティブ・クランプ
同期コントローラ
LEDドライバ 22
Wei Gu, Randyco Prasetyo, Fei Guo
コスト効果の高い高電圧
LT3752、LT3752-1、および LT3753 は、外部コンポーネント数、ソリューショ
isoSPI ™カップリング 26
理想ダイオードと 200V バスの
組み合わせ 30
ンの規模、およびコストを削減する高性能の高集積アクティブ・クランプ・フォ
ワード・コントローラです。これらのコントローラのうち、LT3752 と LT3753 の
2 つは 100V までの入力用に設計されている一方、LT3752-1 は 100V を超える
入力をもつアプリケーション用に設計されており、ハイブリッド自動車のバッテ
リとオフライン絶縁型電源、産業、車載、および
防衛用の各種システムに適しています。これらの
コントローラはすべて、最大 400W の単一 IC 出
力電力レベル向けのコンパクトで多機能、かつ効
率的なソリューションです。コンバータ出力を直
列にスタックすることにより、さらに高い電力レ
ベルに対応します。これらのデバイスの機能比較
については、表 1(4 ページ)を参照してください。
正確にプログラミング可能なボルト秒クランプによる
オプトカプラ無しでの安定化
図 1 に、詳細な 150W フォワード・コンバータを示します。LT®3752
のプログラミング可能ボルト秒クランプが正確なため、オプトカプラを
必要としません。連続導通モードで動作するフォワード・コンバータの
場合、出力電圧は VOUT = VIN • N • D の式で表されます。VIN は入力
電圧、N は 1 次に対する 2 次の巻数比、D はデューティ・サイクルです。
(4ページに続く)
LT8614 Silent Switcher™ が EDN & EE Times の ACE Award を受賞(3 ページ)
www.linear-tech.co.jp
リニアテクノロジーの
ニュース
この号の内容
COVER STORY
入力が 6.5V∼100V 超のフォワード・コンバー
タ用アクティブ・クランプ同期コントローラ
Wei Gu, Randyco Prasetyo, Fei Guo
リニアテクノロジー社の新しいビデオ
1
リニアテクノロジ ー 社 の 最 高 技 術 責 任 者 Bob Dobkin による www.linear-tech.co.jp の
新しい 2 つのビデオでは、通常のレギュレーション機能にモニタと制御の機能を追加した
DESIGN FEATURES
3V∼5.5V の電源で動作し、±60V のフォルトに
耐える RS485/RS422トランシーバ
Ciaran Brennan
大型のパッシブ・コンポーネントと置き換えて
MIL-STD-1275D への適合を容易にする高電圧
サージ・ストッパ
Dan Eddleman
LDO+™リニア・レギュレータの新ファミリについて説明しています。ここでは、それらのビデ
オ、および最近公開されたその他 2 つのビデオの概要を示します。
9
ケーブル電圧降下補償機能を備え、電流と温度を監視する 2.1A LDO+ レギュレータ
Bob Dobkin、技術担当副社長兼 CTO̶LT3086 LDO+ は、 LDO の通常のレギュレーション
機能に加えて、温度と出力電流の両方を監視して外部で制限することができ、正確なパワー
グッド出力をもちます。また、レギュレータと負荷の間で発生するケーブル電圧降下を補償で
15
きます。www.linear-tech.co.jp/solutions/4522
電流と温度を監視する 1.5A LDO+ レギュレータ
DESIGN IDEAS
Bob Dobkin、技術担当副社長兼 CTO̶LT3081 LDO+ は安全動作領域が広く、入出力の差
LTspice IV の最新情報
Gabino Alonso
広範な入力電圧で広い PWM 調光範囲を可能
にする昇降圧 LEDドライバ
Keith Szolusha、Taffy Wong
高電圧高容量バッテリ・システム向けの低コス
トの isoSPI 結合回路
Jon Munson
理想ダイオードと 200V バスの組み合わせ
20
が大きい場合に高電流で動作可能です。LT3081 の出力電圧は 0V∼37V で調整可能で、
逆電圧に耐えます。電流監視と温度監視の出力を備えています。LT3081 は、出力コンデン
サや入力コンデンサを接続せずに安定であり、これはこのデバイス独自の特長です。
22
www.linear-tech.co.jp/solutions/4521
作動オペアンプを用いたシングルエンドから差動への変換
Kris Lokere、信号チェーン製品アプリケーション・マネージャ̶差動オペアンプは、現在のアナロ
26
グ信号回路およびミックスド・シグナル回路で重要な構成ブロックです。例えば、現在の多
くの ADC には入力に差動信号が必要であり、ケーブルを経由する信号の駆動に差動アナ
Mitchell Lee
30
new product briefs
31
back page circuits
32
ログ信号が使用されています。このビデオでは、シングルエンド入力信号を差動出力に変
換するために差動オペアンプを接続する方法、同窓レベル・シフトの仕組み、および差動
オペアンプを使用してアクティブ・フィルタを構成する方法について説明します。
www.linear-tech.co.jp/solutions/4524
小型で効率的な非接触バッテリ充電を可能にするワイヤレス受電器
Trevor Barcelo、バッテリ・チャージャ製品ライン・マネージャ̶ワイヤレス・バッテリ充電は、有線
コネクタの使用が困難または不可能な場合にアプリケーションを使用可能にします。この例と
して、過酷な環境で動作する必要がある製品、クリーニングまたは滅菌が必要な製品、小型
のためにコネクタに接続できない製品などがあります。このビデオでは、LTC®4120 400mA
ワイヤレス受電器の降圧型バッテリ・チャージャとワイヤレス送電器を使用して、定電流 / 定
電圧充電アルゴリズムで 3.5V∼11V のバッテリを充電します。ワイヤレス・パワー・システム
では一般的な熱や過電圧の問題を発生することなく、高い効率で充電できます。
www.linear-tech.co.jp/solutions/4469
2 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
リニアテクノロジーのニュース
リニアテクノロジー社のバッテリ管理
スタンフォード大学のソー
ラー・カーは、LTC6803
システムを搭載したスタンフォード大学の
および LTC6804 マル チ
ソーラー・カーがレースに参加
セル・バッテリ・スタック・
モニタをはじめとする多数
Stanford Solar Car Project は、すべて学生が
のリニアテクノロジー社製
運営するスタンフォード大学の非営利団体であ
品を使用。
り、ソーラー・カーを作成し、オーストラリアのア
ウトバックで開催された 2000 マイルのワールド・
ソーラー・チャレンジのレースに参加しました。
このレースは、学生が貴重なエンジニアリング
の実践経験を積む機会であるだけでなく、クリー
ン・エネルギで駆動する車両の認識を高めるも
のです。Stanford Solar Car Project のチーム
は 2013 年のブリヂストン・ワールド・ソーラー・
チャレンジで全体の 4 位になり、昨年 10 月にオー
ストラリアで開催されたこの過酷な 5 日間のレー
スで、大学生による最速のソーラー・カーでした。
このチームでは機械的な不具合がまったく発生
真の 20 ビット ADC を実 現します。5V の差 動
防衛用通信、ワイヤレス中継器、公共安全無線、
せず、ガソリンを 1 滴も消費しませんでした。
入力スパンで 5µV の分解能が得られます。この
VHF/UHF/ ホワイト・スペース放送レシーバ、
104dB の SNR は、1Msps の遅延なし ADC で
レーダー、および航空機器のアプリケーションに
業界の最高値であり、遅延のある高速デルタ・
理想的です。
スタンフォード大 学 のソーラー・カー には、
LTC6803 および LTC6804 マルチセル・バッ
テリ・スタック・モニタをはじめとする多数のリ
ニアテクノロジー社製品が使用されています。
Luminos ソーラー・カーに使用されているそ
の他のリニアテクノロジー社製品として、Hot
Swap™ コントローラ、高精度リファレンスおよ
びアンプ、LEDドライバ、マイクロパワー降圧レ
シグマ ADC よりも高いダイナミック・レンジを有
します。アプリケーションには、地震監視、エネ
カンファレンスおよびイベント
ルギ探索、気流検出、シリコン・ウエハー製造、
Advanced Automotive Battery Conference、
医療機器、データ収集システム、自動試験機器、
国立京都会議会館、5 月 19∼23 日、ブース 40̶リニ
小型測定装置、産業プロセス制御システムなど
アテクノロジー社はパワー・マネージメントシス
があります。
テムとバッテリ監視システムを展示します。詳細:
ギュレータ、マイクロパワー低ドロップアウト・レ
最終候補、優秀製品:ワイヤレス /RF̶
ギュレータ、同期降圧スイッチング・レギュレー
ダウンコンバーティング・ミキサ LTC5551 の
タがあります。
+36dBm の IIP3(3 次入力インターセプト)と
リニアテクノロジー社製品が獲得した賞
EDN & EE Times ACE Awards
受賞、優秀製品:電源̶
LT8614 Silent Switcher™ レ ギ ュレ ー タ は、
4A、42V 入力対応同期降圧スイッチング・レギュ
レータです。EMI/EMC 放射を 20dB 以上低減
します。スイッチング周波数が 2MHz を超える
場合でも、同期整流の効率が 96%と高い一方、
負荷のないスタンバイ状態で Burst Mode® 動
作は暗電流を 2.5µA 未満に維持します。車載お
よび産業アプリケーションでは、 3.4V∼42V の
入力電圧範囲が理想的です。
www.advancedautobat.com/conferences/
automotive-battery-conference-Asia-2014/
index.html
2.4dB の変換利得は、圧倒的です。同様の IIP3
ワイヤレスジャパン 2014、 東 京ビッグサイト、5 月
性 能をもつ 他 の パッシブ・ミキサには 通 常、
28∼30 日、西ホール 3、ブース W118̶リニアテクノ
7dB∼9dB の変 換 損 失 があります。LTC5551
ロジー社の Dust Networks® ワイヤレス・セン
がもつ 2.4dB の変換利得は、レシーバのダイナ
サー・ネットワーク・ソリューションを展示します。
ミック・レンジを実質的に向上します。このミキ
詳細:www8.ric.co.jp/expo/wj/ サは、300MHz∼3.5GHz の広い RF 周波数範
囲で使用できます。LTC5551 はチップ上に LO
バッファを内蔵しており、0dBm の駆動レベルの
みが必要です。多くの場合に +17dBm 以上の電
力レベルを必要とする高パワー・バッファ・アン
プ段は不要です。そのように高い LO 信号をユー
ザーのレシーバから取り除くことにより、全体の
コストが下がり、望ましくない放射の発生源が
なくなります。これにより、フィルタ処理、および
最終候補、優秀製品:アナログ IC̶
RF シールドが単純化されます。このミキサの非
LTC2378-20 は、20 ビット、1Msps の消費電
常に優れた性能は、マルチキャリア GSM、4G
力が低く遅延のない SAR ADC であり、0.5ppm
LTE、および LTE-Advanced のマルチモード基
の積分非直線性誤差(INL)で業界をリードし、
地局、ポイント・ツー・ポイント・バックホール、
Sensors Expo/Energy Harvesting Pavilion、
Donald E. Stephens Convention Center、米国
イリノイ州ローズモント、6 月 24∼26 日、ブース 920̶
リニアテクノロジ ー 社 は 環 境 発 電およびワイ
ヤレス・ セン サ ー の ネットワーク・ソリュー
ションを展示します。講演:講師 Sam Nork、
「Energy Harvesting for Battery-Operated
「Reliable,
Applications」、 講 師 Joy Weiss、
Low-Power Wireless Sensor Networks for
the Industrial Internet of Things」。
詳細:www.sensorsmag.com/sensors-expo
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 3
表 1.LT3752、LT3752-1、および LT3753 の機能比較
製品
入力範囲
アクティブ・クランプ・
ドライバ
ハウスキーピング・フライバック・
コントローラ
LT3753
8.5V∼100V
低電位側
なし
LT3752
6.5V∼100V
低電位側
あり
LT3752-1
100V∼400V 超
高電位側
あり
((LT375x)1 ページからの続き)
入力電圧範囲で VOUT を一定に維持するために、
LT3752、LT3752-1、および LT3753 は OUT
ピンでデューティ・サイクルをクランプし、VIN を
逆方向に追跡します。
部品間での正確なレギュレーションを実現する
に供給できるので、メイン・フォワード・トランス
ために、LT3752、LT3752-1、および LT3753
の補助巻線からバイアス電力を生成する必要が
は、トリミングされたタイミング・コンデンサやコ
なくなり、トランスの複雑度、規模、およびコス
ンパレータしきい値を採用しています。図 2 に、
トを大幅に低減できます。
さまざまな入力電圧について、負荷電流に対す
る VOUT を示します。
アクティブ・ボルト秒クランプ方式では、VOUT の
精度はボルト秒クランプの精度に大きく依存し
デューティ・サイクル・クランプをプログラミング
ます。競合製品のボルト・クランプ・ソリューショ
する抵抗がオープンになると、その部品はただ
ンでは、外部 RC ネットワークをシステム入力に
ちにスイッチングを停止し、デバイスがボルト秒
接続し、内部コンパレータのしきい値をトリップ
クランプを行わずに動作することを防止します。
します。この RC 方法の精度は、外部コンデンサ
のエラー、各部品間でのRC 時定数とICのスイッ
ハウスキーピング・フライバック・コントローラを
チング周期の不整合、内部コンパレータのしき
内蔵
い値のエラー、および低入力電圧時の充電の非
LT3752/LT3752-1 は、ハウスキーピング電力
線形性から悪影響を受けます。
を発生する定周波数フライバック・コントローラ
を内蔵しています。ハウスキーピング電源は、1
次側と 2 次側の両方の IC にバイアスを効率的
図 1. オプトカプラを使用しない 150W フォワード・コンバータ
VIN
18V TO 72V
INTVCC
4.7µF
100V
×3
D2
•
T2
2.2µF
•
VAUX
D3
•
2.2µF
•
T1
4:4
L1
6.8µH
•
20k
D4
15nF
Si2325DS
100nF
M2
499Ω
0.15Ω
10k
M3
LT3752
OVLO
1.82k
22.6k
34k
31.6k
49.9k
7.32k
60.4k
4 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
22nF
0.33µF
22nF
COMP
FB
2.8k
•
560Ω
CSW
FB
VAUX
4.7µF
499k
4.7µF
1.1k
CSN
CSP
PGOOD
SYNC
T3
INTVCC
HFB
LT8311
GND
10k
HCOMP
SS2
SS1
RT
TBLNK
IVSEC
TAS
TOS
TAO
GND
•
220pF
SOUT
INTVCC
VIN
2.2nF
SS
ISENSEN
RSENSE
0.006Ω
2.2µF
100Ω
CG
5.9k
2k
VAUX
INTVCC
PMODE
TIMER
UVLO_VSEC
M1
FG
OC
ISENSEP
SYNC
FSW
OUT
OPTO
100k
AOUT
22µF
16V
×2
D1
100Ω
HOUT HISENSE
VIN
2.2nF
250V
M4
+
COMP
M5
470µF
16V
VOUT
12V
12.5A
D1, D2, D3: BAS516
D4: CENTRAL SEMI CMMR1U-02
L1: CHAMPS PQI2050-6R8
M1, M4: INFINEON BSC077N12NS3
M2: VISHAY Si2325DS
M3: FAIRCHILD FDMS86101
M5: DIODES INC. ZVN4525E6
T1: CHAMPS G45R2_0404.04D
T2: BH ELECTRONICS L00-3250
T3: PULSE PE-68386NL
設計特集
アクティブ・ボルト秒クランプ方式では、VOUT の精度はボルト秒クランプの精度に大きく依存します。競合製
品のボルト・クランプ・ソリューションでは、多数の誤差発生源の影響を受ける外部 RC ネットワークを使用
しています。部品間での正確なレギュレーションを実現するために、LT3752、LT3752-1、および LT3753 は、
タイミング調整済みのコンデンサやコンパレータのしきい値を採用しています。
ハウスキーピング電源を使用すると、INTVCC ピ
UVLO ピンには入力ヒステリシスを調整できる
ソフトストップを伴うシャットダウン
ソフトスタート起動とは逆の順序で、 LT3752/
ンをオーバードライブして部品外への電力の取
特長があり、 IC はソフトストップを開始する前
り出し、効率の向上、駆動電流の追加供給、お
に、入力電圧の低下に耐えることができます。
よび INTVCC レベルの最適化が可能です。また、
ソフトストップ時のコンバータは、スイッチング
ハウスキーピング電源を使用することにより、メ
周波数、ボルト秒クランプ、および COMP ピン
イン・フォワード・コンバータがスイッチングを
の電圧を制限しながらスイッチングを継続しま
開始する前に、任意の 2 次側 IC をバイアスする
す。LT3752、LT3752-1、 および LT3753 の
こともできます。これにより、 2 次側の外部起動
UVLO ピンにおけるマイクロパワー・シャットダ
回路が不要になります。
ウンしきい値は約 400mV であり、VIN の暗電流
は 40μA 以下に低下します。
高精度の低電圧ロックアウトおよび
ソフトスタート
コンデンサをソフトスタート・ピン(SS1 および
LT3752/LT3752-1 の高精度の低電圧ロックア
SS2)に追加すると、ソフトスタート機能が実装
ウト(UVLO)機能を、電源シーケンシングや起
動時の過電流保護に使用できます。抵抗分割器
を VIN 電源からの UVLO ピンに接続します。
されます。この機能は、起動時またはフォルト
状態からの復帰時に入力電流のピーク値を下
げ、出力電圧のオーバーシュートを防止します。
SS1/2 ピンは、電流制限値とスイッチング周波
LT3752-1 および LT3753 はシャットダウン時
に SS1 ピンを徐々に放電(ソフトストップ)でき
ます。図 3 に、図 5 に示したコンバータのシャッ
トダウン波形を示します。ソフトストップを使用
しない場合、自己駆動同期整流器のフィードバッ
クがコンデンサの電力を 1 次側に伝導するので、
シャットダウン発振を発生し、1 次側のコンポー
ネントを破損する可能性があります。
図 4 に、ソフトストップを使用する場合のシャット
ダウン波形を示します。コンバータは、スイッチ
ング周波数、ボルト秒クランプ、および COMP
ピンの電圧を制限しながらスイッチングを継続し
て、クリーンシャットダウンを実現します。
数を下げることにより突入電流を低下するので、
電流モード制御
出力コンデンサは最終値まで徐々に充電するこ
LT3752/LT3752-1 および LT3753 は電流モー
とができます。
ド制御アーキテクチャを使用しており、ラインと
負荷の過渡に対する電源の帯域幅と応答が、電
圧モードのコントローラよりも増加します。電流
図 2. さまざまな入力電圧における負荷電流と VOUT
図 3. 図 5 の回路でソフトストップがない場合、シャットダウン
図 4. 図 5 の回路でソフトストップが作動する場合のシャットダウ
波形は発振を示す。
ン波形
14.0
13.5
13.0
VOUT (V)
12.5
PRIMARY
NFET
DRAIN
VOLTAGE
(50V/DIV)
PRIMARY
NFET
DRAIN
VOLTAGE
(50V/DIV)
VOUT
2V/DIV
VOUT
2V/DIV
12.0
11.5
VIN = 70V
VIN = 60V
VIN = 48V
VIN = 36V
VIN = 20V
11.0
10.5
10.0
0
2
6
8
4
LOAD CURRENT (A)
10
12
500µs/DIV
500µs/DIV
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 5
LT3752/LT3752-1 および LT3753 は、特定のアプリケーション向けの最適化に使用
できるプログラム可能な機能を多数装備しています。例えば、各種のゲート信号間に
プログラム可能な遅延を使用して、交差導通の防止、および効率の最大化が可能です。
VIN
36V TO 72V
D1: BAS516
D2: CENTRAL SEMI. CMHZ5229B
L1: CHAMPS PQI2050-3R3
M1: INFINEON BSC190N15NS3
M2: IRF6217
M3, M4: INFINEON BSC0902NSI
T1: CHAMPS G45R2-0209
4.7µF
100V
×3
250V
0.22µF
M2
105k
5Ω
200Ω
+
5Ω
VOUT
5V
20A
560µF
10V
M4
47µF
10V
M3
OUT
M1
OC
SYNC
ISENSEP
UVLO_VSEC
1.96k
1k
RSENSE
0.012Ω
1.87k
4.7nF
SOUT
INTVCC
44.2k
30.1k
57.6k
4.7µF
25V
COMP
FB
SS2
SS1
RT
TBLNK
IVSEC
TAS
TOS
GND
14.7k
100Ω
ISENSEN
LT3753
OVLO
TAO
•
D1
AOUT
VIN
L1
3.3µH
68nF
250V
100nF
10k
•
T1
9:2
100Ω
PS2801-1
1µF
22nF
1k
VOUT
D2
22µF
10V
1µF
10V
V+
LT1431
GND-F
GND-S
137k
REF
137k
100k
COLL
1µF
100k
1k
2.2nF
250V
図 5. 36V∼72V の入力を受け取る 5V/20A フォワード・コンバータ
3.3nF
34.8k
モード制御では、電圧モード制御アーキテクチャ
の適応型ブランキングとプログラム可能な延長
続する電流検出抵抗でノイズが発生することが
よりも必要な補償部品が少ないので、広範囲の
ブランキング)は、コンバータのノイズ耐性を大
あります。このノイズにより、検出コンパレータ
動作条件の補償が非常に簡単です。連続モード
幅に向上します。ゲートの立ち上がり時間とその
が偽のトリップを起こし、早期にスイッチがオフ
かつデューティ・サイクルが 50 % を超える動作
後のある程度の期間、MOSFET のソースに接
になることがあります。この問題の解決策の 1 つ
図 6. 図 5 のコンバータの効率
を防止することですが、プログラム可能なターン
では、必要なスロープ補償を 1 つの抵抗でプロ
グラミングできます。
は、特大の RC フィルタを使用して偽のトリップ
オン・スパイク・ブランキングにより、追加の RC
96
最適化を簡略にする、プログラム可能な機能
LT3752/LT3752-1 および LT3753 は、特定の
フィルタが不要になります。
94
動作周波数は 100kHz∼500kHz の範囲でプロ
ログラム可能な機能を多数装備しています。例
えば、各種のゲート信号間にプログラム可能な
遅延を使用して、交差導通の防止、および効率
の最大化が可能です。個々の遅延は、 1 つの抵
EFFICIENCY (%)
アプリケーション向けの最適化に使用できるプ
92
88
メイン MOSFET のプログラム可能なターンオン
86
6 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
ドの間に接続するか、 SYNC ピン経由で外部ク
ロックと同期します。動作周波数が調整可能な
90
抗で設定できます。
電流スパイクのブランキング(立ち上がりエッジ
グラミングでき、1 つの抵抗を RT ピンとグラン
ので、アプリケーションに合わせて、スペクトル・
36VIN
48VIN
72VIN
0
2
4
6 8 10 12 14 16 18 20
LOAD CURRENT (A)
ノイズの影響を受けやすい特定周波数帯域の
外側に動作周波数を設定できます。
設計特集
LT3752/LT3752-1 および LT3753 は電流モード制御アーキテクチャを使用しており、
ラインと負荷の過渡に対する電源の帯域幅と応答が、電圧モードのコントローラよりも
増加します。電流モード制御では、必要な補償コンポーネントが電圧モード制御アーキ
テクチャよりも少ないので、広範囲の動作条件の補償が簡単です。
INTVCC
D2
2.2µF
•
T2
•
VAUX
D3
•
4.7µF
100V
×3
•
2.2µF
T1
4:4
•
15nF
M5
0.15Ω
10k
M3
D1
1.82k
22.6k
34k
31.6k
49.9k
7.32k
71.5k
22nF
0.33µF
COMP
FB
22nF
1.1k
100k
100k
560Ω
3.16k
100Ω
4.7µF
HFB
2.8k
CSN
CSP
CSW
FG
PGOOD
SYNC
INTVCC
10k
HCOMP
SS2
SS1
RT
TBLNK
IVSEC
TAS
TOS
TAO
GND
•
LT8311
FB
68pF
100k
GND
T3
•
220pF
SOUT
INTVCC
100k
11.3k
VAUX
SS
ISENSEN
LT3752
RSENSE
0.006Ω
VIN
100Ω
CG
5.9k
2k
2.2µF
INTVCC
PMODE
TIMER
UVLO_VSEC
VAUX
FSW
OC
ISENSEP
OVLO
M1
OUT
SYNC
+
22µF
16V
×2
2.2nF
250V
M4
OPTO
100k
AOUT
VOUT
12V
12.5A
D4
100Ω
HOUT HISENSE
VIN
470µF
16V
20k
M1, M4: INFINEON BSC077N12NS3
M2: VISHAY Si2325DS
M3: FAIRCHILD FDMS86101
M5: DIODES INC. ZVN4525E6
100nF
M2
499Ω
L1
6.8µH
COMP
VIN
18V TO 72V
220nF
4.7µF
PS2801-1
499k
68pF
13.7k
4.7nF
1µF
1k
2.2nF
D1, D2, D3: BAS516
D4: CENTRAL SEMI CMMR1U-02
L1: CHAMPS PQI2050-6R8
T1: CHAMPS G45R2_0404.04D
T2: BH ELECTRONICS L00-3250
T3: PULSE PE-68386NL
図 7. 18V∼72V 入力、12V/12.5A 出力フォワード・コンバータ
18V∼72V 入力、12V/12.5A フォワード・
コンバータ
コンバータ
図 5 に、36V∼72V が入力される 5V、20A 出力
図 7 に、18V∼72V 入力、12V/12.5A 出力フォ
コンバータを示します。アクティブ・リセット回路
ワード・コンバータを示します。LT8311 はフォ
は、小型の P チャネル MOSFET M2とリセット・
ワード・コンバータの 2 次側で使用され、オプト
コンデンサで構成されます。MOSFET M2 は、
カプラ経由で MOSFET の同期制御、および出
MOSFET M1 がオフの場合に、リセット期間に
力電圧のフィードバックを行います。LT8311 が
おいてトランス T1 の 1 次巻線の両端にリセット・
1 次側の IC から同期制御信号を受け取るには、
コンデンサを接続するために使用されます。リ
パルス・トランス(図 7 の T3 を参照)が必要で
セット・コンデンサの両端の電圧がデューティ・
す。これらの制御信号は LT8311 によりデジタル
サイクルに合わせて自動的に調整され、すべて
( H または L )で解釈され、キャッチ・アンド・
の動作条件でトランスを完全にリセットします。
また、アクティブ・リセット回路は、リセット電圧
フォワードMOSFET をオン / オフします。図 8 に、
このコンバータの効率を示します。
図 8. 図 7 のコンバータの効率
96
94
EFFICIENCY (%)
36V∼72V 入力、5V/20A フォワード・
92
90
24VIN
48VIN
72VIN
88
86
0
3
9
6
LOAD CURRENT (A)
12
15
を 2 次側の同期整流器 MOSFET M4 の駆動に
適する矩形波形にします。これらの MOSFET は
2 次側にあり、2 次巻線電圧により駆動されます。
図 6 に、このコンバータの効率を示します。
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 7
LT3752/LT3752-1 は、ハウスキーピング電力を発生する定周波数フライバック・コントローラを
内蔵しています。ハウスキーピング電源は、1 次側と 2 次側の両方の IC にバイアスを効率的に供
給できるので、メイン・フォワード・トランスの補助巻線からバイアス電力を生成する必要がなく
なり、トランスの複雑度、規模、およびコストを大幅に低減できます。
D2
•
10µF
374k
•
VAUX
4.2Ω
INTVCC
C10
4.7µF
ACPL-W346
D3
•
D5
VOUT
ANODE
CATHODE
VEE
10µF
499Ω
0.15Ω
•
•
47nF
630V
D1
VCC
M5
402Ω
10nF
630V
0.22µF
0.002
M3
2k
UVLO_VSEC
5.76k
ISENSEN
LT3752-1
OVLO
2.94k
40.2k
100k
78.7k
95.3k
13k
124k
0.22µF
100Ω
4.7µF
HFB
22k
22k
560Ω
PS2801-1
68pF
11.3k
VAUX
4.7µF
100k
FB
LT8311
PGOOD
SYNC
T3
•
CG
GND
1µF
432k
100pF
5.11k
22nF
1µF
1.2k
22k
3.3nF
100k
VIN
3.16k
806Ω
0.47µF
•
2.2µF
INTVCC
10k
COMP
FB
HCOMP
SS2
SS1
RT
TBLNK
IVSEC
TAS
TOS
TAO
GND
RSENSE
0.022Ω
220pF
SOUT
INTVCC
VAUX
SS
ISENSEP
CSN
SYNC
CSW
OC
100Ω
120pF
INTVCC
PMODE
TIMER
M1
OUT
FG
AOUT
FSW
HISENSE
+
VOUT
12V
16.7A
33µF
16V
×4
M2
OPTO
499k
HOUT
VIN
330µF
16V
10nF
250V
M4
100Ω
499k
10k
D4
M1: RENESAS IPD65R25OC6
M2: RENESAS IPD60R1K4C6
M3: RJK0653DPB ×2
M4: FAIRCHILD FDMS86200 ×3
M5: INFINEON BSP300
CSP
INTVCC
374k
T2
COMP
VIN
150V 2.2µF
TO 630V
400V
L1
15µH
T1
31:5
D1: CENTRAL SEMI CMR1U-10
D2, D3, D5: BAS516
D4: CENTRAL SEMI CMMR1U-02
L1: COILCRAFT AGP2923-153
2.2nF
T1: CHAMPS LT80R2-12AC-3124005
T2: WÜRTH 750817020
T3: PULSE PE-68386NL
図 9. 150V∼400V 入力、12V/16.7A 出力絶縁型フォワード・コンバータ
150V∼400V 入力、12V/16.7A フォワード・
コンバータ
LT3752、LT3752-1、および LT3753 は、正
図 10. 図 9 のコンバータの効率
確にレギュレーションを行うボルト秒クランプ・
96
図 9 に、150V∼400V 入 力、12V/16.7A 出 力
アーキテクチャにより、絶縁型電源の設計を簡
95
絶縁型フライバック・コンバータを示します。入
略化し、性能を向上します。内蔵のフライバック・
94
コントローラを使用してハウスキーピング電力を
P チャネル MOSFET の電圧定格が、低電位側
92
発生できるので、トランスの設計を簡略化でき
91
ます。電流モード制御は帯域幅を向上し、広範
90
な動作条件を補償できます。ソフトストップ機能
のアクティブ・クランプ・トポロジのアクティブ・ク
ランプ・スイッチとして使用するには低すぎるこ
とがあります。高電位側のアクティブ・クランプ・
トポロジを使用する N チャネルの手法を使用す
EFFICIENCY (%)
力電圧が高いアプリケーションでは、使用できる
93
89
る必要があります。このトポロジでは、アクティ
ブ・クランプ・コンデンサにスイッチするために、
85
N チャネルの MOSFET を駆動する高電位側の
ゲート・ドライバまたはゲート・トランスが必要で
8 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
VIN = 150V
VIN = 250V
VIN = 350V
VIN = 400V
87
86
す。図 10 に、このコンバータの効率を示します。
は、破壊の可能性がある電圧スパイクや電流ス
88
まとめ
0
2.5
7.5
10 12.5
5
LOAD CURRENT (A)
15
17.5
パイクから電源およびその他のコンポーネント
を保護します。n
設計特集
3V∼5.5V の電源で動作し、±60V のフォルトに耐える
RS485/RS422トランシーバ
Ciaran Brennan
LTC2862 から LTC2865 は 堅 牢
な RS485/RS422 トラン シ ー バ
であり、過電圧は ±60V、ESD は
±15kV の許容範囲をもつので、
電気的ストレスに起因する不具
合が減少します。これらのトラン
シーバは、高電圧への耐性を備え
た RS485トランシーバにいくつ
かの新機能を盛り込んだもので
す。3V∼5.5V の電源電圧での動
作、最大 20Mbps のデータ・レー
ト、±25V の同相電圧範囲、選択
可能なスルー・レート、低電圧ロ
ジックへのインタフェース、およ
び 3mm×3mm の DFN パッケー
ジでの供給などです。
図 1. 高電圧への高い耐性をもつ
このファミリのトランシーバは、
通常は堅牢性が低い IC にのみ
見られる特徴を備えている
ただし、高電圧への耐性をもつ多くの RS485ト
低電圧ロジック・インタフェース
ランシーバには、高電圧への耐性をもたない最
多くのマイクロコントローラ・システムは 3.3V 未
新の RS485トランシーバと比べて性能と機能が
不足しています。LTC2862 から LTC2865 のト
ランシーバは、現代のネットワーク・アプリケー
ションの仕様が要求する拡張機能とフォルト耐性
を組み合わせて、このギャップを埋めるものです。
3V∼5.5V の動作
長い伝統をもつ RS485 シリアル・バスは、多く
の商業 / 産業用通信システムのバックボーンを
形成します。RS485 ベースのネットワークは、産
業制御システム、監視制御およびデータ収集シ
ステム、建築の自動化およびセキュリティ、劇
場やパフォーマンス会場の照明制御、商業航空
機や地上を走行するバス、その他のカスタム・
ネットワークシステムなど、広範なアプリケーショ
ンで使用されています。電気的ストレスへの耐
性は、これらのアプリケーションで使用される
RS485トランシーバ(配線フォルト、接地電圧
フォルト、落雷で誘起されるサージ電圧のリスク
がある)にとって重要な属性です。
高電圧への耐性をもつ RS485トランシーバは
通常、5V 電源で動作しますが、5V 電源は急速
に時代遅れになっており、現代のデジタル回路
ではめったに使用されていません。場合によっ
満 の 電 圧で動 作します。LTC2865 は、1.65V
ほどの低い電圧で . 動作するロジックへのインタ
フェース手段です。VL 電源ピンと内蔵のレベル・
シフタが、低電圧の VL ロジック電源からの I/O 信
号を変換し、RS485 レシーバおよびトランスミッ
タの駆動に使用する高電圧の VCC 電源に送信し
ます。これにより、異なる電圧が混在する RS485
システムで外部レベル・シフタが不要になります。
これら 2 つの電源のパワーアップとパワーダウン
は、相互に独立して行うことができます。
ては、フォルト耐性をもつ RS485トランシーバ
20Mbps または 250kbps のデータ・レート
がシステム内で唯一の5Vコンポーネントであり、
現代のRS485システムが動作可能なデータ・レー
専用電源のコストが発生します。
高電圧への耐性をもつ一部のトランシーバと比
較して、 LTC2862 から LTC2865 は 3.3V 電源
で動作するときに RS485 と RS422 の規格に完
全に適合します。競合製品は 3.3V で駆動したと
きに VOD の駆動電圧が低下することがありま
す。LTC2862 からLTC2865 のトランシーバは、
3.3Vと 5V のいずれの電源で動作しても、同一
バス上にあり5V 電源をもつトランシーバとフル
に相互運用できます。
トは、高電圧への耐性をもつ多くのトランシーバ
の能力を超えています。例えば、非常に一般的な
LT1785/LT1791トランシーバは最大 250kbps
で動作します。LTC2862 から LTC2865 は、高
電圧への耐性を同様にもちますが、160 倍高速
な最大 20Mbps で通信できます。
システムの中には、高いデータ・レートが不要
なものもあります。250kbps で十分なアプリケー
ションの場合、システム設計者が EMI の低い
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 9
多くのマイクロコントローラ・システムは 3.3V 未満の電圧で動作します。LTC2865 は、
1.65V ほどの低い電圧で動作するロジックへのインタフェース手段です。VL 電源ピンと
内蔵のレベル・シフタが、低電圧の VL ロジック電源からの I/O 信号を変換し、RS485 レ
シーバおよびトランスミッタの駆動に使用する高電圧の VCC 電源に送信します。これに
より、異なる電圧が混在する RS485 システムで外部レベル・シフタが不要になります。
スルー制御遷移を行うRS485ドライバを好む
こと が ありま す。LTC2862 から LTC2865 は
このニーズに応えます。これらの製品には 2 つ
の バ ージョン があります。高 速 の 20Mbps の
LTC2862-1、 LTC2863-1、 LTC2864-1 と、
ス ル ー を 制 限 する 250kbps の LTC2862-2、
製品番号
二重
イネーブル
VL ピン
スルー
制限ピン
LTC2862-1、-2
半二重
あり
なし
なし
S8:8 ピン、リード付き SO
DD:8 ピン、リード付き DFN
LTC2863-1、-2
全二重
なし
なし
なし
S8:8 ピン、リード付き SO
DD:8 ピン、リード付き DFN
LTC2864-1、-2
全二重
あり
なし
なし
S:14 ピン、リード付き SO
DD:10 ピン、リード付き DFN
LTC2865
全二重
あり
あり
あり
MSE:12 ピン、リード付き MSOP
DE:12 ピン、リード付き DFN
LTC2863-2、LTC2864-2 です。LTC2865 は
高速モードとスルー制限送信モードの両方をサ
ポートし、これら 2 つのモードを選択できる追加
入力ピンを備えています。
±25V の同相電圧範囲
パッケージ
表 1.LTC2862 から LTC2865 のピン配置とパッケージ
標準の RS485トランシーバは、–7V∼12V の
制限付き同相電圧範囲で動作します。商業 / 産
業環境では、接地フォルト、ノイズ、その他の
LTC2862 から LTC2865 のレシーバは、拡張
LTC2862 から LTC2865 は、大きい振幅、高
電気的干渉により、これらの範囲を超える同
した ±25V の同相電圧範囲で動作します。この
周波数、および高スルー・レートの同相外乱を
相電圧が誘起されることがあります。理想的な
レシーバは低オフセットのバイポーラ差動入力
除去する点で優れています。図 2 に、 10Mbps
RS485トランシーバは高い同相電圧に耐える
を使用し、高精度の抵抗分割器と組み合わせて、
のデータ、および 50VP-P 1MHz 同相信号に
だけでなく、中断することなくデータの送受信を
広い同相電圧範囲でレシーバのしきい値を正
重ね合わせた ±200mV の差動信号を受信し
継続します。
確に維持します。トランスミッタは絶対最大電圧
たLTC2865 の状態を示します。一方、図 3 には、
±60V で動作し、これらの電流制限回路が規定
20Mbps のデータ、および 36ns、10%∼90%
する制限値まで電流を増減します。
の立ち下がり時間をもつ同相電圧の –12V ス
テップに重ね合わせた ±200mV の差動信号を
受信した LTC2865 の状態を示します。ノイズ
が多い電気環境では、この非常に優れた同相
除去はデータ通信の信頼性を大幅に向上でき
A, B
2V/DIV
ます。
A, B
50V/DIV
LTC2862 から LTC2865 の高速 20Mbps バー
ジョン、およびスルーを制限した 250kbps バー
(A − B)
0.5V/DIV
ジョンの両方とも、20Mbps フルの帯域幅をも
RO
5V/DIV
うな高速同相過渡がケーブルに沿って伝播する
つレシーバを備えています。2 本のラインの容量
性負荷が良好に一致しない場合、図 3 に示すよ
RO
5V/DIV
100ns/DIV
につれて、差動電圧が発生することがあります。
40ns/DIV
図 2. 1MHz、50VP-P 同相スイープとともに 10Mbps、
図 3. –12V、36ns の立ち下がり時間をもつ同相ステップととも
±200mV の作動信号を受信する LTC2865
に 20MHz、±200mV の作動信号を受信する LTC2865
10 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
結果として発生した差動電圧がレシーバのしき
設計特集
これらのデバイスはフェイルセーフ機能を備えており、入力が短絡状態、開状態、または終端されて
いても約 3µs 以上駆動されない状態になると、レシーバの出力がロジック 1 の状態(アイドル状態)
になることが保証されています。遅延により、通常のデータ信号が、フェイルセーフ状態と誤って
認識されることなく、しきい値領域を通過して遷移することができます。このフェイルセーフ機能は、
–25V∼+25V の同相範囲全体の入力で動作することが保証されています。
い値を超えた場合、レシーバのステート変化が
トリガされることがあります。データ・レートが
250kbps 未満のシステムでは、レシーバ両端の
ピンに 100pF∼1nF のコンデンサを追加し、一
致しない容量性負荷に作用する同相ノイズによ
り発生した高周波数の差動ノイズをフィルタ処
理することにより、レシーバのノイズ耐性を向上
できる可能性があります。
対称的なレシーバしきい値による完全な
フェイルセーフ動作
これらのデバイスはフェイルセーフ機能を備え
ており、入力が短絡状態、開状態、または終端
V(A-B)
POSITIVE
SIGNAL
THRESHOLD
FAILSAFE
THRESHOLD
SIGNAL
HYSTERESIS
FAILSAFE
HYSTERESIS
NEGATIVE
SIGNAL
THRESHOLD
RO
SIGNAL
LOW
SIGNAL
HIGH
FAILSAFE
TIMEOUT
SIGNAL
LOW
FAILSAFE
ACTIVE
SIGNAL
LOW
HIGH
LOW
図 4. フェイルセーフ・ウィンドウ・コンパレータの動作
されていても約 3µs 以上駆動されない状態にな
ると、レシーバの出力がロジック 1 の状態(アイ
ドル状態)になることが保証されています。遅延
しきい値電圧を下回ったときに RO で L を出
になり、RO が強制的に H になります。差動入
により、通常のデータ信号が、フェイルセーフ状
力します。差動入力電圧がフェイルセーフしき
力電圧が負の信号しきい値電圧を下回るまで、
態と誤って認識されることなく、しきい値領域を
い値電圧を上回ったが、フェイルセーフ・タイム
RO は H のままです。
通過して遷移することができます。このフェイル
アウト時間よりも長い期間、正の信号しきい値
セーフ機能は、 –25V∼+25V の同相範囲全体
電圧よりも下回っていたときにフェイルセーフ機
の入力で動作することが保証されています。
能がトリガされます。フェイルセーフ・タイマが
LTC2862 から LTC2865 は、ウィンドウ・コン
タイムアウトすると、フェイルセーフがアクティブ
多くの RS485トランシーバのレシーバしきい値
は非対称であり、負の信号しきい値電圧とフェ
イルセーフしきい値電圧のみを使用しています。
この方式では効果的なフェイルセーフ検出が行
パレータ(図 4)によりこのフェイルセーフ機能を
実装しています。コンパレータは、完全に対称的
な正負の信号しきい値電圧(代表値 ±75mV)
をもちます。2 つの信号しきい値電圧の差により、
信号ヒステリシス(代表値 150mV)が発生しま
す。負の信号しきい値電圧と 0Vとの差は、フェ
イルセーフしきい値電圧と代表値 –50mV を加
えたものです。負の信号しきい値電圧とフェイル
セーフしきい値電圧の差はフェイルセーフ・ヒス
テリシスであり、代表値は 25mV です。
通常のデータ信号は、差動入力電圧が正の信
A
B
200mV/DIV
A
B
200mV/DIV
(A − B)
200mV/DIV
(A − B)
200mV/DIV
RO
2V/DIV
RO
1.6V/DIV
号しきい値電圧を上回ったときにレシーバ出力
RO で H を出力し、差動入力電圧が負の信号
40ns/DIV
1µs/DIV
図 5.入 力 信 号 が ±200mV、20Mbps に お ける LTC2865
図 6.入力信号が ±200mV、600kbps における競合会社の
対称レシーバのデューティ・サイクル
非対称レシーバのデューティ・サイクル
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 11
LTC2862 から LTC2865 は、ホット・プラグ(ホット・スワップ)の要件に適合するグリッチなしの
パワーアップ / パワーダウン保護を備えています。これらのトランシーバは、非通電状態、または
通電しているがディスエーブル・ステートでバスに接続されたときに、バス上に差動外乱を発生
しません。同様に、これらのトランシーバは、既にバスに接続した状態からディスエーブル・ステー
トでパワーアップされたときに、差動外乱をバス上に発生しません。
われますが、立ち下がりが遅い減衰信号の場合
にレシーバ出力 RO のデューティ・サイクルに歪
み が 発 生します。LTC2862 から LTC2865 で
使用されている対称的なしきい値では、減衰が
RO
2V/DIV
RO
2V/DIV
A, B
200mV/DIV
A, B
200mV/DIV
大きい信号でも RO 出力のデューティ・サイクル
が適切に維持されます(図 5)。一方、非対称の
しきい値をもつトランシーバでは、デューティ・
サイクルにかなりの歪みが見られます(図 6)。
さらに、LTC2862 から LTC2865 の 150mV(代
表値)の信号ヒステリシスは、レシーバしきい値
が非対称のレシーバと比較して、非常に優れた
ノイズ耐性を有します。一時的にフェイルセー
1µs/DIV
1µs/DIV
図 7. -200mV の差動入力の +100mV のノイズ・パルスを除去
図 8. –200mV の 差 動 入 力 の +100mV のノイズ・ パ ルスに
する LTC2862 の対称レシーバ
応答する競合会社の非対称レシーバ
パワーアップ / パワーダウン時にドライバまたは
LTC2863: LTC2863 は個別の受信ピンと送信
レシーバの入力がイネーブル・ステートである
ピンをもつ全二重トランシーバであり、 8 ピン・
場合、電源がトランシーバの内部電源の低電圧
パッケージに収まるようにレシーバとドライバの
フしきい値を上回るが負の信号しきい値よりも
下に戻るというノイズ過渡は、非対称のレシー
バでエラーを含む H の RO 出力をトリガしま
す(図 8)。しかし、このノイズ過渡は、対称的な
LTC2862 から LTC2865 のレシーバではフェ
イルセーフ・タイマにより除去されます(図 7)。
ホット・プラグ、ホット・スワップ、および
グリッチなしのパワーアップとパワーダウン
LTC2862からLTC2865は、ホット・プラグ(ホッ
ト・スワップ)の要件に適合するグリッチなしの
パワーアップ /パワーダウン保護を備えています。
これらのトランシーバは、非通電状態、または通
電しているがディスエーブル・ステートでバスに
接続されたときに、バス上に差動外乱を発生し
ません。同様に、これらのトランシーバは、既に
バスに接続した状態からディスエーブル・ステー
トでパワーアップされたときに、差動外乱をバス
検出器のしきい値を超えるので、出力はグリッチ
イネーブル・ピンが省略されています。この結果、
なしで適切なステートに遷移します。LTC2863
ドライバとレシーバは常にイネーブルであり、
には、レシーバまたはドライバをディスエーブル
製品にはシャットダウン・モードがありません。
する手段を備えていないので、パワーアップする
リード付きのSOパッ
LTC2862と同様に、8ピン、
と常にグリッチなしで完全なイネーブル・ステー
ケージと、小型の 3mm×3mm、8 ピン、リード
トに遷移します。
なしの DFN パッケージがあります。
パッケージとピン配置
広 範 なアプリケーション の 要 件 に合 わ せて、
LTC2862 から LTC2865 には 4 タイプ のピン
配置が用意されており、各ピン配置について、
リード付きとリードなしのパッケージがあります。
上に発生しません。これらの場合、レシーバ出
LTC2862: 受信ピンと送信ピンを共有する半二
力 RO では高インピーダンス出力がオフのまま
重 LTC2862 が、一般的に使用されているバー
です。
ジョンです。8 ピン、リード付きの SO パッケージ
と、小型の 3mm×3mm、8 ピン、リードなしの
DFN パッケージがあります。SO パッケージの
LTC2862 は、先行製品 LT1785 とソケットの
互換性があります。
12 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
LTC2864: LTC2864 は、イネーブル・ピンを備
えた全二重トランシーバです。LT1791 とソケッ
トの互換性をもつ 14 ピン、リード付きの SO パッ
ケージと、10 本 のリード付き 3mm×3mm の
DFN パッケージがあります。
LTC2865: LTC2865 は、ファミリの 他 の 各 製
品で使 用できる機 能をすべて備えています。
LTC2864 と同様に全二重のピン配置を備え、
追加のピンが 2 本あります。ロジック・インタ
フェース電源電圧用の VL ピンと、高速または
スルー制限のトランスミッタ・モードを選択する
SLO 入力ピンです。
設計特集
修理担当者がむき出しのワイヤやねじ込み端子を取り扱うと、 ESD に
よる破損のリスクがあり、またケーブルを間違ったねじ込み端子に配
線すると過電圧による破損のリスクがあります。フォルト電圧と ESD に
対する許容範囲が大きいため、LTC2862 から LTC2865 はこれらの危
険による破損に対して非常に高い耐性を備えています。
±60V のフォルト、および ±15kV の ESD への
耐性
RS485 の配線接続は多くの場合、被覆のない
MOV
RS485 A
(EXTERNAL)
VCC
撚り線を端子ブロックにねじ込むことで行われま
す。RS485 インタフェースを含む機器は、24V
AC/DC やその他の電圧で駆動される回路を内
DE
TBU
GDT
A
SCR
B
GDT
端子で接続されます。修理担当者がむき出しの
TBU
ワイヤやねじ込み端子を取り扱うと、 ESD によ
たねじ込み端子に配線すると過電圧による破
損のリスクがあります。フォルト電圧と ESD に
対する許容範囲が大きいため、LTC2862 から
LTC2865 はこれらの危険による破損に対して
RO
R
GND
蔵していることがあり、これらの回路もねじ込み
る破損のリスクがあり、またケーブルを間違っ
LTC2862-1
SCR
T
DI
RE
GND
RS485 B
(EXTERNAL)
MOV
GDT: BOURNS 2031-42T-SM; 420V GAS DISCHARGE TUBE
TBU: BOURNS TBU-CA085-300-WH; 850V TRANSIENT BLOCKING UNIT
MOV: BOURNS MOV-7D391K; 390V 25J METAL OXIDE VARISTOR
SCR: BOURNS TISP4P035L1NR-S; 35V BIDIRECTIONAL THYRISTOR
図 9. サージ、EFT、ESD に対する
IEC レベル 4 の保護、および ±360V の
過電圧保護を備えたネットワーク
非常に高い耐性を備えています。
LTC2862 から LTC2865 の ±60V のフォルト
保護は、高電圧 BiCMOS 集積回路テクノロジ
すべてのピンは、±8kV(人体モデル)まで保護
トワークにより、LTC2862 から LTC2865 の
を使用することによって行われます。このテクノ
されています。
ESD、EFT、および過電圧に対する性能もきわ
ロジ特有の高いブレークダウン電圧により、電
源オフ状態および高インピーダンス状態で保護
を行います。ドライバ出力には先進的なフォー
ルドバック電流制限の設計を採用し、 高電流
出力駆動を可能にしたままで過電圧フォルトに
対する保護を実現しています。LTC2862 から
LTC2865 は、GND が開の状態、または VCC が
開または地絡の状態でも、±60V のフォルトか
ら保護されます。
LTC2862 から LTC2865 は、GND を基準とし
て人体や機器から A、B、Y、および Z のピンに
流れる最大 ±15kV(人体モデル)の静電気放
電から保護されます。内蔵の保護デバイスは、
約 ±78V を超える電圧で通電を開始し、放電
電流を安全に GND ピンに流します。さらに、こ
れらのデバイスは、製品がパワーアップされた
状態やラッチ・アップなしで動作している状態で
も、最大 ±15kV の放電に耐えます。その他の
IEC サージ、EFT、ESD、および過電圧フォルト
に対する拡張保護
産業環境で使用されている RS485トランシー
バは、落雷サージ、高電流誘電負荷のスイッチ
ングによる電気的高速過渡(EFT)、および帯電
した人体または機器からの静電気放電(ESD)
に起因する非常に高レベルの電気的過剰ストレ
スに曝される可能性があります(ESD、EFT、お
よびサージの試験方法はそれぞれ、 IEC 規格
61000-4-2、61000-4-4、および 61000-4-5 に
規定されている)。
特 に、 サ ー ジ 試 験 で 発 生 す る 過 渡 に は、
LTC2862 から LTC2865 が内蔵する ESD 保護
デバイスが吸収できるよりも非常に多くのエネ
ルギが含まれます。このため、高レベルのサー
ジ保護を実現するには、適切に設計された外
部保護ネットワークが必要です。また、外部ネッ
めて高いレベルで向上できます。
図 9 の 保 護 ネットワ ークは、 LTC2862 から
LTC2865 の高いブレークダウン電圧をどのよ
うに使用して、サージ、 EFT、および ESD につ
いて IEC の最高規定レベル(レベル 4)に適合
する保護回路内で活用するか、また過電圧フォ
ルトの許容範囲を ±360V に広げているかを
示します。この保護回路は ±25V の同相電圧
範囲を維持し、ライン(GND へのライン)当
たり約 8pF 程 度の容 量しか 追 加しないので、
LTC2862 から LTC2865 のトランシーバの性
能に影響を与えることなく、非常に高い保護レ
ベルを提供します。
ガス放電管(GDT)は、電気サージに対する主
要な保護デバイスです。これらのデバイスはイン
ピーダンスが非常に低く、動作時に高い電流通
電能力を有しているので、サージ電流を GND
に安全に放電します。
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 13
シス テム 設 計 者 は、 RS485 およ び RS422 トラン シ ー バ に つ い て、
高いフォルト耐性と高性能のいずれかを選択する必要がなくなりました。
LTC2862 から LTC2865 のトランシーバがそれら両方を提供します。
1. PROFIBUS ラインの各端部は終端する必要
VCC
(4.75V TO 5.25V)
VCC
LTC2862-1
RO
A*
RE
B*
8.2Ω
8.2Ω
VCC
390Ω
B WIRE
があります。B と A との間は 220Ω の抵抗、 B
B WIRE
100m
220Ω
220Ω
VOD
A WIRE
5.5Ω/WIRE
DI
と VCCとの間は 390Ω のプルアップ抵抗、 Aと
390Ω
390Ω
390Ω
A WIRE
DE
図 10.LTC2862-1 の
PROFIBUS 互換ライン・
インタフェース
GND との間は 390Ω のプルダウン抵抗を使
用します。
2. 100m 終端ケーブルの端部で受信するピーク・
ツー・ピーク差動電圧 VOD を PROFIBUS 規
格の 7V 未満に減少するために、8.2Ω の抵抗
4VP–P ≤ VOD ≤ 7VP–P AT 12Mbps
GND
* THE POLARITY OF A AND B IN THIS DATA SHEET IS OPPOSITE THE POLARITY DEFINED BY PROFIBUS.
を LTC2862-1 の A と B のピンと直列に接続
する必要があります。
3. PROFIBUS 信号の極性は、多くの RS485ト
ランシーバのデータ・シートで使用されている
過渡ブロック・ユニット(TBU)は半導体デバイ
LTC2862 から LTC2865 の高いブレークダウ
極性の表記規則と逆になっています。ピン A
スであり、指定電流レベルに達すると、低イン
ン電圧と堅牢性が、この保護回路の主要要素で
を PROFIBUS の B ワイヤ(8.2Ω の直列抵抗
ピーダンスのパススルー・ステートから高イン
す。同相電圧範囲の維持に使用される ±35V
経由)と接続し、ピン B を PROFIBUS の A ワ
ピーダンスの電流制限ステートにスイッチしま
の SCR デバイスは、±35V 未満のブレークダウ
イヤ(8.2Ω の直列抵抗経由)と接続します。
す。これらのデバイスは、2 次保護に流れる可能
ン電圧でトランシーバを保護しません。さらに、
性のある電流と電力を制限します。
MOV を TBUと並列接続すると、MOV の容量
4. PROFIBUS の VOD 許容値に適合するため
2 次 保 護 は、LTC2862 から LTC2865 のトラ
ンシーバのバス・ピンを保護するために 35V を
上回るとトリガする双方向サイリスタで構成され
ます。2 次保護の高トリガ電圧は、レシーバの
±25V の同相電圧範囲全体を維持します。
ネットワークの最後のコンポーネントは金属酸
化物バリスタ(MOV)であり、 TBU の両端の電
圧をクランプして、GDT のターンオン時間を超
える高速 ESD および EFT から TBU を保護しま
す。このネットワークの高い性能は、低容量の
GDT、およびサイリスタの 1 次 /2 次保護デバイ
スに基づきます。MOV の容量 130pF はライン
上をフロートし、TBU によりシャントされるので、
信号で検出可能な容量性負荷にはまったく寄与
しません。
14 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
は RS485 バス上に負荷を生成しません。ただし、
ESD と EFT の電流を SCR デバイス経由でシャ
ントするというデメリットがあります。この結果、
SCR の両端で発生した電圧降下は、トランシー
に、5% の許容範囲をもつ 5V 電源(4.75V∼
5.25V)を使用して、LTC2862-1トランシー
バを駆動します。
まとめ
バのバス・ピンに発生します。この独得の低容量
システム設計者は、RS485 および RS422トラ
トポロジは、堅牢な高電圧トランシーバでのみ
ンシーバについて、高いフォルト耐性と高性能
使用できます。
のいずれかを選択する必要がなくなりました。
PROFIBUS アプリケーションでの LTC2862 の
使用
PROFIBUS は RS485 に基づくフィールド・バス
であり、ケーブル、相互接続、ライン終端、およ
び信号レベルの追加要件があります。図 10 に、
PROFIBUS ネットワーク内の LTC2862-1 を示
します。PROFIBUS に完全適合するには、以下
の項目すべてに従う必要があります。
LTC2862 から LTC2865 のトランシーバがそ
れら両方を提供します。これらのトランシーバ
は、±60V の過電圧と±15kV の ESD への耐
性を備えていますが、また以下の特長も有して
います。3V∼5.5V の電源電圧での動作、最大
20Mbps のデータ・レート、±25V の同相電圧
範囲、選択可能なスルー・レート、低電圧ロジッ
クへのインタフェース、および 3mm×3mm の
DFN パッケージでの供給などです。n
設計特集
大型のパッシブ・コンポーネントと置き換えて
MIL-STD-1275D への適合を容易にする
高電圧サージ・ストッパ
Dan Eddleman
防衛用車両の電子機器は独得な課題を有しており、中でも大きな課題
は不良電源による動作です。現場で電源に発生する困難な変動を認
識した米国国防総省は、防衛用車両の 28V 電源で駆動する電気シス
テムの要件を規定する MIL-STD-1275D を作成しました。MIL-STD1275D のサージおよび関連する過渡に耐えるシステムを設計するに
は、伝統的に、大型で高価なパッシブ・コンポーネントが必要です。リ
ニアテクノロジー社のサージ・ストッパ製品ラインは、この種のサージ
からシステムを保護するのに適している一方、コストとソリューション
規模を低減します。
定常状態
他の規格と同様に、MIL-STD-1275D は条件と
要件を詳細に規定しています。この記事は、これ
らの要件と提案するソリューションをより分かり
やすい形式で提示することを目的にしています。
より正確な規定と要件については、MIL-STD-
1275D を参照することをお勧めします。
MIL-STD-1275D は、定常状態を「回路の値が
本質的に一定な状態で、初期の過渡または変動
状態がすべて落ち着いた後に発生する」と規定
しています。また、通常のシステム動作時に固有
MIL-STD-1275D の要件
にもかかわらず比較的一定の電圧を維持するこ
MIL-STD-1275D は各種の条件を規定してお
とにより、ジェネレータの不安定な特性を隠して
り、特に重要なものとして、定常状態の動作、
始動時の外乱、スパイク、サージ、およびリップ
ルの条件があります。MIL-STD-1275D は、 3
つの「動作モード」、すなわち始動モード、通常
動作モード、およびジェネレータのみモードに
おけるこれらの各条件について、要件を規定し
います。予想されるとおり、
ジェネレータのみモー
ドに規定された制限値は、通常動作モードより
も悪いものです。大体において、ジェネレータの
みモードの条件で動作するシステムは、通常モー
ドでの動作では何の困難もありません(考えられ
る例外の 1 つは、ジェネレータのみモードでサー
または自然の変化のみが発生する(つまり、不
具合がまったく発生せず、システムのどの部分に
も予期しない変化がまったく発生しない)状態で
あると明確に規定しています。
簡潔に説明すると、定常状態では、入力電圧は
比較的一定しています。
表 1 に示すように、通常動作モードでの定常状
ています。
ジ時の 500mΩ のソース・インピーダンスは、
態の入力電圧範囲は 25V∼30V です。ジェネ
スパイク、サージ、リップル、その他の要件の詳
通常動作モードの 20mΩ のソース・インピーダ
レータのみモード時(バッテリが接続されていな
ンスと比較して、負担を軽減できることです)。
い状態)での定常状態の電圧範囲は少し広く、
細を説明する前に、まず動作モードについて説
23V∼33V です。
明します。文字どおり、
「始動モード」はエンジン
の始動時に発生する条件を表します。
「通常モー
ド」はシステムがフォルトなしで動作するときの
条件を表します。そして、
「ジェネレータのみモー
ド」は、バッテリが接続されておらずジェネレー
タが直接電子機器を駆動する、特に過酷な状況
を表します。
ジェネレータのみモードは、厄介な状況です。通
常、バッテリは、ジェネレータの電力が変動する
表 1.通常動作モードとジェネレータのみモードで選択した MIL-STD-1275D の仕様
仕様
通常動作モード
ジェネレータのみモード
定常状態
25V < VIN < 30V
23V < VIN < 33V
スパイク
最大 250V、エネルギ =15mJ
通常動作モードと同じ
サージ
最大 40V、~500ms、RIN = 20mΩ
最大 100V、~500ms、RIN = 500mΩ
リップル
大きさ±2V
大きさ±7V
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 15
リニアテクノロジー社のサージ・ストッパ製品は、MIL-STD-1275D に
適合する強力なソリューションです。代替設計では通常、入力にシャン
ト・クランプを使用していますが、過電圧状態が続く間に破損やヒュー
ズ切れが発生することがあります。
300
VOLTAGE
110
250V, 70µs
250
VPEAK
200
90
100V, 1ms
STEADY STATE VOLTAGE (23V–33V)
50
0
−50
MAXIMUM ENERGY
CONTENT OF 15mJ
−100
0V
80
100
VOLTAGE (V)
VOLTAGE (V)
150
28V
−250
tOSC
図 1. MIL-STD-1275D のスパイク
スパイク
MIL-STD-1275D のスパイクの定義の引用で
はなく、図 1 の例を見てください。スパイクは通
になります。MIL-STD-1275D では、リアクティ
ブ負荷がスイッチングされたときにこれらのスパ
イクが発生し、ホーンを鳴らす、ビルジ・ポンプ
の作動、エンジンの始動 / 停止、タレットの回転
などのイベントで発生することがあると説明して
います。
50
40V, 500ms
40
10
−250V, 70µs
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
TIME (ms)
0
1
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
TIME (s)
1
図 2. ジェネレータのみモードのスパイクの包絡線
図 3. ジェネレータのみモードのサージの包絡線
その説明はスパイクの理解に役立ちますが、実
モードと似ていますが、通常動作モードの制限
際の要件は図 2(ジェネレータのみモード)で定
が、1ms で 100V ではなく、 40V である点が異
義されています。さらに、 MIL-STD-1275D の
なります。
サブセクション 5.3.2.3、
「EDUT に持ち込まれ
常、振動し、1ms 以内に減衰して定常状態電圧
60
20
−200
−300
70
30
−100V, 1ms
−150
TIME
100V, 50ms
100
る 電 圧 ス パ イク」
(Voltage Spikes Imported
サージ
into EDUT)で、推奨の試験設定、および発振
スパイクは、持続時間が 1ms 未満の過渡です。
に必須の立ち上がり時間と周波数を説明して
サージは、持続時間がそれより長い過渡です。
います。注意すべき重要な事実は、最大エネル
図 3 に、ジェネレータのみモードの制限値を示し
ギが 15mJ に制限されていることです。通常動
ます。MIL-STD-1275D の推奨試験では、シス
作モードのスパイクの要件はジェネレータのみ
テム入力に 50ms の 100V パルスを 5 つ、1s の
間隔で印加する必要があることに注意してくださ
い。興味深いことに、図 3 に示すサージ状態の
包絡線を満たすことはさらに困難です。期間全
VOLTAGE
図 4. 始動時の外乱
IES
体の 500ms で、包絡線が 40V に戻らないから
CRANKING
LEVEL
です。この記事で説明するソリューションは上記
STEADY STATE
の両方の条件を満たします。繰り返しますが、通
常動作モードの要件のほうが簡単です。サージ
の包絡線は似ていますが、最大値が 100V では
INITIAL
ENGAGEMENT
SURGE
(IES)
なく、40V である点が異なります。ここで説明し
CRANKING
LEVEL
VOLTAGE
ていない詳細については、実際の仕様を参照し
てください。
6V MIN
0V
TIME
1s
MAX
16 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
30s
MAX
設計特集
LTC4366 や LT4363 などの高電圧サージ・ストッパでは、大型の
パッシブ・コンポーネントを使用して高エネルギ・レベルをグランド
にシャントするのではなく、入力電圧のスパイクやサージが発生し
たときに直列 MOSFET を使用して出力電圧を制限します。
図 5. 4A/28V の MIL-STD-1275D の
100V/500ms のサージおよび ±250V の
スパイク時に無停電電力を 4A 負荷に供給
する一方、出力電圧を 44V に制限します。
±7V のリップル時に 2.8A 負荷に電力を
0.1µF
500V
1210
供給します。
C13
1µF
250V
2220
TVS
OPT
SOURCE1
M1
INPUT
237k
1206
15nF
10k 1206
1206
100Ω
D4A
C14
1µF
250V
2220
100Ω
HS1
20k
D3A
D3B
ソリューションは、MIL-STD-1275D の
D4B
C15
1µF
250V
2220
HS2
D1
0.1µF
1210
20k
100Ω
1210
HS3
DRAIN2
M2
+
C1–C12
22µF
×12
D2
RSENSE
10mΩ
1206
10Ω
OUTPUT
68µF
50V
0.47µF
VDD
GATE
SD
OUT
LTC4366-2
TIMER
VSS
RFB1
12.1k
FB
BASE
2.2µF
25V
18.2k
1210
18.2k
1210
D5
30.1Ω
RFB2
649k
1206
RFB3
332k
0.047µF
18.2k
1210
1k
R3
R1
301k
301k 301k
C1–C12: TDK CKG57NX7S2A226M500JH
C25: TDK C5750X7R2E105K230KA
D1: VISHAY FEP30GP-E3/45
D2: DIODES INC. BAT54-7-F
Q2A
D3, D4: DIODES INC. MMBD3004S-7-F
D5: DIODES INC. BAS21W-7-F
Q1A
Q1B
M1: IXYS IXTQ88N30P
R4
M2: IXYS IXTQ170N10P
1k
R
THERM
RSENSE: IRC LRC-LRF-1206LF-01-R010
R2
AFFIXED
RTHERM: EPCOS B59901D100A40
100k
1k
TO HS3
Q1, Q2: DIODES INC. MMDT5551-7-F
TVS (OPTIONAL): VISHAY P6SMB150CA-E3/5B
HS1, HS2, HS3 (HEATSINKS): ASSMANN WSW COMPONENTS V8813X
332k
0.1µF
VCC
GATE SNS
OPT
OUT
FB
SHDN
OV
RFB4
10k
LT4363DE-2
10k
UV
GND
ENOUT
ENOUT
FLT
TMR
6.19k
1µF
16V
FAULT
5.6M
10µF
16V
UNLESS OTHERWISE NOTED, COMPONENT PACKAGE SIZES ARE 0805 AND CAPACITOR RATINGS ARE 100V
リップル
始動モード
その他の要件
リップルとは、 定 常 状 態の DC 電 圧 付 近で変
通常モードとジェネレータのみモードの他に、
MIL-STD-1275D では、システムが破損するこ
動する入力電圧を指す用語です。リップルは、
MIL-STD-1275D は始動モードを規定していま
となく極性反転に耐えることを規定しています。
50Hz∼200kHz の周波数で構成されているこ
す。これは、エンジン・スターターおよびクラン
このような状態は、ジャンパー・ケーブルを反対
とがあります。ジェネレータのみモードのリップ
キングに起因する電圧変動を表します。図 4 は、
に接続した場合のジャンプ・スタート時に発生し
ルは、DC の定常状態電圧から±7V と大きい
MIL-STD-1275D の仕様に記載されているも
ます。
範囲です。通常モードでのリップルはいくらか小
のです。定常状態の DC 電圧から始まり、
「初期
さく、DC の定常状態電圧から±2V の範囲です。
噛み合いのサージ」で 6V に低下します。1 秒以
MIL-STD-1275D の仕様には、明示的なテスト
内に立ち上がって、最小電圧が 16V の「クラン
条件、および試験用周波数の推奨セットがあり
キング・レベル」になります。30 秒以内に再び、
ます。
定常状態の DC 電圧に戻ります。
MIL-STD-1275Dでは、別の規格MIL-STD-461
(電磁気の互換性要件に関する)に言及していま
すが、これはこの記事の範囲を超えています。
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 17
通常動作では、MOSFET が完全に導通し、MOSFET での電力損失が最小になります。サージや
スパイクで入力電圧が上昇すると、サージ・ストッパが出力電圧を調整し、安全な無停電電力を
負荷に供給します。電流制限とタイマの機能が、外部 MOSFET をより過酷な条件から保護します。
MIL-STD-1275D に適合するサージ・
100V
ストッパのソリューション
100V
リニアテクノロジー社のサージ・ストッパ製品は、
MIL-STD-1275D に適合する強力なソリュー
ションです。代替設計では通常、入力にシャント・
クランプを使用していますが、過電圧状態が続
く間に破損やヒューズ切れが発生することがあり
ます。
LTC4366 や LT4363 などの高電圧サージ・ス
VIN
28V 43V
20V/DIV
VIN
28V
20V/DIV
VOUT 27V
4.3A
20V/DIV
IOUT
2A/DIV 2.7A
27V
VOUT 27V
20V/DIV
IOUT
2A/DIV 2.7A
43V
4.3A
RLOAD = 10Ω
トッパでは、大型のパッシブ・コンポーネントを
100ms/DIV
RLOAD = 10Ω
500ms/DIV
使用して高エネルギ・レベルをグランドにシャン
トするのではなく、入力電圧のスパイクやサージ
が発生したときに直列 MOSFET を使用して出
図 6. MIL-STD-1275D の 100V/500ms の
図 7. MIL-STD-1275D の 100V/50ms の
サージ試験
サージ(5 回繰り返し)
力電圧を制限します。通常動作では、MOSFET
が完全に導通し、 MOSFET での電力損失が最
小になります。サージやスパイクで入力電圧が
上昇すると、サージ・ストッパが出力電圧を調整
し、安全な無停電電力を負荷に供給します。電
流制限とタイマの機能が、外部 MOSFET をよ
り過酷な条件から保護します。
図 6 および 7 に、サージ試験での測定結果を
示します。図 6 のオシロスコープ波形は、前述
保護も行い、負の入力電圧が出力に現れること
した MIL-STD-1275D の サ ー ジ 要 件 で ある
を防ぎます(D1 の上流にあるLTC4366サージ・
100V/500ms の全域で、この回路が動作してい
ストッパは、追加の保護なしで逆電圧と –250V
ることを示します。図 7 は、MIL-STD-1275D
のスパイクに耐えることができる)。
の推奨試験に記載されている、制約がより低い
サージ
100V/50ms パルスでこの回路が動作すること
MIL-STD-1275D で は、 ワ ー ストケ ー ス の
を示します。
MOSFET 電 力 損 失 状 態 は 100V の 入 力サー
ジ期間に発生します。図 5 に示す回路は、出力
電圧を 44V に調整します。この結果、 回路は
100V 入 力 から 56V 低 下して 44V 出 力になり
ます。この MIL-STD-1275D のソリューション
では、出力に使用できる電力を増加するため
に、 2 つ の 直 列 MOSFET が 使 用されます。1
番目の MOSFET のソースは LTC4366 により
66V に調整され、2 番目 MOSFET のソースは
LT4363 により44Vに調整されます。これにより、
両方のMOSFETでの電流損失が低減されます。
スパイク
+250V のスパイク状態は、ドレイン - ソース間
電圧 300V 以上に耐える定格をもつ MOSFET
M1 が処理します。MIL-STD-1275D では入力
エネルギが 15mJ に制限されることを規定して
おり、この値はこの MOSFET の仕様範囲内で
す。図 8 に、入力における +250V のスパイクが
出力からブロックされることを示します。
オプションの双方向トランジェント電圧サプレッ
サ(TVS)が入力位置にあり、追加の保護を行
います。この 150V のブレ ークダウン電 圧は、
100V 未満での回路動作には影響しません。入
力位置に TVS があることが望ましくないアプリ
ケーションでは、このオプションのコンポーネン
トを取り除くことができます。図 8 および 9 では、
MIL-STD-1275D のスパイクが存在する間、出
力電圧トレース(VOUT)は高周波数のうなりを示
します。これは、0.1µF の試験コンデンサが回路
入力位置で直接放電し、すべての抵抗とインダ
クタンスが最小になったときに電源とグランドの
同様に、図 9 に、–250V のスパイク試験の結果
トレースに流れ込む大電流による測定値の乱れ
を示します。この状態では、 –250V のスパイク
であることに注意してください。
時にダイオード D1 が逆バイアスされ、スパイク
18 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
を M2 と出力からブロックします。D1 は逆極性
設計特集
最大過渡電力損失(高電圧サージの発生時など)が単体の
MOSFET の能力を超える場合でも、複数の直列 MOSFET を
使用して高電力レベルに対応できます。
RLOAD = 10Ω
250V SPIKE
IOUT 2.7A
5A/DIV
VOUT 27V
50V/DIV
28V
V
35V
VIN
5V/DIV
IN
28V
50V/DIV
21V
34V
VIN
28V
50V/DIV
−250V SPIKE
VOUT 27V
50V/DIV
IOUT 2.7A
5A/DIV
VOUT
5V/DIV 27.15V
20.3V
IOUT
1A/DIV 2.715A
1µs/DIV
1µs/DIV
図 8. 正の入力スパイク
RLOAD = 10Ω
図 9. 負の入力スパイク
10ms/DIV
図 10. 14VP–P 入力リップル状態
リップル
過熱
まとめ
MIL-STD-1275D のリップル仕様に適合するに
最後に、過熱保護はコンポーネント Q1、Q2、
リニアテクノロジー社のサージ・ストッパ製品は、
は、
さらにいくつかのコンポーネントが必要です。
R1∼R4、およびサーミスタ RTHERM により実装
MIL-STD-1275D へ の 適 合を 簡 略 化します。
ダイオード D1 とコンデンサ C1∼C12 を組み合
されます。M2 のヒート・シンク温度(HS3)が
MOSFET を使用して高電圧入力のサージとス
わせて、AC 整流器が構成されます。この整流信
105 °C を超えた場 合、LT4363 の UV ピンが
パイクをブロックする一方、下流の回路に無停
号が DRAIN2 ノードに現れます。
Q2A によりプルダウンされて MOSFET M2 を
電電力を供給します。直列コンポーネントにより
LT4363と検出抵抗 RSENSE の組み合わせが、最
強制的にオフにし、最高温度を制限します。
大電流を 5A(代表値)に制限します。入力波形
注意する点として、指定したコンポーネントで構
の立ち上がりが出力コンデンサを 5A を超える
成されるこの回路は、MIL-STD-1275D に規定
電流でプルアップしようとした場合、 LT4363 が
された最小電圧 6V ではなく、始動モードの初期
M2 のゲートをプルダウンして電流を一時的に
噛み合いサージの発生時における最小電圧 8V
制限します。
で動作することのみが保証されます。
電圧をブロックすることで、大型のパッシブ・コ
ンポーネントを使用する回路が高エネルギをグ
ランドにシャントしようとするときに発生する可
能性があるヒューズ切れや破損を防止します。さ
らに、この記事では、最大過渡電力損失(高電
圧サージの発生時など)が単体の MOSFET の
能力を超える場合でも、複数の直列 MOSFET
ゲート電圧を即座に復元するために、コンポー
通常、MIL-STD-1275D 適合システムの入力
を使用して高電力レベルに対応できることを示
ネント D3∼D4、C13∼C15 で 構 成 する小 型
位置に EMI フィルタが配置されます。フィルタ
しました。n
チャージ・ポンプが LT4363 の内部チャージ・
処理のニーズはサージ・ストッパで解消されま
ポンプを補助して MOSFET M2 のゲートを即
せんが、サージ・ストッパのリニア・モード動作
座にプルアップします。これを行った場合でも、
は追加ノイズを生じません。
このリップル状態の間、使用できる負荷電流を
リッ
2.8A に低下させる必要があります。図 10 に、
プル試験時に出力が駆動され続けていることを
示します。
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 19
LTspice IV の最新情報
Gabino Alonso
ワールド・ツアー
www.linear-tech.co.jp/LTspiceEvents
新しいビデオ:
「AC 解析」
www.linear-tech.co.jp/solutions/4581
LTspice IV の World Circuit Seminar の
エンジニアによるエンジニアのためのブログ
絶縁型コントローラ
ワールド・ツアー
LTspice に関する技 術ニュース、 業 界 人 向 け
• LTC3765、LTC3766:同期整流付きの 120W
LTspice の 開 発 者である Mike Engelhardt が
のヒント、 および 興 味 深 い 視 点 につ いては、
一連の無償、半日のセミナーで LTspice のすべ
LTspice の ブ ロ グ(www.linear-tech.co.jp/
てを教えるワールド・ツアーに出発します。各セ
solutions/LTspice)を参照してください。
ミナーでは、スイッチ・モード電源のシミュレー
ション、効率の計算、電源起動時の動作とトラン
ジェント応答の観察の各方法について説明しま
す。また、AC 解析、
ノイズ解析、および回路シミュ
レーション用の汎用 SPICE シミュレータとして
LTspice を使用する方法を学ぶこともできます。
講演の内容として、LTspice IVの内部の仕組み、
およびその性能の全体像があります。
これらのセミナーの 詳 細 につ いては、 www.
linear-tech.co.jp/LTspiceEvents を参照してく
ださい。
ブログの最新ビデオ:
「AC 解析」̶ 最新ビデオ
のトピックについては、www.linear-tech.co.jp/
solutions/4581 を参照してください。
場合によっては、回路図の特定部品における
絶縁型フォワード・コンバータ
(入力:9V∼36V、出力:12V/10A)
www.linear-tech.co.jp/LTC3765
昇圧レギュレータ
• LT3905:調整可能な APD バイアス電源
(入力:2.7V∼12V、出力:54V/1mA)
www.linear-tech.co.jp/LT3905
• LTC3862-1:高電力、高電圧の 4 相昇圧コン
個々の電圧や電流を調べるよりも、回路の周波
バータ(入力:6V∼36V、出力:50V/10A)
数応答がより重要なことがあります。LTspice は、
www.linear-tech.co.jp/LTC3862-1
その AC 解析機能で周波数応答を調べるユー
ザーを支援します。このビデオでは、LTspice で
基本的な AC 解析を実行する方法、およびいく
つかの新機能を説明します。
厳選デモ回路
リニアテクノロジー社のデバイスを使用するサン
プルシミュレーションの詳細リストについては、
反転レギュレータ
• LTC3805-5、LT1797:正 - 負 Cuk コンバータ
(入力:8V∼16V、出力:–12V/3A)
www.linear-tech.co.jp/LTC3805-5
• LTC3863:低 IQ 反転 DC/DC コンバータ
(入力:4.5V∼16V、出力:–12V/1A)
www.linear-tech.co.jp/LTC3863
www.linear-tech.co.jp/democircuits を参照し
定電流、定電圧レギュレータ
てください。
• LT3795:スペクトラム拡散周波数変調を備え、
短絡耐性をもつ昇圧 LEDドライバ(入力:
LTspice IV とは
LTspice® IV は、電源設計プロセスを迅速に行
うことを目的として設計された高性能 SPICE シ
ミュレータ、回路図入力プログラム兼波形ビュー
アです。LTspice IV は SPICE に拡張機能とモデ
ルを追加したもので、標準的なSPICEシミュレー
タよりもシミュレーション時間を大幅に短縮しま
す。これにより、他の SPICE シミュレータでは数
時間かかる多くのスイッチング・レギュレータに
ついて、波形を数分で表示できます。
LTspice IV は、リニアテクノロジー社のサイト
(www.linear-tech.co.jp/LTspice)で無償で提
供されています。このダウンロードには、全機能
を備えた LTspice IV のバージョン、リニアテクノ
ロジー社のパワー製品のマクロ・モデル、 200
種類を超えるオペアンプ・モデル、および抵抗、
トランジスタ、MOSFET のモデルが含まれてい
ます。
20 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
降圧レギュレータ
• LT8610AB:軽負荷時の効率が高い 5V、
2MHz の µPower 降圧コンバータ
(入力:5.5V∼42V、出力:5V/3.5A)
www.linear-tech.co.jp/LT8610A
• LTM®4624:4A 降圧 µModule® レギュレータ
(入力:4V∼14V、出力:1.5V/4A)
8V∼60V、出力:87V LED 列 /400mA)
www.linear-tech.co.jp/LT3795
• LTC4000-1、LT3845A:ソーラー・パネル入力
を備えた 3 セルの LiFePO4 用バッテリ・チャー
ジャ(入力:20V∼60V、出力:10.8V フロー
ト / 最大 10A)
www.linear-tech.co.jp/LTC4000-1
www.linear-tech.co.jp/LTM4624
• LTM4644:クワッド 4A 降圧 µModule レギュ
レータ(入力:4V∼14V、出力:3.3V、2.5V、
1.5V、1.2V/4A)
www.linear-tech.co.jp/LTM4644
• LTM4649:10A 降圧 µModule レギュレータ
(入力:4.5V∼16V、出力:1.5V/10A)
www.linear-tech.co.jp/LTM4649
過電圧および過電流に対する保護
• LTC4366-2:サージ保護車載 12V 電源
(入力:9V∼100V、出力:18V クランプ /4A)
www.linear-tech.co.jp/LTC4366
設計上のアイデア
モデル、デモ回路、イベント、およびユーザー向けヒントの最新情報については、
̶以下の Twitter サイトで @LTspice をフォローしてください。www.twitter.com/LTspice
̶Facebook ページ(facebook.com/LTspice)で「いいね !」をクリック
オペアンプ
• LT6105:+15V および− 15V の電源用電流
検出モニタ(0A∼2A)および
www.linear-tech.co.jp/LT6105
• LTC6090、LTC2054:デジタル電圧計用
µV プリアンプ
www.linear-tech.co.jp/LTC6090
厳選モデル
トランスのシミュレーション
LTspice でトランスをシミュレートする簡単な手法を
4. LTspice は各コンポーネントの値を使用してトラン
説明します。
スをシミュレートします。この場合の値は、トラン
1.トランスの各巻線についてインダクタの下書きを
スの巻数比ではなく、各インダクタのインダクタン
作成します。
2. SPICE 指令経由で相互インダクタンス(K)文を使
用して、トランスの巻線を結合します。
K1 L1 L2 L3 1
スです。インダクタンス比は、巻数比と次のように
対応します。
 N
2
=  PRIMARY 
 N SECONDARY 
L PRIMARY
L SECONDARY
リニア・レギュレータ
K 文の最後のエントリは、カップリング係数であり、
0∼1 の値をとります。1 は漏れインダクタンスがな
• LT3086:監視機能とケーブル降下補償機能を
例えば、1:3 の巻数比の場合、1:9 の比が得られ
いことを表します。実際の回路では、カップリング
るようにインダクタンスの値を入力します。
備えた 40V、2.1A 低ドロップアウト調整可能
係数 1 から始めることをお勧めします。
リニア・レギュレータ
ト ラ ン ス ご と に、K 文 は 1 つ の み 必 要 で す。
www.linear-tech.co.jp/LT3086
LTspice により、1 つのカップリング係数がトラン
ス内のすべてのインダクタに適用されます。以下
降圧レギュレータ
の文は、前述の文と同等です。
• LTC3875:低値 DCR 検出機能と温度補償機
K1 L1 L2 1
K2 L2 L3 1
K3 L1 L3 1
能を備えたデュアル 2 相同期コントローラ
www.linear-tech.co.jp/LTC3875
• LTM4633:トリプル 10A 降圧 DC/DC
µModule レギュレータ
www.linear-tech.co.jp/LTM4633
トランスをシミュレートする方法の
3. [move](F7)、[rotate](Ctrl + R)、および [mirror]
(Ctrl + E)のコマンドを使用してインダクタの位
置を調整し、トランスの極性と合わせます。K 文を
詳細については、www.linear-tech.
co.jp/solutions/1079 のビデオを
ご覧ください。
追加すると、含めたインダクタの整相ドットが表示
されます。
定電流 / 定電圧レギュレータ
シミュレーションをお楽しみください !
パワー・ユーザーのヒント
• LT3797:トリプル出力 LEDドライバ・コント
ローラ www.linear-tech.co.jp/LT3797
• LTC4020:55V 降昇圧マルチケミストリ・バッ
テリ・チャージャ
www.linear-tech.co.jp/LTC4020
ワイヤレス電力伝送
• LTC4120:ワイヤレス受電器および 400mA
降圧バッテリ・チャージャ
www.linear-tech.co.jp/LTC4120
環境発電
トランシーバ
• LTC3330:環境発電バッテリ寿命延長回路を
• LTC2862、LTC2863、LTC2864、LTC2865:
備えた µPower 降昇圧 DC/DC
www.linear-tech.co.jp/LTC3330
過電圧および過電流に対する保護
• LTC4365-1:過電圧、低電圧および逆電源保
護コントローラ
www.linear-tech.co.jp/LTC4365
3V∼5.5V の ±60V フォルト保護付き
RS485/RS422トランシーバ
www.linear-tech.co.jp/LTC2865
オペアンプ
• LT6238:レール・ツー・レール出力
215MHz、1.1nV/ √Hz オペアンプ /SARADCドライバ
www.linear-tech.co.jp/LT6238 n
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 21
広範な入力電圧で広い PWM 調光範囲を可能にする
昇降圧 LEDドライバ
Keith Szolusha、Taffy Wong
マルチチャネル LEDドライバは主に、複数の LED または複数の LED 列
(場合によっては色や長さが異なる)を単一の IC から駆動する目的で
設計されています。しかし、これらのドライバは、その他の魅力的な用
途に使用できる多数の機能を備えています。例えば、LT3797 3 チャネ
ル LEDドライバの 1 チャネルを、 BOOST 電圧プリレギュレータとして
使用して昇降圧機能をもつように構成できます。一方、他の 2 チャネル
は降圧モード LEDドライバとして構成します。
入力電圧源の範囲が広く、 LED 列定格の上下
ります。つまり、降圧のみのコンバータと比較す
両方の値をとる可能性がある場合、降昇圧、つ
ると、効率と帯域幅が低く
(PWM の調光性能が
まり SEPICトポロジが一般的に使用されます。
低い)、昇圧のみのレギュレータと比較すると、
これらのトポロジは、降圧のみまたは昇圧のみ
効率が低く、伝導 EMI が高くなります。
これらの問題を防ぐ方法の 1 つは、電圧プリレ
ギュレータを使用して広範な入力を昇圧し、そ
れを降圧のみの LEDドライバの入力として使
用することです。これは昇圧と降圧の長所、つま
り高い PWM 調光の帯域幅、および低い伝導
EMI をもちます。LT3797 には、電圧レギュレー
ションと LED 駆動のいずれかに使用できるチャ
ネルが 3 つあるので、 1 チャネルを使用して入
力電圧を昇圧できます。次に、この高い電圧を
使用して、他の 2 チャネルで構成された 2 つの
高帯域幅、降圧モードの LEDドライバを駆動で
きます。
のレギュレータと比較すると、短所がいくつかあ
図 1. 50V、1A の昇圧 LEDドライバ 3 個として構成された LT3797トリプル LEDドライバ
VIN
2.5V TO 40V
(50V TRANSIENT)
+
4.7µF
×3
33µF
50V
ALUMINUM
ELECTROLYTIC
L1
10µH
L2
10µH
D1
ISP1
RLED1
0.25Ω
COUT1
4.7µF
100V
×3
RLED2
0.25Ω
GATE1
VIN
1µF
RLED3
0.25Ω
SENSEP1 SENSEN1 TG1
M5
1A*
50V
RSENSE2
8mΩ
GATE2 SENSEP2 SENSEN2 TG2
1A*
50V
RSENSE3
8mΩ
GATE3 SENSEP3 SENSEN3 TG3
ISN1–ISN3
ISP1–ISP3
23.2k
LT3797
EN/UVLO
OVLO
VREF
VREF V
IN
SYNC PIN
INPUT SIGNAL
(OR TIE TO PWM1–PWM3)
PWM PIN
INPUT SIGNAL
22 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
CTRL1–
CTRL3
1M
147k
PWM1–
SYNC PWM3 RT
RT
47.5k
0.1µF
310kHz
SS1–
SS3
COUT3
4.7µF
100V
×3
ISN3
M6
D6
LED3+
M3
1A*
50V
100k
105k
ISP3
ISN2
M4
D5
LED2+
M1
RSENSE1
8mΩ
D3
COUT2
4.7µF
100V
×3
ISP2
ISN1
M2
D4
LED1+
*ILED IS REDUCED
FOR VIN BELOW 9V
L3
10µH
D2
FLT1–
FLT3
FBH1–FBH3
SW1 SW2
100k
INTVCC
D1–D3: DIODES INC. PDS360
D4–D6: VISHAY SILICONIX ES1B
L1–L3: COILTRONICS HC9-100-R
LPWR: COILTRONICS SD25-470
M1, M3, M5: INFINEON BSC039N06NS
M2, M4, M6: VISHAY SILICONIX Si7113DN
LPWR
47µH
BOOST
INTVCC
GND
INTVCC
0.1µF
10µF
VC1–VC3
3.9k
6.8nF
1M
設計上のアイデア
降圧 LEDドライバでは、昇圧モード・ドライバよりも高い PWM 調光比
を達成できます。広範な入力から高い LED 調光比を達成するために、
低い入力電圧をプリレギュレータで中間電圧まで昇圧できます。昇圧
後の中間出力は、降圧モード LEDドライバの入力になります。図 2 に、
LT3797 単体を使用して実現される昇降圧方式を示します。
トリプル LEDドライバ(マルチトポロジ、高効率)
LT3797 はトリプル LEDドライバ・コントローラ
IC であり、昇圧モード、降圧モード、昇降圧モー
ド、 SEPIC などの複数のトポロジで 3 列の LED
電流の駆動に使用できます。各チャネルは他の
チャネルとは独立して動作しますが、クロック位
相を共有します。LED 電流、開放 LED の保護、
アナログ、および PWM 調光制御をそれぞれ独
高電位側のフィードバック・ピン FBH は、 LED
図 1 に、車載入力から 3 列の 50W(50V、1A)
列が GND に戻らない場合に降圧モードと昇圧
LED 列を駆動する、効率 93% のトリプル昇圧
モードの両方で多様な過電圧保護を提供するの
LEDドライバを示します。120Hz での PWM 調
で、レベルシフト・フィードバック・トランジスタ
光比が 250:1 であり、短絡保護を備えています。
は不要です。2.5V∼40V の VIN 範囲と 100V の
内蔵の降昇圧 INTVCC 電圧は、 VIN が 2.5V に
出力範囲により、 LEDドライバには高電圧およ
低下した場合でも、7.8V のゲート電荷をパワー・
び高電力の能力が得られます。LT3797 は、車
スイッチに供給し、入力範囲が非常に広いコン
載アプリケーションや産業アプリケーション、お
バータにしています。
よびバッテリ駆動デバイスで使用できます。
立して制御できます。
図 2. 1000:1 の PWM 調光比をもつ LT3797 ダブル昇降圧 LEDドライバ
VIN
9V TO 40V
(50V TRANSIENT,
41V INTERNAL
OVLO PROTECTION)
L3
5.6µH
+
VBOOST
50V
D3
+
CIN2
4.7µF
50V
×2
CIN1
47µF
50V
ALUMINUM
ELECTROLYTIC
CBOOST(OUT)
56µF
63V
ALUMINUM
ELECTROLYTIC
×2
ISP2
CBUCK(IN)
4.7µF
100V
×2
ISP1
0.25Ω
0.25Ω
ISN2
TG2
M5
TG1
LED2+
CBUCK2(OUT)
10µF
1A
50V
×2
LED1+
VLED
35V
VLED
35V
LED2–
31.6k
1M
FBH2
D2
M3
25.5k
0.004Ω
1M
ISN1
M4
1A
CBUCK1(OUT)
10µF
50V
×2
LED1–
L2
33µH
1M
L1
33µH
M2
31.6k
FBH1
D1
M1
0.04Ω
0.04Ω
N/C
CVIN
1µF
GATE3 SENSEP3 SENSEN3
VIN
TG3
ISP3 ISN3
FBH3
SENSEN2 SENSEP2 GATE2 GATE1 SENSEP1 SENSEN1
499k
ISP1, ISP2
LT3797
EN/UVLO
69.8k
TG1, TG2
ISN2, ISN2
CTRL1
OVLO VREF CTRL3 CTRL2 SYNC PWM1 PWM2 PWM3 RT
10k
SS1
SS2
47.5k
310kHz
PWM DIMMING
120Hz, UP TO 1000:1
CIN1: NIPPON CHEMICON EMZA500ADA470MF80G
CBOOST(OUT): PANASONIC EEHZA1J560P
D1, D2: DIODES INC. PDS360
D3: DIODES INC. PDS560
SS3
1µF
FBH1, FBH2
FLT1–
FLT3 SW1 SW2
0.22µF
100k
BOOST
L4
47µH
INTVCC
GND
0.1µF
VC1
VC2
15k
10µF
6.8nF
VC3
15k
1nF
22nF
INTVCC
L1, L2: WÜRTH 744071330 33µH
L3: WÜRTH 7443557560 5.6µH
L4: COOPER SD25-470-R
M1, M2, M3: INFINEON BSC028N06N53 60VDS
M4, M5: VISHAY SILICONIX Si7415DN 60VDS
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 23
昇降圧モード・ドライバのもう 1 つの長所は、同様な定格をもつ降昇圧レギュレータと比較して伝
導 EMI が低いことです。昇圧コンバータは、メイン・インダクタが入力と直列であるため、通常は
AM 帯周囲で降圧コンバータよりも伝導 EMI が低くなります。昇降圧方式では、インダクタが入力と
直列です。一方、降昇圧方式では、1 つのインダクタが降圧段と昇圧段の間にあります。
50V, VBOOST
500mV/DIV
(AC-COUPLED)
1.5V (100%)
CTRL1
1V/DIV
700mV (50%)
1A (100%)
ILED
500mA/DIV
500mA (50%)
500µs/DIV
図 3.50%(500mA)から 100%(1A)のフルスケール電流まで
のアナログ調光過渡は、昇圧段が固有の通常速度で回復すると
きでも、降圧モードの高い帯域幅を示します。
デュアル昇降圧モード LEDドライバ
座に戻ることができます。PWM のオフ時間に昇
LED の保護も備えています。PWM 調光比を最
最高の PWM 調光比は、最高の動作帯域幅を
圧の PWM がオフにならない場合、または別の
大にし、PWM がオフのときに 3 つすべてのチャ
昇圧 IC を使用している場合、昇圧コンバータの
ネルの制御ループのステートを固定するため
帯域幅は最大 PWM 調光比を制限できます。
に、 3 本の PWM 調光入力ピンはすべて、同じ
提供する降圧 LEDドライバにより達成できます。
広範な車載入力電圧から高い LED 調光比を達
成するには、車載電圧をまずプリレギュレータで
昇圧する必要があります。次に、昇圧後の出力
電圧を、降圧モード LEDドライバの入力として
印加できます。図 2 に、単一 IC を使用してこれ
をどのように達成できるかを示します。LT3797
の 1 チャネルを昇圧プリレギュレータとして使用
し、他の 2 チャネルを降圧モード LEDドライバ
として作動させます。
コンポーネント数とコストが低減する以外に、
この単一 IC 方式が、プリレギュレータとして別
の昇圧 IC を追加する方法よりも優れている点
は、昇圧レギュレータの PWM ピンを使用して、
PWM のオフ時間にスイッチングをディスエーブ
ルし、制御ループのステートを固定できることで
す。これにより、降圧モード LEDドライバがオン
に戻ったときに、出力を低下させることなく、昇
圧コンバータが前の PWM オン・ステートに即
24 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
昇降圧モード・ドライバのもう1 つの長所は、同
様な定格をもつ降昇圧レギュレータと比較して
伝導 EMI が低いことです。昇圧コンバータは、
メイン・インダクタが入力と直列であるため、通
常は AM 帯周囲で降圧コンバータよりも伝導
EMI が低くなります。昇降圧方式では、インダク
タが入力と直列です。一方、降昇圧方式では、1
つのインダクタが降圧段と昇圧段の間にありま
す。基本的な降昇圧トポロジではインダクタが 1
つのみ必要ですが、高電力 LEDドライバのアプ
リケーションでは多くの場合、伝導 EMI を低減
するために 2 つ目の入力フィルタ・インダクタが
必要です。
図 2 に示す LT3797 デュアル昇降圧 LEDドライ
バは、35W(35V、1A)LED 列 2 列に、車載入
力から直接電力を供給します。120Hz で PWM
調光比は 1000:1 です。また、短絡保護と開放
PWM 調光入力に接続されています。昇圧チャ
ネルの出力は 50V に調整されます。昇圧出力電
圧を高くするとさらに高い PWM 調光比が得ら
れますが、高い電圧定格の電力部品が必要にな
り、効率が低下します。降圧モード LEDドライ
バの 2 つのチャネルは、50V 入力から 1A、35V
の LED 列 2 列に高い効率で電力を供給します。
コンバータ全体の効率は 87% です。
高い PWM 調光比
前述したように、降圧および降圧モードの LED
ドライバは、昇圧トポロジのドライバよりも高い
帯域幅を提供します(降昇圧および SEPIC コン
バータを含む)。このため、より高い PWM 調
光比が可能になります。昇圧トポロジでは、過
渡時にインダクタ電流を増加するためにデュー
ティ・サイクルが増加し、出力が受け取るエネル
ギが一時的に低くなりますが、降圧トポロジでは
設計上のアイデア
図 2 に示す LT3797 デュアル昇降圧 LEDドライバは、35W(35V、1A)LED 列 2 列に、車載入力から直接電
力を供給します。120Hz で PWM 調光比は 1000:1 です。また、短絡保護と開放 LED の保護も備えています。
PWM 調光比を最大にし、PWM がオフのときに 3 つすべてのチャネルの制御ループのステートを固定する
ために、3 本の PWM 調光入力ピンはすべて、同じ PWM 調光入力に接続されています。
VBOOST (50V)
1V/DIV
(AC COUPLED)
IL1
1A/DIV
ILED
1A/DIV
図 4. デュアル昇降圧モード LEDドライバの PWM 調光波形。
VIN = 12V
2µs/DIV
120Hz で調光比 1000:1
デューティ・サイクルの増加時に増加したエネル
高すぎる出力電流を監視し、そのチャネルの切
ギを出力に継続して供給します。このため、昇圧
断用 PMOS をオフにして、フォルトを報告しま
とは異なり、降圧コンバータの制御ループを高
す。同様に、LED 列が取り外されたり開放したり
い帯域幅で最適化できます。
すると、IC はそのチャネルの最大出力電圧を制
さらに、PWM 調光では、各サイクルの開始時
に降圧レギュレータのインダクタ電流を、昇圧レ
ギュレータで必要なほど増加する必要がありま
せん。これは、インダクタ電流が LED 電流以下
のほぼ等しい値だからです。これにより、降圧コ
ンバータは昇圧コンバータよりも、トランジェン
ト応答と PWM 調光比の両方の点で優れていま
す。昇圧プリレギュレータが過渡時に出力電荷
を失わない限り、昇降圧モード・コンバータは
降圧コンバータに似た高い帯域幅をもつことが
できます。
LED の短絡と開放の保護
限してフォルトを報告します。
まとめ
LT3797 は、入力 2.5V∼40V、最大出力 100V
のトリプル LEDドライバで、多くのトポロジで使
用できます。PWM 調光比として最高の 1000:
1またはそれ以上の PWM 調光比を得るために、
昇圧と降圧が必要な場合、 1 チャネルを昇圧プ
リレギュレータとして使用でき、他の 2 チャネル
を降圧モード LEDドライバとして使用できます。
短絡保護はすべてのトポロジで使用できるので、
この IC は多くのアプリケーションで LED を駆動
する堅牢で強力なソリューションです。n
図 1 お よ び 2 に 示 す LT3797 LED ドラ イ バ
は、短絡防止機能を備えています。高電位側の
PMOS 切断は PWM 調光に使用されるだけで
なく、LED の + 端子がグランドに短絡したときの
短絡保護にも使用されます。独自の内部回路が
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 25
高電圧高容量バッテリ・システム向けの低コストの
isoSPI 結合回路
Jon Munson
LTC6804 バッテリ・スタック・モニタに組み込まれている isoSPI™
機能は、 LTC6820 の isoSPI 通信インタフェースと組み合わせること
で、絶縁障壁を越える安全で信頼性の高い情報伝達を可能にします。
isoSPI は特に、人体への危険を最小限に抑えるために完全な絶縁層
分離を必要とする、直列セルから数百 V を取り出すエネルギ貯蔵シス
テムで有益です。
問題: 高電圧 = 高コスト
400V 範囲のバッテリ・スタック電圧の場合、優
れた設計方法は、強化(2 倍)絶縁をもつトラン
ス、および 3750V 以上の高電位試験を指定す
ることです。このようなトランスを見つけること
は小型部品と同様に困難です。クリープ(表面距
離)とクリアランス(空間距離)の寸法が必要で
あり、比較的高コストです。isoSPI は、最大 1kV
isoSPI の代表的応用例(図 1)のパルス・トラン
陥がある場合があります。この欠陥は導線を大
スは、絶縁層分離を備えており、配線の影響で
気に曝すので、認定されるそのようなトランスに
発生する可能性のある同相干渉を排除します。
ついて巻線間バイアスが本質的に制限されま
isoSPI 機能は、すぐに使用可能で低コストのイー
す。このようなユニットは製造過程で高電位(通
サネット LAN 用トランスで動作します。これら
常 1.5kV)を使用して試験され(「高電位選別」
のトランスには通常、同相ライン・ノイズを改善
と呼ばれる)、全体的な絶縁問題が特定されま
する同相チョーク・セクション(図 1)、一般的な
す。これは、 60V の長期間バイアスの安全設計
100Ωライン終端抵抗、および同相デカップリン
マージンとして確立されています。これは、微小
グ・コンデンサが含まれます。
な腐食部分が巻線間に伝導路を形成するには
イーサネットおよびゲート・ドライバのタイプを
含む通常の信号トランスの巻線にはエナメル被
60V を超える電圧を必要とする傾向があるから
です。
のバッテリ・システムに適用されますが、このよ
うなバッテリ・システムでは、安全な設計マージ
ンを持つには 5kV で高電位試験を行ったトラン
スが必要です。この段階で、絶縁部品が大型で
高コストになったり、パルスの忠実度が低下した
りすることがあります。
解決策:分割により問題を解決
強化絶縁トランスを使用する方法に置き換わる
方法の 1 つは、追加の絶縁をカップリング・コン
デンサに移動することにより、電磁部品のバイア
ス要件を切り離すことです。コンデンサ単体は一
覆線が使用されており、ピンホール大の絶縁欠
見して、総合的な絶縁オプションのように思われ
ますが、トランスが備えている同相除去や耐衝
撃絶縁の特性をもたないので、実際には L-C 手
法が最適です。この方法では、コンデンサは DC
図 1. 一般化した isoSPI ポイント・ツー・ポイント・リンク
バイアスの公称値まで充電し、トランスに過渡を
LTC6820
IP
IM
RT
TC
TF
TC
CF
LTC6804
IP
ILM
RT
TF
処理させます。この場合、通常のユニットも適切
に使用できます。
カップリング・コンデンサは、高い値をもつ抵抗
CF
によりバイアスされます。この抵抗は通常、図 2
FLOATING GROUND
に示すように、トランスのセンタータップ接続部
に接続されます。さらに、バイアス抵抗の DC 電
流を監視する場合、絶縁破壊をフォルトとして検
図 2.高電圧用の AC カップリング isoSPI ポイント・ツー・ポイント・リンク
LTC6820
IP
IM
RT
TF
TC
CC(A)
出可能です。抵抗には 10MΩ のような高い値が
TC
TF
RT
LTC6804
IP
ILM
選択されるため、フォルト電流はトランスの良好
な配線の定格範囲内にあり、人体への感電の危
険が最小限に抑えられます。
CF
RB
26 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
CF
CC(B)
RB
FLOATING GROUND
設計上のアイデア
DLW43SH101XK2
≈
DLW43SH101XK2
図 3. 2 つの同相チョークをセンタータップ付きの isoSPIトランスとして使用
CC2(A)
TC1(A)
TF1
IP
として、仮想センタータップ接続が形成されるこ
TC2(A)
とがあります。この接続は、同相バイアスおよび
TF2
デカップリング機能に有益です。
IP
LTC6820
LTC6804
IM
CC2(B)
100Ω
27pF
TC1(B)
100Ω
TC2(B)
10M
10M
ILM
図 3 に、2 つの CMC で実現される同等のトラン
ス・モデルを示します。図示のチョークは 1812
27pF
SMT の実装面積とバイファイラ巻き(製造時に
FLOATING GROUND
配線をペアにする)をもつので、 1 次と 2 次が密
接に一致します。これにより、漏れインダクタン
CC: GCJ43DR72J333KXJ1L (33nF/630V)
TC: DLW43SH101XK2
TF: ACT45B-220-2P-TL003
スが最小になり、高周波数性能が維持されます。
物理的に巻線が分離されているタイプは、過剰
図 4. 高電圧 isoSPI ポイント・ツー・ポイント・リンクの全体図
な漏れインダクタンスによりパルスの忠実度が
低下します。図に示すユニットは、50V DC 連
トランスの磁気設計から高電圧要件を取り除い
して使用されています。このような部品は最大
たことにより、比較的低コストの多数のオプショ
100µH で使用可能であり、車載システムでの使
ンを使用できます。その 1 つは単純に、認証済
用が承認されているので、isoSPI の構成でも推
みイーサネット・トランスを適切に使用すること
奨されます。
です。もう1 つの方法は、他のすぐに使用できる
低プロファイルの磁性製品を使用して、部品の
高さと重量を低減し、はんだ接続の疲労問題を
減少することです。これらは、他の部品と同様に、
表面実装自動組み立て方法で取り付けることが
でき、製造コストが低減されます。これらの機能
をもつ優れた候補は、個別同相チョーク(CMC)
というトランス構造で、通常はフィルタ要素と
続定格です。
設計図の完成
図 4 に、L-C 手 法 を 使 用し、トランスとして
CMC を使用した全体の回路を示します。一般
適切な CMC は低コストです。これらの CMC
は、チップサイズのフェライト上に機械巻の配線
ペアを配置した形状として、短時間で簡単に製
造できます。isoSPI の設計には、長いパルス波
形を効果的に流すためにある程度高いインダク
タンスが必要ですが、直列の巻線をもち 200µH
を発生するチョークを 2 つ使用して、適切なイン
ダクタンスを達成できます。この設計の他の利点
的な isoSPI のアプリケーションには、役に立つ
CMC フィルタ処理セクションが含まれているの
で(標準の LAN 部品の場合に内蔵)、この回路
にはその機能を保持するための推奨離散部品
が含まれます。カップリング・コンデンサは高品
質の 10nF∼33nF の部品で、実装面積は 1812
です(定格 630V または 1kV)。ここで、シャー
シがグランド電位で LTC6820 が動作している
と仮定すると、ツイスト・ペアのバイアスは安全
レベルです。
デイジー・チェーン接続された LTC6804-1 モ
図 5. 絶縁配線をもつ高電圧のデイジー・チェーン isoSPIリンク
TC1(A)
CC1(A)
CC2(A)
TF1
IP
ジュール間のリンク内にある場合のように、ツ
TC2(A)
イスト・ペアの両端がフロート電位である場合、
TF2
LTC6804-1
IHM
CC1(B)
100Ω
27pF
FLOATING GROUND
TC1(B)
LTC6804-1
10M
CC2(B)
10M
図 5 に示すように、リンクの両端にコンデンサを
IP
10M
100Ω
TC2(B)
10M
ILM
27pF
使用し、各ラインに高い値の抵抗を接続して、
ツイスト・ペア自体を接地電位にバイアスできま
す。この場合、コンデンサは直列なので、 22nF
以上を推奨します(33nF/630V タイプを図示)。
FLOATING GROUND
CC: GCJ43DR72J333KXJ1L (33nF/630V)
TC: DLW43SH101XK2
TF: ACT45B-220-2P-TL003
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 27
高電圧 isoSPI システムのコストへの影響を緩和するために、 AC カップリング方法を使用して、
磁気部品の 2 倍の絶縁要件を解消します。特殊トロイダル・トランスの磁気部品を低コストの
ボビン巻同相チョーク(CMC)部品に置き換えることで、コストをさらに削減できます。コンデ
ンサと CMC は両方とも、比較的低プロファイルの表面実装チップ部品です。
TC(A)
IP
LTC6804-1
IP
100Ω
IHM
ILM
TC(B)
27pF
図 6. 同一基板上の相互接続用デイジー・チェーン isoSPIリンク
LTC6804-1
100Ω
27pF
FLOATING GROUND
FLOATING GROUND
TC: DLW43SH101XK2
同一基板上にデイジー・チェーン接続された
る配置例を示します。青の領域はそれぞれ、フ
マスクの使用を少なくすることです。これにより、
LTC6804-1 の間にあるリンクでは、電位が通
レーム・グランド(左側、ツイスト・ペア・コネク
部品の下にある残留フラックスを効果的に洗浄
常 50V 未満なので、コンデンサのカップリング
タ付き)と IC 同相(右側)を表します。
でき、多孔性の半田マスク層に水分が残ること
は不要です。通常は、トランス・セクションが 1
つのみ必要ですが(図 6)、これは、通常は、ケー
ブルなしで流入するノイズが非常に小さいため
です。
トランスは HV の過渡電位に耐える必要がある
ので、サイズが1206のバイアス抵抗を使用して、
間隔も維持します。HF デカップリング・コンデン
サとインピーダンス終端抵抗には、小型部品を
高電圧のレイアウト
使用できます(0602 のサイズを図示)。
プロント回路のレイアウトでは、メインの絶縁障
HV 障壁の両端での漏れ電流を防止するもう
壁、つまりコンデンサの両端に広い絶縁空間が
必要です。図 7 に、良好な高電圧性能が得られ
を防止します。
isoSPI バスに関する特別な検討事項
前述の各回路はポイント・ツー・ポイントの
isoSPIリンクに適用されますが、高電圧ソリュー
ションを提供する重要な事例の 1 つは、バス接
1 つの優れた方法は、HV 部品(グランド間の
「ギャップ」の上にある部品)の領域内で半田
続され、アドレス指定可能な LTC6804-2 です。
これは、図 8 に示すように、ツイスト・ペアのリン
クが各「タップ」接続を通過しています。バスの
図 7. isoSPI インタフェースでの高電圧性能を目的としたプリント回路レイアウトの提案
CC(A)
EARTH
GROUND PLANE
(BACK LAYER)
LTC6804
FLOATING GROUND PLANE
(BACK LAYER)
TC(A)
TC(A)
TF
isoSPI
CONNECTOR
RT
CC(B)
TO IC PINS
isoSPI
CONNECTOR
CC(A)
RB
CC(B)
TC(B)
TC(B)
RB
CF
FLOATING GROUND
28 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
CF
TF
RT
TO IC PINS
設計上のアイデア
CC1A
TC1A
IP
LTC6820
IM
CT
100pF
RC1A
22Ω
TF1
TC2A
RC2A
22Ω
TF2
LTC6804-2
ILM
CC1B
27pF
図 8. エコー制御付き高電圧 isoSPI バスの
全体図
IP
TC1B RC1B
22Ω
TC2B
RC2B
22Ω
10M
10M
CC3A
CC: GCJ43DR72J333KXJ1L (33nF/630V)
TC: DLW43SH101XK2
TF: ACT45B-220-2P-TL003
27pF
FLOATING GROUND
TC3A
RC3A
22Ω
TF3
IP
LTC6804-2
ILM
CC3B
TC3B
RC3B
22Ω
10M
CCnA
PULSE
250mV/DIV
27pF
FLOATING GROUND
TCnA
RCnA
22Ω
TFn
IP
LTC6804-2
ILM
CCnB
図 9. isoSPI バスのアプリケーションで
エコー制御用に修正したパルス形状
アプリケーションでは、各トランスに高電圧の要
40ns/DIV
これらを図 8 の回路に示します。繰り返します
件を課しています。これは、同じツイスト・ペア
が、この回路では、 LTC6820 が安全な接地電
の電位とフロートのセル・スタックの任意の電圧
位で動作することを前提にしています。変更され
とのインタフェースをとる必要があるからです。
た波形は反射からの歪みを制御するために帯域
絶縁を追加するために CMCとAC カップリング・
コンデンサを使用することは、前述の回路と同様
ですが、ネットワーク内の物理的な位置とは無関
係に、通信デバイスの反射強度を低減し、一貫
した波形を提供するために、少し異なる結合回
路を提案します。3 つの異なる点があります。
• LTC6820 の終端を 100pF コンデンサ(CT)
に変更する。
• 遠い側の終端のみを通電バス(RT)に適用し、
68Ω に設定する(いずれの LTC6804-2 でも
終端なし)。
• 浮遊容量負荷をデカップリングするために、
RCnA
22Ω
RT
68Ω
が制限されているので、 IC ピンで受信するパル
スは図 9 に示すように丸くなっています。しかし、
isoSPI のパルス識別回路がこのフィルタ処理さ
れた形状に良好に機能し、 16 個すべてのアドレ
スをもつバスをサポートします。最適な動作を得
るためには、システム内で発生する実際の損失
に合わせて、パルス検出しきい値を下げる必要
がある場合があります(しきい値を作動信号の
ピーク値の 40%∼50% に設定する)。
TCnB
10M
27pF
FLOATING GROUND
まとめ
高電圧 isoSPI システムのコストへの影響を緩和
するために、 AC カップリング方法を使用して、
磁気部品の 2 倍の絶縁要件を解消します。特殊
トロイダル・トランスの磁気部品を低コストのボ
ビン巻同相チョーク(CMC)部品に置き換える
ことで、コストをさらに削減できます。コンデンサ
と CMC は両方とも、比較的低プロファイルの
表面実装チップ部品であり、価格競争が激しく、
信頼性の高い車載用に承認された部品が使用
できます。AC カップリング用のバイアス抵抗は、
システムの絶縁の保全性を監視する有効な手段
です。n
アドレスが 5 個以下のネットワークでは、反射は
通常大きな問題ではないため、標準の抵抗をも
つ終端を保持できます(図 8 の CTERM と RTERM
の位置に 100Ω の抵抗があり、RC を省略する)。
すべてのバス接続に 22Ω のカップリング抵抗
(RC)を使用する。
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 29
理想ダイオードと 200V バスの組み合わせ
Mitchell Lee
ラック・マウント・システム内の個々のカードの消費電力が増加するにつれて、消費電流も必然的に増加し
ます。バックプレーンが供給する電流では対応できない段階に到達しており、唯一の解決策はバス電圧を増
加することです。一部の 48V システムでもこの段階に到達しており、 100V を超えるバス電圧の使用につな
がっています。
LTC4359 理 想ダイオード・コントローラは、
電力が最初に印加される時点で、Q1 のボディ・
値を超えると Q1 がフルに駆動され、電圧降下
12V、28V、48V のバッテリ、車載システム、電
ダイオードは電流を出力に流します。600V のデ
が Q1 の 20mΩ の RDS(ON) 指示されます。
線からの電力で駆動するシステム、および太陽
プレッション・モード・デバイス Q3 がオンにな
発電システムで逆流防止ダイオードおよびダイ
り、出力電圧を LTC4359 の OUT ピンに直接
オード OR として使用されており、従来のダイ
接続します。IN および OUT のピンが Q1 両端
オードよりも大幅に低い電力および低い電圧損
の VSD を検出し、MOSFET の「フォワード」降下
失を達成しています。この理想ダイオード・コン
を 30mV に保持しようとして GATE ピンを駆動
トローラの絶対最大定格 100V は、高電圧アプ
します。この状態が約 1.5A まで維持され、その
VSD が 30mV 未 満の場 合、 例えば、 出 力 が 2
番 目のより高 電 圧 の 電 源 によりプルアップさ
れるような 場 合 は、 LTC4359 の GATE ピン
が MOSFET をオフにして、逆電流を防止しま
す。入力電圧が降下して出力を大幅に下回っ
た場 合、 Q3 のソース・フォロワ動 作 が IN ピ
リケーションでの使用を除外しているように見え
ンの数ボルトの範囲内に保持することにより、
ますが、単純なソース・フォロワ・クランプを追
加することで、この制限を簡単に超えることがで
きます。
(31 ページに続く)
図 1.LTC4359 をベースにした 200V バス用理想ダイオード
図 1 に、LTC4359 を使用して実現した 200V、
RSNUB
1k
7A の理想ダイオードを示します。複数のバスを
OR 接続するには、これらの回路を 2 つ以上使
用します。Q1 はパス素子として機能します。負
荷電流 7A で、Q1 の損失は 1W です。この数値
は従来の整流器の 5∼10 倍優れており、その結
果基板面積が大幅に節約されます。LTC4359
CSNUB
0.47µF
D2
ES1G
Q1
INPUT
200V
(250V MAX)
CLOAD
には、D1、R1A、および R1B で構成されるシャ
OUTPUT
7A
Q3
D4
DDZ9699T
ント・レギュレータから電量が供給されます。
LTC4359 の最大電源電流が 200µAと低いこと
から、高い値の抵抗を使用することが可能にな
D1, D2, D3, D4: DIODES INC.
RSNUB: NIC COMPONENTS NRCP12 SERIES
Q1: INFINEON IPB200N25N3G
Q3: INFINEON BSS126
10M
ります。図に示すように、制御回路は 50V まで
IN SOURCE
の低い入力で動作し、200V 入力で約 200mW
を消費します。低電圧での動作が重要でない場
合、R1A および R1B を 200kΩ に増加して、制
御回路全体の損失を 100mW に下げることがで
きます。これは、負荷 7A で動作するときの回路
全体の損失の約 10% です。
10nF
D1
DDZ9699
12V
SHDN
GATE
LTC4359
VSS
R1A
100k
R1B
100k
30 | 2014年4月: LT Journal of Analog Innovation
OUT
D3
DDZ9702
15V
新製品の概要
新製品の概要
クワッド、トリプル、デュアル、またはシングル
周 辺 温 度 55 °C で、LTM4644 は 12V 入 力
LTC2874 の独特な機能として、スレーブ起動
出力として構成可能な 16A µModule
から 1.5V 出 力で最 大 13A、または 最 大 14A
用の自動ウェイクアップ・リクエスト(WURQ)
レギュレータで FPGA、ASIC、および
(200LFM の空気流)を供給します。デフォル
の生成と、出力電源電流の上昇機能などがあり
マイクロプロセッサに電力を供給
ト・スイッチング周波数 1MHz と外部クロック
ます。WURQ ジェネレータは、自己タイマを使
LTM4644 クワッド出力降圧 µModule® レギュ
同期の 700kHz∼1.3MHz のいずれの場合で
用して、正しい極性をもつウェイクアップ・パル
レ ータは、 シング ル(16A)、 デュアル(12A
も、 4 つのチャネルは位相を 90 °
シフトして動
スを生成し、マイクロコントローラへの負担を
と 4A、または 8A と 8A)、トリプル(8A、4A、
作し、入力リップルを最小に抑えます。4V を超
軽減します。安全機構がマルチポートを管理し、
4A)、またはクワッド(各 4A)の出力レギュレー
える外部バイアス電源を追加することにより、
WURQ を繰り返して、熱的過負荷を防止し、エ
タとして構成できます。この柔軟性により、シス
LTM4644 は 2.375V と低い入力電源電圧から
ラーのない通信を維持します。電流上昇パルス・
テム設計者は、
コンパクトなµModuleレギュレー
レギュレーションを行うことができます。
タ 1 つで、FPGA、ASIC、マイクロプロセッサ、
その他の基板回路のさまざまな電圧および負荷
電流の要件に対応できます。
DC/DC コントローラ、パワー・スイッチ、イン
ダクタ、 およ び 補 償 部 品 が 9mm×15mm×
5.01mm の BGA パッケージに組み込まれてい
ます。8 個の外部セラミック・コンデンサ(ケース・
サイズが 1206 以下)および 4 個のフィードバッ
ク抵抗(ケース・サイズが 0603)が、独立に調
整可能な 4 つの 0.6V∼5.5V 出力を発生します。
個別の入力ピンにより、4V∼14V の異なる電源
レールから 4 つのチャネルを駆動できます。
堅牢なマルチポート IO-Link マスタを実現する
クワッド PHY インタフェース
LTC2874 IO-Link マスタ IC は、4 個のリモート
IO-Link デバイス(スレーブ)に電力と通信イン
タフェースを提供します。堅牢なインタフェース
と充実した機能セットを備えた LTC2874 は、過
酷な産業環境で IO-Link(IEC61131-9)を実装
する大型システムに理想的です。1 個のマスタ IC
で 4 個のスレーブを管理するので、LTC2874 は
基板スペースを節約し、複雑な設計とコストを低
ジェネレータは、IO-Link v1.1.1 の仕様に追加
された起動電流パルスの要件をフルに実装して
います。
基板上のホット・スワップ・コントローラ、お
よび電力インタフェース内の外部 N チャネル
MOSFET が、起動時とフォルト状態での突入電
流から接続デバイスを保護します。データ・ライ
ン・インタフェースに組み込まれた ±50V のブ
ロック・ダイオードが、フォルトや電圧の大きな
変動から保護するので、LTC2874 は最長 20m
のケーブルを駆動する過酷な PLC 環境に非常
減する一方、信頼性を向上します。
に適しています。n
略になり、ホット・スワップ・イベント時の自己
あります。整流スパイク・エネルギは Q1 から分
((LTC4359)30 ページからの続き)
LTC4359 の OUT ピンを保護します。したがっ
て、D1 および R1A/B のフロート電源アーキテク
導通を防止します。Q1 はトライオード内で動作
流されて CSNUB に蓄積され、その後 RSNUB
チャによるサポートを受けた Q3 により、100V
するので、高電力アプリケーション向けに複数の
によりゆっくり. 消費されます。
の LTC4359 が 200V で快適に動作可能になり
デバイスと並列にすることができます。
ます。Q3 の GATE ピンを破損するおそれのあ
る短い動的な状態から保護するために、 D3 が
整流スパイクは、単純なダイオード・リセット・
最大動作電圧は Q1 により 250V に制限されま
す。Q3 の定格は 600V です。Q1 を適切な高電
スナバでクランプされます。Q1 の定格は広めに
圧ユニットに置き換え、それに合わせて R1A お
320mJ のアバランシェ・エネルギに設定されて
よび R1B をスケーリングすると、最大 600V で
250V 定 格 の 部 品 Q1 は、20mΩ のオン 抵 抗
いますが、推奨ピークのアバランシェ電流はわ
動作が可能になります。n
が非常に優れているために選択されています。
ずか 47A です。高電圧システムではこの値を容
組み込まれています。
このデバイスのもう1 つの特長は、有利な CGS/
易に上回り、回路フォルトにより小型の寄生イン
CRSS 比です。これにより、ゲートの駆動要件が簡
ダクタンスの両端に全電圧が印加されることが
2014年4月: LT Journal of Analog Innovation | 31
circuits.linear-tech.co.jp からのハイライト
L1A, 10µH
•
C4
2.2µF
VCC
4V TO
25V
VIN1
C7
2.2µF
•
C1
L1B
10µH
D1
80.6k
VIN2
C3
1µF
280k
C6
1µF
SHOUT
LT8471
C3
L3
15µH
FB1
E1
GND
10k
C5
2.2µF
C2
FB2
OV/UV
C8
1µF
SS1
182k
E2
SS2
SYNC RT
0.1µF
0.1µF
PG1
169k
PG2
100k
•
LT8471: 500kHz の ZETA および 2L の反転インバータが
出力リップルの低い ±5V 出力を生成
LT®8471 はデュアル PWM DC/DC コンバータで、内部 2A、50V スイッチを
2個、追加の500mAスイッチを1個備え、降圧と反転の変換を効率的に行います。
2A のチャネルはそれぞれ独立に、降圧、昇圧、SEPIC、フライバック、または反
転のコンバータに構成できます。1 つの入力レールから正負の出力を生成できる
ので、LT8471 は多くのローカル電源設計に理想的です。
www.linear-tech.co.jp/solutions/4711
C1
47µF
×3
10k
L2B, 10µH
80.6k
•
L2A
10µH
VOUT1, –5V
0.55A (VCC = 4V)
0.95A (VCC = 12V)
1.05A (VCC = 24V)
D2
C2
47µF
×3
VOUT2, 5V
0.55A (VCC = 4V)
0.95A (VCC = 12V)
1.05A (VCC = 24V)
100k
C1, C2: 10V, X7R, 1210
C3, C4, C5, C7: 35V, X74, 1206
C6, C8: 50V, X7R, 1206
D1, D2: MICROSEMI UPS140
L1, L2: COOPER BUSSMANN DRQ74-100-R
L3: WÜRTH 744025 150
LT3048-15: 2.7V∼4.8V の Vin、15V の Vout、40mA の低ノイズ・バイアス・ジェネレータを
2mm×2mm の DFN に構成
LT3048-15 は、2.7V∼4.8V の 入 力 電 圧 から低ノイズ、 低リップルの バイアス電 源を生 成します。
LT3048-15 は昇圧レギュレータとリニア・レギュレータを備えています。昇圧レギュレータは電力をリニア・
レギュレータに供給します。昇圧レギュレータの出力電圧は LDO 出力より1.1V 高い値に調整され、LDO
10µH
IN
2.7V TO 4.8V
SW
1µF
のリップル除去とトランジェント応答を最適化します。固定周波数動作および電流モード制御により、非常
VIN
LDOOUT
リニア・レギュレータは一定の 15V 出力を生成します。電源の優れたリップル除去と低ノイズ内部リファレ
OFF ON
ンスの組み合わせにより、500μVP-P の出力リップルおよびノイズよりも低い値になります。
VIN
5V
CIN
10µF
CVIN*
10µF
CCAP
1µF
SW1
PFO
D2
LTC3355
24 HOURS
SW2
RSTB
CPGOOD
+
499k
CFB
MODE
INTVCC
1µF
ICHG
604k
VCBST
IBSTPK
909k
RC
154k
CC
220pF
LTC®3355 は、入力電力中断に対応する総合ライドスルー
DC/DC システムです。この部品は負荷電流を VOUT に供給し
ながらスーパーキャパシタを充電し、VIN 電力が失われたと
きにスーパーキャパシタのエネルギを使用して VOUT にバック
アップ電流を継続的に供給します。LTC3355 は非同期定周
波数電力モードのモノリシック 1A 降圧スイッチング・レギュ
レータを備え、最大 20V の入力電源から 2.7V∼5V の安定
化出力電圧を供給します。
L2 3.3µH
BOOST
EN_CHG
*OPTIONAL
100k
200Ω
VCAP
PFOB
MICROPROCESSOR
VOUT
3.3V
47µF 50mA (MAX)
316k
200k
VIN (V) IOUT (mA)
2.7
19
3.3
22
3.6
24
LTC3355: NiMHトリクル・チャージャおよび
FB
PFI
OUT
15V
ライドスルー・バックアップ電源
BUCK VOUT
931k
1µF
L1
4.7µH
D1
VINM5
VINS
BYP
EN
1nF
GND
www.linear-tech.co.jp/solutions/4547
VIN
LDOIN
LT3048-15
に小型のインダクタを使用することができ、出力リップルは予測可能な低い値になります。LT3048-15 の
RS*
0.27Ω
4.7µF
BSTOUT
1.4V
NiMH
2000mAhr
www.linear-tech.co.jp/solutions/4814
499k
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