Social and Environmental Report 2007 社会・環境報告書 2007 ニチコン株式会社 編 集 に あ たって 当社では、2001年から「環境報告書」を発行し、昨年には 「社会・環境報告書」 と名称を改め継続発行しています。特に今 年はCSR(企業の社会的責任) と、それを果たすための取り組 みについてページを設け、当社の考え方や施策について理解 していただきやすいようにしました。 また、従来から社会的責任を担う従業員の声を数多く掲載し てきましたが、今年はページごとに担当者の声を掲載し、 より多 くの従業員の活動を分かりやすく紹介しています。 さらに 「チー ム・ニチコンとして美しい地球を未来に引き継ごう!」 では、若手 社員の環境活動への取り組みと地球環境への個々の思いにつ いて掲載しています。 ■ 参考にしたガイドライン 環境省の「環境報告書ガイドライン (2003年度版)」 を参考に しました。 ■ 対象期間 本報告書は2006年度(2006年4月1日∼2007年3月31 日)の活動とその実績を報告するものです。ただし、一部、 2007年4月以降の活動・実績にも言及しています。 ■ 対象範囲 本報告書では、ニチコン株式会社およびグループ会社のうち、 国内でISO14001を認証取得している13事業所の環境的 側面および社会的側面を報告しています。 <将来に関する予測・予想・計画について> 本報告書には、当社グループの過去と現在の事実だけでなく、将来に関する予測・予想・ 計画なども記載しています。 これらは、記述した時点で入手できた情報に基づいた仮定な いし判断であり、不確実性が含まれています。 したがって、将来の事業活動の結果や将来 に惹起する事象が本報告書に記載した予測・予想・計画とは異なったものとなる恐れがあ ります。読者の皆様には、以上をご承知おきくださいますようお願い申し上げます。 1 社会・環 境報告 書 2007 contents 3 5 ごあいさつ 報告組織の概要 CS Rマネジメント 7 8 コーポレート・ガバナンス コンプライアンスとリスク管理 社 会とニチコン 11 13 14 15 17 お客様への製品責任を果たすために 株主・投資家への責任を果たすために 取引先様への責任を果たすために 従業員への責任を果たすために 社会とのコミュニケーション 環 境とニチコン 環境マネジメント 19 21 22 環境マネジメント推進体制 環境保全活動計画 環境会計 環境パフォーマンス 地球との共生を目指した製品づくり 23 24 25 26 27 チーム・ニチコンとして 美しい地球を未来に引き継ごう! 29 事業活動に伴う環境負荷 化学物質の適正管理とリスクマネジメント 地球温暖化防止 廃棄物削減と資源の有効活用 社会・環境 報 告 書 2007 2 ごあいさつ 新体制で環境経営、 CSR経営を加速し、 期待される企業を目指します 代表取締役会長(CEO) 代表取締役社長(COO) 武田一平 荒木幸彦 さらなる発展・成長と企業価値向上のために 新体制スタート 持続可能な社会の実現に向けて 環境経営をいっそう強力に推進 ニチコングループは、 2002年度から推進してきた経営の構 新たな経営体制となってニチコングループが取り組むべき課 造改革によって筋肉質の企業基盤を構築し、 2005年3月期か 題は数々ありますが、 中でも重要課題として位置づけているの ら3期連続の増収増益を達成いたしました。 この成果を踏まえ、 が 「環境経営」 と 「CSR (企業の社会的責任) 経営」 の推進です。 これまでの経営方針を踏襲しながら、 さらなる発展・成長と企業 地球環境はいまや深刻な危機に瀕しています。 地球温暖化と 価値向上にスピードをあげて挑むため、2007年6月28日を の因果関係が明らかになってきた熱波、 大雨、 干ばつといった異 もって役員人事を刷新し、 若返りを図りました。 常気象や生態系の変化などを見ても、 取り返しのつかない事態 前代表取締役社長・武田一平は、代表取締役会長兼CEO (Chief Executive Officer) となり、 取締役会議長を務めるとと もに、 最高経営責任者 (CEO) として当社グループの経営戦略を 営」 にはこれまで以上に真摯に取り組んでいく考えです。 2005年2月に発効した地球温暖化防止条約 「京都議定書」 担います。新代表取締役社長・荒木幸彦は、最高執行責任者で に基づき、 わが国でも温室効果ガス排出量の6%削減に向けた あるCOO (Chief Operating Officer) として、 経営戦略に沿っ 取り組みが進んでいますが、 その努力と相反して温室効果ガス て企業活動全般の責任を負うとともに、 「CSR推進委員会」 の統 排出量は削減するどころか、 京都議定書の基準年 (1990年) よ 括責任者として、 環境対応、 リスクマネジメントなどCSR経営を りも増加しています。 地球環境の変調をくい止めるまでには、 途 推進する任にもあたります。 方もなく多くの知恵と努力が必要であり、 私たちは従来の暮ら また、 取締役3名と社外監査役1名の退任にともない、 新たな取締 役5名と社外監査役1名を選任するとともに、 執行役員7名について 3 となりつつあることは明白です。 こうした現状を踏まえ、 「環境経 し方や生産・消費活動などを抜本的に見直し、持続可能な循環 型社会の構築に挑まなければなりません。 も新たに任命・異動しています。 新任取締役5名はいずれも若手から ニチコングループは、 1997年12月に環境憲章を制定して の抜擢であり、今回の役員人事 以来、 憲章の基本理念である 「地球との共生」 「人と地球に優し によって取締役が各事業部門の い社会」の実現に向けた取り組みを進め、 2001年からは憲章 先頭に立ち、 ステークホルダー の理念を具体化した 「環境保全活動計画」 を立案して、 その推進 の皆様からさらに期待される企 に毎年努力を重ねています。 今後はその進捗度合いをさらに厳 業を目指して総力を挙げて前進 密に把握・管理しながら、 目標必達を目指し、 環境経営をグルー していく体制が整いました。 プ全社・全従業員に浸透させていく考えです。 社会・環 境報告 書 2007 電子部品メーカーの使命として 機器の高性能化と環境負荷低減に貢献 がいのある職場づくり、地域 地球温暖化防止とともに、 人の健康や生態系に有害となる恐 めています。 また、 自然災害な れのある化学物質の適正管理も、 私たちメーカーの使命の一つ ど非常事態の発生を想定した です。 また、事業活動に伴う廃棄物の発生を抑制(リデュース) 安全で堅牢な生産拠点の確 し、再生使用(リサイクル) や再使用(リユース) を促進すること 立にも取り組んできました。 も、 循環型社会を構築する上で欠かせません。 住民の皆様との協調などに努 2005年に定めたCSR憲章には、 法令遵守、 社会倫理に則っ ニチコングループは、 開発・生産段階における材料・製品含有 た取引、 お客様満足に徹した製品・サービスの提供、 地球環境保 化学物質の管理を徹底し、有害物質の不使用をはじめ、廃棄物 護の推進、 従業員の個性を伸ばす人材育成に力を注ぐことを掲 の適正な処理・回収・リサイクルなど、 各種の環境規制に厳格に げています。 この方針のもと、 2006年にはCSR経営の要とな 対応してまいりました。 2006年7月に発効されたEUのRoHS る 「経営理念」 を新たに制定しました。 またコーポレート・ガバナン 指令への対応を前倒しで完了したのをはじめ、鉛フリー製品、 スに関しては、 取締役および従業員が法令を遵守し、 共通の倫理 PVC (ポリ塩化ビニル) レス製品を標準品として販売しています。 観・価値観を持つよう2002年に制定した 「ニチコングループ行 こうした環境経営に対する私たちの姿勢を象徴するのが、 古都の 動規範」 の周知徹底と実践を図っています。 知恵と先端技術の融合によってエコロジーを追求した新本社ビル 「CSR憲章」 に掲げた方針の中でも、ニチコングループが近 です。 このビルには、 自社開発の電気二重層コンデンサを蓄電盤に 年、特に注力しているのが人材育成です。立命館大学との間で 用いた 「蓄電型太陽光発電システム」 をはじめ、 最先端技術を多数 締結した 「研究・教育連携プログラム」 の包括協定をもとに、 研究 採用しています。 今後はこれらの製品に代表されるように、 環境保全 開発の強化とMOT (技術経営) の推進を目的とする教育研修を に役立つ製品の開発に、 いっそう積極的に取り組んでまいります。 積極的に展開しています。 2007年電設工業展において経済産 このような環境保全に貢献する技術を駆使することで、 デジ タル家電機器やインバータ機器、 情報通信機器、 自動車・車両関 業大臣賞を受賞した「瞬時電圧低下補償装置」の開発も、 この MOT教育の産学連携によってもたらされた成果です。 連機器など、 技術革新の激しい先端分野で大きな役割を担って このように、 さまざまなステークホルダーに対する責任を果たし いこうと考えています。 あらゆる市場ニーズに対応して、 小形化・ ながら、 継続的・安定的な成長を図り、 企業としての信頼性を高め 高機能化を実現した次世代製品を提供し、 機器類の高性能化と ていくことが、 ニチコングループの進むべき道であると確信して 環境負荷低減に貢献することを目指します。 います。 このたび、 経営体制も新たになり、 これを機にステークホ ルダーの皆様とともに歩む姿勢をいっそう鮮明にしていきます。 さまざまなステークホルダーに 信頼されるCSR経営を ニチコングループが環境経営と並び重視している 「CSR経 営」 については、 2003年6月にCSR室を発足し、 多方面にわた 本報告書では、 ニチコングループの環境保全活動およびCSR に対する考え方や取り組みを報告しています。 ご一読いただき、 皆様の忌憚のないご意見やご提案をお寄せいただければ幸い に存じます。 るステークホルダーと良好な関係を築くための活動を推進して きました。 お客様満足度の向上はもちろんのこと、 販売先・仕入 先との公正な取引関係の維持や情報セキュリティの強化、 株主・ 2007年9月 ニチコン株式会社 代表取締役会長(CEO) 代表取締役社長(COO) 投資家の皆様への適正な利益還元、 従業員にとって公平で働き 価値ある製品を創造し、 明るい未来社会づくりに貢献します。 経営理念 より良い地球環境の実現に努め、 倫理的・社会的責任を果たすとともに、 顧客・株主・従業員をはじめ全ての人々を大切に、 企業価値の最大化を目指して、 誠心誠意をもって 「考働」 します。 社会・環境 報 告 書 2007 4 報告組織の概要 プロフィー ル 事業拠点 会社概要 社 名 ニチコン株式会社 国内販売拠点 本 社 所 在 地 〒604-0845 京都市中京区烏丸通御池上る 東日本営業本部/東京支店、名古屋支店、札幌営業所、 設 立 1950 年(昭和 25 年)8 月1 日 北関東営業所、東北営業所、長野営業所 資 本 金 14,286 百万円(2007 年 3 月31 日現在) 西日本営業本部/岡山営業所、福岡営業所 連 結 売 上 高 118,713 百万円 (2007 年 3 月期) 従 業 員 数 連結 6,334 名(2007 年 3 月31 日現在) 国内製造拠点 連結子会社数 20 社(国内 10 社、海外 10 社) 長野工場★ 穂高工場★ 大町工場★ ★は報告対象範囲 富田工場★ 電源センター 事業内容 エレクトロニクス機器に不可欠な電子部品 「コンデンサ」 を開発・製造・販売しています。 コンデンサは電気を蓄え、蓄えた電気を放出する部品で、あら ニチコン草津株式会社★ ニチコン亀岡株式会社★ ニチコン大野株式会社★ ニチコンタンタル株式会社★ ニチコン朝日株式会社★ ニチコン岩手株式会社★ ニチコンワカサ株式会社★ ニチコン福井株式会社★ ニチコン滋賀株式会社★ 株式会社酉島電機製作所 ゆるエレクトロニクス機器に使われています。 ニチコンは 「デジタル家電機器」 「自動車・車両関連機器」 「イン 海外販売拠点 バータ機器」 「情報通信機器」を重点市場に、機能・バリエー NICHICON (AMERICA) CORP. ションともに多彩な製品を提供するコンデンサメーカーとして、 NICHICON (HONG KONG) LTD. 業界をリードしています。 NICHICON (TAIWAN) CO., LTD. NICHICON (SINGAPORE) PTE. LTD. NICHICON (THAILAND) CO., LTD. 製品一覧 NICHICON (AUSTRIA) GmbH 機能性 アルミ 高分子アルミ固体 電解 コンデンサ 電解コンデンサ タンタル コンデンサ 電解 応用関連 コンデンサ 機器 プラスチック フィルム コンデンサ NICHICON ELECTRONICS TRADING (SHANGHAI) CO., LTD. 海外製造拠点 正特性 サーミスタ 電気 二重層 コンデンサ 電力・ 機器用 コンデンサ NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. スイッチング 電源 NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 回路 モジュール 売上高 製品部門部別売上高比率 地域別売上高比率 電子機器用コンデンサ 76.3% (単位:百万円) 120,000 118,713 110,071 100,849 104,096 106,871 アルミ電解コ ンデンサ タンタル電解コンデンサ フィルムコンデンサ、正特性サーミスタ “ポジアール ” 回路製品 15.3% 90,000 アジア 46.7% スイッチング電源 機能モジュール 中華圏、韓国および ASEAN 諸国 2007年 3月 6,000 日本 38.1% 米州 9.5% アメリカ、 ブラジル、メキシコ 電力・機器用 コンデンサおよび 応用関連機器 / その他 8.4% 3,000 フィルムコンデンサ コンデンサ応用関連機器 コンデンサ主要原材料 0 2003/3 5 2004/3 社会・環境報告書 2005/3 2007 2006/3 2007/3 (年月) 欧州 5.7% イギリス、 フランス、 オーストリア等 2007年 3月 代表製品 アルミ電解コンデンサ 酸化アルミニウムを誘電体とするコンデンサで、多くの電気 搭載される商品例 を蓄えることができる一般的なコンデンサです。 ニチコンは高容量・高品質の電極箔と信頼性の高い電解液 を材料に、長年蓄積した生産技術を駆使し、世界トップクラス のシェアを獲得しています。 タンタル電解コンデンサ 希少金属であるタンタルの酸化物を誘電体とするコンデン 搭載される商品例 サで、ニチコンの第2の主力製品です。 小形で多くの電気を蓄えることができるのが特長で、身近な ものでは、携帯電話やデジタルカメラ、DVD プレーヤー・レ コーダーなどに使用されています。 回路製品 交流電流を直流に変換して回路に送り込むスイッチング電源 搭載される商品例 や、基板上に電子部品を実装した電子回路である機能モジュー ルを製造しています。 スイッチング電源は、情報通信機器・事務機器などに使用さ れ、機能モジュールは携帯電話用バッテリーモジュールや自動車 用センサーモジュールとして使用されています。 電力・機器用コンデンサ ビルや工場などの受変電設備に用いられ、電力ロスを低減さ 設置される施設例 せる進相コンデンサや、パワーエレクトロニクスと呼ばれる半 導体電力変換装置を支える各種コンデンサを製造しています。 ニチコンの製品は、環境対応、安全性と信頼性の高さに定評 があります。 当期純利益 総資産 (単位:百万円) 従業員数 (単位:百万円) (単位:人) 180,000 5,000 4,071 4,000 4,081 4,240 3,302 155,084 150,000 145,511 155,879 166,840 169,648 7,000 6,334 6,000 5,846 5,398 5,000 120,000 3,000 4,642 4,587 2003/3 2004/3 4,000 90,000 2,191 2,000 3,000 60,000 1,000 2,000 30,000 1,000 0 0 0 2003/3 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 (年月) 2003/3 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 (年月) 2005/3 2006/3 2007/3 (年月) 社会・環境 報 告 書 2007 6 CSRマネジメント コ ー ポレート・ガバ ナンス コーポレート・ガバナンスの強化 当社は経営の効率性、健全性、透明性を確保し、企業価値の 継続的な向上と社会的責任を果たすため、 コーポレート・ガバ 2003年6月からは経営環境の変化に迅速に対応するため、 執行役員制度を導入し、執行役員は各事業部の責任者である ナンスの強化を最重要課題のひとつと位置付け、 組織体制を構 事業部長などが兼任しています。 執行役員と取締役は連携を密 築してきました。 にし、事業運営を円滑に進めるための組織体制を構築するとと 企業経営における重要事項の意思決定は主に取締役会が担い、 その具体的な案件の意思決定は主に取締役が担います。 取締役 もに、 業務執行上必要が生じたときは個別に協議し、 各事業部門 の運営を進めています。 会を監査する役割として監査役による監査役会を設けています。 一方、監査役は取締役会などに出席して意見を述べるほか、 当社では取締役会を構成する取締役は、 意思決定を迅速に行 取締役の業務執行や各事業部の業務内容などが適法であるか うために少数に絞り、 取締役会を必要に応じて随時開催し、 十分な を監査するとともに、 事業所やグループ企業の監査を通じて経 協議のうえ方針を決定しています。 取締役会は各取締役が担当す 営状況を把握しています。 なお、監査役が法定の人数に満たな る業務の進行状況などを監督しています。 い場合に備え補欠監査役制度を設けています。 株 主 総 会 監査役会 取締役会 監査役 社外監査役 代表取締役 会長、社長 CSR室 CSR推進委員会 監査・法務 チーム 会計監査人 執行部門 執行役員 事業部門 関 係 会 社 内部統制システムの整備 内部統制システムについては、 CSR室・総務部・経理部・シス これらの問題が発生した場合には取締役会を随時開催し、 十 テム部・監査・法務チームが中心となってプロジェクトチームを 分な協議のうえ、 迅速かつ的確に対策を講じています。 また、 事 編成し、 その構築に努めています。 また、 企業経営に損失を与えるリスクを回避し、 社会からの信 頼を維持するために、当社では取締役社長を委員長とする 内部監査機能としては、 代表取締役直轄の監査・法務チーム 「CSR推進委員会」 を設け、 その下部組織であるCSR室と総務 がグループの会計、業務などの内部監査を定期的に実施し、各 部が総合的にリスク管理業務を行っています。具体的には社内 7 業部門ごとの課題は、 事業部長を兼任する執行役員が取締役と 緊密に連携をとって協議し、 適正な事業運営を進めています。 事業部門に具体的な助言を行っています。 規程を整備し、 法令遵守、 自然災害、 労働安全衛生、 品質、 情報セ また、監査役会は、代表取締役や各取締役と緊密に連絡をと キュリティ、 与信など、 企業経営に重大な影響を及ぼすさまざま りあうとともに、監査・法務チームや会計監査人とも連携し、効 なリスクに対処する体制を整えています。 率的で実効性のある監査を行っています。 社会・環 境報告 書 2007 CSRマネジメント コンプ ライアンスとリスク管 理 め、 情報資産の取り扱いのルールなどについては、 「情報セキュ コンプライアンスの徹底 リティハンドブック」 「ニチコン従業員 『考働』 の手引き」 の配布に 当社では社訓とともに、 企業が目指す方向性や社会的責任を 表した 「経営理念」 を定め、 これを会社の方針として従業員が心 を一にして事業を推進しています。 より徹底を図っています。 一方、 情報資産は全社員が必要な時に、 いつでも正しく取り出 し業務を遂行できることはもちろん、戦略的に活用することに それに加え、 取締役や従業員が法令を遵守し、 共通の倫理観・ よって新しい事業を生み出せる財産であると考えています。 今後 価値観を保つ指針として、 「ニチコングループ行動規範」 を定め も情報資産を安全・正確に活用することによって、 ニチコングルー ています。 これらの内容はハンドブック 「ニチコン従業員 『考働』 の プの持続的・安定的な発展のための基礎を築いていきます。 手引き」 に掲載し、 従業員は常時携行して日々実践するよう努め ています。 また、 従業員のコンプライアンスへの意識を徹底する ために、 階層別・職種別の教育研修を継続的に実施しています。 一方、 コンプライアンスの監視体制として、CSR推進委員会 が取締役や従業員が行動規範を遵守しているか適宜チェックし ています。 また、 監査・法務チームによる内部監査と監査役監査 や、 内部通報制度 「コンプライアンス・ホットライン」 を設け、 不祥 情報セキュリティ基本方針 1. ニチコン株式会社及びその関係会社 (以下、 「当社」 とい う) は、 情報及び情報システム (以下、 「情報資産」 という) を最重要経営資源の一つと位置付け、 グループをあげて 情報セキュリティの確保に取り組みます。 事の未然防止と早期発見に努めています。 2. 当社の事業活動に関わる全ての情報を保護の対象とし、 CSR推進委員会体制図 その重要度に応じた最適なセキュリティ対策を講じます。 取締役会 監査役会 3. 当社のネットワーク化された情報システムは、 今や事業活 動そのものであり、 その利用者・取扱者一人ひとりが個別 CSR室 監査・法務 チーム 代表取締役社長 コンプライアンスホットライン (内部通報制度) CSR推進委員会 に定められたルールに従い、 高いセキュリティ意識のもと に考働しなければなりません。 4. 当社の情報資産を保護・管理するため、CSR推進委員 会を統括組織と定め、セキュリティ対策の運用状況を 定期的に評価し、継続的な改善を行うものとします。 各事業所・関係会社 5. 当社は、 情報セキュリティに関する法令やその他の社会的 規範を遵守し、 これらに準拠・適合した情報セキュリティマ CSR委員会 (各事業所・関係会社) コンプライアンスホットライン (各事業所・関係会社) ネジメントシステムの構築を図ります。 6. 本基本方針及びこれに関連する社内規程・ルール等に違 情報セキュリティの強化 反した場合には、 当該者は就業規則に基づいて懲戒され るものとします。 コンピュータのネットワーク化が進み、 利便性は飛躍的に向上 していますが、 情報漏えいや改ざんが起きてしまった場合には、 事業上の損失が生じるだけでなく社会的信用も失墜しかねま せん。 ニチコングループでは、情報セキュリティ対策として全従 業員が情報資産保護の重要性を認識し、 日々の業務のなかで徹 底するために、 2007年2月に 「情報セキュリティ基本方針」 を定 社内・社外相談窓口の設置 全社規程である 「内部通報規程」 に、 通報窓口や、 通報者の個 人情報保護など内部通報のしくみについて明示しています。 社会・環境 報 告 書 2007 8 ニチコングループ CSR 憲章 2005 年 12 月制定 ● CSR理念 (3)国内各地域・海外各国の歴史と文化を尊重し、コミュ ニチコングループは、 「企業市民」の一員として、これから ニケーションを図り、企業活動を通じて地域経済、社 の未来を全ての人と共に生きていくためには、経営のあら 会の繁栄と融和に貢献します。 ゆる側面において「企業の社会に対する責任」 (CSR: Corporate Social Responsibility)を果たすことが最重 要課題であることを認識し、あらゆる企業活動の場におい 2.「地球との共生」 「人と環境に優しい社会」を目指して 環境との調和を図ります。 て関係法令・国際ルールおよびその精神を理解し遵守する (1)1997 年 12 月に制定した「ニチコングループ環境 と共に、社会倫理を守り社会的良識を持って、行動します。 憲章」に基づき、かけがえのない地球を守るために 企業活動のあらゆる面で環境保全に取組みます。 ● 活動方針 (2)環境に配慮した製品を提供するための技術開発を 1. “誠心誠意” をモットーにして良き企業市民として社会 と調和した企業活動を進めます。 推進すると共に、持続可能な環境改善活動に取組 みます。 (1)製品およびサービスの提供には常にお客様の満足を 心掛け、製品の品質・安全・信頼性を確保し、環境へ の影響に配慮します。 (2)2002 年 10 月に制定した「ニチコングループ行動 規範」を遵守し、公正・透明・自由な競争を行うと共 に関係法令を遵守し、社会倫理に従って健全で誠実 な取引を行います。 3.「人を活かして人間尊重」を基本に社員の個性を伸ば し、差別のない明るい職場づくりを目指します。 (1)取引先を含め、全てのステークホルダーとの関わり において人々の人格と基本的人権を尊重します。 (2)安全で働きやすい職場環境を作ると共に、自主性 と創造性が発揮できる職場づくりを目指します。 VOICE CSR 担当者の声 本社 執行役員常務 CSR室長 従って、グループ内での階層別研修会等を通じて、このよう 岩佐 譽 な進展に追随できるよう学習内容も追加しています。 一方、2006年5月に「会社法」が施行され、内部統制シス 信頼性向上のために、従業員への CSR 教育と 内部統制構築に取り組む テムの構築が義務化されました。また、2006 年 6 月には財 ニチコングループは、時代に先駆けて 2003 年 6 月に (日本版 SOX 法 )が成立し、この法律は2008 年 4 月1日の CSR 室を発足させて以来、果たすべき企業の社会的責任に ついて当社グループ内での浸透を図りながら、その活動を スパイラルアップさせてきました。 事業年度から適用されることになっています。 これら二つの法律が求める内部統制とは、企業のコンプラ イアンス体制を確立し、業務を適正かつ効率的に進め、財務 CSR はまず従業員の意識改革が重要です。従業員一人 報告の信頼性を確保することを狙いとしていますが、その事 ひとりが CSR の意味や重要性を理解して行動すれば、ス 業目的達成に係るリスクを低減させ、持続的に発展していく テークホルダーの皆様とのよりよい関係の構築につながり、 ために必要不可欠な仕組みを構築することであります。当 その結果として、企業価値の増大や社会からの信用・信頼が 社では本社に代表取締役社長を統括責任者とする「CSR 推 高まるものと考えます。 進委員会」を設置していますが、内部統制の構築にも CSR 当社グループの主な CSR 活動は本報告書にて紹介して いるとおりですが、近年では「CSR 調達」などにも展開され るようになり、CSRの活動範囲がさらに広がってきています。 9 務報告の適正性と信頼性を確保するための 「金融商品取引法」 社会・環境報告書 2007 活動が緊密な関係性をもって取り組みを行っています。 弊社 CSR の各種活動に関し、 どうか引き続きご支援ご鞭撻 をよろしくお願い申し上げます。 お客様 株主・ 投資家 行政 環境的側面 経済的側面 国際社会 取引先 社会的側面 従業員 市民社会 地域社会 社 会とニチコン 企業活動の継続と健全な発展のためには、社会とのよりよい関係を築くことが重要です。 ニチコングループは、 「誠心誠意」 をモットーに多様なステークホルダーへの責任を果たしていきます。 社会・環境 報告 報告書 200 7 2007 10 社会とニチコン お 客 様 へ の 製 品 責 任 を 果 た すた めに 品質と顧客満足の追求 ニチコングループでは『常に品質の絶対性を第一義とする生 また、当社環境理念のもと、地球環境に配慮した製品の開 産活動理念を基本に信頼性の向上、クレームの撲滅を図り、お 発・改良を進めるとともに、環境負荷物質を含まない材料への 客様各位の信頼に応え、企業発展の原動力とします。』という 切り替えにも取り組んでいます。 「品質管理の基本方針」のもと、お客様の声に常に耳を傾けな このような方針のもと、全従業員はお客様にご満足いただく がら、品質の継続的改善に取り組んでいます。その最終目標 ために具体的目標を掲げ、達成に向け“考働” (しっかり考え成果 は、当社究極の品質方針である 「不良ゼロ」 にあります。 のでるように働くことを意味する当社造語) を実践しています。 苦情処理体制 本社 品質保証部(営業本部) 工場長 苦情回答書 (対策・処理報告) 苦情受付連絡票 技術課 苦情受付連絡票 小売店 特約店 お客様 苦情:連絡 工場窓口 品質管理課 営業窓口 苦情回答書 苦情処理書 (対策・処理報告) 対策会議 回答 苦情回答書 苦情処理連絡票 対策・実施の監査 対策・実施報告 対策事項 関連課 原因調査・各工程 事務局・品質管理課 製造課 苦情受付 ISO9001:2000シリーズ認定事業所一覧 認証取得事業所名 登録年月 審査登 録機関 VOICE 登録証番号 品質保証担当者の声 ニチコン (株) 本社 本社 品質保証部 部長 東日本営業本部 岡 正博 (1)東京支店 ・札幌営業所・北関東営業所 信頼性の高い製品を提供し、 「お客様への製 品提供責任」 を果たす ・東北営業所・長野営業所 (2)名古屋支店 西日本営業本部 ・岡山営業所・福岡営業所 長野工場、穂高工場、 大町工場、富田工場、電源センター 1991 年 9 月 JQA JMI-0007 まれ、出荷された後、長期間の使用でも故障しない信頼性 ニチコン草津(株)、ニチコン亀岡(株) の高い製品を提供し続け、お客様に「ニチコンの製品を使っ ニチコン大野(株) て良かった」 と思っていただくことが、 「お客様への製品提供 ニチコンタンタル (株) ニチコン朝日 (株)、ニチコン岩手(株) ニチコンワカサ (株) 11 当社の製品提供の責任は、お客様に納入した時点で終わ るわけではありません。お客様の工場で最終製品に組み込 責任」 を果たすことであると考えています。 生産システムの構築に必要な仕様・要素の決定段階から ニチコン福井(株)、ニチコン滋賀(株) 品質保証の観点で検証し、製造段階では、決められたこと 15/03Q0572R00 NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 2003 年 6 月 WIT NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 2005 年 5 月 BVQI 173738 2006 年 5 月 SIRIM AR4005 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. によって、製品の「不良ゼロ」 を実現したいと考えています。 社会・環境報告書 2007 を決められた通りに履行する管理システムを構築すること 製品の安全を確保するための取り組み 品質保証部門 ❶ 製品安全管理体制の部門内監査を実施する。 昨今、大手メーカーが相次いでリコールを発表する事態に ❷ 市場クレームの分析と問題点のフィードバックを行う。 陥っていますが、その原因は多くの場合、想定外の厳しい環境で の使用、設計者の思いもよらなかった原因などによるものです。 ニチコングループは、そのような事態を未然に防ぐために、い かなる環境でも安全に使える製品の開発・設計を、経営トップか ら全設計部門に指示するとともに、次のことに取り組んでいます。 ● 新製品開発や設計変更では、変更による生産工程や製品へ の影響を徹底的に討議する。 ● 設計から生産、出荷の過程の節目で関係者が、あらゆる角 度から製品の安全性・信頼性を検証する。 ● 設計部門、事業所、本社の技術・品質保証部門で、何重もの チェックを行い、安全性・信頼性に疑いがあれば追加対策を 講じる。 購買・製造部門 購買 ❶ 安全が確保される製品を作るためには良い材料・部品を購入する。 ❷ 悪い部品を使うと、いくら良い設計、良い製造でも安全なものはでき ないと認識する。 ❸ 取引先に部品・材料の要求仕様を明確に伝える。 受入 ❶ 受入検査は手順書どおり確実に実施する。 ❷ 悪い部品・材料があったら即フィードバックする。 ❸ チェックシートに製品安全項目をもれなく入れる。 ❹ 特殊採用を実施する場合は、その手順や判断基準を明確にしておく。 ❺ 重要保安部品の検査については、特に的を得た検査になっているか 製品安全方針 技術部門 ❶ お客様の予想外の使い方や製造時から廃棄時に至るまですべての場 面を想定して危険性や欠陥を洗い出し、取り除くために、 a. 万一故障しても安全は確保できる設計をする。 b. 間違った使用をしても安全は損なわれない設計をする。 c. いたずらできないような工夫(設計) をする。 を確認する。 ❻ 担当している部品、材料が最終製品にどのように組み込まれ、どのよ うに使われるかを知っておく。 製造 ❶ 工程中、試験中等で小さな不具合や疑問点でも必ず報告する。 ❷ QC 工程図、作業標準書等に製品安全チェック項目を必ず入れる。 ❸ 計測器の検定、治工具・生産設備の点検・整備はきちんと行う。 ❷ お客様に製品の機能を十分に知っていただき、安全に使用していただ 出荷 くために取扱説明書を、 a. 分かりやすくする。 b. 警告や注意書きを守らなかった場合、製品やお客様がどうなるか も明記する。 ❶ 完成品として製品安全項目をチェックリストに抜け落ちなく入れる。 ❸ 安全性に関する法規、基準、規格について、日本だけでなく海外のも ❸ 梱包材のバリ、シャープエッジ等によるケガのないことを確認する。 ❷ 不合格品が混入しないよう区別を明確にする。 のも把握し、設計に反映させる。 ❹ 重要保安部品は、安全性、信頼性の高い部品を選定する。 VOICE ❺ 試作品、量産試作品の安全性評価を実施する。 ❻ 同業他社製品の安全性調査を実施し、良いところは今後の開発の参 考にする。 ❼ 市場クレームやお客様の要望を設計に反映させる。 営業部門 ❶ 正しい商品知識を身につけ、お客様に商品情報を提供する。 ❷ 宣伝・広告に必要以上に安心感を与える表示は避ける。 ❸ 製品安全問題が発生したら報告し、スピーディに対応する。 営業担当者の声 本社 西日本営業本部 本部長 湯地 定良 お客様に対し、正確な情報の提供と安全性を 確保した製品を提案 お客様へ製品の情報を提供する際には、正しい取り扱い 方法を説明するとともに、誤解を与えないような正確な表 ❹ 消費者問題や PL(製造物責任)知識を身につけ、お客様に対応する。 現を使うように心がけています。また、お客様からのご要望 ❺ お客様の安全を確保するために正しい使い方を説明する。 に対しては、その内容を正しく理解し、的確かつスピーディ 事務部門 安全性を十分に確保した製品のみを提案していますが、万 ❶ PLに関する法律、規制、基準等の適合性をチェックする。 つ迅速に対応いたします。 に対応しています。また、安心してご採用いただけるように、 一、製品に問題が発生した場合には、全社を挙げて適切か ❷ PL問題に対応できるよう、関連文書やPL保険の管理を行う。 ❸ 製品の廃棄に伴う環境に対する影響を調査し、必要に応じてその改善 に関する提案を行う。 さらに、環境問題では、お客様各社のグリーン調達の取り 組みについて理解するとともに、化学成分有害物質の知識 を身に付け、商談に臨んでいます。 ❹ 製品安全に関する教育を行う。 社会・環境 報 告 書 2007 12 社会とニチコン 株 主・投 資 家 へ の 責 任 を 果 た すた めに 堅実、健全な財務体質を維持 積極的な IR 活動 さらなる成長を目指した積極的な事業戦略を展開していく ニチコングループは、 「適時」 「適切」 「公平」をIRの基本に掲げ には、強靭な財務体質が欠かせません。ニチコングループは安 ています。IRツールも充実させ、四半期ごとの決算情報の開示や 定した財務体質を維持しており、自己資本比率に関しては上場 半期ごとの決算説明会では、株主・投資家の皆様に当社グループ 企業の平均が約 30%とされるなか、74.4%(2007 年 3 月 の財務情報や戦略などを詳細かつ分かりやすく説明しています。 末時点)と高い健全性を確保しています。また、市場競争の厳 株主・投資家の皆 しい昨今の経営環境にあっても有利子負債ゼロで無借金経営 様からの貴重なご意 の財務体質を保持しています。 見やご指摘は、可能 な限り経営に反映さ 自己資本比率 (単位:%) 2003/3 2004/3 2005/3 2006/3 2007/3 76.4 81.0 78.3 77.1 74.4 せ、企業価値の向上 につなげたいと考え ています。 株主総会での工夫 利益配分に関する基本方針 2006年度の定時株主総会 (2007年6月28日開催) には、 ニチコングループでは、株主の皆様への利益還元を経営の 98 名の株主の皆様に参加いただきました。ニチコンでは、 重要課題と認識し、企業価値の拡大と企業体質の強化を図り、 2002 年度の株主総会から映像を用いて、分かりやすく決算 利益を増加させることで配当の安定的増加に努めることを経 内容を報告しています。 営の基本としています。増収増益に転じた 2005 年 3 月期か また当日は、製品の展示も行っているほか、開会前には当社 らは 3 期連続で増配しています。今後は、株主の皆様への利 のコンデンサを搭載 益還元の姿勢を明確にするため、連結配当性向 30∼35%を したアンプ、オーディ 目安として、配当政策を実施していきます。 オ設備によって BGM 内部留保資金は、既存のコア事業の拡大やユーザーニーズ を流すなど、当社製 に対応する新製品開発のための研究開発投資など、将来を見 品への理解を深めて 据え、企業価値を高めるための投資に活用していきます。 いただける工夫をし ています。 一株当たりの配当金 (単位:円) 20.00 10.00 13.00 13.00 15.00 17.00 2003/3 2004/3 2005/3 2006/3 20.00 VOICE 0 2007/3 (年月) IR 担当者の声 本社 IR 室 室長 河辺 喜代一 株主構成 すべてのステークホルダーにとって魅力ある 企業を目指して 当社の株主構成は下記の通りです。 金融機関、外国法人、個人株主で約 87%を占めており、特 に、近年は外国法人の比率が増加しています。 企業はIR活動を通じてステークホルダーに経営方針や活 動成果を伝え、意見交換することで理解を深め、資本市場 で正当な評価を得ることができます。当社においても、多く の株主や投資家の皆様から正当な評価をいただき、ご期待 所有者別分布(株式数) 自己株式 4.7% 金融機関 自己株式 41.4% 金融機関 45.8% 個人等 個人等 外国法人等 30.5% 2007 年 3月 その他法人 25.7% 証券会社 その他法人 7.8% 社会・環境報告書 外国法人等 0.7% 2007 6.6% に応えるため、ニチコンの将来像を明確に示し、しっかり考 え成果がでるように働く “考働”をしていくことが、私の責務 であると受け止めています。 16.4% 14.9% 13 4.5% すべてのステークホルダーにとって魅力ある企業グルー 2006 年 3月 プへと成長を続けていくために、企業価値の向上を目指し、 証券会社 1.0% 日々取り組んでまいります。 社 会とニチコン 取 引 先 様 へ の 責 任 を 果 た すた めに 購買基本方針 サプライヤーミーティングの開催 ニチコングループの購買基本方針は ①公開 ②公平 ③社会 「ニチコングループとサプライヤーは、共により良い製品を 性。『当社とサプライヤーは、共により良い製品を作るための 作るためのパートナー」との基本的な考え方に基づいて、相互 パートナー』という考えのもとに、取引先様との公正でオープン 理解を深め、相互訪問による情報交換にも積極的に取り組み、 な取引と相互信頼に基づいた持続的パートナーシップを築き、 最良の製品をお届けできるように努めています。 共存共栄を目指していくことを目的としています。 1 2 3 ニチコングループでは、毎年、春と秋の年2回、主要取引先 様を招きサプライヤーミーティングを開催しています。サプラ 公開 イヤーミーティングでは、業界動向や当社グループを取り巻く ニチコンの資材調達は企業規模、国籍を問わず 自由競争の原理に基づいた取引を推進します。 環境を説明するほか、取引先の皆様から改善活動についての 公平 チェーンを構成していることを強く自覚し、相互理解を図って 取り組 み を 発 表して い ただくなど、一 社 一 社 が サプライ います。特に、環境負荷低減については、 「ニチコングループグ お取引先様との「相互信頼」に基づき、 公正・公明・公平な取引を行います。 リーン調達ガイドライン」に則して改善していただくよう依頼 し、密なコミュニケーションを図っています。 社会性 資材調達活動を通じ、社会に貢献し、法令を遵守するとともに、 地球環境に配慮した取引を行います。 2006年10月に145社250名、2007年5月には150社 255名の代表者を主要取引先様からお招きして、サプライ ヤーミーティングを開催しました。 CSR 調達への取り組み ニチコングループでは、CSR の考え方をグループ内にとど まらず、調達取引先様にも広めることで、社会的責任を果たし ていきたいと考えています。 調達取引先様においても、業務の遂行にあたっては各国の適 用法令を遵守し、社会的倫理に従った行動をお願いしています。 また、購入・協力先を評価する際は合理的基準に基づき「公正」 「公明」 「公平」 を保つよう努めています。当然のことですが、当社 が優位な立場を利用して不当に不利益をおよぼすような行為や、 職務に関連して個人的な利益や便宜供与の要求は行いません。 VOICE 購買担当者の声 本社 資材チーム 課長 岸 義和 取引先と当社がWIN−WINの関係を築くために 昨今、諸資材需要の高まりにより、これまで低迷していた 素材業界は復調していますが、価格高騰により素材メー カーから値上げを要求される事が増え、その交渉はたい へん厳しくなっています。 私は取引先様と当社がお互いにWIN−WIN の関係を築 くためにも、VA/VE※を積極的に推進するとともに、仕入 れる資材の選択と集中により利益への貢献を図りたいと考 えています。 また、現在仕入れている部材についても、価格、品質、供 給先、ルートなどをいま一度検討し、購入形態の見直しを進 めていきます。 ※ VA/VE:製品の品質や機能を落とすことなく、コストダウンす るための手法を分析して、実現すること。 社会・環境 報 告 書 2007 14 社会とニチコン 従 業 員 へ の 責 任 を 果 た すた めに 雇用に関する基本的な考え方 働きやすい職場環境の整備 ニチコングループが求める人材は、 「チャレンジ精神旺盛でバ 従業員が安心して、また快適に仕事に取り組めるようにするた イタリティにあふれ、 『誠心誠意』ベストを尽くす人」 、 「明朗で責 め、ニチコングループでは福利厚生制度を充実させています。 任感があり何事にも情熱を持って、高い目標を掲げチャレンジ 社会保険や労働保険といった法定福利はもちろん、 「健康づ できる人」であり、人材採用において性別・年齢・国籍などによ くり」 「財産づくり」 「生活の安心づくり」 「生き甲斐づくり」 「老後 る差別はありません。もちろん、処遇の面でもこの方針は貫か 生活の安心づくり」という5つの分野における法定外福利を設 れており、何ごとにもベストを尽くし、高い目標に向かってチャ け、従業員のライフプランをサポートしています。 レンジする人には活躍の場が与えられ、従業員がいきいきと働 ニチコングループの主な法定外福利 ける職場づくりを実践しています。 健康づくり 高齢者雇用への取り組み ニチコングループでは、仕事に対する意欲と能力を有する人 会社の発展に活かしていただくことができる制度として、2006 年度より定年到達後の再雇用制度を導入しています。 正しい人権意識を持つことは、社会生活を送るうえで最も基 本となる事項です。ニチコングループで最も大切にしているこ ての人の基本的人権の尊重」 を掲げています。 人権教育については、毎月1回、職場の従業員全員が参加す 生き甲斐づくり とのひとつであり、 「ニチコングループ行動規範」の中でも、 「全 る「総合礼」で実施しているほか、毎週の朝礼時に行う職場ごと 老後生活の安心づくり の行動規範の読み合わせの際に テーマとして取り上げています。 このほか、セクシュアルハラス メントの防止をはじめ、人権に関わ ● 健康診断 (一般、生活習慣病、特殊、VDT、人間ドックなど) ● 健康相談、 ● 休憩室 ほか 指導 体力の 維持・増進 ● 安全衛生講習会 体育奨励金 ● ● ● 体力測定 スポーツ施設 ほか 財産形成施策 ● 従業員持株会 ● 一般財形貯蓄 財形住宅貯蓄 財形住宅融資制度 ●寮 ● 住宅総合施策 生活の安心づくり 基本的人権の尊重と人権教育 財産づくり 材を定年後に再雇用し、これまでに積み上げた経験とスキルを 疾病の予防 生活援護施策 ● ● ● ● 貸付金制度 食堂・売店施設 財形教育融資制度 ほか ● 業務上災害補償給付 慶弔見舞金制度 通勤途上災害補償給付 ● 団体扱い生命保険・損害保険 ほか ● 生活保障施策 生き甲斐 づくり 教育活動 生活の安定 ● ● 社内旅行 ● レクリエーション行事 ● リゾートホテル法人会員 ● 契約施設利用補助 ● 自己啓発(エチケット・マナー研修、通信教育) 退職金制度 確定拠出年金 ● 個人年金保険 ● クラブ活動 ほか ● ● ● ● 退職年金制度 財形年金 る各種テーマを設けた研修も実施 しています。 VOICE 朝礼時に行動規範の読み合わせ 人事担当者の声 表彰制度 本社 人事部 部長 吉田 清 ニチコングループでは、仕事で功績のあった従業員や成績優 秀で他者の模範となる従業員を表彰する制度を設けています。 表彰は毎年1回、創立記念日に行っており、表彰された従業員は 「あたりまえのことを、あたりまえにできる」 人づくりを 社内報に氏名や内容が公示され、賞品または賞金が授与されま 少子高齢化や雇用の流動化といった社会環境の変化を認 す。2006 年度は、41名が表彰されました。 識し、それに適応しうる人事制度の構築、改革に取り組んでい ます。 発明考案報奨制度 研究開発に携わる従業員の意欲を高めるため、ニチコング ループでは、業務上の特許・実用新案・意匠について報奨金を 支給する 「発明考案報奨」 制度を設けています。 2006 年度の報奨実績は135 件でした。 15 社会・環境報告書 2007 人事部門の役割は、組織風土や従業員の意欲並びに能力・ スキルを継続的に開発し向上させることにありますが、制度 やルールによる仕組みの構築とともに、 「あたりまえのことを、 あたりまえにできる」人づくりが基本であると考えています。 業務に必要な能力開発のみならず、社会人として質の高い人 材育成に力を注いでまいります。 従業員の能力向上を支援する教育研修制度 労働安全衛生の確保 ニチコングループでは、 「人」こそ最大の経営資源であり、企 労働災害防止のために労働安全衛生法で定められた基準を 業のエネルギーであるとの観点に立ち、 「新入社員研修」 「営業 守るだけでなく、さらに「快適な作業環境の実現」を目指し、 「安 研修」 「階層別研修」 「大学との連携によるMOT(技術経営)教 全」 ・ 「快適」をテーマに毎日のミーティングや、毎月の環境安全 育」 「エチケット・マナー研修」 「通信教育」など、 「スピード&フレ 衛生委員会で注意を呼びかけ、気になる点は発表しあうなど、 キシビリティ」をモットーに基礎的な内容のものから高度・専門 安全で働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいます。 的な内容まで多様な人材育成プログラムを用意しています。 また、従業員一人ひとりが研修や自己啓発を通じて能力を向 業務災害発生状況 (単位:件) 認証取得事業所 2002 年度 2003 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 上させています。 12 14 13 14 14 死亡 0 0 0 0 0 休業 1 3 2 5 0 度数率 0.141 0.490 0.328 0.860 0.000 強度率 0.006 0.004 0.012 0.070 0.000 全災害 件数 事例紹介 エチケット・マナー研修 ニチコングループでは、従業員教育の一環として、 「エ チケット・マナー研修」を採り入れています。これは、ニチ 度数率(100 万時間当りの休業災害件数) (単位:%) コン社員として意識改革を図り、感性を磨くことで人とし 2.0 ての価値を高めることを目的とするものです。研修を通じ 1.5 てそれまで気づかなかったことに「気づく」ことで、個人の 意識は変わります。研修の成果は、研修後に提出される感 想文および日常業務における言動・行動・立ち居振る舞い などを通じて確認しています。 1.0 0.5 0 ニチコン 全産業 製造業 1.770 1.780 1.850 1.950 1.900 0.980 0.980 0.990 1.010 1.020 0.328 0.860 2004 2005 2006 (年度) 0.120 0.120 0.141 2002 0.000 0.490 2003 受講者からは、 「エチケット・マナーは相手とうまく付き 合うための道具である以上に、相手に感銘を与え、相手の 心を動かせることを学んだ」 「会社でも普段の生活でも、 心遣いを忘れず行動したい」 などの声が聞かれ、2007年 強度率(1000 労働時間当りの労働損失日数) (単位:%) ニチコン 全産業 製造業 0.2 4月以降も受講人数は増え続けています。 0.120 0.1 0 エチケット・マナー研修 お辞儀の練習・チェック 0.120 0.120 0.110 0.110 0.006 0.004 0.012 0.070 2002 2003 2004 2005 0.120 0.090 0.110 0.000 2006 (年度) 安全衛生教育・講習 ニチコングループの各事業所では、作業者の安全衛生意識 の高揚を図るため、安全唱和や KYT(危険予知訓練)はもとよ 従業員の健康づくりと支援 ニチコングループでは、健康保持・増進の一環として、定期健 康診断、生活習慣病検診、人間ドック、脳ドック等の各種健康診 り、定期的に安全衛生教育を実施しています。 特に、新入社員に対する安全衛生教育では、 「安全第一」をス ローガンに、OJTをはじめとした各作業における安全作業を徹 底して教育しています。 断に加え、産業医による職場巡視・健康相談・指導、健康管理に 関する冊子配布なども実施しています。 また、近年注目されているメンタルヘルスについても産業医 や医療機関による講演などを実施し、従業員が心身ともに健康 に働くことができるよう全面的にサポートしています。 社会・環境 報 告 書 2007 16 社会とニチコン 社 会とのコミュニ ケ ー ション 地域社会とのコミュニケーション 展示会への出展 大町工場では、地域の小学校や高校などの工場見学を受け 当社は、エレクトロニクス関連 機 器・部品の国際展示 会 入れています。高校生の中には、事前に化学の勉強をしてくる 「CEATEC JAPAN」をはじめ、電源システムに関する技術展 生徒もおり、地元企業への関心の高さがうかがえます。 また、ニチコン大野では、自衛消防隊員の訓練として大野市 防火推進委員会主催の自衛消防クラブ放水競技会に参加し、当 社の 2チームが屋内消火栓操法の部(二人操法)で優勝、準優 勝に輝きました。 示会「TECHNO-FRONTIER」 、電気設備機器・資材等の総合 展示会「電設工業展」 に出展し、製品や環境対策技術のPRに努 めています。 2006 年10 月に開催された「CEATEC JAPAN」では、最 新のデジタル機器や自動車向けに当社が開発した高信頼性製 品に関心が寄せられる一方、RoHS 指令(特定有害物質の使用 規制に関するEU指令)対応品、省エネ・環境対策製品が注目を 集めました。 また、2007 電設工業展「製品コンクール」において、当社と 株式会社関電工様、北陸電力株式会社様が共同開発した瞬時 電圧低下補償装置が、経済産業大臣賞を受賞しました。高い瞬 高校生の工場見学の様子 低補償性能と、業界最小・最軽量などが評価されたもので、蓄 電部に電気二重層コンデンサを用いることで、環境負荷低減と 15 年間メンテナンスフリー化を実現しています。 工場見学に訪れた小学生 放水競技会で好成績を収めた ニチコン大野社員 事業所単位での社会貢献活動 2006 CEATEC JAPAN ニチコンブース ニチコングループの各事業所では、地域社会に貢献するため に清掃キャンペーン、クリーンアップ活動、花壇の手入れなどに 取り組んでいるほか、地域をあげての同様の活動にも積極的に 2007 電設工業展 ニチコンブース 参加しています。 また、事業所によっては、事業所周辺を清掃する日を設定し、 VOICE 定期的に従業員参加による環境美化を行っています。 事業所長の声 大町工場 工場長 赤尾 昌人 地域に根づいた工場として、交流を深める 工場の運営で重要なことの一つは、環境負荷を最小限にと どめることですが、その活動を地域の方々に見ていただき、信 工場周辺の道路清掃 (富田工場) 会社周辺の清掃活動 (本社) 頼を得ることも重要です。たとえば、工場排水を正しく管理し ていることの証として、処理後の排水を工場内の池に放流して 金魚を飼い、見学のご要望があれば、ご覧いただいています。 また、地域との交流を深めるために、排水処理施設の壁には 近所の保育園児が描いた絵を掲示したり、保育園の遠足や小 学校、高校の社会見学を受け入れています。今後も地域に根 づいた工場として発展し続けていきたいと考えています。 ゴミゼロ運動 (ニチコンワカサ) 17 社会・環境報告書 2007 会社周辺の道路清掃 (ニチコン大野) ニチコングループ環境憲章(1997 年 12 月制定、2001 年 7 月改訂) 環境理念 ネ! シク ヨロ ニチコングループは、 「地球との共生」 「人と環境に優しい社会」 を目指し、 企業活動のあらゆる面において、環境保全に配慮して行動します。 活動指針 ニチコン株式会社では、全社・全グループの環境保全活動を進めるために、 ニチコンの環境マスコット 環太郎 資源の有効活用、環境汚染防止を最優先とした下記の全社共通の活動指針を掲げます。 また、これ以外にも、事業所ごとに事業内容、地域の特徴を踏まえた独自のテーマが設定されてお り、企業活動のあらゆる側面において環境負荷の低減に向けた取り組みを進めます。 1.環境への影響を配慮した製品の提供に努める。 2.関連する法律、規制などを遵守するとともに、自主管理基準を導入し、運用を図る。 3.資源・エネルギーの使用量の削減を図る。 4.廃棄物の削減とリサイクル化に努める。 5.オゾン層破壊物質、地球温暖化物質、有害物質の使用・排出は、代替物質の使用、回収、リサイクルにより削減を図る。 6.環境教育を実施し、環境理念・事業所環境方針の理解と、環境に関する意識向上を図る。 7.地域社会の環境保全活動に参画し、社会に貢献する。 8.環境監査等を通じて自主管理活動の継続的改善を図る。 環境とニチコン かけがえのない地球環境を守り、次世代に受け継いでいくために、 ニチコングループは、環境憲章に基づいて、企業活動のあらゆる面で環境保全に取り組みます。 社会・環境 報告 報告書 200 2007 18 環境とニチコン 環 境 マ ネジメント推 進 体 制 各委員会の役割 環境保全組織 グリーン調達委員会 ニチコングループは、下図の体制で環境保全活動を推進し グループ全体のグリーン調達に係わる事項について検討する ています。CSR 室長を環境管理総括責任者とし、環境管理委 委員会です。 員会で環境保全活動に関する戦略・方針・目標・施策などを審 省エネルギー対策委員会 生産活動に伴うエネルギーの削減を図り、二酸化炭素排出量の 議・決定します。 決定した内容は各工場・事業所に周知され、PDCA サイク ル−Plan(計画)、Do(実行)、Check(監視)、Action(改善) −を回しながら環境経営の質を向上させています。 削減に係わる事項について検討する委員会です。 化学物質管理委員会 生産工程で使用または、製品に含有する有害化学物質の全廃、 削減に係わる事項について検討する委員会です。 体制図 廃棄物対策委員会 廃棄物の排出抑制、再資源化に係わる事項について検討する 会長・社長 グリーン調達委員会 CSR室 環境管理総括責任者 (CSR室長) 内部監査チーム 環境管理委員会 委員長:CSR室長 環境管理推進責任者 化学物質管理委員会 廃棄物対策委員会 工場環境管理委員会 委員長:事業所長 工場環境専門部会 省エネ、廃棄物、 製品、化学物質 環境事務局 各実行部門 ※ EMS:Environmental Management System の略で、環境マネジメント システムのこと。 国内の各製造事業所では、事業所長が環境管理総括責任者 境影響に適した環境方針を定め、それに沿った環境保全活動を 実施しています。 また、環境に関する事業所の活動計画などは工場環境管理 委員会で審議・決定されます。 ISO14001 認証取得状況 CSR 室の役割 ニチコングループ全体の環境保全活動・環境マネジメントシ 当社は地球との共存を目指して、1996 年 8 月にグローバ ステムの運用、法令遵守(コンプライアンス)、社会貢献、企業 ルスタンダードに準拠した環境マネジメントシステム確立のた 倫理、リスクマネジメントなどを継続的に改善・強化していくた め、国際規格 ISO14001 の認証取得方針を決定しました。 めに、それぞれの関係部署と横断的な連携をとり、推進を図る とともに、その活動について監査をする役割を担います。 環境管理委員会の役割 環境管理委員会は環境担当役員(CSR 室長) 、本社役員、各 事業所長などで構成されています。 委員会の主な役割は、環境に関する活動計画の策定・推進お よび特定テーマ推進のための専門部会設置などで、ニチコング ループにおける環境に関する最高審議機関です。 内部監査チームの役割 自らの環境マネジメントシステムが ISO14001 の要求事項 に適合し、確実に実施され、維持されているかを監査 (年2回) し ます。適切な環境監査を実施するため、当社の内部監査員は、 以下の資格要件を満たす者が選任されています。 うち主任監査員は10名です。 2006年度の内部監査員は87名、 内部監査員: 外部機関のセミナー「内部環境監査員養成コース」を受講し、 修了試験に合格した者。 主任監査員: JAB(財団法人日本適合性認定協会)認定の「フォーマルト レーニングコース(TEC003) 」を修了し、規定の試験に合格 した者。 19 各工場・事業所における推進体制 として、 EMS管理責任者を任命するとともに、事業所ごとの環 環境事務局(環境管理室) 各工場・事業所 環境管理総括責任者 EMS※管理責任者 委員会です。 省エネルギー対策委員会 社会・環境報告書 2007 この方針に基づいて、国内外の全製造事業所(国内 13 事業 所、海外3事業所) において認証を取得しています。 ニチコングループ ISO14001 認証取得状況一覧 (★は本報告書の対象範囲) 認証取得事業所 登録年月 審査登録機関 登録証番号 1998 年 12 月 JQA JQA-EM0278 穂高工場 ★/大町工場 ★ 1998 年 12 月 JQA JQA-EM1964 富田工場 ★ 2002 年 3 月 JQA JQA-EM2295 ニチコン草津(株)★/ニチコン滋賀(株)★ 1998 年 12 月 JQA JQA-EM1769 ニチコン亀岡 (株)★ 1998 年 11 月 JQA JQA-EM1768 ニチコン大野 (株)★ 1998 年 7 月 JQA JQA-EM0182 ニチコンタンタル (株) ★ 1998 年 7 月 JQA JQA-EM1786 ニチコン朝日 (株) ★ 1999 年 7 月 JQA JQA-EM0470 ニチコン岩手 (株)★ 1999 年 7 月 JQA JQA-EM0469 ニチコンワカサ (株)★ 1999 年 2 月 JQA JQA-EM1772 ニチコン福井 (株)★ 2003 年 4 月 JQA JQA-EM3125 NICHICON (MALAYSIA) SDN. BHD. 1998 年 12 月 SIRIM,QAS N00330 1128 NICHICON ELECTRONICS (WUXI) CO., LTD. 2004 年 3 月 萬泰認証 15/04E0316R00 BVQI 184305 長野工場 ★ NICHICON ELECTRONICS (TIANJIN) CO., LTD. 2005 年 12 月 環境監査 環境教育・啓発 各事業所の取り組み状況につい 環境教育としては、事業所ごとに実施する「環境マネジメント 各事業所の取り組み ては、事業所が行う内部環境監査 (マネジメントシステム監査、遵法 監査、環境パフォーマンス監査)と 認証機関による外部監査、また全 システムに基づく教育(EMS教育)」、 「新入社員に対する教 内部監査 マネジメント システム監査 遵法監査 育」、 「内部環境監査員の養成」、 「階層、専門別教育」などを実 環境 パフォーマンス 監査 施しています。 特に近年は設計・開発などの技術部門を対象に、 RoHS指令 グループを視野に入れて各事業所 などで使用が禁止されている有害物質についての教育にも力 に対して行う本社監査を毎年実施 を注いでいます。環境に配慮した企業経営には、従業員の一人 し、環境マネジメントシステムが有 効に機能し、成果を上げているか 否かを確認しています。 ひとりが環境問題を認識することが大切です。従業員への環境 認証機関 による 外部監査 本社監査 EMSニュース (環境だより) の発行 2006 年度の外部審査結果 事業所名 教育の重要性を認識し、今後も継続的に取り組んでいきます。 指摘事項 改善の機会 ストロングポイント 環境保全活動の一環とし 長野工場 0 5 0 て、各事業所において『EMS 穂高工場/大町工場 0 6 0 ニュース(環境だより)』を発 富田工場 0 7 0 行し、従業員の環境意識向上 ニチコン草津(株)/ニチコン滋賀(株) 0 8 0 を図るツールとして有効に活 ニチコン亀岡 (株) 0 5 1 用しています。 ニチコン大野 (株) 0 6 0 2006 年度は、グループ ニチコンタンタル (株) 0 6 1 全体で 61 回発行しました。 ニチコン朝日 (株) 0 4 0 ニチコン岩手 (株) 0 6 1 ニチコンワカサ (株) 0 5 0 ニチコン福井 (株) 1 9 0 合計 1 67 3 環境関連資格保有状況 ニチコングループでは各事業所で必要な有資格者数を確保 するという考えではなく、環境保全活動の充実・強化のために も、また、環境に関する意識向上のためにも、より多くの従業 VOICE 員の資格取得を推進しています。 そのため、業務を通じての教育に加え、資格取得に役立つ通 内部環境監査員の声 信教育の受講を推奨しています。2006 年度の環境関連資格 ニチコン岩手株式会社 環境管理係 の新規取得者は、グループ全体で延べ 45 人となりました。 駒井 康晴 問題点を指摘するだけではなく、改善につな げるための内部監査を 内部監査の目的は、環境マネジメントシステムが規格の要 求事項に適合し、PDCAが上手く回っているかを検証するこ 改善提案活動 ニチコングループでは、従業員の創意工夫により、業務の効 率化・合理化・安全性の向上と従業員の職場士気を高めること とです。ニチコン岩手(株) においては、システム構築後、8年 を目的に、グループ全体で一斉提案月間、また事業所ごとに強 余りが経過し、その運用は定着していることから、現在は、パ 化月間を設けて業務改善提案活動を展開しています。最近で フォーマンス (改善活動) に重点を置いて監査をしています。 は、多くの事業所で全員参加を達成しています。 改善活動は環境影響評価からスタートしますが、有害なも また、提案内容は、環境・安全衛生、設備改善作業効率アッ のを抽出するだけではなく、有益なものを抽出することも大 プに関わるものなど、多方面にわたっており、 「提案審査委員 切です。マイナス面をなくしていくことは必須ですが、有益 なものを維持・増加させることも重要だと考えるからです。 「問題点を指摘する監査」ではなく、 「改善につなげるため ̶ それがパフォーマンス監査の要諦であると思っ の監査」 ています。 会」で一次・二次審査のうえ、特に優れた提案(半年間実施した 上での効果が著しいもの) に対しては表彰を実施しています。 2006 年度は全提案件数 22,681 件、うち環境に関する提 案は 2,138 件でした。 社会・環境 報 告 書 2007 20 環境とニチコン 環境保全活動計画 ニチコングループ環境保全活動計画 (要約) 2006 年度 項 目 目 標 省エネルギー 廃棄物削減 環境汚染物質削減 グリーン調達 評価 参照頁 実 績 今後の目標 (2007∼2010 年度) CO 2 排出量を売上高原単位で前年 度比 1%削減する 前年度比 3.4%削減 ◎ P25 売上高原単位で前年度比 1 %の CO 2 排出量の削減に取り組み 再資源化率 95%を達成する 廃棄物再資源化率 99.6%を達成 ◎ P26 2010 年度末までにゼロエミッション (埋立て廃棄物ゼロ) を達成する RoHS 指令対応 製品対応および管理体制の構築を 完了 ◎ P27 国内外で施行される環境法規制の遵 守に向け、対応品の技術確立と管理体 制の確立を行う セット部品のアンチモンおよび臭素 系難燃剤の代替調査と技術対応を 行う 規制動向と代替化技術の調査を実施 ○ 有害化学物質( PRTR 対象の第 1 種 化学物質)の排出量を 2001 年度比 78%削減する 2001 年度比 78.1%の削減 ◎ P24 有害化学物質(PRTR 対象の第 1 種化 学物質)の排出量を 2001 年度比を基 準として 2010 年度末までに 80%削減 する 製品含有禁止物質の不使用の徹底 禁止物質の混入事故発生なし ◎ P27 グリーン調達調査の継続とグリーン調達 ガイドライン適合品の調達維持 ×:成果が出なかった △:あまり成果が出なかった ○:少し効果が出た ◎:成果が出た (評価は自己評価です) 2006 年度の活動総括 「ニチコングループ環境憲章」で定めた項目を実施していくた 省エネルギー活動については、生産性の向上、ムダの排除など め、 「ニチコン環境保全活動計画」を定めています。2006 年度 の取り組みによって、売上高原単位でのエネルギー使用量を改 の目標と実績は上記の通りで、概ね計画通りに実施することがで 善することができました。 そのほか、廃棄物削減や環境汚染物質削減、グリーン調達につい きました。 21 ただ、生産の拡大に伴い、電気・ガス、諸資材、資源の使用量 ては、ほぼ計画どおり実施できました。さらなる環境保全の推進を が増えたことにより、廃棄物処分量、CO2排出量が増加しました。 目指して、ISO14001のPDCAシステムを活用していく考えです。 社会・環境報告書 2007 環 境とニチコン 環境会計 環境会計についての考え方 ニチコングループでは 2000 年度から、環境パフォーマン スの向上と、その情報公開を目的に、環境保全コストとその効 ①設備投資は実施した年度に全額集計する。 果を計るための環境会計を導入しています。 ②減価償却の集計は行わないこととする。 下記データは、環境省から公表された「環境会計ガイドラ ③設備投資に対する効果は3年間を限度として集計する。 イン2005 年版」 に準じて集計したものです。 ● ● 集計にあたっての原則 ● ④効果は、確実な根拠に基づいて算出されるものに限定する。 対象期間 ・リスク回避効果 (みなし効果) は採用しない。 2006 年 4 月1 日∼2007 年 3 月31 日 ・ 再資源化のための売却益や省エネルギー活動による節約 集計範囲 額など、実際に得られた効果に限定して集計する。 国内で ISO14001を認証取得している13 事業所 環境保全コスト 環境保全コストの分類 (単位:百万円) 2005 年度 2006 年度 事業エリア内 コスト 投資額 費用 合計 投資額 費用 主な取り組み内容 合計 公害防止コスト 16 560 576 8 490 地球環境保全コスト 14 5 19 21 5 資源循環コスト 42 287 329 0 318 26 省エネルギー機器の維持管理 318 廃棄物の適正処理および再資源化処理 3 137 140 0 153 153 教育・啓発活動 研究開発コスト 12 105 117 5 61 社会活動コスト 0 2 2 0 0 環境損傷対応コスト 0 0 0 0 0 87 1,097 1,183 33 1,028 環境管理活動コスト 合計 498 公害防止設備の維持管理 環境マネジメントシステムの運用および 66 環境配慮型製品の開発 0 自然保護および緑化活動 0 該当なし 1,061 環境保全効果 環境保全効果の分類 事業活動に投入する資源に関する 環境保全効果 事業活動から排出する環境負荷および 廃棄物に関する環境保全効果 総エネルギー投入量(GJ) 電気使用量(GJ) 重油使用量(GJ) ガス使用量(GJ) PRTR 対象化学物質投入量(t) 循環資源投入量:紙(枚) 水資源投入量(万m3) 上水(万m3) 地下水(万m3) 温室効果ガス排出量 (t-CO2) 重油使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) ガス使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) 電気使用による温室効果ガス排出量(t-CO2) PRTR 対象化学物質排出量・移動量(t) 廃棄物等総排出量(t) 廃棄物最終処分量(t) 総排水量(万m3) NOX 排出量(t) SOX 排出量(t) BOD 排出量(t) COD 排出量(t) 環境保全対策に伴う経済効果 主な効果の内容 2006 年度 環境パフォーマンス指標(単位) (単位:百万円) 9,294,556 8,589,041 685,842 19,673 2,110 6,937,415 847 19 828 416,351 48,172 1,203 366,975 290 85,607 323 781 42 75 20 10 2005 年度 8,649,837 7,979,885 653,411 16,540 1,900 6,210,713 807 16 791 387,843 45,896 999 340,947 267 78,220 307 741 218 91 14 9 基準期間との差 (環境保全効果) 644,719 609,156 32,431 3,133 210 726,702 40 3 37 28,508 2,276 204 26,028 23 7,387 16 40 -176 -16 6 1 2006年度の環境会計では、環境保全コストの合計が1,183 百万円であったのに対し、経済効果の合計金額は368 百万円 金額 2006 年度 2005 年度 省エネルギー 41 38 省資源効果 19 29 廃棄物処理・リサイクルに係わる有価物売却益 308 226 合計 368 293 でした。 環境保全に関する投資の部では、空調機器の省エネタイプ への更新や、排液処理および排水の施設の増強を行いました。 社会・環境 報 告 書 2007 22 環境とニチコン 事 業 活 動 に 伴う環 境 負 荷 17,776kl(4.8%減) となりました。アウトプットでは、CO2 排出 ニチコングループでは、事業活動と環境との関わりを数値と 量が361,901t-CO2 から416,351t-CO2(15% 増)と増加 して把握し、環境負荷低減に向けた活動に活かしています。 しました。 2005年度と2006年度を比較すると、インプットでは主なエ また、廃棄物再資源化率は 99.6%を達成しているものの、 ネルギー使用量として電気使用量が 811,789 千 kWh から 廃棄物処分量が307tから323t (5%増) と増加しました。 873,758 千 kWh(7.6% 増) 、重油使用量が18,665klから 電 気 化学物質 ガ ス 重 油 紙 上 水 地下水 6,937,415 枚 19 t 828 万 t (PRTR 対象) 化学 物質 873,758 千 kWh 17,776 kl 395,513 kg 2,110 t INPUT 研究開発 製 造 OUTPUT 化学物質 CO2 排出量 NOx 排出量 SOx 排出量 (PRTR 対象) CO2 NOx SOx 化学 物質 416,351t-CO2 42 t 75 t 290 t 排水量 781 万 t 今後の取り組みとしては、生産の拡大に伴い、増加傾向にあ COD BOD COD 20 t 10 t 廃棄物処分量 廃棄物再資源化 323 t 84,814t また、廃棄物対策として取り組んできたゼロエミッション活 るエネルギー使用量について、効率的な生産活動の推進に 動についても再資源化率99%を維持し、今後も埋め立て廃 よって、生産高原単位での使用量とCO2 排出量の削減に努め 棄物ゼロ、および省資源を目指した活動を継続してまいります。 てまいります。 23 BOD 社会・環境報告書 2007 環 境とニチコン 化 学 物 質 の 適 正 管 理とリスクマ ネジメント 化学物質の排出・移動量の削減 ニチコングループでは、PRTR 法(特定化学物質の環境へ 2006 年度は、取扱量が 2,110t で、排出量を0.23t 削減 の排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律)に することができました。2006 年度の PRTR 調査結果は、 基づき、対象となる化学物質について取扱量、排出量、移動量 PRTR 法対象物質 354 物質のうち取扱物質が 20 物質、届出 を把握し、行政に対して報告するとともに、有害化学物質 対象物質は 12 物質で 6 月 30 日までに行政への報告を完了 (PRTR 対象の第 1 種指定化学物質)の排出量(大気、水域、 させました。 土壌などの環境への排出)の削減に取り組んでいます。 PRTR 調査結果(2006 年度:国内) 排出量 管理物質 番号 25 30 43 63 64 102 202 227 230 231 232 272 304 311 化学物質名 移動量 取扱量 大気への 公共用水域 土壌への 埋立処分 CAS 番号 (単位:t) 排出 への排出 排出 排出量 合計 下水道への その他 移動量 移動量 (廃棄物) 合計 1.22 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 25068-38-6 17.02 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 1.95 1.95 107-21-1 1,851.80 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 253.64 253.64 キシレン NONE 7.16 4.99 0.00 0.00 0.00 4.99 0.00 2.17 2.17 銀およびその水溶性化合物 NONE 3.77 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.01 0.01 108-05-4 1.70 0.06 0.00 0.00 0.00 0.06 0.00 0.03 0.03 11070-44-3 14.54 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 1.70 1.70 108-88-3 3.23 2.71 0.00 0.00 0.00 2.71 0.00 0.30 0.30 NONE 16.71 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.44 0.44 7440-02-0 14.64 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 NONE 1.38 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 1.28 1.28 アンチモンおよびその化合物 ビスフェノール A 型エポキシ樹脂 エチレングリコール 酢酸ビニル テトラヒドロメチル無水フタル酸 トルエン 鉛およびその化合物 ニッケル ニッケル化合物 フタル酸ビス (2- エチルヘキシル) NONE 0.53 0.53 117-81-7 3.46 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.37 0.37 ほう素およびその化合物 NONE 165.12 0.11 10.28 0.00 0.00 10.38 0.00 5.41 5.41 マンガンおよびその化合物 NONE 7.58 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 3.64 3.64 0.87 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.22 0.22 2,110.19 7.87 10.28 0.00 0.00 18.15 0.00 271.68 271.68 2005 年度 1,899.97 8.52 9.78 0.00 0.00 18.38 0.00 248.20 248.20 2004 年度 2,035.95 10.57 12.32 0.00 0.00 22.91 0.00 281.79 281.79 2003 年度 1,895.17 15.69 24.43 0.00 0.00 40.13 0.00 281.43 281.43 2002 年度 2,188.33 18.63 24.43 0.00 0.00 43.05 0.00 307.58 307.58 その他 6 物質 合計 合計 大気・水質汚染防止 緊急事態に備えた訓練の実施 ニチコングループでは、大気・水質汚染防止について、法や 各事業所では、環境影響評価によって潜在的危険要因を分 条例の排出基準を上回る厳しい自主基準を設定しています。 析・登録するとともに、油や化学物質の万一の漏洩を想定した 環境マネジメントシステムをベースに汚染物質の厳重な管理 緊急事態に対応するための訓練を実施しています。 を実施し、汚染防止を図っています。 また、緊急処理対策備品を配備するなど、緊急事態が起こっ た際の外部への液漏洩事故防止を図っています。 穂高工場 地元との協定による分析用排水の採水 ニチコン大野 重油もれ緊急時訓練 富田工場 長野工場 回収装置異常時の対応訓練 塩酸タンク緊急時訓練 社会・環境 報 告 書 2007 24 環境とニチコン 地球温暖化防止 CO2 排出量削減への取り組み オゾン層破壊物質の全廃 ニチコングループでは地球温暖化の原因となるCO2 排出量 ニチコングループでは、オゾン層破壊物質である特定フロン 削減に向け、全グループをあげて取り組んでいます。全従業員 の使用を1991年に、1,1,1-トリクロロエタンの使用を1994 参加の活動として、空調温度の適正管理や、不必要な照明・機 年に、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の使用を 器の停止などを継続して実施し、省エネ化を図り、地球環境保 2003 年度末までに全廃しています。 護への意識を高めています。また、その行動が事業所からサプ ライヤー、地域に広がっていくことを願い、省エネ活動の輪を広 げる活動にも取り組んでいます。 製造事業所では、徹底したムダの排除によって生産効率を改 善し、不良率削減に積極的に取り組み、エネルギーの原単位使 用量の削減に努めています。特に、多くの工場では、重油を大量 に消費しボイラーなどを稼動していますが、運転体制の見直し などによって重油使用量を削減し、 CO2 削減につなげています。 使用エネルギーの種類(13 工場:箔工場を含む) 事例紹介 CO2 排出量削減への各社の取り組み ニチコン大野株式会社 冬場の暖房用として3 基のボイラーを使用しています が、運転中は室温チェックや暖房器具・配管等を点検し、 燃料節約やCO2の削減に取り組んでいます。 富田工場 (単位:t) アルミ電極箔に被膜を形成する化成機は、アルミ箔の A 重油 20.55% 切断等で停止している間も化成液の温度を保つためにボ イラーでの加熱が必要であり、燃料を消費します。このよ うなムダをなくし、生産に伴うエネルギー効率を高めるた LPG 0.67% め、富田工場では箔切断回数と設備停止時間の削減に努 1992年度 めています。 ニチコン岩手株式会社 電気 78.78% 新しいボイラー導入の際、環境保全を行うことで生じる コストや経済効果を算出し、環境保全効果の高い小形蒸 A 重油 7.52% LPG 0.21% 気ボイラー2台を導入したことが、ISO14001の認証機 関JQAから評価されました。 2006年度 電気 92.27% CO2 排出量 (単位:t-CO2) ■CO2 排出量 (単位:t-CO2/ 億円) 売上高原単位 450,000 400,000 387,843.16 350,000 300,000 287,138.07 250,000 301,270.43 344,876.44 298.88 331.61 416,351.80 363.15 450 400 350.76 350 300 250 261.03 200,000 200 150,000 150 100,000 100 50,000 50 0 0 2002 2003 2004 2005 2006 (年度) 電機・電子業界「地球環境保全のための自主行動計画」の係数を引用し、再計算を実 施しました。 25 社会・環境報告書 2007 各種エネルギー換算係数について: CO2 換算係数は、電機・電子業界「地球環境保全のための自主行動計画」 の係数を引用し、再計算を実施しました。 電気の換算係数は、電機事業連合会発表の 1990 年需要端係数を使用し ています。 環境とニチコン 廃 棄 物 削 減と資 源 の 有 効 活 用 廃棄物削減、リサイクルへの取り組み ニチコングループは循環型社会の構築を目指し、廃棄物の削 総排出量・発生量内訳 減とリサイクルの推進を図っています。ゼロエミッションの定義 を「廃棄物総発生量の 98%を再資源化する」こととし、2002 廃棄物・有価物発生量 85,607t 年度以降、これを達成してきました。さらに2006 年度も、導電 性アルミ固体電解コンデンサ廃棄物の有価物化や、焼却処理 をしていた紙くずや布ウエス※をボイラーなどに使用する固形 燃料の原材料としてリサイクル化に取り組んだ結果、2005 年 度に続き99.62%の再資源化を実現しました。 今後は、ゼロエミッションの定義を「埋め立て廃棄物ゼロ」と 直接再資源化 82,727t 中間処理委託 2,796t 直接最終処分 84t し、廃棄物削減、 リサイクルへの取り組みをいっそう強化します。 ※ 布ウエス:機械類の油や汚れ・不純物などを拭き取ってきれいにするために用いる布。 再資源化量 最終処分量 中間処理後 再資源化 中間処理後 最終処分 84,814t 323t 廃棄物総排出量、再資源化量、再資源化率 (単位:t) ■ 総排出量 ■ 再資源化量 100,000 98.6 98.0 再資源化率 99.0 (単位:%) 99.0 99.6 100.0 60,000 85,596 78,220 80.0 77,066 77,476 65,991 84,803 76,280 65,052 64,391 60.0 40,000 40.0 80,000 65,727 2,087t 239t 再資源化品目 20.0 20,000 汚 泥:凝集剤、金属回収(ニッケル) 廃プラ:燃料、セメント材料 廃 油:助燃剤、再生回収 金 属:再生金属(アルミ、タンタル) 0.0 0 2002 2003 2004 2005 2006 (年度) 廃棄物の適正管理 ニチコングループでは外部の業者に廃棄物処理を委託して 総排出量・発生量内訳 廃油 1% 紙屑 1% 金属屑 2% います。廃棄物は排出者の責任で処理しなければならないた 廃プラ め、その責任は重く、不法投棄や汚染事故を防止するための管 1% 理に努めています。廃棄物処理を委託する際には、委託先の事 前監査を実施するほか、委託後も自ら最終処分の現地確認を実 汚泥 19% 施し、定期的な監査を継続することで委託先の廃棄物処理の状 2006年度 廃酸 76% 況を評価しています。 また、日々の管理として、 廃棄物置場の巡回点検、産 業廃棄物管理票(マニフェ スト)による管理を徹底し、 廃棄物の適正管理に努め ています。 最終処分量 陶磁器屑 7% その他 1% 汚泥 18% 2006年度 廃プラ 38% 産業廃棄物処理委託業者監査 紙屑 36% 社会・環境 報 告 書 2007 26 環境とニチコン 地 球との 共 生 を 目 指した 製 品 づくり 製品開発における基本姿勢 ニチコングループは「地球との共生」を目指し、環境保全に 寄与する製品づくりを各事業所で進めています。 ニチコングループは、ELV 指令への対応はもとより、自動車 特有の熱や振動の加わる苛酷な使用条件を満たす車載用高機 能品を提供しています。 ※ ELV 指令:End of Life Vehicles の略 ポリ塩化ビニル(PVC)レス、鉛フリー、六フッ化硫黄(SF6) フリー製品として「Geo(ジオ)○○○」の名称をつけた製品の ほか、省電力・省資源に貢献する製品や廃棄に伴う問題の解決 に貢献する 「環境に優しい製品」 を開発しています。 REACH 規則※への対応 REACH 規則(化学物質の登録、評価、認可および制限に関 する規則)とは、EU の新たな化学物質規制で、化学物質の安 RoHS 指令※への対応 全性評価を製造・輸入する企業に義務づけ、化学物質を登録 制として 危 険 性 の 高 い 物 質 の 使 用を制 限 するも の です。 RoHS 指令(特定有害物質の使用制限に関するEU 指令)と 2007 年 6 月から施行されており、2008 年 6 月からは登録 は、EUにて販売される電気電子機器に含まれる特定物質の使 作業が開始される予定です。現在施行されている化学物質に 用禁止を定めた指令で、重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価ク 関するEU での規制を、この REACH 規則に一本化することも ロム)とダイオキシン類の発生原因となる特定臭素系難燃剤 検討されています。 (PBB、PBDE)の使用を2006 年 7 月1 日以降、全廃するよ うメーカーに要求しているものです。 ニチコングループは、すでに鉛フリー製品の開発を終え、鉛 この対応には、サプライチェーン間でのより確実な情報伝達 が求められます。ニチコングループは、使用する部材の規制物 質管理を徹底するとともに、環境に配慮した製品開発を積極的 フリー製品を標準製品として販売しており、鉛入り製品を購入 に進めています。 されているお客様に対して、鉛フリー製品への切替を提案し ※ REACH 規則:Registration, Evaluation & Authorization of Chemicals の略 ています。また、焼却条件によってはダイオキシンの発生が懸 念されているPVC(ポリ塩化ビニール)に関しても PET(ポリ エチレンテレフタレート)等 PVC レス製品を標準製品として います。 また、EU の RoHS 指令の流れを受け、中国でも電気・電子 製品の環境性能を確保するグリーン調達 地球環境問題が深刻化する中、 さまざまな環境問題を解決し、 機 器に対し「 電 子 情 報 製 品 汚 染 制 御 管 理 方 法 」 (中国版 持続可能な環境社会を構築するために、 「環境負荷の少ない製 RoHS)が 2007 年 3 月から施行されています。このように化 品の販売」 「環境に配慮している企業からの調達」 「環境に配慮し 学物質の規制は世界各国で検討・実施されています。ニチコン たリサイクル設計や省エネルギー設計」が、企業の社会的責任 グループは最新法規制情報を入手し、環境に配慮した設計思 として強く求められています。さらに、 RoHS指令、REACH 規 想で製品開発を行い、お客様のニーズに応えています。 則など、化学物質の規制を遵守するために、調達するすべての ※ RoHS 指令:Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment の略 原材料について、化学物質の情報を正確に把握し、管理するこ とが必要になっています。 ニチコングループでは、環境に負荷を与える物質の管理基 ELV 指令※への対応 準を定め、取引先と連携してグリーン購入を推進し、持続可能 な環境社会の構築に貢献いたします。 ELV 指令(使用済み自動車に関する欧州議会および理事会 指令)とは、自動車への特定有害物質の使用を制限し、廃車時 2005 年に制定された「ニチコングループグリーン調達ガイ のリサイクルを円滑にすることを目的とする指令で、2003 年 ドライン」 は、その後の法規制の動向に合わせて内容を見直し、 7 月 1 日以降に登録される新車について、一部の代替技術の 現在第 3 版に改定し、運用しています。今後とも国内外の法規 確立が困難な部品を除き重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価ク 制などにより使用および含有を禁止する化学物質の不使用を ロム)の使用禁止を要求するものです。 徹底するため、取引先様との連携を強化し、環境配慮形製品の 提供に努めてまいります。 27 社会・環境報告書 2007 環境とニチコン 地 球との 共 生 を 目 指した 製 品 づくり 製品開発における基本姿勢 ニチコングループは「地球との共生」を目指し、環境保全に 寄与する製品づくりを各事業所で進めています。 ニチコングループは、ELV 指令への対応はもとより、自動車 特有の熱や振動の加わる苛酷な使用条件を満たす車載用高機 能品を提供しています。 ※ ELV 指令:End of Life Vehicles の略 ほか、省電力・省資源に貢献する製品や廃棄に伴う問題の解決 に貢献する 「環境に優しい製品」 を開発しています。 瞬時電圧低下補償装置 ますが、今後は大きなエネルギーを一時的に蓄えられる 落雷や風雪などによる工場の瞬時電圧低下(瞬低)や という特長を活かし、ハイブリッドカーへの活用や、ピー 短時間の停電時に、電力を安定して供給する瞬時電圧低 クカットに用いることで受変電設備のコンパクト化などへ 下補償装置を開発しました。 の貢献が期待されています。 ● ポリ塩化ビニル(PVC)レス、鉛フリー、六フッ化硫黄(SF6) フリー製品として「Geo(ジオ)○○○」の名称をつけた製品の 環 境に配 慮した 製 品 事 例 REACH 規則※への対応 REACH 規則(化学物質の登録、評価、認可および制限に関 する規則)とは、EU の新たな化学物質規制で、化学物質の安 この製品は、電気二重層コンデンサの採用により蓄電 全性評価を製造・輸入する企業に義務づけ、化学物質を登録 部 15 年間メンテナンスフリーを実現したほか、構成材料 制として 危 険 性 の 高 い 物 質 の 使 用を制 限 するも の です。 に重金属などの有害物質を含まない環境に優しい製品と 石油エネルギーの使用を抑え、二酸化炭素の排出を低 RoHS 指令(特定有害物質の使用制限に関するEU 指令)と 2007 年 6 月から施行されており、2008 年 6 月からは登録 なっています。また、常時商用給電方式の回路を採用す 減するなど、環境負荷の小さいハイブリッドカーの市場が は、EUにて販売される電気電子機器に含まれる特定物質の使 作業が開始される予定です。現在施行されている化学物質に ることにより、待機時の効率 98∼99%を実現し、ラン 拡大しています。 用禁止を定めた指令で、重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価ク 関するEU での規制を、この REACH 規則に一本化することも ニングコストの低減が図れるなどの特長を有しています。 ロム)とダイオキシン類の発生原因となる特定臭素系難燃剤 検討されています。 RoHS 指令※への対応 (PBB、PBDE)の使用を2006 年 7 月1 日以降、全廃するよ ● ハイブリッドカー向け製品への注力 こうした需要の増大を受け、ニチコン草津ではハイブ リッドカーの駆動用インバータユニットに用いられるフィ この対応には、サプライチェーン間でのより確実な情報伝達 ルムコンデンサモジュールを専門に生産する新工場棟を が求められます。ニチコングループは、使用する部材の規制物 2006 年3月から稼動しています。同工場は現在、量産 質管理を徹底するとともに、環境に配慮した製品開発を積極的 体制を整え、さらに設備の有効活用による生産の効率化 フリー製品を標準製品として販売しており、鉛入り製品を購入 に進めています。 を推進しています。 されているお客様に対して、鉛フリー製品への切替を提案し ※ REACH 規則:Registration, Evaluation & Authorization of Chemicals の略 うメーカーに要求しているものです。 ニチコングループは、すでに鉛フリー製品の開発を終え、鉛 ています。また、焼却条件によってはダイオキシンの発生が懸 今後は国内外の自動車メーカーからの受注拡大を図 り、環境負荷の小さいハイブリッドカーのさらなる普及に 念されているPVC(ポリ塩化ビニール)に関しても PET(ポリ エチレンテレフタレート)等 PVC レス製品を標準製品として います。 また、EU の RoHS 指令の流れを受け、中国でも電気・電子 貢献することで、地球環境問題の解決を側面から支援し ていきます。 製品の環境性能を確保するグリーン調達 地球環境問題が深刻化する中、 さまざまな環境問題を解決し、 機 器に対し「 電 子 情 報 製 品 汚 染 制 御 管 理 方 法 」 (中国版 持続可能な環境社会を構築するために、 「環境負荷の少ない製 RoHS)が 2007 年 3 月から施行されています。このように化 品の販売」 「環境に配慮している企業からの調達」 「環境に配慮し 学物質の規制は世界各国で検討・実施されています。ニチコン たリサイクル設計や省エネルギー設計」が、企業の社会的責任 グループは最新法規制情報を入手し、環境に配慮した設計思 として強く求められています。さらに、 RoHS指令、REACH 規 想で製品開発を行い、お客様のニーズに応えています。 則など、化学物質の規制を遵守するために、調達するすべての 電気二重層コンデンサは活性炭と有機電解液を主原 ※ RoHS 指令:Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment の略 原材料について、化学物質の情報を正確に把握し、管理するこ 料としており、鉛などの有害物質を使っていません。活性 とが必要になっています。 炭にはナノ単位の無数の小さな穴があいており、大量の ELV 指令※への対応 ニチコングループでは、環境に負荷を与える物質の管理基 イオンを吸着させることで、通常のコンデンサと比べ約 準を定め、取引先と連携してグリーン購入を推進し、持続可能 1,000 倍の容量で電気を蓄えることが可能です。電池 な環境社会の構築に貢献いたします。 に比べ内部抵抗が小さく、電圧が低くても、急速充電、大 ELV 指令(使用済み自動車に関する欧州議会および理事会 指令)とは、自動車への特定有害物質の使用を制限し、廃車時 電流放電ができるなど、効率的にエネルギーを使えます。 2005 年に制定された「ニチコングループグリーン調達ガイ のリサイクルを円滑にすることを目的とする指令で、2003 年 ドライン」 は、その後の法規制の動向に合わせて内容を見直し、 7 月 1 日以降に登録される新車について、一部の代替技術の 現在第 3 版に改定し、運用しています。今後とも国内外の法規 確立が困難な部品を除き重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価ク 制などにより使用および含有を禁止する化学物質の不使用を ロム)の使用禁止を要求するものです。 有害物質を含まず、省エネに貢献する 電気二重層コンデンサ ● 現在はパソコン、携帯電話のバックアップ電源や道路 のセンターラインで点滅する道路鋲などにも使われてい 徹底するため、取引先様との連携を強化し、環境配慮形製品の 提供に努めてまいります。 27 社会・環境報告書 2007 社 会・環境 報 告 書 2007 28 コメント チ ー ム・ニ チコンとして 美しい 地 球 を 未 来 に 引 き 継 長野工場 ニチコン草津株式会社 品質管理課 総務課 赤羽 真由美 熊川 昌孝 地球規模の環境破壊を目の前にして、多くの人が「私には関 入社するまでは環境問題について深く考えたことはありま 係がない」 「私ひとりが何をしたって同じ」 と考えていては、何も せんでしたが、入社後は少しずつ環境に向き合う機会が増えて 変わりません。 きました。たとえば、業務中には裏紙の使用などで紙の使用量 私は身近にできることから始めようと思い、会社ではミスプ 削減に努めたり、照明 OFF や冷暖房の温度設定に気をつけて リントの削減やデータの電子化、ごみの分別などを徹底し、家で います。また、自転車や徒歩での移動を心掛け、買物にはマイ はこまめな消灯や買い物時のエコバック持参を心がけています。 バックを持参しています。 身近にできる小さなことも、毎日の積み重ねで大きな効果 最近では、このような行動が地球環境にプラスになっている が生まれます。これからも環境を大切にし、限りある資源を有 ことに小さな喜びを感じるようになりました。これからも自分が 効利用していきたいと思います。 できることをやっていきたいと思います。 ニチコン朝日株式会社 ニチコン岩手株式会社 製造課 技術課 照井 吉信 渋屋 真智子 日常生活において、最近はゴミや空き缶、ペットボトル等の分 私の所属する技術部は、お客さまから“用紙での資料提出” 別は当たり前になり、地球環境を大切にする姿勢が定着している を求められることが多いので、どうしても紙の使用量が多くな と思われます。しかしながら、世界に目を向けると中国やインド ります。その中でも、できるだけ使用枚数を削減するため、コ の経済成長などによって、資源の大量消費や大気汚染が進むな ピーする時には両面印刷等の機能の活用や裏紙の使用を徹底 ど、グローバルに環境問題を考えることも必要になっています。 し、両面使用後は古紙としてリサイクルしています。 まずは日常生活や日常業務において環境意識を十分持ち、 行動し、素晴らしい地球環境を守っていきたいと思います。 また、仕様書や技術資料提出の際は、極力 PDF 等の電子 データを活用するなど、微力ながら森林資源枯渇防止に役立 てればと思っています。 29 社会・環境報告 書 社会・環境報告書 200 7 2007 ごう! ニチコン亀岡株式会社 ニチコン大野株式会社 第一製造課 技術課 塚原 加代子 内田 真幸 私は製造課に所属しているので、廃棄物になってしまう不良 私は、アルミ電解コンデンサの新製品開発に携わっており、 品を出さないことが一番の環境保全になると考え、製品の歩 業務の一つとして製品の信頼性試験を行っています。試験で 留まり向上に努力しています。また、コピーやメモ用紙の裏紙 は、製品の電気特性、外観特性などを調査したあと、一定温度 使用を実践しています。 に保った恒温槽に放置して製品の特性変化を調べていますが、 ニチコン亀岡全体では、ゴミの分別や社内でのアイドリング ストップが呼びかけられていますが、私も含めて社員の意識は、 製品の試験が終了して恒温槽が空になった時には、必ず電源 を切るなど省エネに努めています。 まだ不十分と感じることもあります。大げさに考えるのではな また、家庭でエアコンを使用するときは、スタート時に通常 く、当たり前のことを当たり前に実践することで、みんなで美し モードで数分運転したあと、省エネモードに切り替えています。 い地球を守っていきたいものです。 家庭ゴミについては市や地区の決まりを守って、分別してから 捨てています。 ニチコンワカサ株式会社 ニチコン福井株式会社 管理課 管理課 越部 智大 松田 さゆり 地球環境を守るために、常に何ができるかを考えて行動して 毎日の積み重ねが未来の地球に大きく影響することを念頭 います。日常業務においては、メールの活用によって紙の使用 に置き、小さなことですが環境保全活動を実践しています。た 量削減に努め、プリントアウトする場合でも裏紙の使用を徹底 とえば、毎日のマイカー通勤では、停車中のアイドリングストッ しています。また、使用済用紙や封筒、ダンボール等は必ず分 プを心がけ、家の中では部屋の蛍光灯を一段暗くしたり、コン 別し、リサイクル業者に回収してもらっています。 セントの省エネタップを利用したこまめな電源OFFなどを実行 日常生活においては、できるだけ公共交通機関を利用して いますが、車を運転する時にはアイドリングストップを励行。 スーパーなどで買い物する時にはマイバックを持参しています。 しています。 業務においては、裏紙の使用・両面印刷、メールの活用によ るコピー用紙の使用量削減に努めています。 社会・環境 報告 報告書 200 7 2007 30 ニチコン株式会社 〒604-0845 京都市中京区烏丸通御池上る TEL.075-231-8461 FAX.075-256-4158 http://www.nichicon.co.jp/ この報告書の内容に関するお問い合わせ先 総務部/環境管理室 TEL.075-241-5319 FAX.075-256-4158 [email protected] 発行:2007年9月 次回発行予定:2008年9月 これまでの発行:2001年9月、2002年10月、 2003年9月、2004年10月、 2005年9月、2006年10月 このカタログの印刷は、 環境にやさしい 植物性大豆油インキを使用しています。 古紙合成率100%再生紙を使用