C S R 2 0 1 2 Corporate Social Responsibility Report 2012 CSR 報告書 2012 基本理念 日立電線グループは、 “和”“誠”“開拓者精神”という日立創業の精神を 受け継ぎ、これをさらに高揚させ、 日立人としての誇りを堅持し、 優れた自主技術・製品の開発を通じて 社会に貢献することを基本理念とする。 併せて、当社グループは、 企業が社会の一員であることを深く認識し、 公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、 環境と調和、積極的な社会貢献活動を通じ、 良識ある市民として真に 豊かな社会の実現に尽力する。 日立電線グループ企業ビジョン 「 伝える」をきわめる 私たちは「情報」や「エネルギー」を、 「 速く」 「 確実に」 「 効率よく」伝えることに挑戦し続けることで、 社会に貢献していきます バリュー お客様の期待を超えた「伝える」を提供します モノづくりをきわめ、進化させ続けます 「 基本と正道」を歩みます 1 | 日立電線 CSR 報告書 2012 本報告書は、日立電線と日立電線グループの CSR(企業の社会的責任)に対する基 本的な考え方や計画および取組みの進捗を分かりやすく開示することを目的に発行し ています。 報告書の編集にあたっては、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)の「サ ステナビリティ ・レポーティング・ガイドライン 第 3.1 版 」に準拠するとともに、環境省の 「 環境報告ガイドライン 2007 年版 」、SRI(社会的責任投資)に関するアンケート項 目などを参考にし、ステークホルダーの皆様および日立電線グループにとって重要性が 高いと思われる情報を選定して掲載しています。 当社は、本報告書はGRIガイドラインに定義されるアプリケーションレベル「B」に相 当すると自己評価しました。 対象期間 C O N T E N 13 日立電線グループの概要 15 事業紹介 17 トップメッセージ T S 日立電線グループのご紹介 発行目的と編集方針 CSRマネジメント 2011 年度(2011 年 4 月~ 2012 年 3 月)を中心に、一部同期間の前後の情報も 含まれています。 特集 19 対象範囲 電線工場、日高工場、高砂工場、みなと工場、豊浦工場、土浦工場 日立電線ロジテック㈱、日立電線ファインテック㈱、日立電線メクテッ ク㈱、日立電線ネットワークス㈱※1、日立マグネットワイヤ㈱、日立製線㈱、 日立ケーブルプレシジョン㈱日立工場、㈱アドバンスト・ケーブルシステム ズ、㈱ジェイ・パワーシステムズ※ 2 ●国内グループ会社 日立アロイ㈱、東日京三電線㈱、㈱東日京三テクノス※ 3、東北ゴム㈱、 日立ケーブルプレシジョン㈱米沢工場※ 4 ●海外グループ会社 A ※5 ヒタチケーブル・ジョホール社、上海日立電線有限公司、ヒタチケーブル・ シンガポール社、PHCP社、タイ・ヒタチ・エナメルワイヤー社、日立電線 ( 蘇州 ) 有限公司電線工場 社会への取組み 特集 19 営業体制の再編∼お客様とのかかわり お客様とのかかわり 調達取引先とのかかわり 株主・投資家とのかかわり 従業員とのかかわり 社会・地域社会とのかかわり 21 25 26 28 33 ※ 1 日立電線の工場内での事業活動が対象です。 ※ 2 日立電線の工場内での生産活動が対象です。 ※ 3 2012 年 4月1日より東日京三電線㈱。 ※ 4 温暖化防止・資源循環の推進についての活動が対象です。 ※ 5 環境管理評価 GREEN21-2015、資源・エネルギー投入量と環境への排出量、CO2 排出量が対象です。 ※ 6 資源・エネルギー投入量と環境への排出量、CO2 排出量が対象です。 ※ 7 2012 年 4月1日よりヒタチケーブル・アメリカ社。 社会への取組み ●海外グループ会社 B ※6 ヒタチケーブル・PSテクノ(マレーシア) 社、ヒタチケーブル・ベトナム社、 AHCL(タイランド) 社、ヒタチケーブル・フィリピンズ社、日立電線 ( 蘇州 ) 有限公司加工工場、ギガ・エピタキシー・テクノロジー社、深圳日立電線 有限公司、日立電線(蘇州)精工有限公司、ヒタチケーブル・マンチェスター社※7、 ヒタチケーブル・オートモーティブプロダクツUSA 社※ 7、HCケレタロ社、 ヒタチケーブル・UK 社、ヒタチケーブル・オーストリア社 C S R マネジメント ●日立電線株式会社 CSR マネジメント CSR 中期目標および計画と実績 コーポレート・ガバナンス コンプライアンス / 情報保護 11 13 15 17 環境への取組みに関しては、日立電線および下記のグループ国内生産会社 14 社の生 産拠点を対象としています。また、海外生産会社 20 事業所について活動の一部を掲 載しました。その他に関しては、主に日立電線の活動について記載されており、グルー プ会社の情報も含みます。 ●日立電線サイト内 グループ会社 情報セキュリティへの取組み 発行時期 2012 年 8 月発行 次回発行予定 :2013 年 8 月 環境への取組み ガイドライン 特集 37 39 40 44 45 47 48 51 53 55 56 58 参考「 : 環境報告ガイドライン2007 年版 」 (環境省) お問い合せ先 日立電線株式会社 CSR 推進室 TEL:03-6381-1050 FAX:03-5256-3240 http://www.hitachi-cable.co.jp/inquiry/index.html 免責事項 この報告書には、日立電線グループの過去と現在の事実だけでなく、将来についての 計画、予想および見通しの記述が含まれています。これらの記述は、現時点で入手でき た情報に基づいた仮定ないし判断であり、諸条件の変化によって将来の事業活動の結 果や事象が予測とは異なる可能性があります。 ピーク電力削減への取組み 62 日立電線グループの環境方針 環境マネジメントの状況 環境会計 環境行動計画と実績評価 資源・エネルギー投入量と環境への排出量 地球温暖化対策 資源循環の推進 生産活動での化学物質管理 グリーン調達 環境に配慮した製品 事業所別データ 第三者意見 / 第三者意見を受けて ※ Empowering Energy & Communicationは、日立電線㈱の登録商標です。 ※「『 伝える 』をきわめる」は、日立電線㈱の登録商標です。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 2 環境への取組み 準拠 :「 サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン第 3.1 版 」 (GRI) 本報告書との対照表は、当社 Webサイトをご参照ください。 http://www.hitachi-cable.co.jp/about/publish/eco/2012.html 日立電線グループの概要 主要拠点(2012 年 3 月31 日現在) プロフィール 日立電線株式会社は、1956 年に株式会社日立製作所から 分離独立して以来、日立グループの中核を担う電線・ケーブル メーカーとして、 「エネルギー」と「 情報 」の分野で時代が求め る「 伝える」技術を追求し続けてきました。その事業領域は現 在、産業インフラ、電機・自動車部品、情報デバイス、金属材 料といった各分野へと拡大。情報伝送や電力供給を担う電 欧州 英国 ◆Hitachi Cable Europe Ltd. オーストリア ●Hitachi Cable Austria GmbH ウクライナ ●Akutron LLC 線・ケーブルをはじめ、各種機器の内部で電気信号などを伝達 するさまざまな材料および部品、各種情報通信ネットワーク機 器などを提供しています。これからも日立電線は、エネルギー や情報を、より速く、確実に、効率よく伝えるための多様な製 品・サービスを開発し、さまざまな分野へ提供し続けることで、 世界各地のお客様をサポートし、社会に貢献していきます。 会社概要(2012 年 3 月31 日現在) 商 号 日立電線株式会社(Hitachi Cable, Ltd.) 設立年月日 1956 年 4 月10 日 (創業 1918 年) 本社所在地 東京都千代田区外神田 4 丁目 14 番 1 号 資 本 金 25,948 百万円 従業員数 3,406 人(連結 14,142 人) 東南アジア タイ ●AHCL (Thailand) Co., Ltd. ●Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. ■HCAS Thai Trading Co., Ltd. シンガポール ●Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. ◆Hitachi Cable Asia Pacific (HCAP) Pte. Ltd. マレーシア ●Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. ●Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd. フィリピン ●Hitachi Cable Philippines, Inc. ●PHCP, INC. ベトナム ●Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd. 事業の状況(金額表示は、億円未満を四捨五入しています。) 売上高 営業利益(損失) (億円) (億円) 5,660 6,000 300 4,932 4,000 3,492 3,725 2,981 4,193 231 200 111 2,587 2,417 4,325 2,447 100 8 0 2,000 ▲35 ▲98 –100 ▲64 ▲50 20 ▲47 ▲147 0 2007 2008 2009 2010 2011(年度) –200 2007 2008 2010 2009 単独 連結 単独 連結 研究開発費 事業別売上高(連結・2011 年度) 販売会社 (億円) 422 (10%) 120 102 105 107 111 91 96 90 87 90 85 88 金属 材料事業 866 (20%) 914 (21%) 合計 4,325 (億円) 60 情報 デバイス事業 30 0 産業 インフラ事業 480 (11%) 2007 2008 2009 2010 2011(年度) 単独 連結 ※ 2011 年度(連結) には決算期統一の影響が含まれております。 3 | 日立電線 CSR 報告書 2012 電機・ 自動車部品事業 1,643 (38%) 2011(年度) ●上海日立電線有限公司 ●日立電線(蘇州)有限公司 ●日立電線(蘇州)精工有限公司 ●深圳日立電線有限公司 ●Giga Epitaxy Technology Corporation ◆日立電線(中国)商貿有限公司 ■Hitachi Cable Asia Ltd. ■大連保税区日立電線貿易有限公司 日本 北中米 ●東日京三電線株式会社*2 ●株式会社東日京三テクノス*2 ●日立アロイ株式会社 ●日立製線株式会社 ●日立ケーブルプレシジョン株式会社 ●日立電線ファインテック株式会社 ●日立電線ロジテック株式会社 ●日立電線ネットワークス株式会社 ●日立電線メクテック株式会社 ●日立マグネットワイヤ株式会社 ●東北ゴム株式会社 ●日立電線ラバーテクノロジー株式会社 ■日立電線商事株式会社 ■北海日立電線機販株式会社 アメリカ*1 ●Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. ●Hitachi Cable Manchester Inc. ◆Hitachi ◆Hitachi Cable America Inc. メキシコ ●HC Queretaro, S.A. de C.V. ●製造 ■販売 ◆ 地域統括 *1 2012 年 4 月1 日付けで、Hitachi Cable America Inc.はHitachi Cable Automotive Products USA, Inc.と Hitachi Cable Mancherster Inc.を吸収合併しました。 *2 2012 年 4 月1 日付けで、東日京三電線株式会社は株式会社東日京三テクノスを吸収合併しました。 当期純利益(損失) 従業員数 (億円) (人) 107 15,917 100 16,230 15,335 16,000 16,064 14,142 62 50 12,000 0 ▲92 ▲91 ▲115 ▲130 ▲388 –500 8,000 ▲228 ▲228 ▲538 2007 4,074 4,154 4,134 2008 2009 2010 単独 連結 地域別売上高(連結・2011 年度) 2011(年度) 0 2007 2008 2009 2011(年度末時点) 欧州その他 580 (4%) 北米 784 (6%) (6%) アジア (23%) 2010 地域別従業員数(連結・2011 年度末時点) 北米 1,005 3,406 単独 連結 欧州その他 93 (2%) 256 4,058 4,000 合計 4,325 (億円) 合計 日本 2,971 (69%) アジア 6,210 日本 14,142 6,568 (46%) (人) (44%) 日立電線 CSR 報告書 2012 | 4 日立電線グループのご紹介 中国 事業紹介 産業インフラ分野 事業紹介 卓越した技術力で、電力・通信のインフラ整備に貢献 日立電線は、 日本屈指の電線メーカーとして、 電力施設用から一般建設用・産業用に至るまでさまざまな電線・ケーブルを供給 しています。創業以来、蓄積してきた高い技術力と豊富な経験を活かして、 お客様に最適な製品を提案しています。 各種電線・ケーブル 難燃性ポリフレックス電線「MLFC*」 鉄道車両用電線・ケーブル キャブタイヤケーブル 新幹線用摩耗検知線入りトロリ線 メタル通信ケーブル * MLFCは、日立電線㈱の登録商標です。 ノンハロゲン特別高圧ケーブル 電機・自動車部品分野 小型・高性能・省エネルギーという時代のニーズに対応 日立電線は、電線・ケーブルの開発・製造で培った技術力・ノウハウを活かして、高性能巻線や極細同軸ケーブル、電源ハーネ ス、 ブレーキホースなどを開発・提供しています。これら高機能製品は、 エレクトロニクス機器や自動車電装品などの小型化・ 高性能化、省エネルギーに貢献しています。 機器用電線・配線部品 巻 線 高効率モータ用エナメル線 風力発電用巻線 自動車用部品 ほか 極細同軸ケーブル ハイブリッド自動車用電源ハーネス ブレーキホース ABSセンサ エスカレーター用ハンドレール 5 | 日立電線 CSR 報告書 2012 超音波診断装置用プローブケーブル PVワイヤー 最適な情報通信ネットワーク構築に向けたソリューションを提案 日立電線は、世界トップレベルのオプトエレクトロニクス技術や高周波・無線技術を活用して、通信事業者向けや民間・公共 向けの情報ネットワーク機器、携帯電話基地局や地上デジタル放送のアンテナシステムなど、情報化社会の根幹を支えるさ まざまな製品や技術、ソリューションを提供しています。また、ガリウムひ素化合物半導体のエキスパートとして基板からエピ タキシャルウエハまでを一貫生産するとともに、窒化ガリウム化合物半導体製品の拡充を進めています。 情報ネットワーク ワイヤレスシステム 光デバイス イーサネット* スイッチ「APRESIA* 」 (通信事業者向け) 地上デジタル放送用アンテナ 光アクティブケーブル イーサネット*1スイッチ「APRESIA*2」 (民間・公共向け) 携帯電話基地局用アンテナ 1 2 化合物半導体 ガリウムひ素化合物半導体 *1 イーサネットは、富士ゼロックス㈱の 登録商標です。 *2 APRESIAは、日立電線㈱の登録 商標です。 金属材料分野 「 高品質 」を実現する多彩な製品ラインアップを展開 日立電線は、電線・ケーブル製造によって培った銅をはじめとする各種金属の加工技術や、合金技術を駆使して多彩な製品 を開発・提供しています。銅条、銅箔、電気用伸銅品、リードフレームなど、産業界のニーズにきめ細かく応える材料をライン アップしています。 銅 条 電気用伸銅品 ほか リードフレーム 圧延銅箔 電気用伸銅品 半導体用リードフレーム 異形条 超電導線 パッケージ材料 2メタルTABテープ 日立電線 CSR 報告書 2012 | 6 日立電線グループのご紹介 情報デバイス分野 トップメッセージ 誠実な企業経営に努め、持続可能な 社会の実現に貢献します 7 | 日立電線 CSR 報告書 2012 ■ 社会の一員として、 常に「 基本と正道 」を歩みます 2011 年度は、東日本大震災直後の混乱のうちに始まり 当社グループでは、企業ビジョンに「 基本と正道 」を歩むこ ました。その後、復旧活動は比較的順調に進められたものの、 と、すなわち、国際社会の一員として社会と調和した誠実な 歴史的円高や夏の電力不足への対応など、日本企業にとっ 事業活動を行うことをうたっています。 て非常に厳しい経営環境にさらされた年となりました。 2011 年 1 月には、役員 ・ 従業員が遵守すべき行動ルー こうした経営環境の変化を受け、当社では、2011 年 9 月 ルを明示した「 日立電線グループ行動規範 」を制定しました。 に中期経営計画を見直し、新たな中期経営計画「リニューア その中では、法令遵守、環境保全、安全確保、人権尊重、情 ル・プラン“BRIDGE” 」を策定いたしました。「 高収益企業 「基 報セキュリティ管理といった項目についてルールを定め、 として復活を果たし、真のグローバル企業への変革を遂げる」 本と正道 」に基づいて役員 ・ 従業員一人ひとりが行動するこ という従来の基本方針を踏襲しつつ、目標達成に向けた主 とにより、その総和として企業の社会的責任を果たすことを 要施策として、 「 事業の選択と集中 」「 固定費圧縮 」「 製品 めざしています。 の競争力強化 」において、経営環境の変化に対応する新しい 一例として、使用電力削減への取組みがあります。2011 施策を追加して推進することにより、経営基盤の強化と事業 年度は、東日本大震災による原発停止に伴い夏場に電力需 構造改革を断行することといたしました。また、グローバル企 給が逼迫し、大きな社会問題となりました。当社グループは、 「 産業インフラ」「 電力イン 業への変革を遂げる施策として、 政府が発令した電力使用制限令に定められた削減値を超え フラ・次世代エネルギー」 「 情報通信インフラ」 を重点ターゲッ る目標を掲げ、グループ一体となり使用電力の削減に取り組 ト分野と位置づけるとともに、海外生産拠点の効率化の推進 んだ結果、その目標を達成し、企業市民としての責任を無事 や、成長著しい新興国市場を中心にインフラ需要を捕捉する 果たすことができました。 ことにより、グローバルな視点で高収益企業をめざしてまいり また、当社グループは、誠実な企業活動を行う中で、お客 ます。 様、株主 ・ 投資家の皆様、お取引先、地域社会等のさまざま 当社グループは創業以来、電線を中心とした社会インフラ なステークホルダーの皆様との双方向のコミュニケーションも に関連する製品を提供してまいりました。中期経営計画の実 日頃より推進しています。適切でタイムリーな情報開示を常 行により社会を支える企業として復活し、事業を通した社会 に心がけることにより、当社グループの活動と姿勢をご理解 貢献を実現していく所存です。 いただき、 「 基本と正道 」に基づいた透明で誠実な企業経営 に努めてまいります。 ■ 持続可能な社会の実現のために 当社グループは、持続可能な社会を実現するために、環境 に配慮した製品・サービスの提供や生産活動に伴う環境負荷 の低減、および生物多様性の保全に真摯に取り組んでいます。 製品・サービスおよびその提供までのプロセスについては、 環境配慮型設計の推進、お取引先と一体となった製品含有 最後に、本報告書は当社グループとステークホルダーの皆 様方とのコミュニケーションを図るツールの一つと考えていま す。今後も当社グループが持続可能な社会の実現に貢献で きる企業として進化を続けるために、皆様の一層のご理解と ご支援、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。 化学物質管理の徹底、生産プロセスにおける製造設備の継 続的な改善、製品輸送時のエネルギー低減、CO2 の排出量 削減などを推進しています。 また、生物多様性の保全についても、2011 年 3 月に「 環 境保全行動指針 」において生態系の保全に取り組む旨を明 示し、人類存続の基盤ともいえる生物の多様性を日頃の企 業活動で推進するとともに、国内外の各事業所・グループ会 執行役社長 社がそれぞれの地域と一体となって自然と生態系の保全につ ながる活動に取り組んでいます。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 8 日立電線グループのご紹介 ■ 中期経営計画を完遂し、 高収益企業として復活を果たします CSR マネジメント 特集 「情報セキュリティへの取組み」 情報セキュリティ推進体制・方針等 日立電線グループでは、情報セキュリティ基本方針を定 また、日立グループの情報セキュリティに関する知見や情 め、情報資産の適切な保護・管理により、その機密性、完全 報インフラを必要に応じて活用し、当社グループの情報セ 性、可用性を確保し、事業上の損失、社会的信用の失墜を キュリティレベルの一層の向上に努めています。 防ぎ、従業員が安心して執務ができる環境づくりをめざして います。 推進体制としては、IT 本部長を委員長に、法務部門、営業 部門、調達部門等の関係部門の代表者を委員とする情報 セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する方 情報セキュリティ推進体制図 推 進 組 織 針・施策等を決定しています。また、情報セキュリティ委員会 で任命された情報セキュリティ主務者を通じて諸施策を確 実に展開・実施する体制を構築しています。海外グループ会 社でも、国内グループ会社と同等の取組みレベルをめざし [委員] 営業統括本部、 技術開発本部、 法務部、 IT 本部、調達センタ、 人材開発センタ、総務部 代表者 情報セキュリティ責任者 (各本部長、 各グループ会社社長) での決定事項は、通達や各本部・各グループ会社の情報セ キュリティ責任者を通じて全社に周知するとともに、各職場 情報セキュリティ委員会 [委員長]IT本部長 管 理 実 行 組 織 た情報セキュリティ対策の継続的な運用・維持・改善を推進 個人情報 統括管理責任者 (法務部長) 情報資産管理者 (各部職制) 情報セキュリティ 主務者 しています。 情報システム管理者 (IT本部 部長) 情報セキュリティを向上させるための ルール等の展開、調査、監査のとりまとめ 情報セキュリティ施策 当社グループは、情報セキュリティに関するさまざまなリ ような各種対策を講じています。特にメールセキュリティに スクを回避するための対策を実施しています。 ついては、外部からの脅威と内部で発生する脅威に備え 主な実施施策として、パソコンセキュリティ、ネットワー て対策を講じています。 クセキュリティ、サーバーセキュリティ等について、以下の ■パソコンセキュリティ対策 ■ネットワークセキュリティ対策 ■サーバーセキュリティ対策 ●パソコン内保存情報の保護 ●ファイアーウォールによる社外接続の分離 ●堅牢なデータセンターへの集約 ●パソコンのウィルス対策 ●インターネットからの不正アクセスの監視 ●ウィルス対策 ●可搬型媒体の管理 ●社外公開 Web サーバーのセキュリティ診断 ●セキュリティパッチの適用 ● IT 資産の管理 ●インターネット利用時のウィルスチェック 外部脅威(標的型攻撃メールを含む) と内部脅威に対する情報セキュリティ施策 近年、サイバーテロと呼ばれる、ネットワークに対する不 ウィルス対策ソフトによるウィルスの検出・排除を実施して 正侵入、改竄、情報漏えい等により、企業や社会全体が深 います。また、社外メールと社内メールの区別をメール利 刻な被害を受ける事例が頻発しています。こうした情報セ 用者自身ができるようにすることで社外メールの受信に対 キュリティへの脅威に、先手を打って対策を施すことが重 し注意を促す仕組みをつくっています。標的型攻撃メール 要な課題となっています。 対策では、脅威となるメールの特徴を周知し、不審なメー まず、外部脅威としては、コンピュータウィルスの侵入、 ルを開かないなど、人的面での対策を重視しています。出 スパムメール、標的型攻撃メールといったものが考えられ 口対策としては、潜んだウィルスによるインターネットへの ます。当社では、入口対策として、スパムメールの排除や 異常アクセスがないかを監視しています。 9 | 日立電線 CSR 報告書 2012 内部脅威としては、コンピュータウィルス拡散、不用意な メールによるウィルスの拡散や顧客情報流出といったよう 取り扱い等による情報漏えいなどがあります。これらにつ な重大事故は起きておりません。今後も、重大事故はもと いては、eラーニングなどを活用し、日々、従業員の意識向 より、軽度の事故ゼロをめざし、情報セキュリティ活動を推 上を図っています。 進していきます。 当社グループでは、2012年7月現在までに、標的型攻撃 外部脅威(標的型攻撃メールを含む)と内部脅威に対する情報セキュリティ施策 入口対策(ウィルス感染防止) に加え、出口対策(情報漏えい防止) の施策を強化し、 かつ連携して攻撃対策を実施します。 インターネット 入口で監視し スパムメールやウィルスを 検出・排除 入口対策 出口でウィルス感染 パソコンの情報流出動作を 監視し、流出をブロック 出口対策 すり抜けた ウィルス等 インターネット閲覧 ウィルスは機密情報を流出 させようとインターネットアクセス メール受信 ウィルス感染 機密情報 機密情報 パソコンに潜んだウィルスが社内の機密情報を密かに収集 情報セキュリティ強化月間の設置 当社グループでは、2008年度より毎年2月を情報セキュ ナー向上を図るマナーアップ運動、eラーニングによる啓 リティ強化月間とし、 強化月間中に集中して施策を推進すリティ施策 発・教育、データや机上・キャビネットの秘密文書等を中心 外部脅威(標的型攻撃メールを含む)と内部脅威に対する情報セキュ 入口対策(ウィルス感染防止) に加え、 出口対策 (情報漏えい防止) の施策を強化し、 ることにより、 従業員の情報セキュリティに関する意識向 に整理・整頓するクリーン・ウィークを実施しています。 かつ連携した攻撃対策を実施します。 上を図っています。月間の行事として、情報セキュリティ 出口で監視し ウィルス感染パソコンの検出や インターネット 委員長の構内放送や通達による趣旨の徹底、 朝礼用資料 流出をブロック また、情報セキュリティに関するeラーニング受講率は 毎年 90% 以上を維持しています。 の配布、社内広報誌への掲載、インターネットの利用マ 入口対策 出口対策 2011 年度の情報セキュリティ強化月間の行事 インターネット ウィルスは機密情報を ●社長メッセージ (イントラネットによる情報セキュリティ ●マナーアップ強調運動の実施 閲覧 社内ネットワーク 流出させようと 強化メッセージの配信) ●情報セキュリティ教育 インターネットアクセス ●情報セキュリティ通信 全 4 回の発行 「 標的型攻撃メールへの対策と心構え 」の実施 メール受信 ●社内広報誌による PR ウィルス感染 ●クリーン・ウィークの実施 機密情報 災害時の情報セキュリティの取組み 機密情報 パソコンに潜んだウィルスが社内の機密情報を密かに収集 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災では、茨城 的に供給され、基幹システムの稼働が健全に保たれまし 県および東北地方に所在する当社グループ生産拠点や た。設備面でのリスク対策が功を奏したといえます。 営業拠点が被害を受けました。しかし、情報システムに関 また、当社グループのデータセンターは、建築・空調・制 しては、データセンター、メール /イントラネットシステムの 御・ITを総合的に連携させる独自の技術により、エネル 震災による停止はなく継続稼働し、メインフレームも異常 ギー効率を最大化するシステムを採用しており、その省エ なく稼働するなど、被害は発生しませんでした。当社グ ネレベルは業界トップクラス(PUE:1.19)となっています。 ループのデータセンターは津波や河川洪水に影響を受け 当データセンターは、データセンターのエネルギー効率改 にくく、立地条件の良い地盤の上に、震度 7 程度にも耐え 善において優れた取組みを行った企業/団体に与えられ られる設計で設置しています。東日本大震災時には大き る「 グリーン・グリッド データセンター・アワード2011」 な揺れにも耐え、また、周辺地区では停電・断水が発生し 特別賞を受賞しました。 ましたが、データセンター用の自家発電により電力が継続 日立電線 CSR 報告書 2012 | 10 マネジメント 社内ネットワーク C S R CSR マネジメント CSR マネジメント 日立電線は創業以来、企業活動を通して社会に広く貢献することをめざしており、企業活 動そのものが CSRであると考えています。 CSR の基本姿勢 当社では、2005 年 4 月よりCSR 推進室を設置し、当社 CSRを私たちの行動基準の柱に据えています。 グループ個々の活動成果をCSR の視点から一元的に取り さらに、企業ビジョン「『 伝える 』をきわめる」を達成する まとめることで、全体としてのレベルアップを図っています。 ために、お客様に提供すべき価値をまとめたバリューの中で また、当社グループでは、果たすべき使命と役割を十分に も、 「『 基本と正道 』を歩みます」と宣言するとともに「 基本 認識し、真にグローバル企業として将来にわたり発展を続 と正道 」を歩むために、役員・従業員が遵守すべき行動ルー けていくことを目的に、企業行動基準を定めています。この ルを行動規範として明示しています。 中で、基本理念として「 企業が社会の一員であることを深く 加えて、役員・従業員が CSR 活動への認識を高め、一人 認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境と ひとりの日常業務が CSRに直結していることを自覚させる の調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民とし ために、CSR 活動取組方針を制定しています。 て真に豊かな社会の実現に尽力する 」ことを謳っており、 日立電線グループ行動規範 以下の項目について役員・従業員が遵守すべき行動ルールを明示し、 「 基本と正道 」を実践しています。 1. 誠実で公正な事業活動 3. 社会との関係 5. 経営基盤 高品質で安全性の高い製品・サービス 企業情報の開示 情報の管理と利用 の提供 地域社会への貢献 内部情報の利用とその留意点 営業活動 政治・行政との関係 社会資産の管理と保全 調達活動 反社会的取引の防止 従業員の力を引き出す環境の整備 日立ブランドおよび日立電線ブランドの 贈物、接待などについて 輸出入関連法令の遵守 尊重 各国・各地域の文化・習慣の 技術者倫理の遵守 尊重と法令遵守 2. 環境の保全 4. 人権の尊重 環境経営の推進 人権の尊重に向けて 環境に配慮した事業活動・環境管理の推進 差別の撤廃 ステークホルダーとの対話 情報管理に伴う人権の尊重 6. 行動規範の遵守の仕組み ルールの徹底 自己チェック コンプライアンス通報制度 7. 経営トップの責任 労働における基本的権利の尊重 2011 年 1 月施行 11 | 日立電線 CSR 報告書 2012 日立電線グループ CSR 活動取組方針 1. 企業活動としての社会的責任の自覚 日立電線グループ全役員および全従業員は、企業の社 会的責任(CSR)が企業活動そのものであることを自覚 し、社会および事業の持続的発展を図るべく、本取組方 針に基づいて、社会的責任を果たしていきます。 2. 事業活動を通じた社会への貢献 優れた研究・技術・製品開発を基盤とした事業活動によっ て、安全かつ良質な製品・サービスをお客様に提供すると ともに、豊かで活力のある社会の構築に貢献します。 3. 情報開示とコミュニケーション 日立電線グループを取り巻く多様なステークホルダーと を通じてステークホルダーへの責任ある対応を行います。 4. 企業倫理と人権の尊重 文化や道徳観、倫理や法体系等が多様であるグローバル 環境と調和した持続可能な社会の実現に向けて、環境 に与える負荷を低減し、限りある資源の有効活用を行い ます。 6. 社会貢献活動の推進 良き企業市民として、より良い社会を実現するため、社 会貢献活動を積極的に推進します。 7. 働きやすい職場づくり すべての従業員にとって働きやすい、やりがいのある職 場づくりに努めるとともに、仕事を通じた自己実現や自 己成長を図ることのできる、意欲ある従業員を積極的に 支援します。 8. ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化 すべての取引先に協力を求めて、社会的責任意識を共 有化し、公正、かつ健全な事業活動の推進に努めます。 な事業環境において、公正で誠実な事業活動を行うとと もに、人権の尊重および高い企業倫理に基づいた行動を 2006 年 12 月制定 とります。 ステークホルダーとのかかわり 当社グループの事業は、多様なステークホルダー (利害関 業員 」「 社会・地域社会 」ととらえ、これらのステークホル 係者)の皆様とのかかわりによって成り立っています。当社 ダーからの要請・期待にお応えし続けていくことで、CSR 活 グループでは事業活動に特にかかわりの深いステークホル 動を進化させていきます。 ダーを主に「お客様 」 「 調達取引先 」 「 株主・投資家 」 「従 お客様 社会 / 地域社会 ●法令の遵守 ●地域の方を対象とした工場・事業所見学会 ●地域イベントへの参画 ●従業員によるボランティア活動 ●マスメディアへの情報提供 ● NPO 等との協働 など ●日常の営業活動 ●ホームページへのお問い合わせ対応 ●特約店等への各種説明会 ●製品展示会 など 調達取引先 ●日常の調達活動 ●各種サプライヤー説明会 ●品質・環境監査 ●安全活動支援 など 従業員 ●各種労使協議会 ●社内報の発行 ●目標管理制度・自己申告制度 ●改善提案制度 ●イントラネットでの各種制度、福利厚生案内 ●中期経営計画・予算等各種説明会 など 株主・投資家 ●株主総会 ●決算説明会、投資家向け説明会 ●アニュアルレポート、株主通信の発行 ● Web サイトでの情報開示 など 日立電線 CSR 報告書 2012 | 12 C S R マネジメント の信頼関係を維持・発展させるため、公正で透明性の高 い情報開示を行うとともに、さまざまなコミュニケーション 5. 環境保全活動の推進 CSR マネジメント CSR中期目標および計画と実績 「 日立電線グループ CSR 活動取組方針 」に基づいた中期的な目標・課題を策定し、 グループ一丸となってCSR 活動に取り組んでいます。 日立電線グループ CSR取組方針 テーマ コーポレート・ ガバナンス 情報セキュリティ 中期目標・課題 グループ全体の企業統治(内部統制)システ ムの継続的な改善 ●持分法適用会社に対する内部統制評価方法の見直しと強化 グループ全体で情報セキュリティ教育・啓発 を強化・徹底 ●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続 - ヒューマンエラー(紛失・盗難、誤送信など)教育 - 標的型攻撃メールへの対策と心構え ● 情報セキュリティ関連規程の見直し・整備 ● 情報漏えい対策を中心としたセキュリティ施策の強化 - 社外公開サーバーのセキュリティ強化 ●ソフトウェア管理ルールの厳格化と定着 リスク管理体制の強化 ● 大地震災害に対する事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の 見直しと、事業部別・グループ会社別BCPの策定 ●防災時用備蓄品(食糧・飲料水等)の確保 輸出管理審査の精度向上と管理体制の充実 ● 国内13箇所、海外8箇所にて営業・工場・グループ会社に対し監査を実施 ● 国内・海外延べ28箇所計404人に対し輸出管理教育を実施 CSRの意義およびCSRが企業活動そのも のであることの自覚促進 ●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施 ●日立電線グループ行動規範eラーニング実施(国内連結会社対象) 全社的な品質改善活動の推進 ●3ヵ年計画の全社品質活動「QF21(Ⅲ)運動」を実施(3年目の活動) 日立電線同期生産方式の拡大・浸透 (国内・海外グループ会社への展開) ●当社工場6拠点すべてにおいて同期生産活動を継続実施 ●国内グループ会社で同期生産活動を継続実施 ●東南アジアグループ会社2社で同期生産活動を継続実施、さらに北米地区に おいてモノと情報の流れ改革を展開 情報開示の公正性・公平性・正確性の向上 ●社外向けWebサイトおよび製品ニュースリリース作成に関する社内ルール制定 情報開示内容の継続的な改善 ●「CSR報告書2011」においてGRIガイドライン アプリケーション・レベル「B」 を継続取得 IR活動の継続的な拡充 ●海外機関投資家訪問を実施(英国) ●中期経営計画の見直し内容説明会の開催 リスク管理 2. 事業活動を通じた 社会への貢献 3. 情報開示と コミュニケーション 品質管理 情報開示 コンプライアンス体制・組織および活動の強化 内部監査の確実な実施 4. 企業倫理と 人権の尊重 5. 環境保全活動の 推進 6. 社会貢献活動の 推進 コンプライアンス ●内部統制モニタリング、内部監査等による当社グループへの指導および改善支援 ●当社グループへのeラーニング等による教育・啓発活動の実施 J-SOX法への対応 1. 企業活動としての 社会的責任の自覚 教育啓発 2011年度の実績 グループ会社全体でのコンプライアンスの 推進 ● 営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の実施と競争法ハンドブックの整備 ● 国内外の公務員等への贈賄防止実務運用の展開(手順書の整備と説明会の実施) ● 全社(国内グループ会社を含む)の階層別教育、営業部門等を対象とした独占 禁止法研修の実施 コンプライアンス通報制度の適切な運営 ●日立電線グループ行動規範のeラーニング受講および誓約書への署名 人権の尊重 人権啓発研修の実施 ● グループ会社社員を含めた階層別研修等の実施(25回) 環境保全 P.45 ∼P.46「環境行動計画と実績評価」を参照 地域社会との 共生 地域社会とのコミュニケーション強化 ●震災被害に対する支援活動 ●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続 ●地域の祭りへのボランティア継続 ● NPOを通じたエコキャップ運動の継続 ●地域の小中高生を対象とした工場・事業所見学の受入れ ●マラソン部、バスケットボール部による地域スポーツ支援を実施 安全衛生 7. 働きやすい 職場づくり ワーク・ライフ・ バランス ダイバーシティ 8. ビジネスパートナー との社会的責任意 識の共有化 調達取引先との 協働 13 | 日立電線 CSR 報告書 2012 安全で快適な職場づくりに向けた施策の継 続実施 ●国内連結製造グループ会社 休業災害度数率0.34(2010年度0.25) メンタルヘルスケア対策の充実 ●ストレスコーピング研修の本格展開 ●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援実施 働き方の見直しによる仕事と家庭生活の両 立 ●第三次次世代育成支援計画に基づく育児支援制度の充実 (育児による短時間勤務期間および育児休職期間の延長等) 障がい者雇用の促進と定着(グループ連結 での法定雇用率達成) ● 障がい者雇用率→【連結】1.95% 【単独】1.87% (前年比 連結-0.03% 単独+0.06%) 女性の新規採用促進と職域拡大 ● 女性新卒採用比率→13.6% (前年比 +7.9%) 外国籍従業員雇用の促進 ●外国籍従業員数→28名 (前年比-4名) サプライヤーとの連携によるCSR意識共有 ●環境CSR用共通仕様書の策定およびWebへの公開(2011年12月) CSR購買(環境基準および社会性基準の 要請)の推進 ●A Gree’ Netシステムの取引先説明会開催(2011年11月)。出席447社 561名 ●グリーン調達基準書の制定およびWeb公開(2011年11月 日本語版) ★★★……達成 ★★……一部達成 ★……不十分 自己評価 ★★★ 参照ページ P.15∼16 2012年度の計画 ●内部統制モニタリングの重点化・効率化 ●自己監査実施の徹底およびサポートによる自己改善能力の強化 ●事業再編に伴う内部統制評価対象範囲の見直し ★★★ P.9∼10, 18 ●内部監査における、情報セキュリティ・チェック詳細化と対象組織拡大(社内管理・研究・営業部門) ●従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発活動の継続 ●情報セキュリティ関連規程の見直し・整備 ●社外公開サーバーのセキュリティ強化の継続 ●ソフトウェア管理ルールの周知徹底と運用管理の定着 ★★ P.16 ●大規模地震を想定した事業継続計画のブラッシュアップ、対策本部体制、機能等再整備、 全従業員を対象に安否確認サービスの導入(2012年4月より) ●耐震対策の見直しおよび優先度の高い建物に対する対策の実行 ●防災用備蓄品整備の強化 ★★★ P.18 ●監査、教育による輸出管理意識の向上と実務の徹底(国内14箇所、海外9箇所を予定) ★★★ P.11∼12, 17 ●全社階層別教育や新入社員教育における「CSR教育」の実施 ★★ ★★★ P.21 ●「QF21(Ⅲ)運動」の1年延長(継続し、最終年度として活動) P.21∼24 ●当社工場及び国内グループ会社において同期生産活動を継続実施 ●これまでの活動に加え、全体最適視点での情報とモノの流れの同期化・スピードアップに重点をおいた 「SCM(Supply Chain Management)・生産システム改革」を推進 ●情報とモノの流れ改革を東南アジアグループ会社2社および北米地区において継続実施、更に中国グループ会社1社に横展開 ★★★ ★★★ ● SNS(Social Networking Service)に関するガイドライン、利用規則の制定 P.26∼27 ★★★ ★★★ ●「CSR報告書2012」において第三者意見の導入 ●投資家向け開示情報の継続的拡充 ●海外投資家訪問を実施(英国) ●IR取材・機関投資家訪問等の積極的実施 ●中期経営計画に連動した事業説明会等を実施 P.17 ●コンプライアンス推進体制・組織の強化 ●独占禁止法、贈賄防止、反社会的取引の防止に関する規則・ガイドラインの改訂による実効性の向上 ●営業コンプライアンス監査(独占禁止法関係)の継続的実施 ●コンプライアンス教育の継続的実施 P.28 ●2013年度までに全従業員の受講完了をめざす ●日立電線グループ人権方針策定 ★★★ ★★★ ★★ P.33∼36 ●当社グループ社員による地域清掃ボランティアの継続 ●地域の祭りへのボランティア継続 ●NPOを通じたエコキャップ運動の継続 ●地域の小中高生への工場・事業所見学受入れの継続 ●バスケットボール部による地域スポーツ支援継続 ★ P.31 ●休業災害ゼロの達成 ★★ P.32 ●ストレスコーピング研修の実施(継続) ●不調者へのカウンセリング、休業者への復帰支援の充実 ★★ P.30∼31 ●メリハリある働き方の実現に向けた取組み ●多様な働き方に関する制度の利用率向上とそれに向けた社内PRの拡充 ★★★ ★★★ ●障がい者雇用の促進と定着(グループ連結での法定雇用率達成) P.29∼30 ★ ●外国籍従業員雇用の促進 ★★★ ★★★ ●女性の新規採用促進と職域拡大(特に総合職は20%を目標) P.25 ●機密情報管理徹底確認書による情報漏えい防止活動 ●A Gree’ Netシステムの実運用定着化(サプライヤー登録および使用方法教育) ●グリーン調達基準書英語版・中国版のWebへの公開 日立電線 CSR 報告書 2012 | 14 C S R マネジメント ★★★ CSR マネジメント コーポレート・ガバナンス 日立電線は、法令や日立グループの運営方針などを踏まえながら、コーポレート・ガバナン ス体制の充実を図り、公正で透明な経営に取り組んでいます。 基本的な考え方 当社は、法と正しい企業倫理並びにCSR の重要性を踏 は、事業の運営にあたり、親会社である株式会社日立製作 まえ、事業の持続的発展を図ることをコーポレート・ガバナン 所からの自立性を保っており、また、当社の事業活動は、日 スの基本に据え、これを経営上の最重要課題の一つである 立グループとの取引に大きく依存する状況にはありません。 と考えています。この基本方針のもと、経営の意思決定の 併せて、当社の取締役には、株式会社東京証券取引所およ スピードをさらに迅速化し、経営の透明性を一層向上させる び株式会社大阪証券取引所に対し独立役員として届け出 ため、委員会設置会社の形態を採用し、経営の「 執行 」と ている社外取締役 1 名が就任しており、第三者的な見地か 「 監督 」の両機能を明確に分離しています。 らの多様な意見を取り込むことにより、取締役会における なお、株式会社日立製作所およびそのグループ会社(以 意思決定プロセスの客観性および独立性を高める体制を整 下、 「 日立グループ 」という)は、当社の総株主の議決権の えています。 52.8%(2012 年 3 月末日現在)を所有しています。当社 コーポレート・ガバナンス体制 コーポレート・ガバナンス体制図 選任 株主総会 選任 取締役会 指名委員会 報告 報酬委員会 監査委員会 選任・監督 報告 代表執行役・執行役 執行役会 事業戦略会議 指揮・命令 指示・報告 リスク 管理委員会 事業報告会 CSR推進室 監査室 インターナル・ コントロール 委員会 コンプライアンス 委員会 報告 15 | 日立電線 CSR 報告書 2012 会計 監査人 経営の監督機能と業務執行機能 内部統制システムは、 「 監督 」機関である取締役会で定 図るため、執行役会、事業戦略会議および事業報告会を設 めた基本方針に基づき構築・運用しています。取締役会は、 けています。執行役会および事業戦略会議は、執行役の業 経営の基本方針などの決定と監督に徹し、業務の決定・執 務執行の決定における諮問機関です。執行役会では、取締 役会から執行役に委任された業務(事業戦略会議に係るも のを除く)の決定における諮問を行うとともに、全社的方針 る指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置し、取締役 等の周知徹底や各執行役の業務の執行状況に関する情報 会の監督機能の一翼を担っています。監査委員会は原則と 共有を行うことを目的とし、事業戦略会議では、事業部門ご して毎月、指名・報酬委員会の各委員会は必要の都度、開 との経営戦略、事業計画等の重要事項の決定における諮問 催されています。なお取締役会を構成する8 名の取締役の を行うことを目的としています。事業報告会は、事業部門ご うち社外取締役は3 名で、また、取締役会の議長を務める との業績報告および事業課題の把握とその対応策の進捗 取締役会長は、執行役を兼務していません。 管理を行う協議機関です。 また、執行役の業務執行の決定および実行管理の充実を 役員報酬制度 取締役および執行役の報酬は、報酬委員会が定める方 業績、管掌部門業績、個人業績を役位別に定める構成比に 針に基づき、同委員会で個別に決定されます。取締役の報 応じて、中期経営計画、予算その他の目標達成状況により 酬は月俸および期末手当で構成されます。執行役を兼務す 決定されます。 る取締役には、取締役としての報酬は支払われません。執 2011年度の年間報酬総額は、取締役(社外取締役を除 行役の報酬は月俸および業績連動型報酬で構成されます。 く)127 百 万 円、社 外 取 締 役 24 百 万 円、執 行 役 487 業績連動型報酬は、執行役に対する賞与として、当社連結 百万円となりました。 監査機能、内部統制システム 内部監査・内部統制への対応としては、専任 7 名、兼務 監督を行っています。加えて、内部統制システムの方針、計 35 名からなる監査室を設置し、当社各部門および連結子 画、運用、手続きなどの決定とシステムの有効性に関する評 会社の業務の適法性、妥当性についての計画的な監査や内 価結果の審議・承認を行うインターナル・コントロール委員 部統制を推進しています。さらに、コンプライアンス推進室 会を設置しており、財務報告の適正性・信頼性を確保する体 ( 専任 2 名、兼務 12 名)が、法令および企業倫理の遵守と 制を整備しています。 いう観点から、当社各部門および連結子会社に対し教育お 会計監査人は、監査委員会において監査報告を行い、監 よび監査を行っています。また、監査委員会は、これらの内 査委員や同席する監査室長と相互に意見交換をすることに 部監査の状況を監視・検証するとともに、取締役および執行 より、監査の連携を高めています。 役の職務の執行状況を適宜報告させることにより、経営の リスク管理 当社は、リスク管理に関する方針の決定、リスクへの対応 め、当社の事業活動は、種々の要因の影響を受ける可能性 および再発防止策等、リスク管理に関する情報の共有を目 があります。その主要なものは、①市場の需要動向、政治 的とし、執行役会の下部組織として、執行役社長を委員長 経済情勢の変動、②原材料等の価格変動および調達、③為 とするリスク管理委員会を設置しています。ここではリスク 替相場の変動、④事業再編等の実行、⑤製品事故、品質問 の抽出、評価、予防、低減を図っています。 題、⑥新製品開発、⑦法令および公的規制、⑧知的財産 当社グループは、さまざまな製品およびサービスを、多種 権、⑨情報セキュリティ、⑩大規模災害・感染症災害、⑪退 多様な国内外の市場に供給しています。また、事業を遂行 職給付債務、⑫親会社との関係、の 12 項目です。 するために高度で専門的な技術を利用しています。そのた 日立電線 CSR 報告書 2012 | 16 C S R マネジメント 行の権限を執行役に大幅に委譲しています。また、取締役 会には、社外取締役 2 名を含む各 3 名の取締役で構成され CSR マネジメント コンプライアンス/情報保護 コンプライアンス 日立電線グループのバリューの一つとして「 基本と正道 」を歩むことを掲げ、コンプライアンスが当社 グループの事業活動の前提であり、全役員、全従業員がこれを遵守すべきことを明確にしています。 コンプライアンス推進体制・施策 当社は、推進体制の強化を目的として 2009 年にコン 係各部門と協力してコンプライアンス諸施策を精力的に プライアンス推進室を設置するとともに、執行役社長を 展開しています。なお、2011 年度は、 「 日立電線グループ 委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に開催し 行動規範 」 「 日立電線グループ・ビジネス倫理の手引き 」 て、法令遵守・企業倫理に関する基本方針、教育、監査等 を教材とした教育・啓発活動を国内外で推進し、その受講 に関する事項を審議・決定することとしています。そし 者数は、18,059 名 (国内 9,096 名、海外 8,963 名) とな て、コンプライアンス推進室が中心となって、法令および りました。また、管理・事務職員(5,596 名)からは「 日立 企業倫理に則った企業活動のための啓発、監査および指 グループ行動規範 」の内容を遵守していくことを誓約し 導を実施しています。企業に対する社会的要請に合致し た 「 教育受講確認書兼誓約書」 を提出してもらっています。 た事業展開が推進できるように、監査室や法務部等の関 コンプライアンス教育 コンプライアンス教育は、全社(国内グループ会社を含 別教育においてコンプライアンス教育を計13 回実施し む)の階層別教育、営業部門等を対象とした独占禁止法研 たほか、営業部門(国内グループ会社を含む。 )に対するコ 修等、さまざまな機会を捉えて実施しています。さらに、 ンプライアンス監査時に、マネージャー以上を対象に独 当社グループの基本理念や企業ビジョン、行動規範をま 占禁止法研修を実施しました。また、2011 年度は、新た とめた「 日立電線グループ・ビジネス倫理の手引き 」を日 に国内外の公務員等への贈賄防止を目的とした実務手順 本語版、英語版、中国語版で作成し、海外のグループ会社 書を作成し、説明会を実施したほか、競争法ハンドブック を含めて全グループ会社の従業員に配布し、コンプライ を整備し、営業コンプライアンス監査時の独占禁止法研 アンス意識の周知徹底を図っています。 修に活用しました。 2011 年度は、全社(国内グループ会社を含む)の階層 コンプライアンス通報制度 社内の自浄作用を補完するために、2003 年 10 月か コンプライアンス通報制度の通報先 らコンプライアンス通報制度を運用しています。当社お ■ 社内の窓口 よびグループ会社従業員だけにとどまらず、お取引先等 □ 書類郵送先 の外部関係者の方も、当社グループの企業活動等で違法 行為・不適切行為が存在すると認識すれば、誰でも当社 コンプライアンス推進室または社外通報先として委嘱し た弁護士に直接通報することができます。なお、独占禁 止法関係については、匿名による通報も受け付けるべく、 2009 年に制度の拡充強化を図りました。 17 | 日立電線 CSR 報告書 2012 〒101-8971 東京都千代田区外神田 4-14-1( 秋葉原 UDX) 日立電線株式会社 コンプライアンス推進室 □ メールアドレス [email protected] ■ 社外の窓口 □ 書類郵送先 〒100-6310 東京都千代田区丸の内 2-4-1 丸ビル 10 階 岩田合同法律事務所 藤井正夫弁護士 □ FAX 番号 :03-3216-3222 □ メールアドレス:[email protected] ご通報の際にいただいた個人情報については、 「 日立電線個人情報保護方針 」 に従い厳重に管理し、ご通報の内容に関する調査およびご報告以外の目的に は一切使用いたしません。 輸出管理 当社は、直接・間接の輸出案件における輸出管理関連法 2011 年度はグループ内の輸出管理を確実なものにす 令の遵守、取引先の違法行為からの防護、国際安全保障に るために実施する内部監査を計 21 部門で実施するとと もに、年々高度化する社会的要求に適切に対応していく ために、2012 年度から適用する管理体制および規程類 輸出管理室を設置し、当社および国内外のグループ会社 の見直しを行いました。当社は、今後も国際安全保障にお への輸出管理体制の整備構築指導、監査、教育、啓発活動 ける企業の社会的責任を果たすために万全の取組みを継 を推進することで、輸出管理体制の強化を図っています。 続してまいります。 C S R マネジメント おける CSR 要求への対応の徹底を図ることを輸出管理 の基本と考えています。代表執行役副社長を室長とする 情報保護 情報セキュリティ 当社グループでは、 「 情報セキュリティ基本方針 」や「 日 間 」を設け、意識向上を図っています。2011 年度は社会 立電線個人情報保護方針 」をはじめとする情報セキュリ 的に問題となった標的型攻撃メールへの注意喚起や出口 ティや個人情報保護に関する各種規則・規程を策定し、全 対策など、時事的な情報セキュリティ脅威についても対 従業員への周知、徹底を図っています。 策を行いました。 情報セキュリティ管理体制の推進においては、2004 さらに当社グループは、情報漏えいリスクの削減に向 年度より情報セキュリティ委員会を設置し、個人情報、お け、情報ネットワークを含むコンピュータ・システム、人 客様等から受領した機密情報をはじめとする社内および 的運用、物理的環境の 3 つの側面からさまざまな情報セ 社外の重要情報を適切に管理するための規則やシステム キュリティ対策を計画的に実施しています。 の整備、教育ツールの提供などの活動を行っています。 情報セキュリティへの取組みの詳細は P.9 ∼ 10 の特 また、さまざまな情報セキュリティ教育・啓発活動を推 集をご覧ください。 進しており、その一環として「 情報セキュリティ強化月 知的財産の保護 当社は、 「 研究・開発を通して生み出される知的財産を する特許などの調査を研究・開発段階で行うことを社内 適切に保護し、事業に活かすこと 」および「 他社の知的財 規則で定め、権利を侵害しない製品開発に努めています。 産権を尊重すること 」を知的財産の保護に関する基本方 他社の知的財産権を使用する場合は事前に先方と交渉の 針に掲げています。 上、ライセンスを取得しています。 知的財産の適切な保護および活用のために、EPD* 活 また、従業員に知的財産の保護の意識を浸透させるた 動により、事業に役立つ有効発明の創生を推進するとと め、職位に応じた知的財産教育を継続的に推進しており、 もに、独自性が高く、自社製品の技術を広範にカバーして 特許権の取得知識や、自社および他社技術の権利範囲を いる強い知的財産権を国内外で確保しています。また、事 的確に理解し外部からの権利侵害などに対処する他社特 業のグローバル化に伴い米国、中国、その他アジア等への 許対策能力の向上を図っています。 海外出願を積極的に推進しています。 (*EPD:Effective Patent Development) 一方、他社の知的財産権を尊重するために、他社の保有 日立電線 CSR 報告書 2012 | 18 社会への取組み 特集「営業体制の再編〜 お客様とのかかわり」 電線業界および日立電線のビジネス形態の特徴 電線産業は、国内では明治時代に興り、電力、電話線、 ルートが複雑なことが特徴です。 建物設備配線といったインフラ用途において徐々に市場 また、他の電線メーカーが大手の独立系販売会社を介 が広がり、その後車両用、長距離通信用、機器内配線用と して販売網を構築したのに対し、当社は直接販売および自 用途が拡大していきました。電線業界は、百数十年の歴史 社系列の販売会社による営業活動が販売網の中心となっ をもつ業界であることに加え、電気を使用するあらゆる業 ている点に特徴があります。 種とかかわりがありお客様の裾野が広いことから、販売 営業体制再編の意義と取組み 当社グループでは、中期経営計画「リニューアル・プラン “BRIDGE” 」で掲げた「 経営基盤の強化と事業構造改革 」を もに、当社本体の営業機能の一部も日立電線商事に移管 しました。 実現する施策の一つとして、国内営業体制をスリム化する さらに2012 年 4 月1 日付で、製造子会社である東日京 とともに、成長が続く海外市場へ注力することとしました。 三電線、日立アロイ、東北ゴムの営業機能も日立電線商 従来、当社グループの国内営業体制 * は、親会社である 事に移管したことにより、実質的に当社と日立電線商事の 当社、販売会社である日立電線商事株式会社、日立電線 2 社に営業機能を集約した新体制となりました。 1 販売株式会社、北海日立電線機販株式会社、製造会社で 新体制下では、当社営業部門が海外も含めて新規事業 ある東日京三電線株式会社、東北ゴム株式会社、日立ア の創出、新製品拡販といったお客様の期待を具現化する ロイ株式会社 ( 以下、日立電線商事、日立電線販売、北海 メーカー営業の役割を担います。 日立電線機販、東日京三電線、東北ゴム、日立アロイとい また、再編後の日立電線商事は、従来、当社や製造子会 います。) の 7 社がそれぞれ営業活動を展開しており、さま 社が担当していた製品も取り扱うことになったため製品の ざまな課題がありました。具体的には、営業戦略やお客様 ラインアップが拡大し、 トータルで当社グループ製品をご紹 情報の共有化が十分でないことに加え、当社と販売会社 介できるようになりました。さらに、全国ネットで地方支店 および製造子会社の営業間の役割の棲み分けができてお を統括することにより営業組織・機能が強化されました。 らず業務の重複が発生していました。 こうした改革により、お客様をよりきめ細かくサポートでき これらの課題を解決するため、大幅な組織再編を行いま る体制を整え、既存事業の一層の拡大を図っていきます。 した。まず、2012 年 1 月1 日付けで、日立電線商事が日立 以上のように、当社営業部門と日立電線商事の役割を 電線販売を吸収合併するとともに、北海日立電線機販を 明確化することにより、営業の質の向上と効率化を実現し ます。 *1 情報ネットワークシステム関連のサービスを提供する日立電線ネット ワークス株式会社を除く 再編前 再編後 日立電線商事 東日京三電線 日立アロイ 東北ゴム 19 | 日立電線 CSR 報告書 2012 7 3 3 日立電線 日立電線商事 日立電線販売 北海日立電線機販 東日京三電線 日立アロイ 東北ゴム 一部営業移管 日立電線商事 販売 (統合会社) 会社を 統合 製造会社の営業移管 お客様 北海日立電線機販 お客様 日立電線販売 日立電線本体と販売会社 社 、製 造 会 社 社の営 業 部 門の合わせて 社に営業機 能が分散 日立電線 営業体制は、日立電線と 日立電線商事の 社体制へ 日立電線商事の完全子会社としました。また、当社グルー プ国内の地方支店を日立電線商事の組織に移管するとと 2 顧客満足度の向上に向けて 当社グループでは、今回の再編の効果を顧客満足度の から営業担当者が異動し、当社営業戦略の周知徹底、製品 向上に直結させていきたいと考えています。すなわち、当 知識の拡充を図るとともに、コスト、納期、品質面で、これま 社営業部門は、市場要求に基づいた新製品創出のため、 で以上にお客様のニーズにきめ細かく対応していきます。 お客様からのご相談に対応したり、当社からの積極的な提 さらに、営業アシスタント体制も改善します。これまで営 案といったサービスの向上を今まで以上に推進します。こ 業アシスタントは、営業部別に所属し、特定の製品群のみ れらのサービスを推進するために、市場の動向を常に把握 を扱っていました。しかし、今回の再編を機に、柔軟にロー し、お客様の事業戦略を理解するとともに、グローバル市 テーションさせる仕組みを構築することにより、製品知識 場で通用する技術力や価格競争力の実現をめざします。 の向上、営業部間の繁閑差の緩和、業務コンプライアンス 日立電線商事には、当社および製造子会社の営業部門 の強化を推進してまいります。 今後の営業体制 従来の営業体制 ご提案 ② ご相談 お客様 日立電線㈱ 営業部門 既存製品 の応用 技術深耕 ご提案 日立電線㈱ 営業部門 ① ご注文 量産品 リピート品 当社グループ 営業各社 汎用品 ご提供 ①当社営業部門と、 グループ各社の営業部門の 活動領域の重複。 ②新事業分野への営業活動の比重が低い。 新製品 開発品の ニーズ ご相談 既存製品 の応用 技術深耕 ① ご注文 ② 汎用品 日立電線 商事㈱ ③ お客様 量産品 リピート品 ご提供+ きめ細かな 対応 ①当社営業部門と、再編後の日立電線商事㈱の 活動領域の棲み分け。 ②新事業分野への営業活動に注力。 ③お客様のニーズにきめ細かく対応。 営業体制再編後の将来像 今回の再編により、メーカーと販売会社の役割を明確に 場のニーズを感度よく受け止め、次世代のキーテクノロ するとともに、当社グループとして共有化された営業戦略 ジー、キーソリューション開発に積極的に関与・提案を行う のもと、質の高い営業を行うための組織をつくりました。 ことで、当社グループとして新製品 ・サービスをスピー 今後は、こうした再編の目的を確実に実現していくことが、 ディーに事業化することをめざします。これにより、当社グ 課題となります。 ループでは企業理念に掲げるように「お客様の期待を超え 当社グループのフロントに立つ営業部門が、お客様、市 た『 伝える 』を提供 」し、社会に貢献し続けてまいります。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 20 社会への取組み 新製品 開発品の ニーズ 新事業 新製品 新事業 新製品 社会への取組み お客様とのかかわり お客様に高品質の製品をお届けするために、お客様の視点に立った製品開発を大切にし、 品質保証体制、生産方式等の最適化に努めています。 品質保証 品質保証の考え方 品質保証の基本理念 日立伝統の落穂精神 ※1 に基づく「 品質第一 」「 お客様第一 」を旨とし、製品安全性の確保された信頼性の高い製品 (ソフトウェア等を含む) を提供することでお客さまに満足して頂き、これにより社会の発展に貢献する。 当社は、 「 品質保証の基本理念 」に基づき品質および顧客 各事業に適した品質マネジメントシステムを構築して品質と 満足の向上活動をグループ全体で推進しています。この基本 業務効率の向上を進め、顧客満足の向上に努めています。 理念を達成するため、年度ごとに全社品質方針を掲げ、具体 ※ 1 落穂精神は、 「 良心を大切にして人間らしく行動する」ことの重要性 的な目標を定めて品質保証活動に取り組んでいます。 また、日立電線グループでは国内外の各生産事業所で ISO9001またはISO/TS 16949 の認証を取得 ※ 2し、 を説いた日立グループに受け継がれている行動理念です。製品不良 や事故の撲滅もこの考えに従った活動の一つです。 ※ 2 自動車用製品を製造している事業部およびグループ会社はISO/ TS16949の認証を取得しています(一部の組織は取得に向けて活動中)。 品質保証体制 各事業本部およびグループ会社の品質保証部門は、管轄 活動を通じて、品質状況に関する情報を共有し、課題や改善 する製品の品質保証業務を行い品質向上に努めています。 の方向性を議論することで継続的な改善を推進しています。 また、QA (Quality assurance)センタは、各部門の品質 活動が円滑に進むように、全社品質活動の推進や品質教育 の実施等を通して、全社的な視点で各部門をサポートしてい 品質保証体制図 社長 QA センタ ます。 さらに品質に関する全社的な機関としてQF(Quality First) 委員会および全社 QA 会議を設けています。これらの 事業本部 品質保証部 グループ会社 品質保証部 QF 委員会 [委員長]品質保証担当執行役 [委 員]執行役 全社QA会議 [委員長]QAセンタ長 [委 員]品質保証部長 品質向上活動 2011 年度は、日立電線グループ全社品質向上運動 計画策定→実行→社長・関係する 「QF21(Ⅲ) 運動 」( 対象年度 :2009 年度∼ 2011 年度 ) 執 行 役を交えた委 員 会でのフォ の最終年度として活動しました。 この運動では、 「 品質に関わるCSR の強化 」をはじめ、 以下に示す5 つのテーマを活動の柱として掲げ、各部門で 社長 事業本部 グループ会社 品質保証部 品質保証部 ローアップ → 検 証というPDCA QA センタ (Plan-Do-Check-Action)を実 践しました。 QF 委員会 全社QA会議 品質向上運動ロゴマーク [委員長]品質保証担当執行役 [委員長]QAセンタ長 [委 員]品質保証部長 [委 員]執行役 21 | 日立電線 CSR 報告書 2012 ① 品質に関わるCSR の強化 秩序ある事業活動をしていくために、製品に適用される技 術法令の調査や周知徹底、各業務プロセスにおける遵法 の仕組みの継続的改善を進めています。 ② 購入外注品の品質向上 部材調達のグローバル化も含めサプライチェーンマネジメン トを強化するため、購入外注品の品質管理システムの継続 的改善や管理技術者の能力向上の活動を進めています。 ③ グローバルな品質向上 「 全世界同一品質 」をめざして、グローバルに当社グルー プ一体となった品質向上活動を行っています。 ④ 品質指標の向上 お客様の品質期待に応え、また経営基盤を確固たるもの にするために品質状況を数値化して改善を図っています。 ⑤ 人材の育成 品質管理や QC (Quality Control) 技法講座を定期的 に開催し、階層別にスキルアップを図っています。また、昨 今頻発している企業倫理問題から、コンプライアンスの 重要性を理解させ、実務で問題を発生させないよう、管 理者研修や eラーニングなどで技術者倫理教育を実施し ています。 ISO 品質マネジメントシステム認証取得状況 (2012 年 3 月 31 日現在) 海外子会社 日立電線 事業所名 ISO9001 認証機関 取得年月 電線工場 1995.10 LRQA 日高工場※ 1994.2 LRQA 土浦工場 1998.12 LRQA ※ 高砂工場、豊浦工場を含む 国内子会社 社名 ISO9001 認証機関 取得年月 ISO9001 取得年月 認証 機関 ISO/TS16949 (自動車)取得年月 認証 機関 上海日立電線有限公司 2002.3 SAC 2008.1 SGS 電線工場 2004.8 2007.8 UL CQC 2011.7 BSI 加工工場 2004.5 UL Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. 2000.5 LRQA 2006.7 LRQA Giga Epitaxy Technology Corporation 2003.1 AFAQEAQA Manchester Plant Indiana Plant 2003.8 UL ̶ ̶ 2007.2 Eagle Registrations Florida Plant ̶ ̶ 2008.12 SGS AHCL (Thailand) Co., Ltd. 2006.2 URS 2006.2 URS Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. 2002.11 LRQA 2005.6 LRQA 日立電線(蘇州)精工有限公司 2006.7 LRQA 2008.1 LRQA Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. 2003.5 SGS 2007.3 SGS Hitachi Cable Philippines, Inc. 2003.12 AJA 日立電線(蘇州) 有限公司 Hitachi Cable America Inc. 東日京三電線㈱ 1996.1 LRQA 日立アロイ㈱ 2004.3 LRQA 日立製線㈱ 2003.8 LRQA 2002.7 LRQA 1994.2 LRQA ※ LRQA HC Queretaro, S.A. de C.V. 2006.11 SGS 2006.11 SGS 2004.3 LRQA PHCP, INC. 1998.5 SGS 2005.1 SGS 日立電線メクテック㈱ 1998.10 LRQA 深圳日立電線有限公司 2008.8 UL 日立マグネット ワイヤ㈱ 2002.9 LRQA Hitachi Cable Austria GmbH 2006.6 TUV 東北ゴム㈱ 2001.11 LRQA Hitachi Cable Europe Ltd. 2003.1 BSI 2010.6 BSI Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd. 2002.1 BVQI 2009.3 BVQI Hitachi Cable Vietnam Co., Ltd. 2011.9 BSI 日立ケーブル プレシジョン㈱ 日立電線 ファインテック㈱ 日立電線 ロジテック㈱ 日立電線 ネットワークス㈱ 日立電線 2009.12 ラバーテクノロジー㈱ ※ 日立電線各工場において同時取得 JQA 品質問題対応 品質問題が発生した場合は、定められたルール・情報 また、毎年 5 月から 6 月に事業本部、国内グループ会社 ルートに従って関係部署に伝えられます。重大製品事故 ごとに日立グループ伝統の「 落穂拾い 」会議※ 3 を開催し、 が発生した場合には速やかに社長、関係する執行役およ 会社トップの指導のもと、事故当事者および関係者が失 び製品の関係者に報告され、お客様重視の迅速な対応を 敗の中から教訓を拾い、今後の仕事に役立てる活動を 図っています。製品事故の対策は、事故発生の直接原因 行っています。 とその背景となった動機的原因の 2 つの面から追求し、 ※ 3 「 落穂拾い 」 会議は、製品事故をお客様の立場から考え、反省し、 再発防止を図っています。 再発を防止する活動です。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 22 社会への取組み 社名 日立電線のモノづくりと人づくりの進化 「 日立電線同期生産方式 」の考え方 当社では、2006 年度から生産現場を軸とした「 日立 をおき、 “サプライチェーン全体にわたるムダ取り活動” 電線同期生産方式 」の導入を開始しています。これは、ト を展開します。この活動により、お客様に「 よいモノを、 ヨタ生産方式をベースに、営業から設計、資材調達、製 安く、速く 」お届けする仕組みを構築し、お客様満足度の 造、出荷までの一連のプロセスを全体最適の視点で見直 一層の向上をめざします。 す「 生産システム 」の改革であり、 「 お客様が必要なとき に、必要なモノを、必要な量だけ」生産するという “ムダ” ゼロをめざした活動です。活動を通して人材育成を図り、 全体最適を見据えて永続的な改善を続ける「 思想 」を定 着させることが最大の目的です。 2011 年度は、活動の地道な継続と国内および海外グ ループ会社への横展開を推進してきました。 2012 年度は、これまでの生産現場を軸とした活動に 加え、 「SCM(Supply Chain Management)・生産シス テム改革 」として、お客様を基点とした全体最適視点で の「 情報とモノの流れの同期化・スピードアップ 」に重点 同期生産活動報告 VOICE 同期生産活動の推進 にできません。製造リードタイムは、設定納期に対して納期遅延 産業インフラ事業本部 事業企画部 企画グループ 兼 生産企画部 野田 洋嗣 産業用ケーブルにおけるSCM改善活動を担当しています。 はもちろん、早作りもしないことが重要で、製造現場には一定 ルールの中で納期遵守を徹底していただきました。 それと同時に、出荷のトレンドを週・曜日ごとの傾向分析まで 落とし込み、大きく4ランクへ分類することで、投入量のバラつ きも減らすことができました。 この取り組みは、従来のやり方法と大きく異なるため、当初は 2010年度は製品納入リードタイムを前年度対比で40%以 在庫管理側の不安もありましたが、営業の方々と議論を何度も 上短縮することに成功し、2011年度はこのリードタイムを継 重ね、関係者間で十分に検証・合意の上で運用まで結びつけた 続しながら生産性向上に取り組みました。その結果、完成在庫 ことが大きな成果につながったと考えています。 を30%以上圧縮するとともに、一部の品種ではリードタイムを 2012年度は、主材料である銅の仕掛在庫適正化が課題と さらに短縮しました。 なります。当社全体の銅使用量に対して、制御・計装用電線の銅 私が注力したのは、安全在庫(特に完成品)の圧縮です。安 使用量は全体の数%に過ぎず、その完成在庫を圧縮しても、全 全在庫は、製造リードタイムのブレと市場の変動量を考慮し 体の在庫圧縮につながらないという部分最適に陥ってしまうか て、在庫管理者 (営業部門)が設定しています。つまり、製造 らです。 側への信頼感、精度の高い市場予測という2点が成り立たな また、私たちもさらに活動を推進していくとともに、本活動を ければ「心理的な安全在庫」すなわち「万が一に備えて、本来 事業本部を超えて横展開して「全体最適」をめざし続けます。 必要な量以上に在庫を持ってしまうこと」を減らすことは絶対 23 | 日立電線 CSR 報告書 2012 小集団活動 小集団活動(小グループによる改善活動)は、TQC また、海外でも日立グループの「 中国小集団活動成果 (Total Quality Control)の柱として 1968 年に導入し 発表会 」 に参加し、3 年連続で 1 等を受賞するなど、活発 て以来、各事業本部、各グループ会社の改善エンジンに な活動を展開しています。 なっています。その活動内容は本来の Q(Quality)のほか に CDP(Cost, Delivery, Productivity)全般に拡大して きており、経営基盤を強化する重要な活動の一つとして 定着しています。 最近では、当社のモノづくりと人づくりをさらに強化 するため「 日立電線同期生産活動 」との連携を強め、ボト ムアップ活動とトップダウン活動を融合させています。 各小集団のさらなる活動の活性化のため、各事業本部・各 国内グループ会社の模範的な小集団活動の活動成果や運 営事例を発表する「 国内全社交流会 」を開催しています。 国内全社交流会 お客様へのサービス 型商業施設、データセンターなどで大きな省エネルギー効果 後の電力不足に対応する省エネルギー活動の支援を目的 が期待できます。 に、当社グループの技術やサービスを無償または特別価格 SmartStreamを導入した茨城県日立市にある当社の で提供しました。 データセンターでは、空調設備の大幅な省電力化に成功し 東日本大震災後、被災地にある自治体や企業等では、建 ており、データセンターの省エネルギー指標であるPUE*6 に 物の倒壊や設備の損傷など甚大な被害が発生し、ITシステ おいて、世界トップクラスとなる1.19*7 を達成しています。 ムの診断や機器の修理、システムを安定的に運用する設備 また、すでにいくつかの製造工場や商業施設においても の確保が必要となりました。そこで、情報ネットワークインテ SmartStreamを導入いただいており、その効果の高さか グレーション事業を手がける日立電線ネットワークス株式会 ら好評を得ています。 社では、被災地復興支援プログラム「がんばろう!日本 」と題 2011 年度は東日本大震災の影響により、関東・東北地 し、ネットワークシステムの診断・修理サービスや、データセ 方において大幅な電力不足に陥る恐れがあり、各企業にお ンターのハウジングサービスを無償または、特別価格で提供 いては、生産・操業などへの影響を極力抑えなければならな するサービスを2011 年 4 月6日から2011 年 6 月30日 い背景がありました。SmartStreamの中でも、空調の省 までの期間限定で実施しました。 エネルギー化において直ちに取り組むことができ、即効性が また、当社は、省エネルギーに取り組む国内企業への支援 期待できる作業手順について無償公開し、無償公開期間の として、当 社 グル ープ 内 で 培った 省 エネル ギ ー 技 術 2011 年 5 月20 日から2012 年 2 月29 日の間に、アク 「SmartStream」* の一部をWebサイト上で無償公開す 1 るサービスを実施しました*2。 SmartStreamは、当社独自のPLC*3 を用いた制御シス テムにより、製造現場や商業施設等において重要な管理項 目である温度を保障しながら空調機・冷凍機の運転台数を 最小とする技術 *4 や、製造装置やIT 機器等から発生した低 温域の熱を拾い集めボイラの熱源等に再利用する技術 *5 な どを応用することで、消費エネルギーの極小化や再利用を図 るものです。特に大型空調設備を持つクリーンルームや大 セス数は3,315(2,682ユーザー)*8 を数えました。 *1 SmartStreamは、日立電線株式会社の登録商標です。 *2 本開示内容により、当社が保有する特許(出願中を含む)の利用を、無 償で許諾するものではありません。 *3 PLCとは、Programmable Logic Controllerの略で、シーケンス制 御専用のマイクロコンピュータを利用した制御装置のことです。 *4 平成20年度(2008年度 )および平成21年度(2009年度「 ) 省エネ ルギー優秀事例全国大会 」において、 「 関東経済産業局長賞 」を受賞。 *5 平成15年度(2003年度) 「 省エネルギー優秀事例全国大会」 において、 「 資源エネルギー庁長官賞 」を受賞。 *6 PUEは、Power Usage Effectivenessの略です。 *7 2009 年1月から2009 年12月および 2010 年1月から2010 年 12月までの実測値の年平均。 *8 アクセス数およびユーザー数は、技術の無償公開ページへのログイン ページで集計しました。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 24 社会への取組み 当社グループでは、東日本大震災の被災地支援や、震災 社会への取組み 調達取引先とのかかわり 日立電線グループは、ガイドラインの制定や説明会の実施などを通じて、調達取引先の 皆様と情報を共有し、ともにCSRを推進しています。 調達に関する考え方と体制 当社は、公正・公平、機会均等の原則のもと、国や組織 また、購買スタッフが購買基本方針を共有し、自らの調 の規模に関わらず、日立電線グループの購買基準による 達活動を振り返る場として、日立電線グループ資材会議 総合的な判断をした上でお取引先を選定します。調達活 を日本国内および海外で定期的に開催しています。 動においては法令の遵守、地球環境への配慮等、お取引先 2011 年度は国内グループ会社の調達部門も含め「 建設 との社会的責任意識の共有を図り、良きパートナーとし 業法 」の集合教育や調達活動に伴う関連法規の遵守およ てお互いのビジネスを通じ、広く社会に貢献できる関係 び資材倫理についての「 下請法理解のポイント 」ほか 2 の構築をめざします。 件の e ラーニング教育を実施しました。 調達取引先との CSR 意識の共有 当社グループは多種多様な事業分野を抱えており、業 とが不可欠です。 種・サービスごとにさまざまな製品を製造・販売してい 当社では、Web サイトに資材情報ページを設け、調達 ます。環境保全をはじめとする、さまざまな社会的責任 方針等を広く開示しています。2011 年度はお取引先で に対応したモノづくりを実施するためには、事業活動を の情報漏えい事故を防ぐため、情報漏えい防止の教育依 ともに行っているお取引先と CSR 意識の共有を図るこ 頼・情報漏えい防止対応調査を行いました。 環境 CSR 対応調達の推進 当社グループでは、RoHS 指令などの化学物質規制に 請も行いました。 対処するために、2005 年度より「 環境 CSR 対応モノづ また、従来からの化学物質含有情報の調査や監査等で くり規程 」を策定し、CSR の視点からグループ全体での 発見した不具合事例や、工程管理のチェックポイントを モノづくりを捉え直し、設計から廃棄に至るまで製品の まとめた資料についても、再度解説するとともに Web に 全ライフサイクルでの環境負荷低減をめざした取組みを も公開することで環境 CSR の遵守を徹底しています。 継続しています。 また、2011年度は、従来の 「 日立電線グループ グリー ン調達ガイドライン 」を欧州 REACH 規則への対応も考 慮し、 「 日立電線グループグリーン調達基準書 」への全面 切替を行うとともに汎用品における環境基準を明確化す る目的で、 「 環境 CSR 用共通仕様書 」も策定しました。こ れら一連の変更についてお取引先へ内容を周知徹底する ため、説明会を 6 回開催し、447 社 561 名に参加いただ きました。さらにこの説明会では、日立グループ独自の 製品含有化学物質管理システム (A Gree’Net) の操作説 明も同時に行い、システムの完全移行に向けた教育 ・ 要 25 | 日立電線 CSR 報告書 2012 日立電線グループグリーン調達基準書切り替えについての お取引先への説明会 社会への取組み 株主・投資家とのかかわり 日立電線は、株主・投資家の皆様の信頼と期待に応え、当社への理解をより深めていただ けるよう、さまざまな媒体、イベントを活用して、コミュニケーションの充実を図っています。 情報開示の方針 当社は、公正かつ透明な行動に徹することを企業行動 については、この行動基準に沿って、法令、金融商品取引 基準に謳い、お客様、株主・投資家、社会等のさまざまな 所規則および情報の管理・開示に関する社内規則等に基 ステークホルダーの方々と強い信頼関係のもと、会社運 づき、開示するべき重要な情報を網羅的に把握・管理し、 営を行うことを経営の基本としています。 開示内容の適正性・正確性を確保しつつ、迅速な公表を 当社およびグループ会社等に関する重要情報等の開示 行うことを方針としています。 株式と株主の状況 2012年3月31日現在の当社の発行済み株式総数は、 374,018,174 株、株主総数は21,800 名です。所有者 所有者別株式分布 (2012 年 3 月 31 日現在) 別の株式分布状況は、金融機関・証券会社 約 17%、個人 自己株式 1.9% その他 約 18%、外国人 約 8%、日立製作所を含めたその 個人・その他 18.2% 金融機関・ 証券会社 17.3% その他国内法人 54.1% 利益配分に関する基本方針 当社は、業績の状況、経営体質の強化および今後の事業 の高い事業や既存事業の活性化等のために有効活用しま 戦略等を総合的に勘案した上で、利益の配分を適正に実施 す。さらに、自己株式の取得を株主の皆様への有効な利益 していきます。 還元策の一つであると考え、株価の動向や財務状況等を勘 剰余金の配当は、安定配当を基本として、業績を考慮し 案しながら対応していきます。2011年度は、当社グループ た利益還元を実施していきます。内部留保資金については、 を取り巻く経営環境および現下の業績、今後の事業戦略等 財務体質の健全性を維持・強化しつつ、将来の成長可能性 を総合的に勘案しました結果、配当の実施を見送りました。 株主・投資家とのコミュニケーション 株主・投資家の皆様への情報発信 株主・投資家の皆様へ迅速かつ公平に情報を開示する の内容の掲載など、最新の IR 情報を提供しています。さ 手段として、Web サイトを活用しています。個人投資家 らに、IR サイト内に個人投資家向けページを設け、内容 の皆様に対しても、機関投資家の皆様と同等の情報をお の充実に努めています。そのほか、当社 IR サイトに新し 届けできるよう、当社 IR サイトでは、ニュースリリース い情報が掲載されたことを E メールでお知らせするサー や決算資料をはじめ、各種説明会の説明資料や質疑応答 ビスも実施しています。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 26 社会への取組み 外国人 8.5% 他国内法人 約 54%、自己株式約 2%となっています。 IR イベントの開催 証券アナリスト・機関投資家の皆様に対しては、各四半期 の決算発表当日に決算説明会を開催しているほか、中期経 営計画をはじめ経営戦略・方針について説明する経営説明 会を適宜実施しています。説明会にご参加いただけない皆 様に対しては、当日の説明や質疑応答の模様をWebサイト にて音声ストリーミング配信するとともに、その内容をまと めた議事録を掲載することで情報開示を行っています。ま た、個別取材への対応や各種ミーティング、工場見学会、当 社経営陣が海外の投資家を訪問し、直接経営方針を説明す る海外ロードショーも適宜実施しています。 経営説明会の様子 IR に関わる社外からの評価 日立電線は、公正で迅速な情報開示の実現に向けて、Web サイトの活用をはじめ、IR 活動のさらなる充 実を図っています。当社の IR 活動への姿勢や情報開示の状況に対して、2011 年度は外部機関から以下 の評価を受けました。 ●ディスクロージャー優良企業選定 ●インターネットIR・優良企業賞 (社)日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究 2011 年 12 月9 日に大和インベスター・リレーショ 会主催「 証券アナリストによるディスクロージャー優良 ンズ㈱が発表した「2011 年インターネットIR・優良企 企業選定 (平成 23 年度) 」において、鉄鋼・非鉄金属業 業賞 」に選ばれました。 種で10 位(うち電線業界では2 位) を獲得しました。 Internet IR 優良企業賞 ●全上場企業ホームページ充実度ランキング キング」において、全上場企業 3,603 社中で44 位に ランキングされました。 R R ● IR サイト総合ランキング 2012年4月19日にモーニングスター㈱が発表した 「Gomez IRサイト総合ランキング2012」において優 秀企業 : 銅賞に選ばれました。 2011 27 | 日立電線 CSR 報告書 2012 Internet IR 優良企業賞 2011 2011 2011 年 11 月30 日に日興アイ・アール㈱が発表し た「2011 年度 全上場企業ホームページ充実度ラン Internet IR 優良企業賞 2011 R 社会への取組み 従業員とのかかわり 日立電線は、公正な人事処遇制度や、さまざまな人材育成施策の導入により人材開発に努 めています。また、ワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、働きやすい環境づくりを進めて います。 人権の尊重 当社グループは、従業員一人ひとりの人格・人権を尊重 には、各事業所に相談窓口を設置し、問題の早期把握・解 し、あらゆる不当な差別を行わないことを「 日立電線グ 決を図るとともに、階層別教育、イントラネット・社内広 ループ行動規範 」にうたっています。それを受けて、 「あ 報誌等を活用した啓発活動も適宜実施しています。 らゆる種類のハラスメントの発生を容認しない 」 「 各種 また、同和問題や人権・民族に関する差別、障がいの有 ハラスメントの発生を防止するため、会社は啓発活動・教 無や性別による差別、ジェンダーハラスメント等、広く 育等可能な限りの適切な措置を講ずる 」という基本姿勢 人権に関し、階層別教育などを通じて正しい認識の普及 のもと、ハラスメントの防止に取り組んでいます。具体的 と啓発に努め、適切な実践活動を行っています。 人事処遇制度・人材育成 目標管理制度の改訂と役割定義書の新設 名へのインタビューと、中期経営計画などの経営方針を しても成長できるように、人事処遇制度を改訂してきま もとに策定しました。各ライン管理職が役割定義を踏ま した。その中で目標管理制度は、1995 年に管理職以上 えた目標設定・実行管理を行うことで、これまで以上に の社員に導入して以来、総合職社員全員に対象範囲を広 事業戦略の達成に即した職場マネジメントを実現するこ げるなど、年々制度の充実を図ってきました。 とを狙いとしています。 2008 年度より、ライン管理職に期待される役割と必 当社では、この「 役割定義書 」と目標管理を一体にし 要な要件を「 役割定義書 」に定め、これを機軸とした目 て、毎年 PDCA (Plan-Do-Check-Action) を実践するこ 標管理制度の改訂を行うとともに、 「 人材育成 」と「 評価 」 とにより「 自律型人材の育成 」と「 納得性の高い評価シ という目標管理本来の目的に沿って、制度を整理・簡素 ステムの実現 」を図っています。 化しました。「 役割定義書 」は役員を含む管理職層約 70 グローバル教育制度 当社は、海外事業の抜本的強化を経営の重点施策として 育成期間中に、グローバルビジネスの適性等を測定する 掲げています。その施策を人的側面から支えるべく、 アセスメントの実施、グローバルビジネススキル習得や語 2009年度以降、従来実施していた国際化教育の見直し、 学力強化など、各人の育成課題に応じた研修の受講、海外 整理・統合を行い、新たな若手・中堅社員対象のグローバ 業務研修への派遣をはじめとする、海外を肌で感じるタ ル教育制度を構築しました。本制度は、毎年、各部門から若 フな実践経験といった一連のプログラムを実施し、グ 手・中堅の総合職社員を40∼50名選出します。2 年間の ローバル化を担う若手・中堅人材の育成を図っています。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 28 社会への取組み 当社は、従業員が仕事で十分に能力を発揮し、個人と 関係事業部門別実習教育 当社では、 「モノづくり」の基本的な考え方や、業務およ 期間も半年から原則 1 年程度に延長しました。 びサプライチェーンの流れを理解し、 「モノづくり」の責任の 今回の制度見直しは、本実習制度の本来の目的を踏まえ 重さに対する自覚を深める目的で、2008 年度の大学卒新 つつ、技術系新人はより本質的な部分で担当製品に関する 入社員から「 関係事業部門別実習 」を実施しています。 要素技術を習得すること、事務系新人は工場マネジメントや 2010 年度には実習制度の一部見直しを行いました。従来 採算に関する知見を深めることを狙いとしています。本実 は配属部署がそれぞれの考え方に基づいて実習先を選定し 習制度をベースに、今後もさまざまな教育インフラを充実さ ていましたが、2010 年度からは実習先部門をある程度特 せ、高い専門性と多角的な視野を持ち、グローバルレベルで 定し (技術系採用の新人→研究・開発または生産技術部門、 社会に貢献し続ける「 人づくり」に邁進していきます。 事務系採用の新人→生産企画部門または経理部門) 、実習 VOICE 関係事業部門別実習受講者の声 や生産現場関係者の皆さんが常にさまざまな改善を試みる姿 勢が印象的で、生産現場でどのようなことが行われているかを 間近に見て学ぶことができた非常に貴重な経験となりました。 営業統括本部 電機 ・ 自動車部品営業統括部 電機営業部 巻線グループ せ、納期調整、トラブルの対応などのさまざまな課題に直面し 渡辺 更 ていますが、工場部門の皆さまの助けをいただきながら解決に 配属先の営業部門に帰任した後は、お客様からのお問合 取り組んでいます。またお客様を伴っての工場での打合せや 入社後、営業部門に配属され、配属直後の約 6ヶ月間、巻 見学なども多く、実習中に培った人脈や経験が非常にいきて 線製品の製造会社である日立マグネットワイヤ株式会社の巻 いると感じます。 線製造工場で生産管理業務を実習しました。 実際に業務に携わり内側から学んだ知識・経験を、今後の 実習では、巻線の生産計画や納期管理、現場の進捗確認 営業活動において十分にいかし、工場とお客様それぞれの立 や指示などを担当し、多くの時間をモノづくりの現場で過ごし 場や思考を理解した営業活動を展開していくことをめざしてい ました。特に、生産の工程で生じる課題に対し、生産管理部門 きます。 ダイバーシティへの取組み 多様な人材の活躍を推進 当社は、個人の属性(性別・年齢・国籍・障がいの有無 等)にかかわりなく多様な人材の能力・価値観を融合させ て組織全体の活性化を図る、ダイバーシティ・マネジメ ントを推進しています。 当社 60 歳以上の雇用者数(単独)と 外国籍従業員雇用者数(単独) 外国籍従業員雇用者数 60 歳以上従業員雇用者数 (人) (人) 250 180 200 150 30 150 50 226 113 33 40 32 28 26 93 100 20 10 50 0 30 2007 2008 60 歳以上従業員雇用者数 2009 2010 2011 0 (年度末時点) 外国籍従業員雇用者数 2011 年度の 60 歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた 人員削減を実施したため。 障がい者雇用比率 (%) (法定雇用率 1.8%) 2.0 1.9 29 | 日立電線 CSR 報告書 2012 1.8 1.7 1.98 1.92 1.83 1.95 1.86 1.83 1.86 1.81 1.87 150 30 150 200 113 26 28 180 150 30 100 150 113 33 32 93 0 なっています。また、当社グループ(連結) でも法定雇用率 をクリア(1.95%)しています。 今後も職域の拡大と職場環境の改善を図り、障がい者 雇用の確保に努めてまいります。 2007 2008 2009 2010 0 2011 (年度末時点) 10 外国籍従業員雇用者数 2011 年度の 60 歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた 人員削減を実施したため。 0 2007 2008 60 歳以上従業員雇用者数 2009 2010 0 2011 (年度末時点) 外国籍従業員雇用者数 障がい者雇用比率 2011 年度の 60 歳以上雇用者数が大幅に減少しているのは、一般社員も含めた (法定雇用率 1.8%) (%) 人員削減を実施したため。 2.0 障がい者雇用比率 1.9 2.0 1.8 1.98 1.81 1.86 1.92 1.87 1.95 1.86 1.83 1.83 1.7 1.5 1.95 1.86 1.83 1.9 1.7 1.98 1.92 1.83 1.8%) (法定雇用率 (%) 1.8 1.6 2007 2008 1.81 1.86 1.87 2009 2010 2011(年度末時点) 1.5 新規採用者の女性比率 *(単独) 2007 2008 2009 2010 2011(年度末時点) 単独 連結 1.6 女性従業員活躍の場の拡大へ 10 20 93 60 50 歳以上従業員雇用者数 当社単独の障がい者雇用率は 2011 年度で 1.87% と 20 30 28 26 50 100 障がい者雇用の促進 30 40 (%) 単独 連結 20 当社は、女性総合職比率が低く、女性の活躍という点 では、日立グループ各社や同業大手各社と比べてやや遅 16.3 新規採用者の女性比率 *(単独) (%) 16.3 れているのが現状です。しかし、女性総合職採用の推進 を図っており、この 10 年間で女性総合職は約 9 倍に増 9.5 13.6 13.2 10 15 5.7 加しています。今後も女性総合職の積極採用を進めてい くとともに、女性管理職候補の育成も推進していきます。 13.6 13.2 15 20 9.5 5 10 5.7 女性が働きやすい会社となるためには、男性も含めた社 0 5 員の働き方の改善、ワーク・ライフ・バランスや多様な働 2007 2008 2009 2010 2011(年度) 2008 2009 2010 2011(年度) * 総合職のみ き方を支援する各種制度の充実、社内の理解が不可欠です。 0 2007 * 総合職のみ 性別に関わらず、社員が生き生きと働ける環境が実現でき 社会への取組み るよう、今後もさまざまな施策に取り組んでいきます。 ワーク・ライフ・バランス 個人の価値観や家庭の事情に応じて、多様な働き方が 短時間勤務利用実績※(単独) 可能になるよう、制度を整備しています。特に、妊娠中・ 育児中・家族を介護中の従業員に対しては、休職制度、短 時間勤務、配偶者出産休暇のほか、育児や介護で退職し た従業員を再雇用する制度など幅広い選択肢を用意して います。また、フレックスタイム制や積立年休制度を活 用した「 ボランティア休暇制度 」など、さまざまなニー 人数 2007 年度 2008 年度 2009 年度 3 0 10 2010 年度 2011 年度 3 9 配偶者出産休暇利用実績※(単独) 人数 2007 年度 2008 年度 2009 年度 24 25 24 2010 年度 2011 年度 33 27 ※ 当該年度に利用を開始した人数 ズに応えられるフレキシブルな勤務体系も整えていま す。さらに、毎年有給休暇を 5 日間連続行使する「 リフ レッシュ休暇 」制度を設けているなど、仕事も生活も充 育児休職利用実績※ (単独) (人) 25 21 実できるようなメリハリある働き方の実現に向けて全社 で取り組んでいます。 20 16 15 13 15 12 10 5 0 2007 2008 2009 2010 2011 (年度) ※ 当該年度に利用を開始した人数 日立電線 CSR 報告書 2012 | 30 VOICE 育児休職制度利用者の声 トの仕事から一度バックヤードに回ったことで抵抗を感じまし 日立電線ネットワークス株式会社 システムエンジニアリング本部 プロジェクトマネージメント部 第一 SEグループ 茂木 真美 たが、違った視点で仕事をすることで業務の幅を広げることが でき、再びフロント業務に戻った今も、この経験をいかすことが できています。 復帰から現在に至るまで、理解ある職場の方々に囲まれ、 子供の急な体調不良で出社できないときも、あらかじめ毎日 当社製品であるAdapterシリーズの販売技術・マーケティ 自宅にパソコンを持ち帰ることで業務を補い、何とかこれまで ングを担当しています。6 年前に長男、2 年前に次男を出産 乗り越えてきました。育休を1 年以上取得したことで、念願の し、2 度の産休、育休、および時短勤務を利用して現在に至 完全母乳で育てることができましたし、貴重な専業主婦のママ ります。長男出産前は、かなりハードな業務スタイルでしたの 友を作ることもできました。平日昼間に多い PTA の行事では で、復帰時は他部署・他職種への異動も覚悟した上で、時短 何度も助けてもらっています。 勤務を利用したい旨、上司に相談しました。幸運なことに、 2 児の母でありながら専門職に従事していることは、私の個 当時、所属部署の業務改革を行うプロジェクトが立ち上がっ 性であり、自信にもつながっています。今後もまだまだ忙しい ており、本プロジェクトに参加することで、異動も職種変更も 日々が続きますが、私も頑張りますので、是非たくさんの後輩 なく総合職として勤務を続けることができました。顧客フロン 女性社員にも続いていただきたいと思います。 安全と健康 安全管理 当社グループは「 従業員の安全と健康を守ることはす また、当社グループ全体での安全管理水準の向上に向 べてに優先する 」という基本方針のもと、高レベルの安 けて、グループ内の情報共有促進、安全活動における連 全衛生水準の維持・向上に努めています。 携の強化に取り組んでいます。 安全管理については、労働安全衛生マネジメントシス テムによる自主的かつ体系的な安全衛生活動を推進して きました。職場一体となった安全意識の高揚を図るため、 全員参加型のリスクアセスメントの実施、朝礼やミー ティングを通したコミュニケーションの活性化、幹部に 労働災害度数率 *1 (%) 2.0 1.09 反映した教育資料による未熟練作業者への安全教育、毎 週発行する「 安全ニュース 」や安全衛生ホームページな どを活用した安全情報の発信などを実施しています。 1.62 1.61 0.99 0.98 0.26 0.25 0.30 0.20 0.00 0.25 1.62 1.12 全産業平均*2 1.05 製造業平均*2 1.0 を入れて取り組んでいます。例えば、危険予知訓練およ びビデオ視聴による危険感受性教育、過去の災害事例を 1.75 1.5 よる定期的な「 安全診断 」などの活動を展開しています。 さらに、安全教育や安全に関する情報提供の充実に力 1.83 0.53 0.5 0.34 0 2007 *1 度数率= 0.48 2008 9 200 労働災害による死傷者数 延べ実労働時間 2010 電線業界平均 日立電線 0.34(国内連結) 2011 (年) × 1,000,000 *2 厚生労働省による労働災害動向調査結果より 防災対策 毎年 12 月を 「 防災強調月間 」とし、防災意識の啓発、 います。 防災管理体制の整備に取り組んでいます。工場地区では また、当社グループの各工場では自衛消防隊を組織 毎年 9 月に、大地震を想定した避難訓練も実施していま しており、定期的に消防訓練を行い、不測の事態に備え す。交通安全に関しては、警察関係者を講師に招いた交 ています。そのほか、国内・海外のグループ会社におい 通講演会、新規マイカー通勤者教育、SD カー(安全運転 ても、拠点ごとに防災意識を醸成するさまざまな活動 教育設備を備えた巡回車両)教育等を継続的に実施して を実施しています。 31 | 日立電線 CSR 報告書 2012 健康管理とメンタルヘルスケア 健康管理に関しては、長時間労働の縮減、定期健康診 ルヘルス教育の充実に取り組んでいます。特に、従業員 断や人間ドックの確実な実施、健康診断結果を踏まえた 一人ひとりがストレス耐性を高め、生き生きと働くこと 保健指導等の施策により、従業員の健康増進を図ってい を支援する「 ストレスコーピング研修 」を重点的に開催 ます。健康保険組合でも、電話による健康相談サービス し、若手・中堅の従業員の受講を促進しているところで などを導入し、安心して働くことができる環境づくりを す。さらに、日立グループ内の医療機関などと連携し、従 進めています。 業員がさまざまな悩みを相談することができる仕組みを 従業員のメンタルヘルスケアの増進は、当社にとって 構築しています。また、休業した従業員の復帰支援プロ 非常に重要な課題です。従業員の不調の予防と早期発見 グラムを策定し、円滑な職場復帰と再発防止を図ってい のため、職場内のコミュニケーションの活性化とメンタ ます。 健全な労使関係 当社では、管理職以外の全社員が労働組合に加入して 2 回開催しています。 います。労使の意思疎通を図り、経営の円滑な運営と事 また、労働条件に関する諸制度の新設・改廃にあたっ 業の発展、並びに組合員の労働条件向上を図ることを目 ては、専門委員会を設置し協議を行うなど、健全な労使 的に、本社と組合本部の間で「 中央経営審議会 」を、事業 関係の維持・強化に努めています。 所と組合支部の間で「 事業所経営審議会 」をそれぞれ年 従業員とその家族の生活が、より豊かで安定したもの 力開発 」 「 育児 」 「 介護 」 「 健康づくり 」等、それぞれの となるよう、さまざまな施策を通じて支援しています。 従業員のライフスタイルやニーズに応じたメニューを揃 従業員の自助努力や自立を支援する福利厚生として「 カ えています。従業員は自分の持ち点 (カフェテリアポイン フェテリアプラン制度(選択型福利厚生プラン) 」を導入、 ト) の範囲で、必要な支援を必要なときに選択できます。 独身寮や社宅、医療等の従来型の福利厚生に加えて、 「能 ライフプランサポート 少子高齢化や老後のライフスタイルの多様化が進む現 雇用保険等)の提供や、定年後の生き方・働き方について 代においては、明確なライフプランを持つことがますま 見つめ直す機会として、ライフプランについてのセミ す重要になっています。当社では、定年後の生活設計の ナーを開催しています。 基礎となる情報(退職金、企業年金、厚生年金、健康保険、 日立電線 CSR 報告書 2012 | 32 社会への取組み 福利厚生 社会への取組み 社会・地域社会とのかかわり 日立電線は、 「 基本理念 」にある『 公正かつ透明な企業行動 』『 環境との調和 』『 積極的な 社会貢献活動 』を、グループをあげて、また国内外を問わず、日々の企業活動の中で実践し ています。 地球環境・地域の環境 土浦工場の緑地保全活動 土浦工場は、自然環境に恵まれた場所に立地しており、 また、当社グループでは2000 年度から「 霞ヶ浦アサザプ 工場敷地の3割強を占める約 15 ヘクタールの広大な緑地 ロジェクト」 に参加し、土浦工場内で育てたアサザの苗を霞ヶ を、周辺地域にとって貴重な自然財産と考え、その保全・整 浦に植えつける活動を行ってきました。2011年度は東日本 備に積極的に取り組んでいます。当社の土浦工場の緑地保 大震災の影響でアサザの苗を入手することができず残念なが 全活動では、主に郷土種を選定し植樹をしたり自然林を活 ら参加できませんでしたが、2012 年度は同プロジェクトで植 用するなど、可能な限り自然環境を残す “自然の緑をいかし えつけるアサザの苗を入手でき、秋の植えつけに向けて、土浦 た工場づくり” を推進しており、2010 年度に財団法人都市 工場内で苗の育成を行っています。 緑化基金が主催する「 生物多様性保全につながる企業のみ *1 企業が取り組むみどりの保全・創出・活用の優秀な事例を公表し、生 物多様性保全活動を推進するものです。 *2「bio(生物)+tope(場所)」を示す造語。動植物が恒常的に生活でき るように造成された生息空間のこと。 どり100 選 * 」に認定されました。 1 工場北側に位置する緑地帯ではハクセキレイやキジなど ビオトープに集まるとんぼ の野鳥が見られるほか、老朽化した体育館やプールの跡地 に創設された「 木田余の杜」 に併設されたビオトープ*2では、 8種のトンボが確認されたのをはじめ、多くの動植物が生息 しています。 東日本大震災では土浦地区でも地震の揺れは大きかった ものの、工場建屋や緑地の被害はほとんどなく、現在も野 鳥や昆虫など生命豊かな緑地を維持しています。 土浦工場のビオトープ 米国での環境保全 ・ 美化活動 ヒタチケーブル・オートモーティブプロダクツUSA 社 (2012 年 4 月1日よりヒタチケーブル・アメリカ社 )では、 米国インディアナ大学の求めに応じ、生物学教授および研 究室の学生 12 名をインディアナ工場に招き、排水処理シス 廃水処理システムやリサ テムの見学や木材・金属・廃油等のリサイクルへの取組みを イクルの話に耳を傾ける 説明しました。この催しは、これまでに、2010 年 10 月、 インディアナ大学の学生 2011 年 4 月、2011 年 11 月の3回実施されています。 この活動を通じて、地球環境保全や生態系保存に対する当 社グループの取組みと成果を理解していただいています。 また、同社のフロリダ工場では、日本からワシントンに桜 が贈られて100 周年を祝う記念式典 (2012 年 3 月 )に 賛同する形で、工場入り口に桜を4 本植樹するなど、環境 保全・美化、および地域交流活動を推進しています。 33 | 日立電線 CSR 報告書 2012 フロリダ工場での桜の 植樹 十王川沿いの復興清掃活動 当社の豊浦工場をはじめとする日立地区のグループ各社 は、2002 年以降、毎年、茨城県日立市の十王川漁業協同 組合と協力し、豊浦工場の脇を流れる十王川沿いの美化活 動を実施しています。 2011年は東日本大震災の復興活動として、川沿いの清 掃が実施されました。東日本大震災から3ヶ月後の2011年 6 月、豊浦学区まちづくり推進会からの呼びかけで、豊浦中 学校の生徒と市消防本部の方々約 230 名とともに十王川 の復興清掃活動に参加しました。東日本大震災の津波で川 沿いにうちあげられた海洋ブイやしらすを干す網、大木など のがれきが散乱しており、河口から700m ∼1kmほど上流 十王川沿いの復興清掃活動 ( 茨城県日立市 ) の川沿いの清掃で、約 2トンにも上るゴミが回収されました。 数沢川の清掃活動 ( 茨城県日立市 ) 甲良町 )( 日立電線ロジテック㈱ ) 事業所周辺の清掃活動 ( 日立電線商事㈱ 茨 城支店 ) その他の環境保全・美化活動 ジャンルと活動内容 社名、事業所名 滋賀県犬上郡甲良町の清掃活動「 犬上川クリーン作戦 」に参加。甲良町の住 日立電線ロジテック㈱ 民が主体となって日頃から推進している『 水と緑を基調とした街づくり 』の 関西事業所 活動の一つで、犬上川周辺の清掃を実施 千代田区や神田駅周辺の地域の皆様とともに、月に 1 ∼ 2 回神田駅周辺の清 日立電線商事㈱本社 掃活動を実施 日立青葉会ボランティア清掃に参加。仙台市市内街頭の清掃活動を実施。参 東北ゴム㈱ 加企業 46 社 参加者 525 名 日立電線商事㈱ 東北支店 清掃活動 事業所周辺の村上六軒線高架下の清掃、美化活動を実施 東日京三電線㈱ 石岡事業所 事務所周辺の清掃活動を実施 日立電線商事㈱ 茨城支店/中部支店 ( 社 ) 米沢法人会主催の公園美化活動「 クリーン&グリーン作戦 」に参加。地 日立ケーブルプレシジョン㈱ 元「 松ヶ岬公園 」の清掃・美化活動を実施 米沢工場 海外事業所周辺の街頭、川沿いおよび海岸の清掃活動 海外グループ会社 小木津山自然公園ハイキングコース整備活動を実施 筑波山の清掃登山に参加 工場に隣接する数沢川の清掃を年 2 回実施 日立地区各工場・グループ会社 事業所最寄り駅、通勤路、近隣海岸の清掃活動を実施 環境保全活動 植樹活動 寄付 その他 NPO 法人非沙漠化団体「 青樹会 」に対し、年2回寄付を実施 「 緑の goo 企業パートナープログラム 」に参加 海外グループ会社 日立電線商事㈱ 本社 日立電線㈱ ( 本社・支社・支店 ) および国内グループ会社 日立電線 CSR 報告書 2012 | 34 社会への取組み 「 犬上川クリーン作戦 」での清掃活動 ( 滋賀県 地域社会との共生 マラソン部による地域貢献活動 当社マラソン部は、全社のシンボルスポーツとして、当社 の従業員と地域の方々との感動の共有、日立電線グループ の一体感の醸成に大きな役割を果たしてきました。元日恒 例の「 ニューイヤー駅伝 ( 全日本実業団対抗駅伝競走大 会 )」には、2012 年まで10年連続、25 回出場を果たしま した。また、毎年、本拠地である茨城県日立市を中心に、地 域のスポーツイベントや祭りに積極的に参加し地域社会の 活性化に貢献しています。特に2011 年の東日本大震災 直後は、大きな被害を受けた日立地区において、工場の近 隣住人への支援として給水活動を行うなど、復興支援活動 にも精力的に取り組みました。 勝田マラソン なお、当社を取り巻く経営環境が厳しさを増していること から、マラソン部のさらなる発展のためにも、2012年 4 月 1 日付けで株式会社日立物流にマラソン部を譲渡いたしま した。 バスケットボール部によるスポーツ振興 当社のバスケットボール部「 日立電線ブルドッグス 」は、 また、毎年、本拠地であ 日本バスケットボールリーグ2部機構 (JBL2)に参戦し、日 る日立市を中心に、小学 本各地でバスケットボールの振興に寄与しています。 校 ・ 中 学 校 ・ 高 等 学 校の 東日本大震災直後は、マラソン部とともに近隣住人への 児 童 ・ 生 徒 に バスケット 給水活動を行ったほか、2011 年 8 月には、 “日立市で被 ボールの技術指導などを 災された方や復興に向けてがんばっている方々に笑顔と元 実施し参加者から好評を 気が戻るように”という願いを込め、日立サンロッカーズ 博しているほか、地域の祭 (JBL)を招き、 「 東日本 大 震 災 復 興チャリティーマッチ りへ継続的にボランティア がんばろう茨城!日立電線ブルドッグスvs 日立サンロッカー 参加するなど、地域交流を ズ 」を開催しました。 大切にしています。 復興支援チャリティーマッチの様子 タイの小学校への社会貢献活動 AHCL(タイランド) 社では、近隣小学校へのボランティア 活動などの地域貢献活動を推進しています。 2010 年度に近隣の小学校で教育の一環としてマッシュ ルーム栽培小屋を設営したことに続き、2011 年度は保健 室建設費用の寄付を行い、教育・衛生面での支援を実施しま した。また、こうした支援の ほかにも、AHCL(タイラン 子供たちとの交流 ド) 社のスタッフと近隣の小 学校に通う子供たちとの交 流会を実施し、ゲームをして 楽しんだりと、各種交流を図 りました。 建設された保健室 35 | 日立電線 CSR 報告書 2012 中国深圳でのユニバーシアード大会支援活動 ( 深圳日立電線有限公司 ) 「 日高おんもさ祭り 」に参加 ( 茨城県日立市 ) 近隣住人も使えるように社員常駐の受付に AED 設置 「 雪灯篭まつり 」にて、雪灯篭を制作 ( 山形県米沢市 ) ( 東日京三電線㈱ 石岡事業所 ) ( 日高ケーブルプレシジョン㈱ ) その他の社会貢献活動 社名、事業所名 ジャンルと活動内容 石岡市主催の産業祭に出展、製品を展示、説明会を実施 東日京三電線㈱ 石岡事業所 工場最寄りの西フロリダ大学との交流の一環として、2011 年 11 月に日本 HCA* フロリダ工場 地域イベント 人女性留学生による日本文化の紹介を工場従業員向けに実施 日高夏祭りを開催・参加 日立地区工場/グループ会社 日立地区工場/グループ会社 日立電線ロジテック㈱ 災害復興支援 東日本大震災への義援金寄付 インディアナ州 トルネード被害 (2012.3.2) への義援金寄付 HCA* HCA* HCA*副社長がインディアナ大学の求めに応じ、 「 会社倫理」をテーマに講義を実施 HCA* インディアナ工場 教育 施設の開放 献血 防災 ・ 安全 近隣の小学校児童を対象として工場・事業所見学を実施 日高工場・高砂工場 古いパソコンや本の寄付。 ヒタチケーブル・フィリピンズ社 当社の各スポーツ専門部による、児童 ・ 生徒へのスポーツ指導 日立地区工場/グループ会社 ナイター設備を完備したグラウンドおよびテニスコートの開放 東日京三電線㈱ 石岡事業所 グラウンド、体育館、駐車場、福利施設などの一般開放 日高工場、電線工場、土浦工場 お祭りに伴い、駐車場を無料開放 日立ケーブルプレシジョン㈱ 川西工場 献血活動に協力 東日京三電線㈱/日立地区工場・ グループ会社/ヒタチケーブル・ フィリピンズ社 自衛消防隊を組織 東日京三電線㈱ / 日立地区工場・ グループ会社 リサイクルお 横浜市の市民団体「 MATE 」が展開する「 エコキャップ運動 」に参加。ペッ 日立電線㈱ ( 本社 ・ 支社 ・ 支店 ) よび福祉支援 トボトルキャップを毎月全事業所から回収し、集計・送付。 および国内グループ会社 地産地消 福利施設で地産地消を推進 日立地区福利施設 ( 日高クラブ・杉の内クラブ ) 知的発達に障がいのある方たちへのスポーツトレーニング支援とその成果 の場を提供しているスペシャルオリンピックス日本・埼玉・みさとを支援す 日立電線商事㈱ 本社 る会に対して年 1 回寄付 きしもと学舎の会 ( ネパールの学校に行けない貧しい子どもたちのためへの 日立電線商事㈱ 本社 教育支援 ) に寄付 寄付 西フロリダ大学に教育支援金を寄付 HCA* フロリダ工場 インディアナ大学および地元日本人補習校運営費用の教育支援金寄付 HCA* インディアナ工場 マレーシア人向け日本文化交流イベント「日馬フェスティバル 」への協賛金寄付 ヒタチケーブル・ジョホール社 中国蘇州市胥口鎮小学校に教育基金および子供節活動援助金を寄付 日立電線 ( 蘇州 ) 有限公司 中国蘇州市胥口鎮主催の同地方各企業が参加する文化活動支援金の寄付 日立電線 ( 蘇州 ) 有限公司 日立みらい財団など各種団体への寄付 日立電線(株)本社 * ヒタチケーブル・アメリカ社 日立電線 CSR 報告書 2012 | 36 社会への取組み 日高おんもさ祭りに参加 東日本大震災復興の一環として、被災地に菜の花を植栽 環境への取組み 特集 「ピーク電力削減への取組み」 取組みの骨子 東日本大震災と原発事故を受け、2011 年 7 月 1 日∼ 9 月 22 日 の 平 日 9:00 ∼ 20:00 に お い て ピ ー ク 電 力 を 15%抑制することを義務づける電力使用制限令が、政 府から発令されました。これを受け、日立電線グループ は、株式会社日立製作所およびそのグループ会社 (以下、 「 日立グループ 」といいます。 )で取り組むピーク電力削 減のための共同スキーム活動に参加し、 「 ピーク電力削 減プロジェクト活動 」を展開しました。 プロジェクトには、日立地区の工場をはじめとする大 口需要家 (500kW以上) の9サイト(工場)が参加しました。 これら 9 サイトの電力使用量は、日立電線グループの 99% を 占 め、か つ、日 立 グ ル ー プ の 東 京 電 力 管 内 の 13.5% を占めます。 当社グループの取組みが日立グループのピーク電力 抑制目標達成の成否の重大な部分を担っているという 自覚のもと、全社一丸となってプロジェクトを推進し ました。この結果、日立電線グループのピーク電力は、 全社プロジェクト 電線工場プロジェクト 日高工場・みなと工場プロジェクト 高砂工場プロジェクト 豊浦工場プロジェクト 土浦工場プロジェクト 東日京三電線プロジェクト 日立アロイプロジェクト 日立電線ラバーテクノロジープロジェクト 図 1 プロジェクト活動組織 前年と比較して 18.3% 減となり、節電使用制限令の目 標を達成しました。 活動と達成成果 日立グループ共同スキーム活動では、 「 日立グルー 施策としては、サイトごとにピーク電力の上限値を プとしてピーク電力を前年度比 15% 削減 」という目標 設け、各サイトが上限値を守るべく活動することはも を掲げました。この目標を達成するために、当社グ ちろん、上限値を超える恐れが出た場合には、余裕のあ ループでは図 1 に示した組織体制を整え、施策を展開 るサイトから電力を融通する体制を整えました。また、 しました。 土日出勤、休日輪番制、事業所ごとの夏期休暇の分散に まず、推進体制としては、品質・環境本部長を責任者 より、電力ピーク値の抑制を図りました。 とする全社プロジェクトチームが全体を推進するととも サイトごとのプロジェクトチームが、ピーク電力目 に、サイトごとのプロジェクトチームが個々の事業特性、 標値、休日設定、使用電力の監視・記録をするととも 市場動向等に対応しつつ着実に施策を実行しました。 に、全社プロジェクトチームは、これらの全社最適化を プロジェクトチームによる使用電力量の監視・記録 37 | 日立電線 CSR 報告書 2012 使用電力のリアルタイム監視モニター(Web 画面) 図るとともに、日立グループ内との調整を担当し、当社 さらに、一部のサイトでは 7 月以降の電力逼迫を見越 グループとして成果の最大化を図りました。特に、土浦 して、5 月のゴールデンウィークを稼働日にして備蓄生 工場では使用電力の監視に Web システムを利用したリ 産を実施しました。また、海外に生産設備を持つ製品に アルタイムの「 視える化 」を実現し、目標達成に大きな ついては、海外の工場での生産量を増やして国内工場 効果をもたらしました。 の稼働を抑えるなどの生産調整も実施しました。 日々の省エネ活動としては、クールビズ、照明の間引 これらの施策を実施した結果、電力使用制限令を全 き、自動販売機設置数の削減、空調 28℃設定、パソコン 日達成し、当社グループとして、ピーク電力を前年比で の省エネモード化などを実施しました。 18.3% 削減することに成功しました。 2010 年度 2011 年度 (%) 100 100 100 100 84 82 72 75 全社PJ活動の結果 項目 平日のピーク電力 電気使用量(7-9月平 電気料金(7-9月)支 (東電)ピーク電力 50 25 0 照明の間引き 平日の ピーク電力 電気使用量 (期間平均) 電気料金 (7-9月)支払額 図 2 活動の結果(活動期間:2011 年 7 月 1 日~ 9 月 22 日) 生産および従業員への影響 2011 年度のピーク電力削減活動では、生産調整や生 の家族への負担が増えた面もありました。例えば、家族 産設備の一部停止を余儀なくされ、企業活動にとって との休日が合わなかったり、学校行事と出勤日が重な 厳しい面もありました。しかし、この活動でピーク電力 るという事例が多数ありました。こうした影響につい 削減目標を達成したことにより、電気使用量を削減し ては、エネルギー対策やワーク・ライフ・バランスと ただけでなく、夏季休日調整割引の対象となり、結果と いった面も含めて、社会全体で解決策を検討していく して大幅なコストの削減につながりました。 必要があります。 一方で、輪番休日や土日出勤などにより、従業員とそ 2012 年度は、政府からの電力使用制限令は発令され の大きな財産となりました。 ませんでしたが、真夏の日中にはエネルギー使用量が 2012 年度もプロジェクトチームを継続し、電力削減 大幅に増える可能性が高いことや電力使用量削減が の仕組みを維持しているほか、一部の工場に設置して CO2 削減に直結することに加え、コスト削減にもつなが いた電力使用量の視える化装置を、ほぼすべての工場 ることから、今後も当社グループでは積極的に省エネ に導入しました。この電力使用量の視える化装置を省 活動を継続します。 エネ活動の有力なツールとして活用していきます。 2011 年度のピーク電力削減活動により、これまでの 当社グループは、今後も電力削減活動の継続を含め レベルを大きく超える電力抑制に取り組み、目標を達 た環境保全活動の推進により、社会的責任を果たして 成することができました。これをきっかけに、節電に対 まいります。 する意識やノウハウが高まったことは、当社グループ 日立電線 CSR 報告書 2012 | 38 環境への取組み 2012 年度の活動 環境への取組み 日立電線グループの環境方針 日立電線グループは茨城県内に生産拠点が集中しており、2011年3月の東日本大震災 では建物や生産設備に大きな影響を受けました。当社グループは迅速な復旧作業を行う と同時に、真摯な姿勢で環境保全活動に取り組みました。 当社グループでは、企業および従業員が果たすべき使命と 任を明記した「CSR 活動取組方針 」を制定しました。 役割とを定めた「 企業行動基準 」に沿い、1993 年に「 環境 当社グループではこれらの基準に基づき、①生産と環境 保護行動指針 」を制定し環境保護活動を推進してきました。 保全との調和 ②環境負荷の低減をめざした製品 ③環境経 2005 年にステークホルダーとの協力関係強化を盛り込 営と環境マインド ④ステークホルダーとの環境協働 の 4 つ み、名称を「 環境保全行動指針 」と変えて制定、2011 年 を柱とした「 日立電線グループ環境行動計画 」を策定し環 には企業活動における生態系の保全への配慮を謳った改定 境保全活動を推進しています。 を実施しました。またこの間、2006 年に企業の社会的責 企業行動基準 環境保全行動指針 CSR活動取組方針 環境保全行動指針 スローガン 製品・サービスを通じて環境と調和した持続可能な社会を実現するために、当社グループは製品の全ライフサイクルにお ける環境負荷低減をめざしたグローバルなモノづくりを推進し、地球環境保全に努めることにより社会的責任を果たす。 行動指針 1. 地球環境保全は人類共通の重要課題であり、環境と調 和した持続可能な社会の実現を経営の最優先課題の一 つとして取り組み、社会的責任を果たす。 2. 地球温暖化の防止、資源の循環的な利用、生態系の保 全への配慮に関するニーズを的確に把握し、これに対 応する高度で信頼性の高い技術および製品を開発する ことにより社会に貢献するよう努める。 3. 環境保全を担当する役員は、環境保全活動を適切に推 進する責任を負う。環境保全を担当する部署は、環境 関連規定の整備、環境負荷削減目標の設定などにより 環境保全活動の推進・徹底を図るとともに、環境保全 活動が適切に行われていることを確認し、その維持向 上に努める。 4. 製品の研究開発・設計の段階から生産、流通、販売、使 用、廃棄などの各段階における、環境負荷の把握と低減 をめざしたグローバルなモノづくりを推進する。 5. モノづくりによって生じる環境への影響を調査・検討 し、環境負荷を低減するために省エネルギー、省資源、 39 | 日立電線 CSR 報告書 2012 リサイクル、化学物質管理、生態系への配慮 等、環境保 全性に優れた技術、資材の導入を図る。 6. 国際的環境規制並びに国、地方自治体などの環境規制 を遵守するにとどまらず、必要に応じて自主基準を策 定して環境保全に努める。 7. グローバルなモノづくりに際しては、当該地域の環境 に与える影響に配慮し、地域社会の要請に応えられる 対策を実施するよう努める。 8. 社員の環境に関する法律遵守、環境への意識向上、広 く社会に目を向け、幅広い観点からの地球環境保全に ついて教育し、活動する。 9. 環境問題の可能性を評価し、発生の防止に努める。 万一、環境問題が生じた場合には、環境負荷を最小化す るよう適切な措置を講ずる。 10. 環境保全活動についてステークホルダーへの情報開示 と積極的なコミュニケーションに努め、相互理解と協 力関係の強化に努める。 2011 年 3 月改定 環境への取組み 環境マネジメントの状況 日立電線グループは、 「 日立電線グループ環境行動計画 」を策定し、その達成度を確認す ることで、グループ全体の環境保全活動を管理しています。 環境マネジメント体制 グループ全体の環境マネジメント体制として全社環境委 一方、当社グループ全体の環境管理部門として品質・環 員会およびテーマ別の分科会を設置し活動しています。全 境本部に環境センタを設置し、事業所・グループ会社への活 社環境委員会は事業所・グループ会社代表者・分科会責任 動方針や情報の伝達、環境活動実績のとりまとめなどを 者およびCSR 推進部門や資材調達部門の代表者から構成 行っています。各事業所やグループ会社は、日立電線グルー され、日立電線グループ環境行動計画案の策定、達成度の プ環境行動計画に基づきISO14001 環境マネジメントシ 確認・評価・改善の検討などの PDCAチェックおよび環境 ステム認証単位ごとに環境保全活動を推進しています。環 保全に関する共通課題の討議などを行っています。テーマ 境センタは、日立グループ環境推進機構 ISO14001 環境 別分科会は温暖化対策など、環境行動計画に掲げた個別 マネジメントシステムの認証範囲としても認証をうけており、 目標を達成するための具体策の検討と実績まとめを行って 当社グループ環境管理部門として日立グループと連動した います。 活動を推進しています。 社長 環境担当役員 (品質・環境本部長) 全社環境委員会 地球温暖化防止分科会 品質・環境本部 環境センタ グリーン物流 推進ワーキンググループ 日立電線(株)事業所 (および事業所内グループ会社) リサイクル推進分科会 国内グループ会社 エコプロダクツ分科会 海外グループ会社 化学物質管理分科会 ISO14001 認証状況 立グループ環境推進機構 」が認証取得をしており、当社で メントシステム認証取得数は2012 年 4 月現在、合計 25 は環境センタが認証範囲になっています。 あります。また日立グループの環境推進部門から成る「 日 日立電線(株)および統合認証の子会社・関連会社 認証取得数 対象日立電線サイト数 3 6 子会社・関連会社 9 認証の範囲 (株)日立製作所地球環境戦略 室および日立グループ会社環 境推進部門 日立電線 (株) の認証対象部門 品質・環境本部 環境センタ 国内・海外子会社 認証取得数 日立グループ環境推進機構 国内 海外 8 14 日立電線 CSR 報告書 2012 | 40 環境への取組み 当社および国内・海外子会社の ISO14001 環境マネジ 環境に関する外部コミュケーション状況 2011年度はグループ全体で指導が1件ありましたが、 亀裂が入ったことに起因したもので、直ちに対策を実施しま 外部からのクレームはありませんでした。 した。また同時に、その他のサイトでも、東日本大震災やそ 指導は、2012年2月茨城県の検査により、電線工場の の後の余震による廃液系配管の破損等がないか調査を行 雨水系排水口1ヶ所から水質汚濁防止法の排出基準値超 うとともに、水質汚濁防止法の排出基準値超過がないこと 過が判 明し、改 善 指 導 書を受 理したものです。これは、 を確認しました。 2011年3月の東日本大震災またはその後の余震で配管に 指導 ・ クレーム件数 区 分 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 指導 1 0 1 1 1 クレーム 1 3 2 1 0 環境教育 環境に関する教育として、従業員全員を対象にした一般 部とのコミュニケーションに活躍するコミュニケーター教育) 教育と階層別・部門別の教育、および専門的内容の教育を などを実施しました。 実施しています。 またISO/EMSのレベルアップを図るため、 各認証単位で 従業員全員を対象にした一般教育は、毎年度内容をリ も目的・目標の説明や運用の解説といった教育や、ISOで ニューアルしている環境 eラーニングと、社内広報紙に啓発 定められた特定業務に関する教育などを実施しています。 記事を定期的に掲載することなどにより実施しています。 2011 年度版環境 eラーニングは、海外グループ会社を含 め教育可能な環境にある社員の 96%にあたる4,808 名 が 受 講しました。専 門 教 育 は EMS (Environmental Management System) 内部監査員教育や環境関連専 門講座などのレベルアップ教育、特定業務に関する教育 (外 区 分 教育名称 環境 e ラーニング教育 環境方針説明会 環境方針 / 目的目標説明会 一般教育 サイト EMS レベルアップ教育 環境講演会 社内広報紙 e ラーニング受講者数・受講率 (人) (%) 受講者数 94 管理監督者教育 階層別教育 中堅従業員教育 新入社員教育 環境関連専門講座 専門教育 特定業務に関する教育 EMS 内部監査員教育 化学物質管理教育 部門別教育 製品化学物質規制関連教育 廃棄物区分投棄に関する教育 6,000 4,896 100 90 5,228 5,252 2009 2010 4,808 80 3,965 3,000 1,500 0 受講者数 41 | 日立電線 CSR 報告書 2012 96 85 81 4,500 95 受講率 2007 受講率 2008 2011 (年度) 環境監査 2011年度は、環境法令の規制基準について遵守状況 項目については改善計画書を作成し、それに従い改善を進 の監査と、 ISO14001各認証単位による内部監査の実施 めています。 結果の点検を実施しました。また、株式会社日立製作所の これらの監査・点検を通じて、グループ全体の遵法状況と 地球環境戦略室による環境監査がありました。 リスク管理状況の確認・システムチェックを行いました。 このうち環境法令に関する規制基準遵守状況は、国内 14事業所について規制基準超過 2 件、自主基準超過 1 件 区 分 の報告があり、いずれも対策済みであることを確認しました。 また、 ISO14001各認証単位による内部監査の実施結果 の点検では、不適合内容を確認し、いずれも軽微・観察に区 遵法状況の 監査 分されるもので、マネジメントレビューも適切に実施されて いました。 また、日立製作所の地球環境戦略室による環境監査は、 国内4事業所と海外1事業所を対象に実施され、環境法令 対応の書類審査および現地確認と指導を受けました。各事 業所にて2∼3件の改善要望がありましたが、すぐに改善可 能な項目は改善を実施するとともに、費用と時間が必要な 内 容 対象 14 製造事業所 自主基準値超過 1件 法・条例 規制基準値超過 2件 対象 8 認証単位 ( 製造 ) 133 部署 不適合 22 件 要改善項目 74 件 対象 国内:4事業所 海外:1事業所 ISO14001 内部監査 結果の点検 親会社(日立 製作所)によ る環境監査 環境設備点検によるリスク低減と緊急時対応訓練 環境汚染事故の発生を予防するため、各製造事業所で 薬品保管庫・排ガス洗浄塔・排水処理設備などについてリス は環境設備リスク点検および緊急時対応訓練を実施して ク点検を実施しました。また緊急時対応訓練は、油類・薬品 います。 類の漏えいを想定し流出を防止する訓練を実施しました。 2011年度も油や薬品類のタンクおよび配管・防液提・ 配管などのリスク点検 日立電線 CSR 報告書 2012 | 42 環境への取組み 薬品類の種類・保管量のチェック 環境管理評価 GREEN21-2015 環境活動レベルと行動計画実績とを8カテゴリーについ 2011 年 度からは、新たな評 価ツール「GREEN21- て 自 己 評 価 する日 立 グル ープ 独 自 の 評 価 ツール 2015」 で2015年に640GPをめざす活動を推進します。 「GREEN21 Ver3」を2006 年から2010 年の 5 年間 日立電線グループとしての初年となる2011 年度評価結果 用い、2010 年度は1,309GP*と目標の 1,280GPを達 は、421GPと目標の 384GPを達しました。また、すべて 成しました。 のカテゴリーで目標値の48GPを達成する事ができました。 *GP・・・グリーンポイント グリーンポイント評価実績 環境経営 100 ステークホルダーとの 環境協働 80 52GP 60 40 50GP 製品事業戦略 50GP 20 50GP 資源循環 55GP サプライチェーン 54GP 61GP 49GP 地球温暖化防止 エコマインド エコプロダクツ 2011年度 合計421GP 目標値 各カテゴリーで48GP カテゴリーと評価項目 カテゴリー 主な評価項目 環境経営 行動計画、環境監査、法規制遵守 環境経営・製品事業戦略 製品を通じた CO2 排出抑制 環境経営・サプライチェーン サプライヤー審査・啓発、環境情報の伝達 エコマインド 教育、人材の育成 エコプロダクツ 環境適合製品の拡大、製品含有化学物質管理 地球温暖化防止 省エネルギー努力・機器導入・輸送 資源循環 廃棄物原単位削減、電子マニフェスト、VOC ステークホルダーとの環境協働 情報開示、コミュニケーション、生態系の保全 43 | 日立電線 CSR 報告書 2012 環境への取組み 環境会計 日立電線グループは、国内拠点での環境保全活動に伴う環境保全コスト、環境保全対策 に伴う経済効果を集計し、環境活動の指標としています。 2011 年度は情報システム機器の高機能化へ対応する 投資については、ピーク時間帯における電力消費量の削 ため開発用人員を増員したことで研究開発コストが前年度 減義務の影響もあり、省エネルギーに関わる投資が増加し よりも増加しました。 ました。 ■ 集計範囲 : 日立電線および国内グループ会社製造拠点 (※日立ケーブルプレシジョン米沢工場を除く) ■ 対象期間 : 2011 年 4 月1 日∼ 2012 年 3 月31 日 環境保全コスト (百万円) 分 類 事業エリア内コスト 主な取組みの内容 公害防止、省エネルギー、省資源、廃棄物処理 環境施設の監視・測定 投資額 費用額 255 3,213 3 781 247 397 大気汚染防止、排水処理など公害防止のための設備運転や管理 地球環境保全コスト 省エネルギー・CO2 排出削減のための設備投資や管理 資源循環コスト 廃棄物処理業務 廃棄物のリサイクル、廃棄物削減のための設備運転や管理 4 2,035 上・下流コスト ドラム・ボビン・リール・パレット・容器類の回収再利用 0 390 管理活動コスト 環境マネジメントシステムの運用・維持 従業員への環境教育費・環境管理組織人件費 0 470 研究開発コスト 環境配慮型製品の研究開発 0 2,582 社会活動コスト 緑化 ・ 美化 ・ 景観等の環境改善 0 4 環境損傷対応コスト 環境関連の拠出金・課徴金 内 公害防止コスト 訳 合 計 0 3 255 6,662 (注) 単位未満を四捨五入しているため、個々の項目の合算と合計が合わない箇所があります。 環境保全対策に伴う経済効果 (百万円) 金額 省エネルギーによるエネルギー費節減 281 ドラム ・ ボビン ・ パレット等再利用によ る費用節減 462 環境保全コスト・投資額 環境保全コスト (百万円) 8,000 6,720 6,004 6,000 6,662 投資額 6,119 6,076 (百万円) 1,359 1,500 931 4,000 1,000 504 2,000 255 500 90 0 2007 2008 2009 2010 2011(年度) 0 環境保全コスト 投資額 日立電線 CSR 報告書 2012 | 44 環境への取組み 費用節減の内容 環境への取組み 環境行動計画と実績評価 日立電線グループ全体で取り組んだ2011 年度の環境行動計画のうち、主な項目の目標 と実績・評価とをまとめました。また、2015 年度を最終年度とする新たな行動計画につい て、主な取組み項目の 2015 年度最終目標と2012 年度の目標とを記載しました。 【国内事業所での生産活動を対象とした行動計画】 〇 : 達成 × : 未達成・改善努力要 -: 評価対象外 2011 年度 行動計画 項 目 生産と環境保全との調和 地球温暖化対策 製品輸送時のエネルギー 低減 目 CO2 の排出量を 8% 削減 (1990 年度比) 売上高あたりの CO2 発生量(原単位)を基準年度を超えないレベルに 抑制管理(2005 年度比) 輸送量(トンキロ)あたりの原油換算輸送エネルギー(原単位)を 6% 削減 (2006 年度比) 資源の有効利用 売上高あたりの廃棄物発生量(原単位) 土浦工場 :2005 年度レベルに抑制 他 :1.5% 改善(2005 年度比) 化学物質排出管理 VOC 大気排出割合 ( ※ 1) を 28% 以下に低減 環境負荷 ステークホル の低減を 環境経営とマインド ダーとの めざした 環境協働 製品 環境配慮製品拡大 標 環境適合製品の売上高比率 ( ※ 2) 54% 以上 ライフサイクル CO2 排出量の評価機種数比率 ( ※ 3) 5% 以上 グリーンポイントの向上 GREEN21-2015(新指標)で 384GP 以上 環境教育の推進 環境 e ラーニングの受講率 90% 以上 生物多様性の保全 生態系保全についての事業アセスメント活動に基づき、活動内容を決定 環境コミュニケーション 地球市民活動実施 ・ステークホルダーとのコミュニケーション実施 ・環境に関する社会貢献活動の実施 ( 注 1) 注 1)GREEN21-2015 および 環境 e ラーニングの受講者率の数値は、海外事業所を含んでいます。 (注 2) 【海外事業所での生産活動を対象とした行動計画】 生産と環境保全との調和 地球温暖化対策 売上高あたりの CO2 排出量(原単位)を 6% 改善(2005 年比) 売上高あたりの廃棄物発生量(原単位)を 12% 削減(2005 年度比 ) 資源の有効利用 売上高あたりの水使用量(原単位)を 6% 改善(2005 年度比 ) 化学物質管理(注 3) VOC 大気排出割合 ( ※ 1) 7% 以下 注 2)規模の大きい 6 事業所を対象にした評価です。 注 3)VOC 大気排出量は 排出割合 15% 以上の 3 事業所が対象です。 45 | 日立電線 CSR 報告書 2012 【目標欄の注釈】 大気排出量 ( ※ 1) VOC 大気排出割合 = ( ※ 2) 売上高比率 = ( ※ 3) 評価機種数比率 = ( ※ 4) 2012 年度より、環境配慮をコントロールまたは影響を及ぼしうる製品の総売上高に対する比率とする 使用量 環境適合製品売上高 連結売上高 評価機種数 年度ごとの登録適合製品数 評 価 掲載 ページ 24% 削減 〇 P48. 9% 削減 5% 削減 〇 P.48 基準年度を超えないレ ベルに管理 売上高あたりのCO2 発生量(原単位) を 3% 改善(2005 年度比) 8% 削減 〇 P.50 7% 改善 輸送量あたりの原油換算輸送エネル ギーを 10% 改善(2006 年度比) 土浦工場 :14.5% 増加 他 : 3.8% 増加 × × P.51 同右 売上高あたりの廃棄物発生量(原単 位)を 2005 年度レベルに抑制 23% ○ P.54 同右 VOC 大気排出割合を 28% 以下に 抑制 51% × P.56,57 6% ○ P.56 10% 421GP 〇 P.43 448GP GREEN21-2015 で 640GP 到達 96% 〇 P.41 92% 以上 環境 e ラーニングの受講率 95% 以 上 ワーキンググループにて検討 し、決定した。 〇 − 5% 環境ボランティア活動の参加者比率 20% 向上 ・展示会への出展 ・地域清掃活動実施 ・各種ボランティア活動参加 など 〇 P.33 ∼ 34, 57 同右 ・ステークホルダーとのコミュニ ケーション実施 ・環境に関する社会貢献活動実施 42% 改善 〇 P.49 7% 改善 売上高あたりの CO2 発生量を 10% 改善(2005 年比) 41% 削減 〇 P.51 14% 改善 売上高あたりの廃棄物発生量を 20% 改善(2005 年度比 ) 35% 改善 〇 − 7% 改善 売上高あたりの水使用量を 10% 改 善(2005 年度比 ) 4.5% 〇 − 同右 VOC 大気排出割合 7% 以下 結 果 2012 年度の目標 新指標 ( ※ 4) 73% 2015 年度までの目標 CO2 排出量を 14% 削減 (1990 年度比) 環境適合製品の売上高比率(新指標) 82% ライフサイクル CO2 排出量評価の 機種数比率 20% 環境への取組み 日立電線 CSR 報告書 2012 | 46 環境への取組み 資源・エネルギー投入量と環境への排出量 日立電線グループのマテリアルバランスです。製造事業所において2011 年度に投入した エネルギー量・水資源の量・原材料・その他の購入品の量・取り扱った化学物質の量と、排 出した環境負荷量・廃棄物量および製品として出荷した量を開示しています。 INPUT OUTPUT エネルギー投入量................. 5,429TJ 大気排出 電気 ................................ 435 百万 kWh CO2 .......................................... 225 千 t 燃料油 ................................. 3,832 千ℓ SOX .....................................................3t 液化石油ガス ................................292t NOX ..................................................19t 液化天然ガス ............................7,286t SF6 (CO2 換算)..........2.2t(52.5 千 t) 都市ガス .......................... 14,413 千㎥ PFC・HFC 等温室効果ガス (CO2 換算)......................................42t PRTR 法対象化学物質................85.7t VOC...............................................358t 上水道 ........................................ 75 千㎥ 工業用水 ................................. 503 千㎥ 地下水 ................................. 4,013 千㎥ 原材料・購入品 水排出 事業所 循環利用 冷却水 17,339 千㎥ 国内事業所 国内事業所 用水 ..................................... 4,592 千㎥ 下水道排水 ......................... 1,187 千㎥ 公共用水域排水.................. 3,218 千㎥ 蒸発その他 ......................... 1,884 千㎥ BOD .................................................72t COD .................................................78t PRTR 法対象化学物質.......................0t 銅 ............................................... 259 千 t 鉄 .................................................4.0 千 t 廃棄物・有価物 その他金属 ..................................16 千 t 発生量 .....................................34,772t プラスチック・ゴム ....................37 千 t 再資源化量 .............................27,926t 部品・化成品 ........................... 14.4 千 t 最終処分量 ...................................26.0t 紙類 .............................................0.6 千 t 木材 .............................................6.4 千 t 梱包材 .........................................3.7 千 t その他 .........................................6.7 千 t 製品出荷量 ............................... 334 千 t 化学物質取扱量 (原材料・購入品に含まれる化学物質) 製品輸送時の CO2 排出量 .........12 千 t PRTR 法対象化学物質.............5,755t エネルギー投入量 大気排出 電気 ................................ 161 百万 kWh CO2 .......................................... 120 千 t 燃料油 ..................................... 271 千ℓ 液化石油ガス ...................................57t 原材料・購入品 金属(銅・鉄・その他).............. 114 千 t プラスチック・ゴム ....................15 千 t 化成品 ..........................................55 千 t その他 .............................................5 千 t 47 | 日立電線 CSR 報告書 2012 海外事業所 海外事業所 液化天然ガス ................................810t 廃棄物・有価物 発生量 ........................................7,123t 再資源化量 ................................4,509t 最終処分量 ................................1,342t 注)海外 20 事業所の値です。 環境への取組み 地球温暖化対策 地球温暖化対策の活動として、製造事業所では継続的に設備改善を実施するとともに、製品 輸送についてトラック便の積載率向上活動やモーダルシフト推進を実施しています。また、オ フィスでは空調エネルギー削減、照明の大幅な間引きなど全員参加の活動を進めています。 エネルギー起源 CO2 排出削減 エ ネ ル ギ ー 起 源 CO2 国 内 排 出 量 を2011 年 度 に CO2 排出量と原単位(国内) 1990 年度比で8% 削減することを目標に活動してきまし (千 t) た。2011 年度の排出量実績は225 千トン、1990 年度 に対して24% の削減となり、目標を大きく上回ることがで きました。 (t /百万円) CO2 排出量 400 300 0.95 27 条に基づく電力使用制限令による夏季電力削減の取り 組みにより、省エネ意識がこれまでより一層高まった結果と 考えられます。 0.92 売上高原単位 0.98 1.0 0.84 296 309 2011 年度の削減活動では、これまで継続的に実施して きた省エネルギーのための設備改善に加え、電気事業法 1.05 0.98 200 0.8 227 216 2008 2009 249 225 0.6 100 0 1990 2007 2010 2011(年度) CO2 排出量 売上高原単位 2012年度からも引き続きCO2 排出量削減に取り組み、 2015 年度には1990 年度比 14% 削減の目標を掲げて ※ 1 CO2 換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]地球温暖化対策推進法・燃料区分別排出係数 [電力]1990 年度は電気事業連合会公表使用端 0.417、2007 ∼ 2011 年度は 環境省告示電気事業者ごとの排出係数 (調整後係数) ※ 2 売上高原単位に用いた売上高は、銅価格を除いたゼロベース売上高を使用しました。 活動を推進しています。 VOICE 基本に立ち返り省エネ活動推進 伊東 直樹 有しています。そのため、電気、エアー、水のほかに、ゴムの加 硫に使用する蒸気も多く使用しており、日高工場のエネル ギー使用量の約半分を占めています。 日頃から省エネ活動を進めていますが、現在は基本に立ち 返り、まずはエアー漏れ、蒸気漏れ等、無駄なエネルギーが無 絶縁・産業ケーブル製造に必要な設備全般に関わる新規導 いか調査し、修繕を進めています。並行して生産技術部と一 入計画から、完成後の運用管理までを担当しています。 緒になって、各ラインや装置の電力量測定を実施し、改善案 私たちの職場では、ケーブルの一貫製造設備を使用してい を計画しているところです。 ます。電線製造に必要な絶縁材料や撚線導体を製造する工 電気料金の高騰という大きな問題があり、さらなるエネル 程、絶縁体を被覆する工程やそれらを撚合せ、さらにシース材 ギー削減を求められています。早急に問題点を解決し、改善 を被覆する工程があり、それぞれの工程で数多くの設備を所 することで、環境負荷の低減、業績向上に努めます。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 48 環境への取組み 産業インフラ事業本部 電力・産業システム 事業部 電線製造部 省エネルギー施策 2011 年度に国内製造拠点で実施したCO2 排出削減 (省エネルギー) のための主な設備改善は下表の通りです。 これらの改善により、CO2 排出量を4,913トン削減する ことができました。削減量をエネルギー量で表すと原油換算 3,261kℓ (126,400GJ) に相当します。 区 分 改 善 事 例 重油ボイラの LNG 化 エネルギー種変更 高効率機器の導入 旧型空調機を高効率空調機へ更新 管理強化 夏季電力削減対策による照明節電 インバーター化 モータ・コンプレッサーなどの インバーター化 その他 高効率照明の導入 グリーンカーテンの推進 日立電線グループでは、株式会社日立製作所からゴーヤ の苗 524 本の提供を受けて、夏季節電対策の一環として、 多数の拠点でグリーンカーテンに取り組みました。 福利施設の日高クラブでも、グリーンカーテンによる省エネ とあわせてゴーヤの料理にチャレンジしました。プランタでの 栽培にもかかわらず素晴らしく成長し、沢山の実をつけまし た。多い日には20 本ほどの実を収穫できたので、日高クラブ の特別メニューとして提供したり、近隣住民の皆様にお配り し、ゴーヤの話題で盛り上がりました。 チャンプル グリーンカーテンの推進 天ぷら スイーツ 日高クラブ(茨城県日高市)のグリーンカーテン 海外会社における CO2 排出量 海外で操業している20製造事業所の2011年エネル 2011年からは、売上高 CO2 排出原単位を2015年に ギー起源CO2 排出量は120千トンでした。昨年に比べて約 2005年比で10%改善することを目標に活動しています。 9%の削減を達成しました。各事業所とも省エネルギーを目 2011年は2005年比6%改善の目標を掲げましたが、原 標に掲げて、継続的な削減を図っています。 材料の銅価格の高騰があり、42%の改善となりました。 環境行動計画では海外6製造事業所について、新たに CO2 排出量(海外) 売上高 CO2 排出原単位(海外) (千 t) 150 (指数) 132 132 130 120 109 100 100 75 原単位 目標値 50 50 25 0 2007 2008 2009 2010 2011 (年) ※1 CO2 換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]地球温暖化対策推進法・燃料区分別排出係数 [電力]日本電機工業会「 各国における発電部門 CO2 排出原単位の推計調査報告 」 Ver.3 2003 年排出係数 ※2 事業所譲渡や新設等があり、2008 ∼ 2009 年は 19 事業所、それ以外の年は 20 事業所の実績です。 49 | 日立電線 CSR 報告書 2012 0 2005 2011 2012 2013 注 ) 海外グループ会社 A の 6 事業所が対象です。 2014 2015 (年) 製品輸送での温暖化対策 製品輸送での温暖化対策として、輸送量あたりのエネル 輸送エネルギー原単位推移(国内) (kℓ/百万トンキロ) 56 ギー原単位を2015年度に2006年度比 10%削減という 目標を掲げて取り組んでいます。2011年度は2006年度 54 54.4 53.6 53.3 原単位 の53. 6kℓ/百万トンキロに比べ 6%削減を掲げて活動し 2011 年度目標 (50.4) 52 た結果、2006年度比 8%削減となり、目標を達成すること 50.8 50.4 50 ができました。 トラック輸送での積載率改善を図るために、従来からの継 48 2006 2007 2008 2009 2010 49.5 2011 (年度) 続的な取組みとして定期便を統合することや容積勝ち製品 については治具を用いて段積みをすること、輸送委託業者 と協同した燃費の改善などを推進しました。また、モーダル シフトでは、北海道向け内航船輸送を利用しています。 特定荷主定期報告 56 当社は省エネルギー法で定める特定荷主として定期報 輸送時の CO2 排出量 告を提出しています。平成23年度報告(2011年度実績) (t) 10,000 で は、エ ネ ル ギ ー の 使 用 に 係 る 原 単 位 対 前 年 度 比 を 97.5%、発生する CO 2の排出量を 6,400 トンと報告し ました。 8,840 54 52 8,406 8,000 6,910 50 6,910 6,400 48 6,000 4,000 2,000 0 2007 2008 2009 2010 2011 (年度) ※ 日立電線 ( 単独 ) の排出量です。 環境への取組み 日立電線 CSR 報告書 2012 | 50 環境への取組み 資源循環の推進 歩留まり向上や再利用量の拡大を図るとともに、潤滑液・洗浄液などの減容化により、廃棄物発生 量の削減を推進しています。再資源化量拡大・最終処分量削減では、廃棄物投棄状況パトロールを 実施し分別をさらに徹底することにより、再資源化できる廃棄物を増やす活動を推進しています。 廃棄物・有価物発生量削減と最終処分率 廃棄物・有価物発生量の評価は、2011 年度から2005 なお、2012 年度からは、すべての工場の売上高原単位 年度を基準年とした売上高原単位での評価に変わりました。 を2005 年度の水準まで低減することを目標に活動するこ 国内サイトの2011年度の目標は、売上高原単位が大きな とになりました。 土浦工場は、2005年度の基準を維持することを、その他の 海外サイトの 2011 年の目標は、2005 年比 12%改善 工場は2005年度の1.5%改善を目標として活動しました。 を目標として活動しました。結果は、41%の改善となり、目 2011 年度の結果は、土浦工場が14.5%と大幅に増加 標を大きく上回りました。 し、また、その他の工場も3.8%の増加となり、目標に対し また、国内製造事業所からの廃棄物・有価物発生量は 未達となりました。いずれも、廃棄物の発生量の削減量に 2011 年度に34,772トンで、2000 年度比 37%削減 比べ震災等による生産量の落ち込みの方が大きくなったこ となり、昨年度までと同様に削減傾向です。 とが影響したと考えられます。 最終処分量は26.0トンまで低減することができ、発生量 に対しての割合を示す最終処分率は2011 年度 0.1%に まで到達しました。 廃棄物・有価物発生量と最終処分率(国内) (t) (%) 発生量 最終処分率 10 9.2 5 0.5 60,000 0.4 0.2 0.2 0.1 0 55,172 50,000 41,329 40,000 37,525 34,258 35,555 34,772 30,000 20,000 10,000 0 2000 2007 2008 2009 2010 2011(年度) 発生量 最終処分率 50000 40000 30000 20000 10000 0 15 10 5 51 | 日立電線 CSR 報告書 2012 0 廃棄物・有価物の処理フロー(国内) (単位 : 千t) 再資源化量 直接再資源化量 発生量 27.9 17.1 34.8 自社中間処理対象量 中間処理後再資源化量 10.9 6.5 直接中間処理対象量 11.2 中間処理後最終処分量 減量化量 0.03 7.0 直接最終処分量 最終処分量 0.0 0.03 最終処分量の種類別内訳 再資源化量の種類別内訳 廃酸 0.7% (202) その他 0.7% (205) 廃油 2.9% (823) 汚泥 1.6% (441) 鉱さい 4.4% (1,231) 紙屑 4.6% (1,283) 木屑 8.5% (2,385) 廃プラス チック その他 合計 37.7% (9.8) 27,926 (t) 20.7% (5,770) 合計 廃プラス 26.0 チック (t) 52.7% (13.7) 金属屑 55.8% (15,586) 廃油 0.4% (0.1) 廃酸 9.2% (2.4) VOICE 区分投棄の徹底による「 投棄混入 0 件 」の推進 ために5S3定 (整理・整頓・清掃・清潔・躾、定位・定品・定量) 情報デバイス事業本部 情報システム事業部 情報システム製造部 光デバイス課 第一デバイス組長 平野 弘行 私たちの製造現場では環境活動への日々の取組みとして、 を基本として以下のことに取り組み、ゴミを捨てる時の煩雑さ を低減し投棄混入を防止しています。 1. 部品受入工程にて部品の梱包を開梱し、現場には開梱し た必要部品をセット配膳し、現場にゴミを入れないことで ゴミを出さない。 2. 作業エリアごとに必要な排出区分のゴミ箱を最小数設置。 3. 作業エリアのゴミ箱の大きさは、一日のゴミの排出量に 合った物にし、排出区分・排出可能品目・責任者(顔写真 す。 入) をゴミ箱に明示。 投棄混入を無くすためには、 「 廃棄物の排出区分表 」に従っ て廃棄物を捨てれば良いのです。しかし、三現主義(現場・現 物・現実)で現場の備え付けゴミ箱を見てみると、排出区分表 4. 作業エリアのゴミ箱のゴミは、日々、最終搬出用の 16 種 類に区分したゴミ箱に回収。 また、職場のルールとして仕事の終了時には、 「 作業エリア に対応した種類のゴミ箱が無い場合が多く、投棄混入が発生 内のゴミ捨て」を徹底することを心がけています。 する恐れがありました。そこで、現場では排出区分表に合わ 今後もマテリアルリサイクル・サーマルリサイクル・リユース せた16種類のゴミ箱を設置。さらに、区分投棄を定着させる を考え環境にやさしい 「モノづくり」を行いたいと思います。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 52 環境への取組み 区分投棄の徹底による「 投棄混入 0 件 」活動を行っていま 環境への取組み 生産活動での化学物質管理 日立電線グループは、生産活動で使用している化学物質およそ500種類について、各事業所お よび全体の使用量・排出量・移動量の集計を常時行っています。この集計結果を用いて、異常が ないか点検するとともに、次々と制定される化学物質規制への対応や使用削減をめざした活動 に活用し、化学物質による生態系への影響や環境汚染が起きないよう管理を実施しています。 化学物質排出管理 当社グループでは、化学物質についてインターネットを利 PRTR 物質取扱・排出・移動量(国内) 用した管理システムを運用し、各事業所での取扱量・排出 (t) 量・移動量の集計を常時行っています。 2011年度に取り扱ったPRTR* 法対象指定化学物質 (t) 6,000 1 の取扱量は5, 755トン、排出量86トン、移動量は154トン でした。2010年度以降は、法改正により指定化学物質数 が増えたことにより取扱量が増加しましたが、排出量は 排出量・移動量 取扱量 4,000 169 116 300 4,922 177 156 94 2,000 5,755 5,676 5,365 5,049 154 142 88 98 2009 2010 86 200 100 年々減少しています。 *1 PRTR Pollutant Release and Transfer Register の略 0 2007 2008 取扱量 排出量 移動量 2011 年度 PRTR 対象物質 排出・移動量 物質 27 番号 指定化学物質名 1 亜鉛の水溶性化合物 2011(年度) 0 ※ 取扱量 1トン/年未満の物質も含んでいます。 (単位 :t) 排出量 移動量 大気 水域 土壌 下水道 廃棄物 物質 番号 指定化学物質名 排出量 大気 水域 移動量 土壌 下水道 廃棄物 0.0 0.0 0.0 0.0 5.8 300 トルエン 32.9 0.0 0.0 0.0 4.1 31 アンチモンおよびその化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 4.1 304 鉛 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 37 ビスフェノールA 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 305 鉛化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 1.1 42 2-イミダゾリジンチオン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 308 ニッケル 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9 11.1 0.0 0.0 0.0 11.5 309 ニッケル化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 6.0 ビス(1-メチル-1-フェニル 330 エチル)=ペルオキシド 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 332 砒素およびその無機化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 14.1 349 フェノール 1.5 0.0 0.0 0.0 16.2 354 フタル酸ジ-ノルマル-ブチル 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 フタル酸ビス 355 (2-エチルヘキシル) 0.0 0.0 0.0 0.0 16.5 0.0 0.0 0.0 0.5 2.9 392 ノルマル-ヘキサン 1.0 0.0 0.0 0.0 1.4 ペルオキソ二硫酸の水溶性 395 塩 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 400 ベンゼン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 405 ほう素化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 411 ホルムアルデヒド 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 413 無水フタル酸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 438 メチルナフタレン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 メチレンビス(4,1-フェニレ 448 ン)=ジイソシアネート 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 その他 84 物質 0.4 0.0 0.0 0.0 1.8 85.7 0.0 0.0 0.5 154.1 53 エチルベンゼン 71 塩化第二鉄 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 25.6 0.0 0.0 0.0 23.3 82 銀およびその水溶性化合物 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 86 クレゾール(混合体) 1.3 0.0 0.0 0.0 5.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.3 80 キシレン 132 コバルトおよびその化合物 144 無機シアン化合物(錯塩およ びシアン酸塩を除く) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 160 3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミ ノジフェニルメタン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2 213 N,N-ジメチルアセトアミド 1.0 0.0 0.0 0.0 0.3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'230 フェニル-パラ-フェニレンジ アミン 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 232 N,N-ジメチルホルムアミド 8.8 0.0 0.0 0.0 32.3 245 チオ尿酸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 255 デカブロモジフェニルエーテル 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 259 ジスルフィラム 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 268 チウラム 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 296 1,2,4-トリメチルベンゼン 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 297 1,3,5-トリメチルベンゼン 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 265 テトラヒドロメチル無水フタ ル酸 374 ふっ化水素およびその水溶 性塩 合 計 注 1) 名称を記載した化学物質はグループ全体の合計取扱量が 1 トン以上の物質です。 注 2) 小数点 2 桁目を四捨五入した数値を表示しました。その関係により合計数値は表示数値の合計と異なっています。 53 | 日立電線 CSR 報告書 2012 VOC 大気排出削減 するなどの地道な努力を積み重ねた結果、VOCの大気排 2010年度までは化学物質削減に関する活動として、 「V OC大気排出量の削減 」をテーマに活動を続けてきました。 出 割 合 は 新 指 標 の 目 標 値とした「28% 以 下 」に 対し 2011年度からは生産高の増減に左右されずに削減活 「22.5%」となり目標を達成するとともに、大気排出量も 動の進捗を監視することを目的に新しい管理指標「 大気排 358トンとなり昨年実績の89%に抑えることができました。 出割合 * 」を導入し活動を継続しました。各事業所におい 排出VOCの内訳は、例年同様イソプロピルアルコールが最 て、材料をVOC使用品から非VOCタイプへ切替えたり、最 多で全体の約4割を占めています。 1 も使用量の多いイソプロピルアルコールで使用濃度を調整 * 1 ( VOC大気排出割合 ) = ( 大気排出量 ) /(VOC取扱量) VOC 大気排出量(国内) VOC 種類別大気排出量 (t) 800 メタノール 3% (9.8) メチルエチルケトン 3% (9.9) エチルベンゼン 3% (10.5) アセトン 4% (13.9) 689 600 514 386 404 400 エタノール 7% (24.2) 358 キシレン 7% (24.5) トルエン 9% (31.6) 200 0 2007 2008 2009 2010 2011 その他7物質 5% (18.4) イソプロピルアルコール 37% (131.4) 合計 358 (t) n-デカン 23% (83.9) (年度) 注)事業所単位での使用量が 1 トン / 年以上の VOC が対象です。 PCB 廃棄物保管状況 当社グループで保管しているPCB廃棄物は、コンデン 託し無害化処理しました。 サ、蛍光灯および水銀灯の安定器、それに油とウエス類が 各事業所では処理計画に備えて保管している機器を引き あります。2011年度にはこれらの保管コンデンサのうち 続き厳重に管理しています。 95台を日本環境安全事業株式会社北海道事業所殿に委 保管している PCB 廃棄物(日立電線グループ合計) 安定器 (kg) 油・ウエス (kg) 525 5,900 195 環境への取組み コンデンサ (個) 注 1)2012 年 3 月 31 日現在の保管数です。 注 2)表の数値は高濃度 PCB 廃棄物です。このほかに、微量 PCB 汚染のトランス・コンデンサ・油があ ります。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 54 環境への取組み グリーン調達 日立電線グループでは、お取引先から調達する原材料、部品、半完成品、完成品、梱包材な どの調達品に関して、化学物質の適正使用、省エネルギー、長寿命、省資源、再生・分解・処 理の容易性を考慮した、環境負荷のより少ない製品・サービスを調達する取り組みを推進し ています。今後もお取引先と一体となった取組みを継続していきます。 製品含有化学物質管理 製品含有化学物質については、RoHS*1指令・ELV*2 指 め、お取引先からの含有化学物質情報の伝達ツールをアー 令の施行に合わせて、当社グループ横断の「 環境 CSR 対 ティクルマネジメント推 進 協 議 会(JAMP)が 提 供する 応モノづくり委員会 」を組織し、管理体制を構築するととも 「MSDSplus」および「AIS」に切り替えるとともに、日立グ に、独自の ITシステム「 製品含有化学物質管理システム ループの「グリーン調達システム (A Gree’ Net) 」 と連携し、 (Hi-PECCS) 」を始動し、管理を行ってきました。 お取引先が直接情報を入力できる体制を整えました。これ さらに、近年の REACH*3 規則等の規制の拡大(対象物 らの運用については、当社グル−プの考え方をお取引先に 質の増加) に対応するため、2011 年度には、当社グループ 御理解いただいた上で運用を開始しています。 の自主管理物質を見直し、 「レベル A 禁止物質 」20 物質群 改正 RoHS 指令では、対象製品が、全電気電子機器とな および「レベル B 管理物質 」11 物質群へと改定しました。 り、当社グループの関連製品としては、医療機器・監視制御 これに伴い、調達品の製品含有化学物質の管理について 機器ならびにケーブル類も新たに対象となります。当社グ は、 「 日立電線グループ グリーン調達ガイドライン」から「 日 ループでは、今後も調達品あるいは製品単位で一元管理 立電線グループ グリーン調達基準書(HKS01) 」へ切り替 し、規制値を超える化学物質を含有した製品が出荷されな え、全社共通購入仕様書としての運用を開始し、お取引先 い体制を強化していきます。 と一体となった取組みを推進しています。 *1 RoHS Restriction of the use of certain Hazardous Substance の略 *2 ELV End-of Life Vehicles Directive の略 *3 REACH Registration Evaluation and Authorization of Chemical の略 また、管理物質の増加に対応するためには、今まで以上 にサプライチェーン全体の円滑な情報伝達が必要となるた 製品含有化学物質管理の仕組み 有害化学物質 入れない 使わない 出さない グリーン調達 Hi-PECCS 環境品質保証 製品製造 品質保証文書入手 含有情報登録 (MSDS, MSDSplus,AIS) 環境サプライヤー認定 調達品 含有化学物質分析 55 | 日立電線 CSR 報告書 2012 情報のデータベース化 環境調達品認定 危機管理 環境事故訓練 含有情報伝達 (AIS,JGPほか) 環境製品認定 製品 含有化学物質分析 お客様 A Gree’Net サプライヤー︵お取引先︶ 環境適合設計 環境への取組み 環境に配慮した製品 日立電線グループは、環境に配慮した製品・サービスを社会へお届けすることにより地球環 境を保全し、持続可能な社会構築に貢献したいと願っています。独自に設定した評価基準を 満足する製品を「 環境適合製品 」、さらに高い基準を満たした製品を「 環境適合製品セレク ト」として、これらの拡大を推進していきます。 環境配慮設計 当社グループは、環境に配慮した製品・サービスを開発・ 品・サービスの原材料から製造、輸送、使用、廃棄/再利用 設計・製造し社会へお届けすることにより地球環境を保全 といったライフサイクルにおける環境影響を評価し、より環 し、持続可能な社会構築に貢献したいと願っています。 境負荷の小さい製品の開発・設計をめざすものです。 環境と調和した持続可能な社会の実現に向けて、製品・ 当社ではこのライフサイクルアセスメント (LCA) を活用し サービスが環境に与える負荷を低減し、限りある資源の有 て、開発製品のうち一定割合についてその製品のCO2 排出 効活用を行うためには、製品・サービスの開発・設計段階か 量を評価する試みも2011年度からスタートしました。2011 ら環境に配慮することが必要です。このために私たちは「 環 年度に評価した製品数の割合(評価機種数比率) は目標 5% 境適合設計アセスメント」評価を実施しています。これは製 に対して6%でした。今後、 この比率を増やしていきます。 環境適合製品の拡大 環境適合製品とは、例えば製品(サービスを含む)の減量 今後、当社グループが製品の環境配慮をコントロールでき 化、長期使用性、省エネルギー性など8 項目の環境影響に る、または影響を及ぼしうる製品(境適合製品対象製品)に ついて従来製品と比較評価し、一定基準を満足したものを ついては、2025 年度までにすべての製品を「 環境適合製 いいます。この「 環境適合製品 」の製品数は2011 年度末 品 」にするよう活動を推進していきます。この考えに基づき、 現在で累計 216 製品となっており、その売上高は2,101 2012年度からは、環境適合製品の売上高比率の分母を従 億円(2011 年度) 、当社グループの連結売上高(海外グ 来の連結売上高から環境適合製品対象売上高とし、2012 ループ会社の決算期統一の影響を修正後)に対する割合は 年度以降の中期目標を新たに次のように設定しました。 50%超になります。また、そのなかで温暖化ガス(CO2 など 環境適合製品売上高比率の目標 の温室効果ガス) の排出と資源の消費を抑え、製品・サービ 2012 年度:73% スの価値を向上させる度合いを表す環境効率が、特に高い 2015 年度:82% 製品・サービスについては、 「 環境適合製品セレクト」と認定 2025 年度:100% しています。2011 年度からスタートしたこの制度ですが、 「 環境適合設計アセスメント 」評価の例 減量化 環境適合製品セレクトの条件は、以下のとおりです。 1.温暖化防止ファクターまたは資源ファクターが 10 以 包装材 長期使用性 上のもの ( 基準年度:2005 年度、機能を厳選 ) 2.環境性能が業界トップクラスのもの 3.社外表彰、公的認定を受けたもの 4.2005 年度製品比 CO2 削減率 50% 以上のもの 再生資源化 情報提供 環境適合製品セレクト 分解/処理容易性 省エネルギー性 環境適合製品 環境適合製品とセレクト 環境保全性 従来機種 新機種(一次) 新機種(二次) 日立電線 CSR 報告書 2012 | 56 環境への取組み 初年度 (2011 年度) に2製品を登録しました。 環境適合製品売上高・売上高比率 (億円) 2,202 売上高 1,976 1,872 2,000 1,000 53 48 817 21 978 51 35 40 20 500 0 60 38 27 23 (%) 売上高比率 80 1,775 1,467 1,500 2,101 2004 2005 2006 売上高 売上高比率 2007 2008 2009 2010 環境適合製品売上高 売上高比率 = 連結売上高 2011 (年度) × 100 展示会への参加 当社グループの環境への取組みを皆様にお伝えするため に、各地で開催される製品展示会に、 「 環境適合製品 」等 の環境に配慮した製品を多数出展しています。 当社製品を出展した主な展示会 展示会名称(開催場所) 期 間 自動車技術展 : 人とくるまのテクノロジー 展 2011 ( 横浜 ) 2011 年 5 月 18 日∼ 5 月 20 日 INTEROP TOKYO 2011 ( 幕張 ) 2011 年 6 月 8 日∼ 10 日 電気自動車開発技術展 2011(横浜) 2011 年 10 月 12 日∼ 14 日 鉄道技術展 ( 幕張 ) 2011 年 11 月 9 日∼ 11 日 つくばフォーラム2011(つくば) 2011 年 11 月 29 日∼ 30 日 エコプロダクツ2011(東京有明) 2011 年 12 月 15 日∼ 17 日 EV・HEV 駆動システム技術展(EV JAPAN) 2012 年 1 月 18 ∼ 20 日 エコプロダクツ 2011 日立グループブース エコプロダクツ 2011 当社の出展製品の一例 「EV(電気自動車)用充電器 」 環境に貢献する製品 地球温暖化対策としてCO2 排出量の削減に向けた国際 搭載しています。一方、スリムタイプは、家庭や個人事業者 的な取組みが行われています。そのような中、自動車交通 などでの使用を想定した製品です。奥行き11.5cmで狭 分野で注目されているのが、走行時の動力に電力を利用 いスペースにも設置が可能で、充電 する電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車 コネクタやケーブルも本体に収納する (PHV) です。 ことができます。 これらは従来のガソリン車と比べてエネルギー効率が高 く、低炭素社会の実現、排出ガス抑制による生活環境の改 善に貢献する自動車として普及が進められています。 日立グループでは、EV・PHP向け充電スタンド 「エネタス*」 を発売しています。 「エネタス」はトキコテクノ (株) 製のスタンダードタイプと 日立電線製のスリムタイプのラインアップとなります。スタ ンダードタイプは、企業の駐車場や店舗、公共施設など、た くさんの人が行き交う場所に設置できるようロック機能を EV・PHV 専用充電スタンド「 エネタス 」 スリムタイプ (ENT-HCA) *エネタスは、日立コンシューマー・マーケティング (株) の登録商標です。 57 | 日立電線 CSR 報告書 2012 環境への取組み 事業所別データ CO2 排出量・廃棄物データ(2011年4月~2012年3月) 【 国内事業所 】 会社・事業所 日立電線 ( 株 ) 所在地 CO2 排出量 (t) 電線工場 茨城県日立市助川町 3-1-1 20,438 (20,484) 日高工場 茨城県日立市日高町 5-1-1 33,234 (33,303) 高砂工場 茨城県日立市砂沢町 880 番地 34,251 (34,329) みなと工場 茨城県日立市久慈町 4 丁目 5862 番地 の2 豊浦工場 茨城県日立市川尻町 4-10-1 土浦工場 茨城県土浦市木田余町 3550 番地 日立電線メクテック( 株 ) 機器工場 発生量 (t) 再資源化量 最終処分量 (t) (t) 最終処分率 (%) 1,550 1,044 1.4 0.09 10,793 9,763 15.2 0.14 50,064 (50,143) 7,294 7,070 0.8 0.01 63,022 (63,133) 7,260 2,625 2.7 0.04 822 (824) 195 136 0 0 1,491 1,477 0 0 9,378 (9,397) 866 735 0.7 0.08 404 (405) 茨城県日立市日高町 4-12-1 日立電線ロジテック( 株 ) 茨城県日立市日高町 5-3-3 日高事業所 136 (136) 408 (408) 東海事業所 茨城県那珂郡東海村照沼 150 番地 日立アロイ( 株 ) 騎西工場 東日京三電線 ( 株 ) 石岡事業所 茨城県石岡市荒金 1-1 9,771 (9,794) 3,423 3,231 0 0 東北ゴム( 株 ) 本社工場 宮城県仙台市宮城野区港 1-1-12 2,421 (2,772) 322 316 0 0 山形県米沢市芳泉町 901 1,286 (1,688) 1,579 1,523 4.4 0.28 日立ケーブルプレシジョン(株) 米沢工場 埼玉県加須市内田ケ谷 254-2 廃棄物・有価物 注 1) CO2 換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]温暖化対策法・燃料区分別排出係数 [電力]環境省告示平成 22 年度の電気事業者ごとの排出係数 上段の数値は調整後排出係数、下段の( )数値は実排出係数を使用した場合の排出量 注 2) 廃棄物量に東日本大震災によって発生したがれきや屑などは含んでいません。 【 海外事業所 】 ヒタチケーブル・ジョホール社 所在地 マレーシア・ジョホール州 CO2 排出量 (t) 5,553 廃棄物・有価物 発生量 (t) 300 再資源化量 (t) 最終処分量 (t) 0 0 上海日立電線有限公司 中国・上海 26,777 1,653 1,421 205 ヒタチケーブル・シンガポール社 シンガポール 12,834 1,678 1,427 0 PHCP 社 フィリピン・カビテ州 4,430 947 575 124 タイ・ヒタチ・エナメルワイヤー社 タイ・チャチョンサオ 22,793 491 20 0 日立電線 ( 蘇州 ) 有限公司 電線工場 中国・蘇州 11,730 424 382 42 注 1) 規模の大きい 6 事業所のデータです。 注 2) CO2 換算係数は次の係数を使用しました。 [燃料]温暖化対策法・燃料区分別排出係数 [電力]日本電機工業会「 各国における発電部門 CO2 排出原単位の推計調査報告 」Ver.3 2003 年排出係数 日立電線 CSR 報告書 2012 | 58 環境への取組み 会社・事業所 大気・水質データ(2011年4月~2012年3月) 大気 水質 電線工場 設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 ボイラ NOx ppm 150 60 25 排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) シアン mg/ℓ 1 0.5 0.3 水銀 mg/ℓ 0.005 0.0025 ND ふっ素 mg/ℓ 8 4 0.4 アンモニア類 mg/ℓ 河川 PH 実測値 ( 最大 ) 100 50 10.6 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 6.2 ∼ 8.3 BOD mg/ℓ 25 ※ 1 12.5 6 SS mg/ℓ 40 ※ 1 20 13 油 mg/ℓ 10 5 ND フェノール類 mg/ℓ 0.5 ※ 1 0.25 0.1 銅 mg/ℓ 3 1.5 0.2 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) NOx ppm 150 60 ∼ 135 73 ボイラ 金属溶解炉 ばいじん g/m N 0.1 0.2 0.05 0.1 <0.01 <0.01 鉛 mg/m3N 10 0.8 0.01 排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) 鉛 mg/ℓ 0.1 0.08 0.028 アンモニア類 mg/ℓ 100 80 1.5 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 7.2 ∼ 8.1 ※ 1 条例値 設備名 大気 3 日高工場 水質 PH 河川 BOD mg/ℓ 25 ※ 2 20 7 SS mg/ℓ 40 ※ 2 30 4 油 mg/ℓ 5 4 0 亜鉛 mg/ℓ 2 1.8 0.09 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) 106.8 ∼ 160 60 ∼ 145 86 38 ※ 2 条例値 大気 高砂工場 設備名 NOx ppm 180 150 ばいじん g/m3N 0.10 ∼ 0.30 0.01 ∼ 0.22 0.02 設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) NOx ppm 180 260 50 70 37 65 ばいじん g/m3N 0.3 0.2 0.1 0.05 0.02 0.02 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) アンモニア類 mg/ℓ 100 80 0.3 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 7.8 ∼ 8.3 大気 ボイラ 冷温水発生機 水素発生装置 ボイラ 金属溶解炉 豊浦工場 排出先 PH 水質 ※ 3 条例値 59 | 日立電線 CSR 報告書 2012 河川 BOD mg/ℓ 25 ※ 3 20 4.2 SS mg/ℓ 40 ※ 3 30 10.5 油 mg/ℓ 5 4 <1 フェノール類 mg/ℓ 1※3 0.8 0.15 銅 mg/ℓ 3 2 0.21 亜鉛 mg/ℓ 2 1.8 0.09 溶解性鉄 mg/ℓ 10 8 0.1 大気 設備名 項目 単位 規制基準値 自主基準値 金属加熱炉 金属溶解炉 NOx ppm 180 144 19 ばいじん g/m3N 0.2 0.16 0.039 項目 単位 条例・協定値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) アンモニア類 mg/ℓ 100 80 1.1 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 7.3 ∼ 8.3 排出先 水質 土浦工場 PH 河川 実測値 ( 最大 ) 大気 BOD mg/ℓ 10 8 10 SS mg/ℓ 15 12 2.0 油 mg/ℓ 3 2.4 1.5 銅 mg/ℓ 1 0.8 0.1 亜鉛 mg/ℓ 1 0.8 0.1 溶解性鉄 mg/ℓ 1 0.8 0.04 溶解性マンガン mg/ℓ 1 0.8 0.03 窒素 mg/ℓ 8 6.4 1.4 リン mg/ℓ 0.5 0.4 0.21 実測値 ( 最大 ) 項目 単位 規制基準値 自主基準値 NOx ppm 180 144 68 ばいじん g/m3N 0.25 0.16 <0.01 排出先 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 6.8 ∼ 7.9 6.2 PH 水質 日立アロイ㈱騎西工場 設備名 金属加解炉 金属溶熱炉 河川 大気 ボイラ 排出先 mg/ℓ 25 20 SS mg/ℓ 60 48 20 油 mg/ℓ 5 4 <1 亜鉛 mg/ℓ 2 1.6 0.23 窒素 mg/ℓ 120 96 1.1 リン mg/ℓ 16 12.8 0.52 実測値 ( 最大 ) 項目 単位 規制基準値 自主基準値 NOx ppm 260 260 72 ばいじん g/m3N 0.5 0.5 0.002 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.5 7.2 ∼ 7.8 1.3 PH 水質 東日京三電線㈱石岡事業所 設備名 BOD 河川 設備 大気 mg/ℓ 25 22 SS mg/ℓ 40 36 2.8 油 mg/ℓ 5 4.5 <0.5 窒素 mg/ℓ 60 54 5.4 リン mg/ℓ 8 7 0.4 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) NOx ppm 130 150 130 150 47 32 ばいじん g/m3N 0.10 0.15 0.10 0.15 0.01 0.01 項目 単位 規制基準値 自主基準値 実測値 ( 最大 ) 5.8 ∼ 8.6 6.0 ∼ 8.4 6.5 ∼ 7.3 PH 海域 COD mg/ℓ 20 18 15 SS mg/ℓ 20 18 6.5 油 mg/ℓ 3 2.8 1.4 亜鉛 mg/ℓ 2 ̶ 0.1 日立電線 CSR 報告書 2012 | 60 環境への取組み 排出先 水質 東北ゴム㈱本社工場 ボイラ 熱媒ボイラ BOD ISO14001認証取得状況(2012年3月現在) 日立電線(株) 事業所名 認証年月 電線工場 1997.3 日高工場 (高砂工場、豊浦工場、みなと工場、 (株)ジェイ・パワーシステムズ、 (株)アドバンスト・ケーブルシ ステムズを含む) 1997.3 土浦工場 1999.3 国内子会社 海外子会社 会社名 認証年月 東日京三電線(株) 2000.1 日立アロイ(株)騎西工場 2002.11 日立製線(株) 1997.3 日立ケーブルプレシジョン (株) 会社名 認証年月 上海日立電線有限公司 ※1 日立電線(蘇州)有限公司 2005.5 電線工場 2007.9 加工工場 2005.3 米沢工場 2000.11 Hitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. 2002.5 日立工場 Giga Epitaxy Technology Corporation 2003.2 2002.2 1997.3 ※2 日立電線ファインテック(株) 1997.3 ※1 日立電線ロジテック(株) 1997.3 ※1 Hitachi Cable Automotive Products USA, Inc. ※ 日立電線ネットワークス(株) 1997.3 ※1 Hitachi Cable (Singapore) Pte. Ltd. 1998.9 日立電線メクテック(株) 1997.3 ※1 日立電線(蘇州)精工有限公司 2006.10 日立マグネットワイヤ(株) 1997.3 ※1 Thai Hitachi Enamel Wire Co., Ltd. 2005.12 2001.12 東北ゴム(株) 2003.3 Hitachi Cable Philippines, Inc. 日立電線ラバーテクノロジー(株) 2005.6 PHCP, Inc. 2004.11 2002.3 深圳日立電線有限公司 2008.9 Hitachi Cable UK. Ltd. 2007.10 Hitachi Cable PS Techno (Malaysia) Sdn. Bhd. 2005.6 日立電線商事(株) ※ 1 日立電線 ( 株 ) 日高工場と同一の認証です。 ※ 2 日立電線 ( 株 ) 電線工場と同一の認証です。 注)日立電線フィルムデバイス(株)は 2011 年 6 月生産活動を終了したこと から、ISO14001 認証取得を取りやめました。 ※ 2012 年 4 月 1 日より、Hitachi Cable America Inc. Indiana Plant. 61 | 日立電線 CSR 報告書 2012 第三者意見 SGS ジャパン株式会社 サステナビリティサービス部 主任検証人 都倉 知宏 日立電線グループの CSR 報告書 2012 は、貴社に関わり 取り組みがあり、特に海外において大きな関心事となって の深いステークホルダー ( 顧客、取引先、投資家、従業員、 います。海外事業所における社会貢献活動以外への報告内 地域社会 ) にとって高い関心を示すと思われる主題につい 容の拡大や、残業時間や女性従業員の構成比率及び管理職 て網羅的に報告されており、報告内容が比較しやすいよ の女性比率といった、社会面におけるパフォーマンスデー う、前年以前の報告書を参考に、構成や主題選定にも配慮 タの情報収集及び開示について、今後に期待いたします。 されていました。ステークホルダーを重視した報告書と トップメッセージでは、 「 新興市場のインフラ需要の補 して評価いたします。今後のさらなる改善として、経年比 足 」、 「 環境負荷低減 」、 「 行動規範の制定 」などについて言 較は複数年度の報告書に目を通さず単年度の報告書で可 及しています。それを受け、 「 営業再編 」、 「 環境への取り 能となるよう、検討されることを期待いたします。また、 組み 」「CSR 基本姿勢 」などが報告されていました。「 営 変化するステークホルダーのニーズや期待を適宜反映さ 業再編 」のように特集記事による具体的な報告もありま せることで、さらに充実した報告書になると思います。ス すが、 「 行動規範の制定 」については具体的な内容を知る テークホルダーからのフィードバックはアンケート以外 ことができませんでした。トップメッセージは、貴社が最 にも地域交流や IR 活動など、様々な形で実施されている も伝えたい取り組みについて触れているのだと思います。 双方向コミュニケーションにて得ることができます。こ また、ステークホルダーにとってもトップメッセージで言 のダイアログで得られた情報を報告書に反映させること 及された内容には関心を寄せます。トップメッセージと は、よりステークホルダーのニーズにあった報告へとつな 関連付けた CSR 活動の具体的な報告を期待いたします。 がります。ステークホルダーにとっても貴社に伝えたニー 今回は第三者意見であり、報告されている内容が採用さ ズや期待への対応が報告されていれば、貴社への信頼度も れた経緯や記載された数値及びその報告内容の正確性に 上がるものと考えます。ステークホルダーとの定期的な ついては、はかり知ることができませんでした。CSR を取 コミュニケーションの実施と、そこから得られた情報の報 り巻く状況として、ISO26000 のガイドラインとしての採 告書への反映といった、一連のプロセスに基づいた報告を 用、アニュアルレポートとの統合報告等の動きもあり、 期待いたします。 CSR 活動における報告内容の正確性は重要度を増してい 環境への取り組みは、国内事業所のみならず海外事業所 ます。報告書作成プロセスを含めた、報告書に対する第三 のパフォーマンスデータも把握可能な範囲で情報開示さ 者の視点の導入を期待いたします。 れていました。貴社は海外売上が 3 割、従業員比率も海外 が 5 割を超えており、この影響を考慮されての情報開示と して評価できます。他方、海外事業所での社会面の取り組 みについては、社会貢献活動が主な報告となっていまし た。CSR の中核的な主題として人権や労働環境に対する ※このコメントは、本書が一般に公正妥当と認められる環境報告書等 の作成基準に準拠して正確に測定、算出され、かつ事項が漏れなく 表示されているかどうかについて判断した結論を表明するものでは ありません。 第三者意見を受けて 日立電線株式会社 CSR 推進室長 木暮 正一 CSR 報告書 2012 の発行に際し、貴重なご意見、ご提案を頂きましたこと、誠にありがとうございました。当社グループは中期経 営計画「 リニューアル・プラン“BRIDGE” 」を推進中ですが、その中で「 真のグローバル企業への変革 」を遂げることをめざしてい ます。そのためには、さまざまなステークホルダーの求めるニーズに対し、CSR の視点からも、しっかりと応えていく必要があると 考えています。ステークホルダーの方々にお伝えすべきことは何なのかを深く考え、よりわかりやすく、かつ、透明性を高めていく ために、本報告書の改善を図っていきたいと思います。また、当社の企業活動を総合的にご理解いただくという観点から、CSR 報 告書とアニュアルレポートを統合レポートとすることを検討しております。今回のご意見、ご提案に加え、ステークホルダーの皆 様からのご意見やご指摘に耳を傾け、よりよい報告書、そして、よりよい CSR 活動を実現すべく取り組んでまいりたいと思います。 日立電線 CSR 報告書 2012 | 62 日立電線株式会社 報告書 C S R 2 0 1 2 〒101-8971 東京都千代田区外神田 4 -14 -1 秋葉原 UDX TEL : 03-6381-1050 FAX : 03-5256-3240 http : // www.hitachi-cable.co.jp/ ©Hitachi Cable, Ltd. 2012 All Rights Reserved. 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