日本語版

14ビット、40/65MSPS A/Dコンバータ
AD9244
機能ブロック図
特長
14ビット、40/65MSPS ADC
REFT REFB
AVDD
低消費電力:
65MSPSで550mW
40MSPSで300mW
内蔵リファレンスとサンプル/ホールド
750MHzのアナログ入力帯域幅
65MSPS S/N比 73dBc
DRVDD
AD9244
VIN+
10段の
パイプライン
ADC
SHA
VIN–
65MSPS SFDR 86dBc
微分非直線性誤差=±0.7 LSB
DFS
14
CLK+
全温度範囲でノー・ミスコードを保証
1∼2Vp-p差動フルスケール・アナログ入力範囲
5Vのアナログ単電源、3.3/5Vのドライバ電源
範囲外インジケータ
ストレート・バイナリまたは2の補数の出力データ
クロック・デューティ・サイクル安定器
出力イネーブル機能
48ピンLQFPパッケージ
CLK–
OTR
出力
レジスタ
タイミング
DCS
D13∼D0
14
リファレンス
OEB
AGND CML VR
アプリケーション
VREF SENSE
REF
GND
DGND
通信サブシステム(マイクロセル、ピコセル)
医療用およびハイエンド画像機器
超音波機器
概要
製品のハイライト
AD9244は、高性能なサンプル/ホールド・アンプとリファレ
ンスを内蔵する、モノリシック、5V単電源、14ビット、
40/65MSPSのA/Dコンバータです。出力誤差補正ロジックを備
低消費電力 ― AD9244の消費電力は550mWです。これは、既
存高速ソリューションで現在利用できるADCの消費電力を大き
く引き下げます。
えたマルチステージ差動パイプライン・アーキテクチャを使用
することにより、40/65MSPS のデータ・レートで14 ビットの
精度を提供し、全動作温度範囲にわたってノー・ミスコードを
保証します。
AD9244は、プログラマブルなリファレンスを内蔵しています。
アプリケーションのDC精度と温度ドリフトの条件に合わせて、
外部リファレンスを使用することもできます。
すべての内部変換サイクルは、差動またはシングルエンドのク
ロック入力を使用して制御します。デジタル出力データは、ス
トレート・バイナリまたは2 の補数のフォーマットで得られま
す。範囲外(OTR)信号によりオーバーフロー条件が示される
ため、この信号を最上位ビットと組み合わせて使用すれば、下
側または上側のオーバーフローを判定できます。
高度なCMOSプロセスによって製造されたAD9244は、48ピン
の LQFP パッケージを採用しており、工業用温度範囲(− 40
∼+85℃)で動作します。
REV. 0
アナログ・デバイセズ株式会社
IFサンプリング ― AD9244は、1次ナイキスト領域を超える入
力周波数で卓越した性能を発揮します。100MHzの入力周波数
で 65MSPS のサンプリングを行うことで、 71dB の S/N 比と
86dBのSFDRを実現します。
ピン互換性 ― 12ビット、65MSPSのAD9226からAD9244への
移行が簡単にできます。
内蔵サンプル/ホールド(SHA)― 汎用性のあるSHA入力を、
シングルエンド入力または差動入力に構成できます。
範 囲 外 ( OTR ) ― こ の OTR 出 力 ビ ッ ト は 、 入 力 信 号 が
AD9244の入力範囲を超えていることを示します。
単電源 ― AD9244は、システムの電源設計が簡単な5V単電源
を使用しています。また、3.3Vと5Vのロジック ファミリーに
対応するために、独立したデジタル出力ドライバ電源を備えて
います。
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の
利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いま
せん。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を暗示的または明示的に許諾するもので
もありません。記載の商標および登録商標は、それぞれの企業が所有するものです。
※日本語データシートはREVISIONが古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。
本 社/ 〒105-6891 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル
電話03(5402)8200
大阪営業所/ 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪MTビル2号
電話06(6350)6868(代)
AD9244 ― 仕様
AVDD=5V、DRVDD=3V、f
=65MSPS (−65)または40MSPS(−40)、
DC仕様 (特に指定のない限り、
差動クロック入力、VREF=2V、外部リファレンス、差動アナログ入力)
SAMPLE
パラメータ
温度
テスト・
AD9244BST-65
レベル
Min
Typ
Max
Min
分解能
全範囲
VI
14
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
VI
VI
VI
VI
保証
±0.3
±0.6
25℃
全範囲
V
V
±0.7
±1.4
±0.6
±1.3
LSB
LSB
温度ドリフト
オフセット誤差
ゲイン誤差(EXT VREF)1
ゲイン誤差(INT VREF)3
全範囲
全範囲
全範囲
V
V
V
±2.0
±2.3
±25
±2.0
±2.3
±25
ppm/℃
ppm/℃
ppm/℃
内部リファレンス
出力電圧誤差(2 VREF)
1mAでの負荷レギュレーション
出力電圧誤差(1 VREF)
0.5mAでの負荷レギュレーション
入力抵抗
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
VI
V
IV
V
V
入力換算ノイズ
VREF=2V
VREF=1V
25℃
25℃
アナログ入力
入力電圧範囲(差動)
VREF=2V
VREF=1V
コモン・モード電圧
入力容量4
入力バイアス電流5
アナログ帯域幅(フル・パワー)
14
AD9244BST-40
Typ
Max
単位
ビット
DC精度
ノー・ミスコード
オフセット誤差
ゲイン誤差1
微分非直線性(DNL)2
積分非直線性(INL)2
保証
±0.3
±0.6
±1.4
±2.0
±1.0
±29
±1.4
±2.0
±1.0
±29
ビット
%FSR
%FSR
LSB
0.25
5
0.25
5
mV
mV
mV
mV
kΩ
V
V
0.8
1.5
0.8
1.5
LSB rms
LSB rms
全範囲
全範囲
全範囲
25℃
25℃
25℃
V
V
V
V
V
V
2
1
2
1
Vp-p
Vp-p
V
pF
µA
MHz
全範囲
全範囲
IV
IV
全範囲
全範囲
全範囲
V
V
V
109
12
±0.05
全範囲
全範囲
V
VI
550
590
0.5
0.5
±15
0.5
4
±15
0.5
10
500
750
4
10
500
750
電源
電源電圧
AVDD
DRVDD
4.75
2.7
5
5.25
5.25
4.75
2.7
5
5.25
5.25
V
V
電源電流
IAVDD
IDRVDD
PSRR
消費電力
DC入力6
サイン波入力
64
8
±0.05
640
300
345
mA
mA
%FSR
370
mW
mW
注
1
ゲイン誤差はADCにのみ基づきます(2.0V固定の外部リファレンスを使用)。
2
最大クロック・レート、fIN=2.4MHz、フルスケール・サイン波、各出力ビットに約5pFの負荷を接続して測定。
3
内部リファレンス誤差を含みます。
4
入力容量とは、1本の差動入力ピンとAGNDとの間の実効容量を意味します。等価なアナログ入力回路については、図2dを参照してください。
5
入力バイアス電流は、クロック・レートに依存する抵抗とみなせる入力によるものです。
6
DC入力、最大クロック・レートで測定。
仕様は予告なく変更されることがあります。
―2―
REV. 0
AD9244
AVDD=5V、DRVDD=3V、f
=65MSPS (−65)または40MSPS (−40)、
AC仕様 (特に指定のない限り、
差動クロック入力、VREF=2V、外部リファレンス、A =−0.5 dBFS、差動アナログ入力)
SAMPLE
IN
パラメータ
SNR
fIN=2.4MHz
温度
VI
I
VI
I
IV
I
IV
V
V
V
72.4
72.2
全範囲
25℃
全範囲
25℃
25℃
25℃
VI
I
VI
I
IV
I
IV
V
V
V
全範囲
25℃
全範囲
25℃
全範囲
25℃
全範囲
25℃
25℃
25℃
VI
I
VI
I
IV
I
IV
V
V
V
11.7
全範囲
25℃
全範囲
25℃
全範囲
25℃
全範囲
25℃
25℃
25℃
VI
I
VI
I
IV
I
IV
V
V
V
25℃
25℃
25℃
25℃
25℃
25℃
V
V
V
V
V
V
全範囲
VI
I
IV
I
IV
I
IV
V
V
V
全範囲
25℃
fIN=20MHz
全範囲
25℃
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
SINAD
fIN=2.4MHz
全範囲
25℃
全範囲
25℃
25℃
25℃
全範囲
25℃
fIN=20MHz
全範囲
25℃
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
ENOB
fIN=2.4MHz
fIN=20MHz
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
THD
fIN=2.4MHz
fIN=20MHz
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
WORST 2または3
fIN=2.4MHz
fIN=20MHz
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
SFDR
fIN=2.4MHz
25℃
fIN=20MHz
全範囲
25℃
fIN=32.5MHz
fIN=70MHz
fIN=100MHz
fIN=200MHz
REV. 0
テスト・
AD9244BST-65
レベル
Min
Typ
Max
全範囲
25℃
全範囲
25℃
25℃
25℃
Min
AD9244BST-40
Typ
Max
73.4
74.8
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
75.3
72.1
74.7
70.8
73.0
69.9
72.2
71.2
67.2
72.8
68.3
73.2
74.7
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
75.1
72
74.4
70.6
72.6
69.7
71.9
71
59.8
72.4
56.3
11.9
12.1
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
ビット
12.2
11.7
12.1
11.4
11.8
11.3
11.7
11.5
9.6
11.7
9.1
−78.4
−80.7
−90.0
−89.7
−80.4
−89.4
−79.2
−84.6
−78.7
−84.1
−83.0
−60.7
−83.2
−56.6
−94.5
−93.7
−92.8
−86.5
−86.1
−86.2
−60.7
78.6
−84.5
−56.6
82.5
94.5
93.7
81.4
91.8
80.0
86.4
79.5
86.1
86.2
60.7
―3―
84.5
56.6
単位
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
dBc
AD9244
デジタル仕様(特に指定のない限り、AVDD=5V、DRVDD=3V、VREF=2V、外部リファレンス)
パラメータ
温度
テスト・
AD9244BST-65
レベル
Min
Typ
Max
デジタル入力
ロジック“1”電圧(OEB、DRVDD=3V)
ロジック“1”電圧(OEB、DRVDD=5V)
ロジック“0”電圧(OEB)
ロジック“1”電圧(DFS、DCS)
ロジック“0”電圧(DFS、DCS)
入力電流
入力容量
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
IV
IV
IV
IV
IV
IV
V
2
3.5
全範囲
全範囲
全範囲
IV
IV
V
0.4
0.25
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
IV
IV
V
V
2
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
IV
IV
IV
IV
4.5
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
IV
IV
IV
IV
2.95
クロック入力パラメータ
差動入力電圧
CLK-電圧1
内部クロック・コモン・モード
シングルエンド入力電圧
ロジック“1”電圧
ロジック“0”電圧
入力容量
入力抵抗
デジタル出力(DRVDD=5V)2
ロジック“1”電圧(IOH=50µA)
ロジック“0”電圧(IOL=50µA)
ロジック“1”電圧(IOH=0.5mA)
ロジック“0”電圧(IOL=1.6mA)
Min
AD9244BST-40
Typ
Max
2
3.5
5
V
V
V
V
V
µA
pF
1.6
Vp-p
V
V
0.8
3.5
0.8
3.5
0.8
10
0.8
10
5
0.4
0.25
1.6
2
0.8
0.8
5
100
5
100
4.5
0.1
2.4
0.1
2.4
0.4
単位
0.4
V
V
pF
kΩ
V
V
V
V
2
デジタル出力(DRVDD=3V)
ロジック“1”電圧(IOH=50µA)
ロジック“0”電圧(IOL=50µA)
ロジック“1”電圧(IOH=0.5mA)
ロジック“0”電圧(IOL=1.6mA)
2.95
0.05
2.8
0.05
2.8
0.4
0.4
V
V
V
V
注
1
詳細については、「動作原理」のクロックのセクションを参照してください。
2
出力電圧レベルは、各出力に5pFの負荷を接続して測定。
仕様は予告なく変更されることがあります。
―4―
REV. 0
AD9244
スイッチング仕様(特に指定のない限り、AVDD=5V、DRVDD=3V)
パラメータ
温度
テスト・
レベル
クロック入力パラメータ
最大変換レート
最小変換レート
クロック周期1
クロックパルス幅ハイ2
クロックパルス幅ロー2
クロックパルス幅ハイ3
クロックパルス幅ロー3
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
VI
V
V
V
V
V
V
データ出力パラメータ
出力遅延(tPD)4
パイプライン遅延(レイテンシ)
アパーチャ遅延(tA)
アパーチャ不確定性(ジッター)
出力イネーブル遅延
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
全範囲
V
V
V
V
V
範囲外からの回復時間
全範囲
V
Min
AD9244BST-65
Typ
Max
65
Min
AD9244BST-40
Typ
Max
40
500
15.4
4
4
6.9
6.9
500
25
4
4
11.3
11.3
3.5
7
3.5
7
単位
MHz
kHz
ns
ns
ns
ns
ns
ns
8
1.5
0.3
15
8
1.5
0.3
15
ns
ps rms
ns
2
1
クロック・サイクル
クロック・サイクル
注
1
クロック周期は、25℃での規定性能を低下させることなく、2µsまで拡張できます。
2
デューティ・サイクル安定器がイネーブルの場合
3
デューティ・サイクル安定器がディスエーブルの場合
4
各出力に5pFの負荷を接続して、クロックの50%遷移からデータの50%遷移までを測定。
仕様は予告なく変更されることがあります。
N+3
N+2
N+1
N+4
N
N+5
アナログ
入力
N+6
N+9
N+7
N+8
tA
クロック
データ N–9
出力
N–8
N–7
N–6
N–5
N–4
N–3
N–2
N–1
N
tPD
図1.
REV. 0
入力タイミング
―5―
N+1
AD9244
絶対最大定格1
テスト・レベルの説明
基準
ポイント Min
記号
Max
単位
+6.5
+6.5
+0.3
+6.5
+0.3
テスト・レベル
I. 100%出荷テストが行われます。
II. 25℃で100%出荷テストが行われ、指定温度でサンプル・
テストが行われます。
III. サンプル・テストのみ。
IV. パラメータは設計および特性評価テストで保証されます。
V. パラメータは標準値のみです。
VI. 25℃で100%出荷テストが行われます。工業用温度範囲に
ついては、設計および特性評価テストで保証されます。軍
用デバイスについては、最小および最大温度で100%出荷
テストが行われます。
電気関係
AVDD
DRVDD
AGND
AVDD
REFGND
CLK+、
CLK−、DCS
DFS
VIN+、VIN−
VREF
SENSE
REFB、REFT
CML
VR
OTR
D0∼D13
OEB
AGND
DGND
DGND
DRVDD
AGND
AGND
−0.3
−0.3
−0.3
−6.5
−0.3
−0.3
AVDD+0.3
V
V
V
V
V
V
AGND
AGND
AGND
AGND
AGND
AGND
AGND
DGND
DGND
DGND
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
−0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
AVDD+0.3
DRVDD+0.3
DRVDD+0.3
DRVDD+0.3
V
V
V
V
V
V
V
V
V
V
−65
−40
150
+150
+85
300
℃
℃
℃
℃
環境関係2
接合温度
保管温度
動作温度
ピン温度(10秒)
注
1
上記の絶対最大定格リストを超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損
傷を与えることがあります。この定格はストレス定格のみを規定するものであり、
これらの規定値あるいはこの仕様書の動作セクションに記載した規定値を超える
条件で、デバイスが機能的に動作することを意味するものではありません。長期
間にわたって絶対最大定格条件で放置すると、デバイスの信頼性に影響を与える
おそれがあります。
2
一 般 的 な 熱 抵 抗 は 、 θ JA= 5 0 . 0 ℃ / W 、 θ JC= 1 7 . 0 ℃ / W で す 。 こ れ ら の 値 は 、
EIA/JESD51-7に準拠して自然空冷で4層ボードを使って測定。
オーダー・ガイド
モデル
温度範囲
パッケージ
パッケージ・オプション
AD9244BST-65
AD9244BST-40
AD9244-65PCB
AD9244-40PCB
−40∼+85℃
−40∼+85℃
48ピンLQFPパッケージ
48ピンLQFPパッケージ
ST-48
ST-48
評価ボード
評価ボード
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。人体や試験機器には4,000Vもの高圧の静
電気が容易に蓄積され、検知されないまま放電されます。AD9244は当社独自のESD保護回路
を内蔵してはいますが、デバイスが高エネルギーの静電放電を被った場合、回復不能の損傷を
生じる可能性があります。したがって、性能劣化や機能低下を防止するため、ESDに対する適
切な予防措置を講じることをお勧めします。
―6―
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
REV. 0
AD9244
VR
VIN–
VIN+
CML
NIC
DCS
REFT
REFT
REFB
REFB
REFGND
VREF
ピン配置
48
47
46
45
44
43
42
41
40
39
38
37
AGND 1
36 SENSE
AGND 2
35 DFS
AVDD 3
34 AVDD
AVDD 4
33 AGND
AGND 5
32 AGND
CLK– 6
AD9244
31 AVDD
CLK+ 7
上面図
(実寸ではありません)
30 DGND
29 DRVDD
NIC 8
28 OTR
OEB 9
D0 (LSB) 10
27 D13 (MSB)
26 D12
D1 11
19
20
21
22
23
24
D9
DGND
DRVDD
D10
D4
18
D8
DRVDD
17
D7
16
D6
15
D5
14
DGND
25 D11
13
D3
D2 12
ピン機能の説明
ピン番号
記号
ピンの説明
1、2、5、32、33
AGND
アナログ・グラウンド
3、4、31、34
AVDD
アナログ電源電圧
6、7
CLK−、CLK+
差動クロック入力
8、44
NIC
内部接続なし
9
OEB
デジタル出力イネーブル(アクティブ・ロー)
10
D0(LSB)
最下位ビット、デジタル出力
11∼13、16∼21、24∼26
D1∼D3、D4∼D9、
D10∼D12
デジタル出力
14、22、30
DGND
デジタル・グラウンド
15、23、29
DRVDD
デジタル電源電圧
27
D13(MSB)
最上位ビット、デジタル出力
28
OTR
範囲外インジケータ(ロジック“1”はOTRを示します。)
35
DFS
データ・フォーマット選択 ストレート・バイナリの場合は AGND に接続
し、2の補数の場合はAVDDに接続します。
36
SENSE
内蔵リファレンス制御
37
VREF
内蔵リファレンス
38
REFGND
リファレンス・グラウンド
39∼42
REFB、REFT
内蔵リファレンス・デカップリング
43
DCS
50%デューティ・サイクル安定器 50%デューティ・サイクル安定器をアク
ティブにするにはAVDDに接続し、クロック・エッジを両方とも外部制御す
るにはAGNDに接続します。
45
CML
コモン・モード・リファレンス(0.5×AVDD)
46、47
VIN+、VIN−
差動アナログ入力
48
VR
内部バイアス・デカップリング
REV. 0
―7―
AD9244
積分非直線性(INL)
INLは、個々のコードの負のフルスケールと正のフルスケール
仕様の定義
アナログ帯域幅(フル・パワー帯域幅)
FFT分析で得られる基本周波数のスペクトル・パワーより3dB
少ないアナログ入力周波数です。
を結ぶ直線からの偏差を表わします。負のフルスケールとして
使用されるポイントは、最初のコード遷移より 1/2LSB 下にあ
ります。正のフルスケールは、最後のコード遷移より1 1/2LSB
上のレベルにあります。偏差は、各コードの中央の位置と直線
の間の距離として測定されます。
アパーチャ遅延
クロックの立上りエッジの50%ポイントからアナログ入力がサ
ンプリングされる瞬間までの遅延。
最小変換レート
最小周波数のアナログ信号のS/N比が、保証既定値よりも最大
3dBまで低下するクロック・レートをいいます。
アパーチャ不確定性(ジッター)
アパーチャ遅延でのサンプル間変動です。
差動アナログ入力電圧範囲
フルスケール応答を生成するには、コンバータにピークtoピー
ク差動電圧を印加する必要があります。ピーク差動電圧を計算
するには、1本のピンで電圧を実測し、その電圧とは180度の位
相差がある電圧を別のピンから引きます。ピークtoピーク差動
電圧を計算するには、入力位相を180度回転させ、再びピーク
測定を行います。これによって、2 つのピーク測定値の差が得
られます。
最大変換レート
パラメータ・テストを実施するクロック・レートです。
ナイキスト・サンプリング
アナログ入力の周波数成分がナイキスト周波数( f CLOCK/2 )を
下回る場合、これがナイキスト・サンプリングと呼ばれること
があります。
範囲外からの回復時間
正のフルスケールの10%上から負のフルスケールの10%上まで
の遷移の後、または負のフルスケールの10%下から正のフルス
ケールの10%下までの遷移の後で、ADCがアナログ入力を再度
取り込むために要する時間をいいます。
微分非直線性(DNL、ノー・ミスコード)
理想的なADCでは、各コード遷移がちょうど1LSB離れた位置
で発生します。DNLは、この理想値からの偏差です。ノー・ミ
スコードで 14 ビット分解能を保証するとは、全動作範囲で
16384コードすべてが出力されることを意味します。
電源除去比
下限の電源電圧で得られる値から上限の電源電圧で得られる値
までの、フルスケールにおける変化をいいます。
実効ビット数(ENOB)
与えられた入力周波数でのサイン波入力に対するデバイスの実
効ビット数は、次の式を使用して、その測定した SINAD から
計算できます。
信号対ノイズおよび歪み(SINAD)*
rms信号振幅値と、ナイキスト周波数より下の全スペクトル成
分のrms値合計(DC以外の高調波を含む)との比です。
N=(SINAD−1.76) / 6.02
S/N比(SNR)*
rms信号振幅値と、ナイキスト周波数より下の全スペクトル成
分のrms値合計(6次までの高調波とDCを除く)との比です。
ゲイン誤差
最初のコード遷移は、負のフルスケールよりも 1/2LSB だけ上
のアナログ値で発生します。最後のコード遷移は、公称フルス
ケールよりも1 1/2LSBだけ下のアナログ値で発生します。ゲイ
ン誤差とは、最初と最後のコード遷移の実際の差の理想的な差
からの偏差です。
スプリアスフリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)*
入力信号のrms振幅値とピーク・スプリアス信号との差をいい、
dB値で表します。
コモン・モード除去比(CMRR)
VIN +と VIN −の上に現れるコモン・モード( CM )信号は、
理想的にはADCの差動フロントエンドによって排除されます。
VIN +と VIN −の両方を駆動するフルスケール CM 信号では、
CMRRは、フルスケール入力CM信号の振幅と排除されない信
号の振幅の比であり、dBFSで表わされます。
温度ドリフト
オフセット誤差とゲイン誤差の温度ドリフトで、最初(25℃)
の値から T MINまたは T MAXでの値までの最大変化が規定されま
す。
IFサンプリング
値との比です。
エイリアシングの効果によって、 ADC は、必ずしもナイキス
ト・サンプリングに限定されません。サンプリングされた周波
数が高い場合には、 ADC の出力で 1 次ナイキスト領域( DC −
fCLOCK/2)にエイリアスされます。サンプリングされた信号の
帯域幅がナイキスト領域と重なり合って自分自身にエイリアス
されないように注意する必要があります。ナイキスト・サンプ
リング性能は、クロック・ジッター(入力周波数の増大につれ
て増大するジッターによって生じるノイズ)と入力SHAの帯域
幅によって制限されます。
全高調波歪み(THD)*
6次までの高調波成分のrms合計と、測定された入力信号のrms
ツートーンSFDR*
いずれかの入力周波のrms値と、ピーク・スプリアス成分のrms
値との比です。ピーク・スプリアス成分は、IMD積の場合とそ
うでない場合があります。
オフセット誤差
主要なキャリー遷移は、 VIN +より 1/2LSB 下のアナログ値=
VIN−について生じます。オフセット誤差は、そのポイントか
らの実際の遷移の偏差になります。
* AC仕様は、dBc(信号レベルが低くなると劣化)またはdBFS(常にコンバータの
フルスケールに換算)で表わすことができます。
―8―
REV. 0
AD9244
a
DRVDD
AVDD
DRVDD
DRVDD
200Ω
DGND
a. D0∼D13、OTR
DGND
AGND
b. スリーステート
(OEB)
AVDD
AVDD
CLKバッファ
200Ω
c. CLK+、CLK−
AVDD
200Ω
AGND
AGND
d. VIN+、VIN−
e. DFS、DCS、SENSE
図2.
REV. 0
等価な回路
―9―
AGND
f. VREF、REFT、REFB、VR、CML
AD9244 ― 特性
(特に指定のない限り、AVDD=5.0V、DRVDD=3.0V、CLKデューティ・サイクル安定器がイネーブルでfSAMPLE=65MSPS、TA=
25℃、差動アナログ入力、コモン・モード電圧(VCM)=2.5V、入力振幅(AIN)=−0.5dBFS、VREF=2.0V外部、FFT長=8K)
0
100
S/N比 = 74.8dBc
SFDR = 93.6dBc
–20
90
–40
80
SFDR(dBFS)
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
SFDR(dBc)
–60
S/N比(dBFS)
70
–80
60
–100
50
–120
SFDR = 90dBc
リファレンス線
40
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
30 32.5
–30
TPC 1. fIN=5MHzでのシングルトーンFFT
–25
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–5
0
TPC 4. fIN=5MHzでのシングルトーンS/N比/SFDRと
AINの関係
100
0
S/N比 = 74.0dBc
SFDR = 87.0dBc
SFDR(dBFS)
–20
90
–40
80
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
S/N比(dBc)
S/N比(dBFS)
70
SFDR(dBc)
–80
60
SFDR = 90dBc
リファレンス線
–100
50
–60
S/N比(dBc)
40
–30
–120
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
30 32.5
25
TPC 2. fIN=31MHzでのシングルトーンFFT
–25
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–5
0
TPC 5. fIN=31MHzでのシングルトーンS/N比/SFDRと
AINの関係
0
100
S/N比 = 68.0dBc
SFDR = 59.5dBc
–20
90
SFDR(dBFS)
80
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
–40
–60
70
–80
60
–100
50
S/N比(dBFS)
SFDR(dBc)
SFDR = 90dBc
リファレンス線
S/N比(dBc)
–120
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
40
–30
30
30.72
TPC 3. fIN=190MHz、fSAMPLE=61.44MSPSでの
シングルトーンFFT
–25
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–5
0
TPC 6. fIN=190MHz、fSAMPLE=61.44MSPSでの
シングルトーンS/N比/SFDRとAINの関係
― 10 ―
REV. 0
12.2
75
73
11.8
73
71
11.5
2Vスパン
11.2
69
S/N比(dBc)
75
ENOB(ビット)
SINAD(dBc)
AD9244
2Vスパン
71
69
1Vスパン
1Vスパン
10.8
67
10.5
140
65
67
65
0
20
40
60
80
100
入力周波数(MHz)
120
0
TPC 7. SINAD/ENOBと入力周波数の関係
20
40
60
80
100
入力周波数(MHz)
120
140
TPC 10. S/N比と入力周波数の関係
–100
100
–95
95
SFDR(dBc)
THD(dBc)
1Vスパン
–90
1Vスパン
–85
–80
–75
20
40
60
80
100
入力周波数(MHz)
85
80
2Vスパン
0
90
120
2Vスパン
75
140
0
TPC 8. THDと入力周波数の関係
20
40
60
80
入力周波数(MHz)
100
120
140
TPC 11. SFDRと入力周波数の関係
77
–92
–90
75
–88
+25°C
+25°C
THD(dBc)
S/N比(dBc)
–86
73
–40°C
71
–40°C
–84
–82
–80
+85°C
–78
69
+85°C
67
–76
–74
0
20
40
60
80
100
入力周波数(MHz)
120
0
140
TPC 9. S/N比と温度および入力周波数の関係
REV. 0
20
40
60
80
100
入力周波数(MHz)
120
TPC 12. THDと温度および入力周波数の関係
― 11 ―
140
AD9244
100
–100
95
4次高調波
–95
SFDR、DCSオン
S/N比/SFDR(dBc)
高調波(dBc)
90
3次高調波
–90
–85
85
SFDR、DCSオフ
80
75
S/N比、DCSオン
70
2次高調波
–80
65
S/N比、DCSオフ
–75
0
20
40
60
80
100
120
60
140
30
35
40
入力周波数(MHz)
TPC 13. 高調波と入力周波数の関係
45
50
55
デューティ・サイクル(%)
60
65
70
TPC 16. fIN=2.5MHzでのS/N比/SFDRと
デューティ・サイクルの関係
100
12.33
76
fIN = 2MHz
fIN = 2MHz
12.17
75
SINAD(dBc)
fIN = 10MHz
11.83
73
fIN = 20MHz
72
11.67
71
11.50
70
0
20
40
60
サンプル・レート
(MSPS)
80
SFDR(dBc)
12.00
74
ENOB(ビット)
96
92
fIN = 10MHz
88
fIN = 20MHz
84
11.34
100
80
0
20
40
60
80
100
サンプル・レート
(MSPS)
TPC 14. SINADとサンプル・レートの関係
TPC 17. SFDRとサンプル・レートの関係
1.0
1.5
0.8
1.0
0.6
0.4
DNL(LSB)
INL(LSB)
0.5
0
–0.5
0.2
0
–0.2
–0.4
–0.6
–1.0
–0.8
–1.0
–1.5
0
4096
8192
12288
16384
0
4096
8192
12288
16384
コード
(14ビット)
コード
(14ビット)
TPC 15. 代表的なINL
TPC 18. 代表的なDNL
― 12 ―
REV. 0
AD9244
代表的なIFサンプリング性能
0
100
SFDR(dBFS)
S/N比 = 67.5dBc
SFDR = 79.4dBc
–20
90
–40
80
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
SFDR(dBc)
–60
S/N比(dBFS)
70
–80
SFDR = 90dBc
リファレンス線
60
S/N比(dBc)
50
–100
–120
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
40
–30
30 32.5
TPC 19. fIN-1=44.2MHzとfIN-2=45.6MHz
(AIN1=AIN2=−6.5dBFS)でのデュアルトーンFFT
–25
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–6
TPC 22. fIN-1=44.2MHzとfIN-2=45.6MHzでの
デュアルトーンS/N比/SFDRとAINとの関係
100
0
–20
90
SFDR(dBFS)
–40
80
S/N比(dBFS)
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
S/N比 = 67.0dBc
SFDR = 78.2dBc
–60
70
SFDR(dBc)
–80
60
–100
50
–120
40
–30
SFDR = 90dBc
リファレンス線
S/N比(dBc)
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
30 32.5
TPC 20. fIN-1=69.2MHzとfIN-2=70.6MHz
(AIN1=AIN2=−6.5dBFS)でのデュアルトーンFFT
0
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–6
TPC 23. fIN-1=69.2MHzとfIN-2=70.6MHzでの
デュアルトーンS/N比/SFDRとAINとの関係
100
S/N比 = 65.0dBc
SFDR = 69.1dBc
SFDR(dBFS)
–20
90
–40
80
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
–25
–60
S/N比(dBFS)
70
SFDR(dBc)
–80
60
–100
50
–120
40
SFDR = 90dBc
リファレンス線
S/N比(dBc)
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
–30
30 32.5
TPC 21. fIN-1=139.2MHzとfIN-2=140.7MHz
(AIN1=AIN2=−6.5dBFS)でのデュアルトーンFFT
REV. 0
― 13 ―
–25
–20
–15
AIN(dBFS)
–10
–6
TPC 24. fIN-1=139.2MHzとfIN-2=140.7MHzでの
デュアルトーンS/N比/SFDRとAINとの関係
AD9244
100
0
–20
90
–40
80
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
S/N比 = 62.6dBc
SFDR = 60.7dBc
–60
SFDR(dBFS)
S/N比(dBFS)
70
SFDR(dBc)
–80
60
–100
50
–120
40
–30
SFDR = 90dBc
リファレンス線
S/N比(dBc)
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
30 32.5
TPC 25. fIN-1=239.1MHzとfIN-2=240.7MHz
(AIN-1=AIN2=−6.5dBFS)でのデュアルトーンFFT
–20
–15
AIN(dBFS)
–25
–10
–6
TPC 28. fIN-1=239.1MHzとfIN-2=240.7MHzでの
デュアルトーンS/N比/SFDRとAIN
95
0
SFDR(dBFS)
S/N比 = 73.0dBFS
THD = –89.5dBFS
90
–20
SFDR(dBc)
85
80
注: 240MHzで90dBFSより下の
スパー・フロア
S/N比(dBFS)
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
–40
–60
–80
75
70
SFDR = 90dBc
リファレンス線
65
–100
S/N比(dBc)
60
–120
05
10
15
20
周波数(MHz)
25
55
–21
30 32.5
TPC 26. fIN=240MHz、AIN=−8.5dBFSでの
トランスとバランによるADC入力の駆動
–18
–15
–12
–9
AIN(dBFS)
–6
–3
0
TPC 29. fIN=240MHzでのトランスとバランによる
ADC入力の駆動におけるS/N比/SFDRとAINとの関係
105
95
100
90
95
85
90
80
SFDR(dBFS)
dBFSとdBc
振幅(dBFS)
SFDR(dBc)
85
80
S/N比(dBFS)
75
70
75
65
70
60
SFDR = 90dBc
リファレンス線
S/N比(dBc)
65
0
50
100
150
入力周波数(MHz)
200
TPC 27. CMRRと入力周波数の関係
(AIN=0dBFS、CML=2.5V)
55
–21
250
–18
–15
–12
–9
AIN(dBFS)
–6
–3
0
TPC 30. fIN=190MHzでのトランスとバランによる
ADC入力の駆動におけるS/N比/SFDRとAINの関係
― 14 ―
REV. 0
AD9244
動作原理
2.5V
AD9244は、単電源14ビットの高性能なADCです。広いダイナ
1.5V
VIN+
1.5V
AD9244の差動入力スパンは、VREFピンでの電位と等しくな
ります。VREFの電位は、AD9244の内蔵リファレンスまたは
外部ソースから得られます。
差動アプリケーションでは、入力スパンの中心点は入力信号の
コモン・モード・レベルです。シングルエンド・アプリケー
ションでは、中心点は一方の入力ピンに印可されたDC電位で、
信号は反対側の入力ピンに与えられます。図3a∼3cに、さまざ
まなシステム構成を示します。
図3a.
REFB
0.1µF
コモン・モード電圧=2Vでの2Vp-p差動入力
3.0V
1.0V
AD9244
33Ω
33Ω
VIN+
20pF
0.1µF
VINREFT
2V
10µF
+
0.1µF
VREF
0.1µF
SENSE
10µF
+
REFB
0.1µF
REFGND
図3b. コモン・モード電圧=2Vでの2Vp-pシングルエンド入力
2.5V
AD9244
CML
3.0V
0.1µF
2.0V
33Ω
VIN+
50Ω
0.1µF
20pF
VIN–
33Ω
+
2.0V
REFT
0.1µF
2V
3.0V
10µF
+
VREF
REFB
0.1µF
10µF
0.1µF
SENSE
REFGND
図3c.
コモン・モード電圧=2.5Vでの2Vp-p差動入力
図4は、AD9244アナログ入力の簡略化したモデルであり、アナ
ログ入力(VIN+、VIN−)とリファレンス電圧(VREF)と
の関係を示します。なお、これは単に記号的なモデルであり、
AD9244の内部には実際の負電圧は存在しません。フラッシュ
ADC 内の抵抗ラダーの上下端に加えられる電圧の場合と同様
に、値VREF/2もADCコアへの最小と最大の入力電圧を規定し
ます。
AD9244
VIN+
+VREF/2
+
–
VIN–
図4.
REV. 0
VREF
0.1µF
10µF
+
SENSE
REFGND
ADCは、クロックの立上りエッジでアナログ入力をサンプリン
グします。クロックがローレベルの間、入力SHAはサンプル・
アナログ入力とリファレンスの概要
+
10µF
0.1µF
2V
2.5V
REFT
VIN–
33Ω
AD9244のデューティ・クロック安定器(DCS)は、外部から
与えられるデューティ・サイクルとは無関係に、独自の内部立
下りエッジを生成して内部の 50% デューティ・サイクル・ク
ロックを作成します。ストレート・バイナリまたは2 の補数の
出力フォーマットの制御は、DFSピンで行います。
モードです。クロックがロジック・ハイ・レベルに遷移すると、
SHAはホールド・モードになります。クロックの立上りエッジ
の直前または直後にシステム障害が発生したり、過度のクロッ
ク・ジッターが発生したりすると、SHAが誤った入力値を取り
込むことがありますので、これらを最小限に抑える必要があり
ます。
0.1µF
20pF
50Ω
AD9244は、コスト効果の高いCMOSプロセスで実装された特
許取得済み広帯域入力サンプル/ホールド・アンプ(SHA)を
備え、キャリブレートされた 10 段パイプライン・アーキテク
チャを採用しています。最後の段を除くパイプラインの各段は、
低分解能のフラッシュ ADC 、スイッチト・キャパシタ DAC 、
ステージ間残余アンプ(MDAC)で構成されます。MDACは、
再生されたDAC出力とパイプライン内の次の段へのフラッシュ
入力との差を増幅します。各段では冗長な1ビットを使用して、
フラッシュADC誤差のデジタル補正を行います。最後の段は、
フラッシュADCのみの構成です。
パイプライン・アーキテクチャでは、パイプライン遅延やレイ
テンシが生じる代りに、大きなスループット・レートが実現し
ます。コンバータは、クロック・サイクルごとに新しい入力サ
ンプルを取り込みますが、図1 に示すように、変換を完全に処
理して出力するには8 クロック・サイクルが必要です。多くの
アプリケーションでは、このくらいのレイテンシは問題ではあ
りません。デジタル出力は、範囲外インジケータ(OTR)と共
に出力バッファにラッチされ、出力ピンを駆動します。
AD9244の出力ドライバは、5Vまたは3.3Vのロジック・ファミ
リーとインターフェースをとるように設定できます。
AD9244
33Ω
ミック・レンジのナイキスト・サンプリングに加えて、
240MHzまで広帯域のアナログ入力によって優れたIFアンダー
サンプリング性能を実現するよう設計されています。
― 15 ―
∑
V
14
CORE
ADCコア
–VREF/2
AD9244の等価なアナログ入力
AD9244
差動入力構造によって、ユーザーは簡単にシングルエンド動作
または差動動作用の入力を設定できます。 ADC の入力構造に
よって、入力信号の DC オフセットを、コンバータの入力スパ
ンに関わらず変化させることができます。特に、ADCコアへの
入力は、VIN+とVIN−の入力ピンに加えられる電圧の差と定
義できます。
これは、次の式で表されます。
VCORE=VIN+−VIN−
(1)
これによって差動入力段の出力が定義され、ADCコアへの入力
が行われます。電圧 V COREは、次の条件を満たす必要がありま
す。
−VREF/2<VCORE<VREF/2
VIN+、VIN−、VREF、およびAD9244のアナログ入力範囲の
関係の詳細については、表IとIIを参照してください。
アナログ入力の動作
図5に、750MHzの差動SHAで構成されるAD9244のアナログ
入力の等価回路を示します。SHAの差動入力構造はフレキシブ
ルであり、差動入力またはシングルエンド入力に簡単にデバイ
スを構成できます。アナログ入力VIN+とVIN−は相互に置き
換え可能ですが、VIN+ピンとVIN−ピンへの入力を交換する
と、データが反転します(出力ワードが補数になります)。
S
CH
(2)
S
CS
VREFは、VREFピンでの電圧です。
VIN+
式(1)と(2)による入力電圧VIN+とVIN−への制限のほかにも、
以下の条件での電源電圧を使用することから入力における限界
もあります。
AGND−0.3V<VIN+<AVDD+0.3V
CPIN, PAR
S
–
H
+
VIN–
CPIN, PAR
CS
CH
(3)
AGND−0.3V<VIN−<AVDD+0.3V
S
AGND の公称値は 0V であり、 AVDD の公称値は 5V です。
VIN+とVIN−に対する有効な入力の範囲は、式(2)と(3)の両
図5.
AD9244 SHAのアナログ入力
方の条件を満たす組み合わせになります。
表 I.
アナログ入力構成の概要
入力範囲(V)
VIN−*
入力CM
電圧
注記
0.5∼1.5
1.0
1.0
段階のある入力応答アプリケーションに最適。
2.0
1∼3
2.0
2.0
シングルエンド・モード用に最適なノイズ性能。
通常、ヘッドルーム問題のために VCC > 5V の
低歪みオペアンプが必要。
1.0
2.25∼2.75
2.75∼2.25
2.5
ADCのナイキスト周波数を大きく超える最適な
フルスケールTHD性能とSFDR性能。
2.0
2.0∼3.0
3.0∼2.0
2.5
差動モード用に最適なノイズ性能。
アプリケーションに適したモード。
入力接続
カップリング
入力
スパン(V) VIN+*
シングル
エンド
DCまたはAC
1.0
差動
DCまたはAC
* データ反転が必要な場合には、VIN+とVIN−を交換できます。
表 II.
リファレンス構成の概要
リファレンス動作モード
接続
接続先
得られるVREF(V)
内部
内部
内部
SENSE
SENSE
R1
R2
SENSE
VREF
VREF
AGND
VREFとSENSE
SENSEとREFGND
AVDD
1
2
1≦VREF≦2.0
VREF=(1+R1/R2)
1≦VREF≦2.0
外部
入力スパン(VIN+∼VIN−)
(Vp-p)
1
2
1≦SPAN≦2
(SPAN=VREF)
SPAN=外部リファレンス
外部リファレンス
― 16 ―
REV. 0
AD9244
差動入力またはシングルエンド入力に対する最適なノイズ性能
とDC直線性性能は、最大の入力信号電圧スパン(2V入力スパ
ン)で、かつVIN+とVIN−の入力インピーダンスが整合する
場合に得られます。2V入力スパンと1V入力スパンの間で、DC
直線性性能の低下はわずかですが、S/N比は1V入力スパンで低
くなります。
ADCがオペアンプによって駆動され、容量性負荷がオペアンプ
の出力側に切り替わると、出力がその実効出力インピーダンス
によって瞬間的に低下します。出力が回復する際に、リンギン
グが発生することもあります。この対策として、図6 に示すよ
うに、オペアンプとSHA入力の間に直列抵抗RSを接続できます。
並列容量も電荷供給源として機能し、サンプリング・コンデン
サCSが必要とする電荷を供給したり吸収して、オペアンプの出
力での過渡電流をさらに低減します。
VCC
RS
33Ω
AD9244
VIN+
RS
33Ω
VEE
+
20pF
VIN–
VREF
10µF
0.1µF
SENSE
REFCOM
図6.
差動動作モード(ACまたはDC結合入力)は、広い周波数範囲
で最適なSFDR性能を実現します。差動モードは、最も厳しい
条件が求められるスペクトル・ベースのアプリケーション(デ
ジタル情報へのダイレクトIF変換)に使用できます。
すべてのアプリケーションが差動動作用の信号条件を備えてい
るわけではありません。このため、シングルエンドから差動へ
の変換が必要になることがあります。 DC 結合を必要としない
システムで AD9244 用の差動入力信号を生成するには、セン
ター・タップ付きのRFトランスが最適です。RFトランスには、
ノイズや歪みによる劣化なしに、ADCを差動モードで動作でき
るという長所があります。ほかにも、RFトランスには、信号源
とADCの間の電気的アイソレーションが可能といった利点があ
ります。
このデータシートの差動入力特性試験は、図7 の構成で行いま
した。この回路では、 1:1 のインピーダンス比を持つ MiniCircuits 社の RF トランス(モデル T1-1T )を使用しています。
信号源に50Ωのソース・インピーダンスがあると想定していま
す。トランスの2 次センター・タップによって、差動入力信号
にDCコモン・モード電圧を加えることができます。図7では、
センター・タップを抵抗分割器に接続し、半分の電源電圧を提
供しています。AD9244のCMLピンにもセンター・タップを接
続できます。 IF サンプリング・アプリケーション( 70MHz <
fIN<200MHz)の場合には、VIN+とVIN−の間の20pF差動コ
ンデンサを低減するか除去することをお勧めします。
AVDD
SHA入力をオペアンプから絶縁している抵抗
RS
33Ω
0.1µF
VIN+
この抵抗の最適なサイズは、ADCのサンプリング・レート、選
択したオペアンプ、特定のアプリケーションなど、いくつかの
要因によって異なります。ほとんどのアプリケーションでは、
30∼100Ωの抵抗で十分です。
ノイズに敏感なアプリケーションの場合は、AD9244の非常に
広い帯域幅が有害になることもあります。その場合は、直列抵
抗または並列コンデンサ(あるいはその両方)を接続すると、
ローパス・フィルタが形成されて、ADCの入力における広帯域
ノイズの制限に役立ちます。 VIN +と VIN −を駆動するソー
ス・インピーダンスは整合している必要があります。整合して
いないと、S/N比、THD、SFDRの性能が低下することがあり
ます。
1kΩ
REFT
0.1µF
50Ω
1kΩ
20pF
AD9244
0.1µF
10µF
REFB
0.1µF
VIN–
Mini-Circuits社の
T1-1T
RS
33Ω
図7.
トランス結合入力
図8の回路は、AD9244に差動直結信号を印加する方法を示して
います。シングルエンド信号から差動信号を得るために、
AD8138アンプを使用しています。
10µF
+
5V
0.1µF
アナログ入力の差動駆動
AD9244の入力構造は非常にフレキシブルで、シングルエンド
入力または差動入力とインターフェースをとることができま
す。
10µF
+
0.1µF
1kΩ
0V
0.1µF
1kΩ
1V p-p
499Ω
VIN+
REFT
20pF
AD8138
50Ω
0.1µF
AVDD
33Ω
475Ω
最適な動作モード、アナログ入力範囲、対応するインター
フェース回路は、アプリケーションの性能条件と電源オプショ
ンによって決まります。
AD9244
0.1µF
10µF
REFB
499Ω
0.1µF
VIN–
差動動作では、相互に 180 度位相のずれた 2 つの等しい信号で
VIN+とVIN−を同時に駆動する必要があります。
REV. 0
+
― 17 ―
499Ω
図8.
33Ω
AD8138差動オペアンプ付きの直結駆動回路
+
AD9244
リファレンスの動作
ピンによるリファレンスの設定
AD9244 は、 1V または 2V の出力生成をピン設定できるバン
ド・ギャップ・リファレンスを内蔵しています。2 本の外付け
抵抗を接続すれば、1∼2Vのリファレンスを生成できます。も
う1 つの方法は、後述するように高い精度やドリフト性能が必
要な設計の場合に外部リファレンスを使用することです。図9a
に、AD9244の内蔵リファレンスの簡略化したモデルを示しま
す。リファレンス・アンプは、 1V の固定リファレンスをバッ
ファします。リファレンス・アンプA1からの出力は、VREFピ
ンで得られます。前述のように、ADCのフルスケール差動入力
スパンはVREFピンでの電圧によって決まります。
VREFピンとSENSEピンを短絡すると、内蔵リファレンス・ア
ンプがユニティ・ゲイン・モードになるため、VREF出力は1V
になります。SENSEピンとREFGNDピンを短絡すると、内蔵
リファレンス・アンプがゲイン 2.0 に設定され、 VREF 出力は
2.0Vになります。
抵抗によるリファレンスの設定
図 10 に、 2 本の外付け抵抗を接続して、 1.0V や 2.0V 以外のリ
ファレンスを生成する方法の例を示します。次の式で、 R1 と
R2の適切な値を求めます。
VREF=1V×(1+R1/R2)
AD9244
これらの抵抗は、2∼10kΩの範囲内にする必要があります。こ
こに示した例では、 R1 = 2.5kΩ 、 R2 = 5kΩ です。上式から、
VREFピンのリファレンスは1.5Vになります。これによって、
差動入力スパンが1.5Vp-pに設定されます。ミッドスケール電
圧も、VIN−をVREFに接続してVREFに設定できます。
ADCへ
REFT
2.5V
A2
REFB
3.25V
AD9244
33Ω
VIN+
1.75V
20pF
2.5V
VREF
1.5V
1V
R
10µF
R1
2.5kΩ
0.1µF
VREFピンに現われる電圧と内蔵リファレンス・アンプA1の状
態は、 SENSE ピンでの電圧によって決まります。ロジック回
路には、 SENSE ピンの電圧を監視するコンパレータが内蔵さ
れています。表IIに、さまざまなリファレンス・モードをまと
めました。これについて、以下に説明します。
AD9244の内部回路で使用する実際のリファレンスは、REFT
ピンとREFBピンに現われます。これらのピンの電圧は、電源
電圧の半分または CML に関して対称です。正しい動作を実現
するには、2 つのピンをデカップリングするコンデンサ・ネッ
トワークを接続する必要があります。図9bに、推奨のデカップ
リング・ネットワークを示します。 REFT と REFB の間に現わ
れるリファレンスのターンオン時間は約 10ms です。パワーダ
ウン・モード動作では、必ずこれを考慮に入れてください。
VREFピンをREFGNDピンにバイパスし、10µFのタンタル・
コンデンサと低インダクタンスの0.1µFセラミック・コンデン
サを並列接続してください。
0.1µF
+
10µF
0.1µF
REFT
AD9244
0.1µF
10µF
REFB
0.1µF
REFGND
図10. 抵抗によるリファレンスの設定
(1.5Vp-pの入力スパン、VCM=2.5Vによる差動入力)
等価なリファレンス回路
VREF
VREF
R
REFGND
図9a.
REFT
SENSE
R2
5kΩ
SENSE
ディスエーブル
ロジック
A1
0.1µF
VIN–
33Ω
A1
0.1µF*
+
10µF
外部リファレンスの使用
外部リファレンスを使用するには、SENSEピンをAVDDに接
続して、内蔵リファレンスをディスエーブルにする必要があり
ます。AD9244には、外部リファレンスの駆動条件を簡単にす
る内蔵リファレンス・バッファA2(図9aを参照)があります。
外部リファレンスは、5kΩ(±20%)の負荷を駆動できる必要
があります。リファレンスの帯域幅は、リファレンスによるノ
イズを最小限に抑えるために、故意に狭くしています。このた
め、外部から高周波でVREFを駆動することはできません。
図11に、VIN−とVREFの両方を駆動する外部リファレンスの
例を示します。この場合、コモン・モード電圧と入力スパンの
両方が、VREFの値に直接に依存します。入力スパンと入力ス
パンの中心は、どちらも外部VREFに一致します。したがって、
有効な入力範囲は(VREF+VREF/2)∼(VREF−VREF/2)とな
ります。たとえば、2.048Vの外部リファレンスである高精度リ
ファレンス・パーツ REF191 を使用すると、入力スパンは
2.048Vになります。この場合、AD9244の1LSBは0.125mVに
対応します。最小10µFのコンデンサと0.1µFの低インダクタン
ス・セラミック・コンデンサを並列接続して、リファレンス出
力をAGNDにデカップリングする必要があります。
REFGND REFB
VREF + VREF/2
0.1µF
VIN+
20pF
* REFT/REFBピンのできるだけ近くに配置します
5V
0.1µF
図9b. リファレンス・デカップリング
AD9244
33Ω
VREF – VREF/2
VREF
10µF
33Ω
0.1µF
REFT
VIN–
0.1µF
VREF
0.1µF
10µF
+
REFB
0.1µF
AVDD
図11.
― 18 ―
SENSE
外部リファレンスの使用
REV. 0
AD9244
表III.
出力データ・フォーマット
入力(V)
条件(V)
ストレート・バイナリ出力モード
2の補数モード
OTR
VIN+−VIN−
VIN+−VIN−
VIN+−VIN−
VIN+−VIN−
VIN+−VIN−
<−VREF−0.5LSB
=−VREF
=0
=+VREF−1.0LSB
>+VREF−0.5LSB
00 0000 0000 0000
00 0000 0000 0000
10 0000 0000 0000
11 1111 1111 1111
11 1111 1111 1111
10 0000 0000 0000
10 0000 0000 0000
00 0000 0000 0000
01 1111 1111 1111
01 1111 1111 1111
1
0
0
0
1
デジタル入/出力
OTR データ出力
1
1111 1111 1111
0
1111 1111 1111
0
1111 1111 1110
デジタル出力
表IIIに、ADC入力、OTR、デジタル出力フォーマットの関係
を示します。
0
0
1
0000 0000 0001
0000 0000 0000
0000 0000 0000
–FS
–FS – 1/2 LSB
図12.
デジタル出力ドライバの注意事項
AD9244の出力ドライバは、DRVDDを5Vまたは3.3Vに設定す
ることで、それぞれ5V または3.3V のロジック・ファミリーに
接続できるように設定できます。出力ドライバは、多種多様な
ロジック・ファミリーを駆動するために十分な出力電流を提供
できる設計になっています。しかし、大きな駆動電流が電源に
グリッチを生じさせる傾向があり、コンバータ性能に影響を与
えることがあります。ADCで大きな容量性負荷や大きなファン
アウトを駆動する必要のあるアプリケーションでは、外部バッ
ファやラッチが必要になることがあります。
REV. 0
OTR
–FS + 1/2 LSB
データ・フォーマット選択(DFS)
AD9244のデジタル出力は、ストレート・バイナリまたは2の補
数データに設定できます。ストレート・バイナリの場合は、
DFSピンをAGNDに接続します。2の補数の場合は、DFSピン
をAVDDに接続します。
範囲外(OTR)
アナログ入力電圧がADCの入力範囲を超えると、範囲外条件が
成立します。OTRは、サンプリングされた特定の入力電圧に対
応するデータ出力と一緒に更新されるデジタル出力です。した
がって、OTRにはデジタル・データと同じパイプライン・レイ
テンシがあります。図12に示すように、アナログ入力電圧がア
ナログ入力範囲内であれば、OTRはローになり、アナログ入力
電圧が入力範囲を超えると、OTRはハイになります。アナログ
入力が入力範囲内に戻ってもう1つ変換が完了するまで、OTR
はハイの状態のままです。OTRとMSBのANDをとって反転す
ると、オーバーフロー/アンダーフロー状態を検出できます。
表 IV に、 NAND ゲートを使用する図 13 のオーバーフロー/ア
ンダーフロー回路の真理値表を示します。AD9244のプログラ
マブルなゲイン設定を必要とするシステムでは、8 クロック・
サイクル後に、範囲外条件を検出できます。このため、ゲイン
選択を繰り返す必要はありません。 OTR は、デジタル・オフ
セットとゲイン・キャリブレーションにも使用できます。
+FS – 1 LSB
+FS
+FS – 1/2 LSB
OTR、入力電圧、出力データの関係
表IV.
出力データ・フォーマット
OTR
MSB
アナログ入力の状態
0
0
範囲内
0
1
範囲内
1
0
アンダーフロー
1
1
オーバーフロー
MSB
OVER = 1
OTR
MSB
図13.
UNDER = 1
オーバーフロー/アンダーフローのロジック
デジタル出力イネーブル機能(OEB)
AD9244にはスリーステート機能があります。OEBピンがロー
の場合、出力データ・ドライバが有効です。OEBピンがハイの
場合には、出力データ・ドライバが高インピーダンス状態に
なっています。これは、データバスへの高速アクセスには向い
ていません。なお、OEBはデジタル電源(DRVDD)を基準と
するので、その電源電圧を超えてはいけません。
― 19 ―
AD9244
クロックの概要
AD9244には、シングルエンド・クロックまたは差動クロック
を受け付けるフレキシブルなクロック・インターフェースがあ
ります。2 つの外部コンデンサを使用すると、内部バイアス電
圧によって AC 結合が容易になります。 AD9226 のシングルピ
ン・クロック方式との下位互換性を維持するために、AD9244
は、 CLK −ピンを接地して CLK +を駆動することによって、
DC結合されたシングルピン・クロックで動作できます。
CLK−ピンが接地されていないとき、CLK+ピンとCLK−ピ
ンは、差動クロック・レシーバとして機能します。 CLK +が
CLK −より大きいとき、 SHA はホールド・モードになってい
ます。CLK+がCLK−より小さいときは、SHAはトラック・
モードになっています(図 14 のタイミングを参照)。 SHA は、
クロックの立上りエッジ(CLK+ − CLK−)でトラックから
ホールドに切り替わります。特に高周波アナログ入力の場合、
この遷移でのタイミング・ジッターを最小限に抑えるようにし
てください。
シングルエンド入力やサイン波入力でクロックを駆動する場合
など、ADCへの50%デューティ・サイクルを維持することが難
しい場合もあります。正確な50%クロックを提供するという制
約を緩和するため、ADCにはオプションの内部デューティ・サ
イクル安定器(DCS)があります。DCSを使用すれば、クロッ
クの立上りエッジを最小限のジッターで通過させ、入力クロッ
クの立下りエッジとは無関係に立下りエッジを補間することが
できます。DCSの詳細については後述します。
クロック入力の注意事項
アナログ入力は、クロックの立上りエッジでサンプリングされ
ます。このエッジでのタイミング変動やジッターによって、サ
ンプリングされた入力電圧に誤差が生じます。誤差の大きさは、
入力信号のスルーレートとタイミング変動の量に比例します。
したがって、AD9244の優れた高周波SFDR特性とS/N比特性を
維持するには、クロック・エッジをできるだけきれいに保つこ
とが重要です。
クロックは、アナログ信号のように扱ってください。クロッ
ク・ドライバには、デジタル・ロジックやノイズを伴う回路と
共有する電源を使用してはいけません。クロック・パターンは、
ノイズを伴うパターンと並行に配置しないでください。対称に
配置された1 対の差動クロック信号を使用すると、環境に関連
するコモン・モード・ノイズの影響を受けにくくなります。
クロック・レシーバは、差動コンパレータのように機能します。
CLK入力で、クロック信号がゆっくり変化すると、急速に変化
した場合に比べて多くのジッターが発生します。クロックを低
振幅のサイン波入力で駆動することはお勧めしません。分周回
路を通じて高速のクロックを実行すれば、立上り/立下り時間
が短縮されるため、多くのシステムでジッターを最小限に抑え
ることができます。
CLK+
クロック入力モード
図15a∼eに、クロック・レシーバの動作モードを示します。図
15aに、CLK+とCLK−に直結された差動クロックを示します。
このモードでは、 CLK +信号と CLK −信号のコモン・モード
は1.6Vに近くなるはずです。図15bには、シングルエンドのク
ロック入力を示します。コンデンサは、CLK−ピンでの内部バ
イアス電圧(約 1.6V )をデカップリングして、 CLK +ピンの
スレッショールドを確立します。図 15c には、 AD9226 との下
位互換性を示します。このモードでは、CLK−を接地し、
CLK+のスレッショールドを1.5Vにしています。図15dには、
2つのコンデンサを接続してAC結合する差動クロックを示しま
す。図15eの回路を使用すれば、シングルエンド・クロックの
AC結合も可能です。
AD9244
CLK–
図15a.
CLK+
AD9244
図 15a または図 15d の差動クロック回路を使用していると、
CLK−が250mV未満に低下した場合に、クロック・レシーバ
のモードが変化して変換誤差が生じることがあります。クロッ
クが AC 結合または DC 結合されているときには、 CLK −を
250mVより上にすることが重要です。
CLK–
差動クロック入力(DC結合)
1.6V
CLK–
0.1µF
AGND
図15b.
シングルエンド・クロック入力(DC結合)
CLK+
SHAが
ホールド・
モード
SHAが
トラック・
モード
CLK+
AD9244
CLK–
CLK–
CLK+
AGND
図14.
SHAのタイミング
図15c. シングルエンド入力(AD9226とのピン互換性を保持)
― 20 ―
REV. 0
AD9244
がクロック状態から直接影響を受けるようになります。CLK+
がハイの場合、 SHA はホールド・モードになります。 CLK +
がローの場合、SHAはトラック・モードになります。TPC 16
に、クロック安定器を使用する利点を示します。 DCS ピンを
AVDDに接続すると、AD9244で内部クロック安定化機能が実
装されます。DCSピンをグラウンドに接続すると、AD9244は
内部タイミング回路で外部クロックの両方のエッジを使用する
ようになります(タイミング条件については、仕様を参照して
ください)。
CLK+
AD9244
CLK–
100pF – 0.1µF
図15d.
グラウンドとデカップリング
差動クロック入力(AC結合)
0.1µF
アナログ・グラウンドとデジタル・グラウンド
高速、高分解能のシステムでは、正しいグラウンドを設定する
ことが大切です。多層プリント回路ボード(PCB)を使って、
最適なグラウンドと電源供給を行うことをお勧めします。電源
プレーンとグラウンド・プレーンの使用には、顕著な利点があ
ります。たとえば、次のようなものです。
CLK+
AD9244
1.6V
CLK–
1. 信号パスとそのリターン・パスによって囲まれるループ領
0.1µF
域が最小になります。
2. グラウンド・パスと電源パスに対応するインピーダンスが
AGND
最小になります。
3. 電源プレーン、PCB 絶縁体、グラウンド・プレーンによっ
図15e.
シングルエンド・クロック入力(AC結合)
て、固有の分布コンデンサが形成されます。
クロックの消費電力
AD9244が消費する電力の大部分は、アナログ電源から得られ
ます。ただし、クロック速度が低下すると、デジタル電源電流
が減少します。図16に、電力とクロック・レートの関係を示し
ます。
600
550
AD9244-65
電力(mW)
500
アナログ電源のデカップリング
AD9244では、アナログ電源回路、デジタル電源回路、グラウ
450
ンド回路が別になっており、敏感なアナログ信号のデジタル信
号による悪影響を最小限に抑えるために役立ちます。一般に、
AVDD(アナログ電源)は、AGND(アナログ・グラウンド)
にデカップリングしてください。 AVDD ピンと AGND ピンは
隣接しています。図17に、アナログ電源対の推奨デカップリン
グを示します。 0.1µF のセラミック・チップ・コンデンサと
10µFのタンタル・コンデンサによって、広い周波数範囲でイン
ピーダンスが十分に低いものになります。デカップリング・コ
ンデンサ(特に0.1µFの場合)は、できるだけピンの近くに配
置してください。
400
350
AD9244-40
300
250
200
0
10
図16.
20
30
40
50
サンプル・レート
(MHz)
60
70
消費電力とサンプル・レートの関係
クロック安定器(DCS)
AD9244のクロック安定器は、ADCがクロック・デューティ・
サイクルの変動の影響を受けないようにする回路です。クロッ
ク入力デューティ・サイクルとは無関係に、クロック・デュー
ティ・サイクルを内部で50%に復元することで、システム・ク
ロックの制約を緩和します。クロックの立上りエッジ(サンプ
リング・エッジ)が低ジッターであることは必要ですが、立下
りエッジはチップ内で生成されます。
クロック安定器は、ディスエーブルにする方がよいこともあり
ます。クロック周波数を変更したり完全に停止させたときには、
ディスエーブルにする必要があります。なお、 AC 結合された
クロックでは、クロックを停止させることはお勧めできません。
クロック周波数が変更されると、クロック安定器が新しい速度
で安定するまでに100クロック・サイクル以上かかることがあ
ります。安定器をディスエーブルにすると、内部スイッチング
REV. 0
入力信号に混入するノイズを最小限に抑えるレイアウトを設計
することが重要です。デジタル入力信号は、入力信号パターン
と並行に配置せず、入力回路から離してください。AD9244で
はアナログ・グラウンド・ピンとデジタル・グラウンド・ピン
が別になっていますが、これらはアナログ部分として扱ってく
ださい。AGNDピンとDGNDピンは、AD9244の真下で接続す
る必要があります。電源とグラウンドのリターン電流が入念に
管理されている場合には、ADCの下のグラウンド・プレーンを
厚くすることも可能です。
10µF
+
AVDD
0.1µF*
AD9244
AGND
* 電源ピンのできるだけ近くに配置します
図17.
アナログ電源のデカップリング
デジタル電源のデカップリング
AD9244でのデジタル動作は、補正ロジックと出力ドライバの2
つのカテゴリに分類できます。内部補正ロジックでは、主にク
ロックの遷移時に比較的小さいサージ電流が流れます。出力ド
ライバには、出力ビットの状態変化時に大きな電流インパルス
が流れます。これらの電流の大きさと継続時間は、出力ビット
での負荷の関数になります。大きな容量性負荷は避けるように
してください。
― 21 ―
AD9244
図18に示すデジタル・デカップリングでは、0.1µFのセラミッ
ク・チップ・コンデンサと10µFのタンタル・コンデンサが適し
ています。デカップリング・コンデンサ(特に 0.1µF の場合)
は、できるだけピンの近くに配置してください。データ・ピン
での合理的な容量性負荷は、ビット当たり20pF未満です。大き
なデジタル負荷を伴うアプリケーションでは、デジタル・デ
カップリングを増やしたり、外部のバッファ/ラッチを使用す
ることを検討してください。
完全なデカップリング方式では、低周波リップルを問題になら
ないレベルまで減らすために、電源コネクタに大きなタンタ
ル・コンデンサまたは電解コンデンサを接続することがありま
す。
10µF
+
DRVDD
0.1µF*
AD9244
DGND
*電源ピンのできるだけ近くに配置します
図18.
デジタル電源のデカップリング
CML
AD9244には、電源電圧の半分のリファレンス・ポイントがあ
ります。これは、 AD9244 の内部アーキテクチャで使用され、
0.1µFのコンデンサでデカップリングする必要があります。最
大300µAの負荷をソースまたはシンクします。これ以上の電流
が必要な場合には、 CML ピンをアンプでバッファしてくださ
い。
VR
VRは、AD9244の内部バイアス・ポイントです。0.1µFのコン
デンサで、AGNDにデカップリングする必要があります。
CML
0.1µF
図19.
AD9244
VR
0.1µF
CML/VRのデカップリング
評価ボード
アナログ入力構成
アナログ入力構成の概要を表 V に示します。評価ボード上の
AD9244のアナログ入力は、コネクタS4を介するトランスまた
はコネクタS2を介するAD8138アンプによって差動的に駆動し
たり、コネクタS3を介するシングルエンド方式で直接駆動した
りできます。トランスまたはAD8138アンプを使用するときに
は、シングルエンド信号から差動信号に変換するように
AD9244評価ボードに両方のデバイスが構成されるので、シン
グルエンド・ソースを使用できます。最適な AD9244 性能は、
入力トランスを使用して500kHz より上で実現します。トラン
スを介してAD9244を駆動するには、はんだ付け可能なジャン
パJP45とJP46を接続します。DCバイアスは、抵抗R8とR28に
よって提供されます。評価ボードには、スルーホール・トラン
スと表面実装トランスの場所があります。低周波数を必要とす
るアプリケーションやDCアプリケーションでは、AD8138を使
用できます。AD8138は、優れた歪み性能とノイズ性能を提供
しつつ、 30MHz までの入力バッファリングをします。詳細に
ついては、AD8138のデータシートを参照してください。
AD8138を使用してAD9244を駆動するには、トランス(T1ま
たはT4)を除去し、はんだ付け可能なジャンパJP42とJP43を
接続します。AD9244は、S3を介してシングルエンド方式で直
接駆動でき、JP5を除去または挿入することによって、AC結合
または DC 結合が可能です。この方法で評価ボードを実行する
には、トランス( T1 または T4 )を除去し、はんだ付け可能な
ジャンパJP40とJP41を接続します。AD9244の入力をこのアプ
リケーションでの正しいコモン・モード・レベルにバイアスす
るために、抵抗R40、R41、R8、R28を使用します。
リファレンス設定
このデータシートのリファレンスのセクションで既に述べたよ
うに、AD9244は、内蔵リファレンスまたは外部リファレンス
を使用するよう設定できます。AD9244評価ボードには、外部
リファレンスD3とリファレンス・バッファU5があります。希
望するリファレンス設定を選択するには、ジャンパJP8とJP22
∼JP24を使用します(表VI)。
クロック設定
AD9244評価ボードは、最適な性能を実現するとともに、ユー
ザーが簡単に設定できるように設計されています。クロック入
力を設定するには、まず、はんだ付け可能なジャンパ JP11 ∼
JP15の正しい組み合わせを接続します(表VII)。具体的なジャ
ンパ設定はアプリケーションによって異なりますが、クロック
入力モードのセクションを参照して判断することができます。
差動クロック入力モードを選択した場合には、S5に適用された
外部サイン波ジェネレータをクロック・ソースとして使用でき
ます。クロック入力をバッファリングおよび矩形波にするには、
評価ボードでON Semiconductor社のクロック・バッファ/ド
ライブMC10EL16を使用します。シングルエンドのクロック設
定を使用する場合、S1には外部クロック・ソースを適用できま
す。
AD9244評価ボードは、HSC-ADC-EVAL-SCシステムなどの
データ・キャプチャ・システムで使用するTTL/CMOS レベル
でのバッファード・クロックを生成します。クロック・バッ
ファリングは、 U4 と U7 で提供し、ジャンパ JP3 、 JP4 、 JP9 、
JP18で設定します(表VII)。
― 22 ―
REV. 0
AD9244
表V. アナログ入力ジャンパの設定
差動:トランス
差動:アンプ
シングルエンド
入力コネクタ
ジャンパ
注
S4
S2
S3
45、46
42、43
5、40、41
R8、R28がDCバイアスを提供。500kHz+に最適。
T1またはT4を除去。低入力周波数に使用。
T1またはT4を除去。JP5: DC結合で接続し、AC結合では接続しない。
表VI.
リファレンス・ジャンパの設定
リファレンス
電圧
ジャンパ
注
JP8は接続しない。
内部
2V
23
内部
1V
24
JP8は接続しない。
内部
1V≦VREF≦2V
25
JP8は接続しない。VREF=1+R1/R2
外部
1V≦VREF≦2V
8、22
R26でVREFを設定。
表VII. クロックジャンパの設定
入力コネクタ
ジャンパ
S5
S1
11、13
12、15
該当せず
該当せず
9、18A
9、18B
3または4
DUTクロック
差動
シングルエンド
データ・キャプチャ・クロック
内部
差動DUTクロック
シングルエンドDUTクロック
外部
S6
5V
+
5V
–
AVDD
REFIN
信号シンセサイザ
2.5MHz, 0.8V p-p
HP8644
2.5MHz
バンドパス・フィルター
S4
入力
xFMR
–
3V
+
–
CLKシンセサイザ
65MHz, 1V p-p
HP8644
クロック分周器
図20.
REV. 0
S1/S5
入力クロック
評価ボードの接続
― 23 ―
+
GND DUT GND DUT
AVDD
DVDD
–
+
DVDD
AD9244
評価ボード
10MHz
REFOUT
3V
出力バス
J1
DSP機器
C27
10µF
10V
図21.
C28
0.1µF
–IN
7
D3
AVDD
U5
AD822
OUT
AGND; 4
AVDD; 8
― 24 ―
DVDDIN TB1 6
AGND TB1 4
DRVDDIN TB1 5
AVDDIN TB1 1
AGND TB1 3
DUTAVDDIN TB1 2
6
+IN
C6
22µF
25V
C48
22µF
25V
C47
22µF
25V
L2
L3
L4
C14
0.1µF
FBEAD
C53
0.1µF
FBEAD
C52
0.1µF
FBEAD
C59
0.1µF
L1
C29
0.1µF
FBEAD
R26
2kΩ
C58
22µF
25V
2
1
R16
2.55kΩ
AVDD
CW
5
DVDD
RED
DUTDRVDD
RED
AVDD
RED
DUTAVDD
RED
DIFFA
SECLK
C21
10µF
10V
C30
0.1µF
DIFFB
シート2
R4
DNP
R3
DNP
TP5
WHT
JP8
TP11
TP12
TP13
TP14
BLK
BLK
BLK
BLK
TP4
TP3
TP1
TP2
1
U5
AD822
OUT
AGND; 4
AVDD; 8
R20
2kΩ
–IN
+IN
R17
2kΩ
2
3
JP15
JP13
JP14
JP11
JP12
C23
10µF
10V
C22
10µF
10V
C50
0.1µF
C36
0.1µF
シート3
C39
0.001µF
DUTDRVDD
C1
10µF
10V
C41
0.001µF
DUTAVDD
C42
0.001µF
C33
0.1µF
JP22
C38
0.1µF
C32
0.1µF
C20
0.1µF
10V
DUTAVDD
C34
0.1µF
C35
0.1µF
JP24
JP25
JP23
VIN+
VIN–
DRVDD
DRVDD
DGND
C45
0.001µF
28
27
26
25
24
21
20
19
18
17
16
13
12
11
10
8
9
48
35
43
5
44
NIC
15
DRVDD
14
DGND
AVDD
OTR
AVDD MSB-D13
AGND
D12
AGND
D11
SENSE
D10
VREF
D9
REFGND
D8
REFB
D7
REFB
D6
REFT
D5
REFT
D4
CML
D3
VIN+
D2
VIN–
D1
CLK+
LSB-D0
CLK–
NIC
AGND
OEB
AGND
VR
AVDD
DFS
AVDD
DCS
DGND
AGND
C37
0.1µF
3
4
1
2
36
37
38
39
40
41
42
45
46
47
7
6
32
33
31
34
30
29
23
22
U1
AD9226/AD9244
C40
0.001µF
OTRO
D13O
D12O
D11O
D10O
D9O
D8O
D7O
D6O
D5O
D4O
D3O
D2O
D1O
D0O
C56 +
10µF
10V
R10
1kΩ
R6
1kΩ
R42
1kΩ
JP2
JP1
JP6
C2
0.1µF
AVDD
C57
0.1µF
AD9244
AD9244評価ボード、ADC、外部リファレンス、電源回路
REV. 0
REV. 0
図22.
― 25 ―
3
AD9244評価ボード、クロック入力、デジタル出力バッファ回路
B
R29
49.9Ω
JP18
2
A
2
C31
0.1µF
74VHC04
U4
S6
DATACLK
1
R18
4kΩ
R15
90Ω
R43
100Ω
VCC
Q
Q
VEE
R30
10kΩ
RESET
CLK
CLK
VBB
4
R27
2kΩ
CW
AVDD
74VHC04
74VHC04
U4
13
12
3
JP3
JP4
74VHC04
U4
C26
10µF
10V
C60
0.01µF
R38
10kΩ
AVDD
JP9
R9
22Ω
R7
22Ω
U3デカップリング
AVDD; 14
AGND; 7
U4
5
6
AVDD
4
3
2
1
C18
0.1µF
AVDD
C19
0.1µF
R39
49.9Ω
R44
CW 100Ω
R45
10kΩ
U3
MC10EL16
AVDD
5
6
7
8
R13
113Ω
AVDD
CW
R2
5kΩ
WHT
TP7
R19
4kΩ
C17
0.1µF
R25
33Ω
R23
33Ω
C61
0.1µF
D0O
C3
10µF
10V
RP6
4 22Ω 5
RP6
3 22Ω 6
RP6
2 22Ω 7
RP6
1 22Ω 8
RP5
4 22Ω 5
RP5
3 22Ω 6
RP5
2 22Ω 7
RP5
1 22Ω 8
RP4
4 22Ω 5
RP4
3 22Ω 6
RP4
2 22Ω 7
RP4
1 22Ω 8
RP3
4 22Ω 5
RP3
3 22Ω 6
RP3
2 22Ω 7
U4デカップリング
C10
0.1µF
AVDD
SECLK
D1O
D2O
D3O
D4O
D5O
D6O
D7O
D8O
D9O
D10O
D11O
D12O
D13O
OTRO
RP3
1 22Ω 8
D0
D1
D2
D3
D4
D5
D6
D7
D8
D9
9
U4
OTR
D0
D1
D2
D3
D4
D5
D6
D7
D8
D9
D10
D11
D12
D13
8
9
8
7
6
5
4
3
2
19
1
9
8
7
6
5
4
3
2
19
1
A8
A7
A6
A5
A4
Y3
A2
G2
A1
G1
74VHC04
10
11
12
13
14
15
16
10
Y8
Y7
Y6
Y5
Y4
Y3
Y2
11
12
13
14
15
16
17
GND
18
Y1
VCC
20
C5
C11
0.1µF 10µF 10V
+
Y8
Y7
Y6
Y5
Y4
Y3
Y2
17
GND
18
Y1
U7
74VHC541
A8
A7
A6
A5
A4
Y3
A2
G2
A1
VCC
20
C4
C12
0.1µF 10µF 10V
+
U6
74VHC541
G1
74VHC04
U4
11
10
D10
D11
D12
D13
OTR
16
9
10
11
12
13
14
15
16
OTR
CLK
8 RP2 22Ω 9
MSB
7 RP2 22Ω 10
6 RP2 22Ω 11
5 RP2 22Ω 12
4 RP2 22Ω 13
3 RP2 22Ω 14
2 RP2 22Ω 15
1 RP2 22Ω
8 RP1 22Ω
7 RP1 22Ω
6 RP1 22Ω
5 RP1 22Ω
4 RP1 22Ω
3 RP1 22Ω
2 RP1 22Ω
1 RP1 22Ω
DVDD
2
SAM040RAM
J1
40
38
36
34
32
30
28
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
HEADER RIGHT ANGLE MALE NO EJECTORS
R1
49.9Ω
1
R14
90Ω
C13
0.1µF
C49
0.1µF
R12
113Ω
SECLK
S1
AVDD
DIFFB
C46
0.1µF
R11
49.9Ω
DIFFA
DIFFCLK
S5
39
37
35
33
31
29
27
25
23
21
19
17
15
13
11
9
7
5
3
1
AD9244
AD9244
AVDD
JP5
C7
0.1µF
R40
1kΩ
シングル
入力
S3
C9
R5
49.9Ω 0.33µF
R41
1kΩ
JP42
JP40
C15
10µF
10V
AVDD
AVDD
VIN+
R32
10kΩ
3
1
アンプ入力
R34
523Ω
R31
49.9Ω
R35
499Ω
C8
0.1µF
JP41
C43
DNP
JP43
R46
33Ω
4
VCC
シート1
VIN–
R37
499Ω
U2
AD8138
8
S2
–IN
R33
10kΩ
C24
20pF
R22
33Ω
JP45
C69
0.1µF
C44
DNP
R21
33Ω
JP45
VO+
2
VOC
VO–
+IN VEE
R47
33Ω
5
6
ADT4-6T
1
R36
499Ω
P
T4
S
6
5
3
AVDD
4
NC= 2
XFMR入力
CW
S4
T1-1TX65
5
R24
49.9Ω
P
S
NC = 5
4
2
3
T1
図23.
R28
2kΩ
1
R8
500Ω
C25
0.33µF
C16
0.1µF
AD9244評価ボード、アナログ入力回路
― 26 ―
REV. 0
AD9244
入力
シングル
顧客評価ボード
入力
XFMR
入力増幅
図24.
REV. 0
AD9244評価ボード、PCBアセンブリ、上面
― 27 ―
AD9244
図25.
AD9244評価ボード、PCBアセンブリ、下面
― 28 ―
REV. 0
レイヤ1
AD9244
図26.
REV. 0
AD9244評価ボード、PCBレイヤ1(上面)
― 29 ―
AD9244
図27.
AD9244評価ボード、PCBレイヤ2(グラウンド・プレーン)
― 30 ―
REV. 0
AD9244
図28.
REV. 0
AD9244評価ボード、PCBレイヤ3(電源プレーン)
― 31 ―
AD9244
図29.
AD9244評価ボード、PCBレイヤ4(下面)
― 32 ―
REV. 0
AD9244
外形寸法
48ピンのLQFPパッケージ
厚さ1.4mm
(ST-48)
寸法はミリメートルで表示
1.60(最大)
0.75
0.60
0.45
ピン1目印
9.00 BSC
37
48
36
1
実装面
1.45
1.40
1.35
0.15
0.05
0.20
0.09
実装面
7°
3.5°
0°
0.08(最大)
同一平面
上面図
図A
25
12
13
0.50
BSC
図A
反時計方向に90度回転
JEDEC規格MS-026BBCに準拠
REV. 0
7.00
BSC
(ピンは下部)
― 33 ―
24
0.27
0.22
0.17
AD9244
― 34 ―
REV. 0
AD9244
REV. 0
― 35 ―
PRINTED IN JAPAN
C02404-0-1/03(0)
AD9244
― 36 ―
REV. 0